全員でスヒョンさんに黙祷を捧げ、授与式が始まりました。
今年奨学金を授与されるのは53名。そのうち29名が出席されました。日本語学校から応募してきたたくさんの学生さんたちの中から選ばれた栄えある奨学生の皆さんです。中国、韓国、ネパール、インドネシア…..というアジアからの学生さんたち。この日のために遠方から駆けつけた学生さんもいらっしゃいました。



一人ずつ名前を呼ばれ、谷野会長から奨学金目録が渡されます。スヒョンさんの崇高な精神から作られたこの奨学会の主旨を理解して、美しい日本語を学んでくださいと会長さんからの言葉でした。
奨学金は昨年まではひとり15万円でしたが、今年から10万円になったそうです。
「かけはし」にも書かれていましたが、昨今の経済情勢の悪化の影響を受けて寄付金が減少し、奨学会の運営は厳しい状況にあるそうです。「秀賢の意思を受け継ぐ奨学会をできるだけ長く存続させてほしい」というご両親のご意思を尊重して奨学会の活動が今後も長く継続できるよう今年度はやむを得ず支給額を下げさせていただきました、とのことです。

授与のあと、ゲストとして石巻専修大学准教授の小山修一さんがお見えになり、ご自身が書かれたという詩集「韓国の星、李秀賢君に捧ぐ」の一節をハングルで朗読されました。
ときどき目を潤ませて聞いていたご両親でしたが、とてもお喜びのご様子でした。この詩集は今回の奨学生の皆さんにプレゼントされました。

小山修一さん


いつものようにみんなの気持ちとして花束を用意してスヒョンさんの遺影の前に置いていただきました。そして奨学生のみなさんとの記念写真ではオモ二ムが持ってくだり、おそらく新大久保にお参りされるときにお持ちくださったことと思います。

授与式のあと、ご両親とお話しする時間が少しありました。
もうご両親にはお馴染みの顔ぶれなのか、オモ二ムは嬉しそうに近づいてきてくださって、
それぞれが、通訳の方を通じてお話ししました。ハングルで頑張ってる人もいらっしゃいましたね。
私は先日ピース登山で富士山に登ったことをアルバムを見せながら少し話しました。
けっして容易くない富士登山….マウンテンバイクで山頂まで登ったスヒョンさんは只者でないです。お天気に恵まれたのもスヒョンさんのパワーですよ、と。

同じ文化会館内の別フロアで行われていた「語学留学生の祭典」を覗くと、今年もたくさんの学生さんたちの熱気であふれていました。 その中のステージでスヒョンさんの歌を学生さん有志が歌うというので聴いてきました。


一昨年からの朗読劇「李秀賢頌歌」のときにも歌われた曲「忘れないよいつまでも」と更に「Birth」とういう歌の2曲の合唱でした。
「忘れないよいつまでも」はスヒョンさんの追悼登山のピース登山主催者の中村里美さんの作曲。そして「Birth」はピース登山隊長のヘンリ未来さんの曲です。 「Birth」は命の尊さをうたった詩で素敵な曲でした。
8年たっても、こうしてスヒョンさんのために詩集を書いたり歌を作ったりと、たくさんの人の心にスヒョンさんは残っているのですね。

来年のスヒョンさんを偲ぶ会の予定がもう決まっているそうです。
　
　1月26日（火）PM4時～6時
　高田馬場BIGBOX　９階　INAMON　
　会費5000円