ラビリンス-過去への旅-17.写真に隠された謎
ジョアンに気づかれぬようにホテルの部屋を出る時、ルカは ジニョンから携帯を取り上げ、ベッドの上に置いた。 その携帯には※GPS機能が付いていることを認識していたからだった。
ルカはホテルを出るとタクシーを拾い、「ミラノ中央駅」と言った。 ジニョンは隣に座るルカの顔を覗いた。 その目は遠くを見ているようで、自分が連れ出して来たにも係わらず ジニョンに対して神経が行き届いているふうには見られなかった。 「何処へ?」 ジニョンは彼女の横顔にそれだけを聞いた。
「ローマへ」
「目的は?」
「今は言えません。」 短い言葉だけでジニョンに答えるルカは ジニョンの腕だけをしっかりと掴んで正面を見据えていた。
ルカの行動は常軌を逸していたが、ジニョンには不思議なことに 彼女に対して緊迫した恐怖心は生まれていなかった。
それよりも彼女のことが気掛かりだった。 ≪いったい何があなたにこんなことをさせているの?≫ ルカの横顔を見つめながら、ジニョンは胸の内で呟いた。
この物語を書くに当たって調べていて初めて、イタリアがGPS機能を 活用していないことを知りました。 何かを書く時には、それが合ってるのか調べるように心がけています^^ 探求するわけではなく、間違っているかどうかだけは知っておきたいので^^; そして今回のように、間違っている、とわかった上で書くこともあります(笑) その方がストーリー的に書き易いと思った場合はですが^^
日本語はとても難しくて、認識していた意味とまったく違う、ということも多々あります。 例えば、前にも話したことがあるので、知っている方もいらっしゃると思いますが、 MV「標的」の中の「胸に落ちる」というフレーズ。 あれは「手に落ちる」が正しい言葉ですが、流れ的にドンヒョクの胸に落ちた方が素敵^^と 思ったことと、「彼の手を取るのか」というテジュンに向かったフレーズとの比較のために、 敢えて間違ったまま使いました^^; でも「あの人日本語も知らないのね」と思われるのは嫌なので(笑) その時も弁解はしていましたが^^;余談でした^^
さて、ラビリンスでは、ジニョンは緊迫した状況に落とされながらも、 ルカという子に対して恐怖心を覚えません。それはジニョンの「人を見る目」(笑) 或いは楽天家過ぎるから?なのでしょうが、私は物語の中で、どんな人でも ジニョンにかかると心を開く、という信念を持って書いています^^
あのシン・ドンヒョクが心を救われた人ですから^^
kurumi 2012.8.9 |