ジニョンがNYに来て四日が過ぎたジニョンはホテルのベッドの上で大きく溜息をついた未だにドンヒョクの心が掴めず、気持ちだけが焦っていた ドンヒョクssi あなたって強情ね 私をこのままひとりにするつもり? 私はあなたを・・・ 本当にあきらめなきゃいけないの? あなた、前に私に言ったわね あの時・・アメリカにあなたを追いかけなかった私に 《僕をあきらめることが出来たの?》 あなたにそのままお返しするわ ドンヒョクssi 私をあきらめることが出来たの? 私は? いいえ、私は・・・・あきらめないわ ドンヒョクssi 私だってあなたに劣らず強情なの 知ってるわよねジニョンは自分自身を奮い立たせるように勢いをつけてベッドから飛び起きると、身支度を始めたそしてジニョンはまた彼の事務所の前に立ったしかし事務所に入っても色々口実をつけられ逢わせてもらえない 先日のレオssiの忠告が脳裏をかすめた 「ジニョンssi・・・悪いことは言わない ここはあきらめてソウルへお帰りください・・・ ボスはそう簡単に自分の考えを変えるやつではない あなたがこうして追い込めば追い込むほど ボスは心を閉ざす。今は・・・」 「追い込む? 私が彼を追い込んでいると言うんですか? でもいいわ・・それならそれでも・・ レオssi・・・ 私が簡単に引き下がる女に見えますか? どれほどの決心でここへ来たと? あの人が、私を愛してないのなら あきらめもします でも、あの人は私を愛してるわ・・・。 それなのに、私から離れることが 私の幸せだと思ってる それが私の為だと思ってる・・・ それは正しいことですか? いいえ、間違ってるわ・・そんなこと・・・ 私は帰りません。 あの人の心を取り戻すまでは・・・」 レオssiは私の話を聞いた後 ドンヒョクssiの行きそうなところのリストをくれた そして、笑顔を向けてこう言った 「確かにボスは自分の考えを決して変えない男・・・ でも、そうでしたね・・・ あなたのこととなると・・・・例外だった。 ジニョンssi・・・あなたならきっと・・・彼を・・・。 どうか救ってやって下さい・・・フランクを・・・」 ええ・・・・レオssi・・・ でもどうやって・・・彼の心を・・・レオに向かってあれほど強気なことを言ったものの次第に萎えていく自分の心とジニョンは懸命に戦っていた 時間がこんなにも無情に過ぎていくのに いつまで経っても・・・あなたに逢えない・・・ でも、今日こそは・・・・そう思っていた 出てくるところか、入るところ・・・そこを捕まえるしか あなたに逢える手立てが無い・・・ 今日こそ・・・私はそう決心していた それにしてもあの男の人、私をずっと見ているような気がする 気のせいかしら・・・ホテルでも見かけたような・・・ テジュンssiがひとりで歩く時は、置き引きなどに気をつけて 夜は決してひとりで出かけるな、と言っていた わかってるわ・・・私は大丈夫よテジュンssi 何見てるのよ 私はその男を睨み返してやった・・・ お昼過ぎにドンヒョクssiがレオssiと一緒に事務所から出てきた 私は慌ててcafeを出て走った 彼が車に乗りこむ前に・・・今日こそは・・・ 「シン・ドンヒョク! 待ちなさい!」 あなたは案の定驚いて私を振り返った いい?・・今日は絶対に逃がさない 「シン・ドンヒョク!いったい何してるの! いつまでこんなことしてるつもり? 私の気持ちを無視して 自分勝手にいなくなって 私をひとりにして ひとりぽっちにして 私から逃げて何が解決するの? 言ったでしょ!私・・ あなたがどんな人でも嫌いになんてならないって そのままのあなたを受け入れるって 私がそばにいて必ず守ってあげる そう言ったでしょ! あなたは何もわかってない! 私がどんな女なのか・・ちっともわかってない! 何もいらないのよ 豪華なドレスも 高価な指輪も 立派な結婚式も 立派な家も 薔薇だって300本もいらないの! あなただけでいいの あなたがいれば あなたが私のそばにいて 笑ってさえいてくれたら あなたが黙って・・ 私を抱き締めてさえいてくれたら それだけで私は幸せなの そんなこともわからないの! 私が傷つくのが怖かったら 私を失うことに怯えてるなら 絶対に傷つかないように どんなことしても失わないように 私を全力で守りなさい! あなたがまた暴走したら 私は必死であなたの手を掴んでる 決して離したりしないわ あなたを抱き締めて その燃えた火を必ず消してあげる いい? 私は!あなたの前からいなくならないの 決して消えたりしないの 夢の中だって・・出て来てたでしょ? そうでしょ? あなたが逃げたら 私はまたこうして何処でも追いかけていく ずっと・・ずっと・・その繰り返しよ やってみる? やってみなさい!・・・でも・・・ でも・・・ そんなの何の解決にもならないわ!」ジニョンは大きな声を精一杯張り上げて彼に向かって叫んでいたいつしかそれが涙声に変わってしまって、胸が苦しくなっても彼に伝えたいことを言うまではと、心にしっかり言い聞かせながらそこが通りの真ん中ということもお昼時に行き交う多くの人々のことも何もかも・・・関係無かったドンヒョクの心を取り戻したいそれだけがジニョンを突き動かしていた目の前にはまだ目を見開いたままのドンヒョクが立ち尽くしていたジニョンの目からは涙が溢れ 顔は真っ赤に上気していた二人の間にしばらくの沈黙の時が流れるとドンヒョクはやっと正気に戻ったように動き始めたジニョンの方へ ゆっくりと そしてまっすぐに彼女の愛へと向かって進んだドンヒョクは自分の胸が破裂しそうなほどに高鳴っている事実をかみ締めながらソ・ジニョンという女に向かって歩いたそして彼は辿り着くべき所へ辿り着き、精魂尽き果てたとばかりに彼女へと倒れ込むように身を委ね、そして彼女を抱き締めたドンヒョクは彼女の肩の上に頭を落としたまましばらく動くことができなかったジニョンには彼が泣いているように感じて彼女もまたそのまま彼の言葉を待っていたしかし彼は無言のまま、やっと動かした手で彼女の髪を撫でその耳に唇を寄せ囁いた 「ジニョン・・・・・ 何やってるの? こんなところで 人が見てるよ 恥ずかしいでしょ」いつもの・・・少し意地悪そうなドンヒョクの優しい声だった 「関係無いわ・・・」ジニョンはそう言ってドンヒョクの背中に両手を回した ここが何処かなんて関係無かった 周りにどんなに沢山の人がいようと関係無かった 私にはあなたの存在そのものが全てだった こうしてあなたの声だけが聞きたかった あなたが前に私に言った ≪僕だけを見て 僕だけの声を聞いて・・・≫ その時から 私は・・・ あなただけを見て あなたの声だけを聞いていたのよ・・・ レオが、今日どうしても行かなければならない取引先があるという 昨日から僕は事務所の仮眠室から外に一歩も出なかった ジニョンと目を合わせるのが怖かったからかもしれない 自分の決心が揺らぐのを恐れていた それでも仕事に向かえばそれも忘れる そう思ってレオの指示に従った 車に乗りこもうとした時 ジニョンの声が突然投げつけられた ≪シン・ドンヒョク!待ちなさい!≫ ジニョン・・・ そんなに顔を真っ赤にして、そんなに涙をためて・・・ 僕のために? 僕なんかのために? ああ・・・ジニョン・・・ 僕は君のその愛を受けとってもいいの? 僕は君から目が離せなかった そして君の元へ向かった ゆっくりと・・・ ああ・・これがもしも夢だったら・・・ 辿り着く前に消えてくれ 僕は静かに、君を確かめるように抱き締めた 夢ではなかった・・・ 間違いなく君のぬくもりがそこにあった・・・ 僕の腕の中で、君の鼓動もまた 僕と同じように高鳴っていた・・・二人が互いを確しかめるように抱き合っているのをレオは目を細めて見つめていた ボス・・・今日の仕事はキャンセルだな・・・ それから、ジニョンssiの護衛も解いていいな 俺が気がつかなかったとでも思ってたか ジニョンssiが来てから、彼女に護衛を付けただろ 見覚えのあるやつが彼女の後ろをうろついてるぞそしてレオは二人に声も掛けず、ひとり事務所に消えていった ドンヒョクssi・・・・ このまま私を教会に連れていって・・・ 二人だけで結婚式を挙げましょう あなたがいつも懺悔して、祈った教会で 二人だけで・・・・ 二人だけで? 牧師さんや証人は? いらないわ 証人は私とあなたの心よ あなたは私に対していっぱい懺悔して そして誓って・・・・もうこんなことをしないと もう何処にも行かないと・・・ もう何処にも行かないよ もう決して 君を置いて何処にも行かない・・・ ジニョン・・・・ 僕は自分の心に恐れをなして 君を置いてきた それが君のためだと本気で思ったんだ でもやっぱりそれは 出来そうも無い・・・ そうだよ 僕の心はこんなにも君を欲しがってる 降参だ・・・ジニョン・・・ 僕は君を離さなくてもいいんだね それでいいんだね 君は僕を守ってくれると言った 僕は君に守られなければ生きていけない その通りだよ・・・ 君と離れていた日々 君と触れ合えなかった日々 僕の心は死んだままだった それを君が 君の心が 眠っていた僕の心を呼び覚ました だからジニョン・・・ 僕の心も 僕の身体も すべて・・・ ・・・君のものなんだ・・・------------------------------------------------