【 koko の Valentine's Day 】 12話
すなおは大人気ない行動に反省しながら、携帯を取り出し、
koko にメールを
…
== ちょく ==
おきた。
Re == koko == Re
うん!
Re == ちょく == Re
そう。
Re == koko == Re
心配しなくていいよ。
Re == ちょく == Re
少しだけど、仕事に行く前によるよ。
今、職場についたところ。
すなおは、腕時計を見た。
まだ、7時になっていなかった。
Re == ちょく == Re
はやいんだな~
Re == koko == Re
昨日の続きを
…
Re == ちょく == Re
ああ~ ごめん。
Re == koko == Re
ちょくさんがあやまることないわ。
相変わらずぶっきら棒なメールのやり取りの画面を
koko
は、眺めていた。
次のメールが途切れた。
いつも最後は、お互いに じゃ~ なのに
…
白衣に着替え髪の毛を後で束ね、下準備にとりかかった。
確かに、昨日のようにワンクールとしての区切りはよかったが、
いったん中止するとあらためて、試液や器具の準備を
やり直さなければならなかった。
仕事の開始時には、すぐにとりかかりかったので、下準備を
…
… トントン …
koko は、振り返った。
「 おはよ~
」
「 おはよ~ コーヒー飲む 」
「 コーヒーかあ~ 」
「 何かたべるものないかな~
」
「 朝食ぬきなの~ 」
「 まあなあ~ 」
「 はい。 コーヒー飲むでしょ~
」
バックからハンカチに包んだクッキを取り出し
「
どうぞ。 もっと持ってくればよかったわね。」
「 いいよ。 koko の分だろ~ と、 言いいたいところだけど …
」
と 言いながら ちょくは受け取った。
「 寝ていないんだろ~ 」
「
そうでもないわ~ おきる時間が1時間半ぐらい早いけれど
それまでは、普通に熟睡よ。
ちょくさんは、朝からさえない顔しているわね。」
「
心配して損したかな~ 」
「 何を心配するの~
」
最初は、僕に心配をかけないために振舞っているのかと
思っていたが、そうでもなさそうだ。
「
…… 母や、祖母から昨夜の事聞いたからさあ~ 」
「 なんて~? 」
「 いや~ まあ~ koko
に言ったと言う事を聞かされた。」
「
じゃ~ そう言う事でしょ~ あらためてと言われていたわ。
だから、あらためてとおっしゃられておられたように
ご連絡いただくまで待てばいいと言うことでしょ~
」
「 まあ~ なあ~ koko はどう思う。」
「 どう思うって … 」
「 母達 …?
」
「 ぅん~ そうね。 いろいろご事情はありそうね。
でもね。
考えてもわからない事は考えない事にしているから …
それとも、ちょくさんは心当たりあるの~ 」
「
いいや~ まったく! というか、僕の事は関係あると思う?
」
kokoは、話を聞きながら手際よく仕事の準備を続けている。
「 何か手伝うことがあったら言って
… 」
「
そぉ~ じゃ~ この試験管番号の順番に試験たてに
ならべていただこうかな~ 」
と、 koko
が試験管と試験管立てをゆびさし、指示をした。
ちゅくもこの手の仕事は手慣れたもので話しを続けながら
番号順に並べた。
「
それで、関係あると思う? 」
「
どうかな~ わたしてきには、ちょくさんの事より
私の、身の上が気になられたという感じはしたわねえ~ 」
「 ……
? そうなの? koko クッキーもう1枚しかないよ。」
「 ああ~ 食べていいよ。 チョコも持っているし …
」
「 いや! 残しておくよ。 ご馳走様。」
「 ちょくさん! 時間の方大丈夫なの?
」
ちょくは、部屋の壁にかけられた時計に目をやり、
「
あと、10分ぐらいかな~ これっていつ終わるの~
そうね。 昨日半分終わっているから、4時間ぐらいかな~
1時ぐらいに終わって、少し休憩取ったら、2~3時間で
整理しておわりかな~
今日は、それでかえるわ~ 少し、つかれているし
… 」
「 ごめん。」
「
いやだあ~ 違うわよ。 先週ほとんど 21時 22時で、
週あけもず~っとだったから、昨日で終わって
今日 ・
明日はゆっくりしようと思っていたから。
だから、今日 早く出てきたのよ。」
「
そう。 僕は先週から外来なんだ。
病棟や救急だったら、泊まりこみが多いけれど、
外来は5時過ぎには帰れると思うから、帰りよるよ。
食事一緒にしょう。
じゃ! そろそろ行きますかあ~ 」
koko
は壁に掛けられた時計を見上げた。
「 大丈夫。 まにあうの~ 」
「
朝は、急行の本数が多いから大丈夫。 じゃ … 」
「 じゃ~ お見送りできないけれど …
」
手をふるちょくさんの後姿を見送りながら、
手は休まず試験管を並べていた。
koko は 大学の付属病院の 病 理 部
に勤務している。
病理部は、臨床各科で採取された細胞や組織を顕微鏡で
観察、診断する部門で、例えば腫瘍が疑われる場合、
病変一部を採取し生検が行こなわれる。
この病理学的診断は、治療方針を決定する上で大変重要なものである。
また手術で切除された臓器を肉眼的、顕微鏡的に観察し、
腫瘍の悪性度や進行度、完全に切除されたかを
判断することも重要な業務こなしている。
ほかに、迅速診断による手術支援、免疫組織化学や電子顕微鏡で、
診断や病理画像のデジタル化により正確で、迅速に推すすめている。
2年目の
koko はまだ、上司の管理のもと、仕事をこなしている。