ラビリンス-過去への旅-16.戻った理由
レイモンドは部屋の隙間に施した自分にしかわからない仕掛けが寸分も 動いていないことを確認すると、やっと部屋に入った。
「何をなさったんです?」 ミンアがドアを振り返りながら聞いた。 「気にするな」 レイモンドは一人掛けのソファーに優雅に腰掛けながら、 小さく笑って答えた。
≪いいか。このホテルに入る時は慌てた様子を見せるんじゃないぞ≫ ジョアンはレイモンドの言葉に忠実に、胸の内に逆らって冷静を装い ホテルのフロントを通過した。 ジョアンはレイモンドの指示通りに動いた。 まずエレベーターを20階で降り、レイモンドの部屋がある18階に 階段で降りた。 そしてレイモンドの部屋をノックする前に彼の携帯を一度鳴らし その合図と共に開けられた部屋へ滑るように入った。
この回では、とうとうジニョンがドンヒョクの手中から離れてしまい、 レイモンド・ミンア・ジョアンの三人とドンヒョクがジニョンを探し回ることに^^;
そこで、ジニョンにどれほど危険が迫っているか、ということを 私はレイモンドの行動や言葉を使って表しているのですが、それは実際の敵である男達を あまり露骨に描いていないことが理由です。 例えばだれそれを殺害してしまうことであるとか、だれかに酷い暴力を振るっている場面だとか 実際のところはあまり書きたくないもので^^; しかしながら、内容的には怖くない輩でないと、サスペンスにならない(笑)
「しかしもっと憎むべき奴がいる。・・・いつか・・ そいつをこの世界から抹殺してやる。そう決めていた。 5年待ったんだ。 ずっと・・この機会を狙っていた。 邪魔をする奴は誰であろうと容赦はしない。それが君でもだ。 ・・・わかったら今すぐ・・・僕の目の前から・・・消えろ。」
そして、その怖い輩に立ち向かうべく、ドンヒョクは戻って来たわけですから^^
恐ろしさがあまり伝わらない書き方で大変申し訳ないですが、そういう理由で 敢えて書いていないということをご理解くださいませ^^
kurumi2012.8.8
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