《 続 》【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ … 2話 】呼子が園田家を訪れ 2時間ぐらいすぎたころ母、 直穂子 と 姉、光子が到着した。呼子は二人と顔を合わすのは久しぶりだった。呼子は華子を慰めながら報告を聞く母と、一段とたくましく思えた光子を眺めていた。光子は、 華子からの報告を聞いたあと、すぐに受話器をとり華子からちょくさんの電話番号を聞き、 ダイヤルボタンをおした。「 すなお。 お姉ちゃんの光子どす。あんたが喪主やで~。 はやく帰ってきなさいよ。」と、 その言葉に華子さんも母も勿論 私も驚いた。あの時以来、光子は直にあっていないはずだ!「 あなたも急な事で大変でしょうけれど、すなおの帰宅にあわせて事を進めますから … ええか~ すぐに、チケットとりなさい。それに合わせて、 お仕事整理して、 帰ってくるのよ。とにかく、 葬儀やさんにご相談してこと進めますから。1時間後にお電話かけなおすから、 いいね~ 」とだけ伝え、 受話器を置きかけたが、呼子をちらっと見て手招きした。「 直。 ちょっとお待ち。 呼子と変わるから … 」呼子に受話器を渡しながら 「 あんたからも、 はよ~ 帰るようにお話してね。」そう言い残し、光子は葬儀業者の元へ …呼子はためらいながら受話器を耳にあてた。「 呼子です。」(直)「 …… 」(呼子)「 …… 」「 元気だった?」「 ちょくさんは …? 」(直)「 …… 」呼子はなつかしかった。10年あまり前のぶっきらぼうな二人の会話がそこにあった。(呼子)「 …… 」「 じゃ~ 」「 気をつけてね。 …… 待ってるから … 」「 …… うん! 」光子は呼子の様子を気にしながら葬儀業者と手際よく話を進めた。そうこうしていると、 弔問の訪問も増え始め、あわただしくなってきた。呼子は光子の指示で、 和室の客間の光太郎のもとへ案内する。光太郎の遺体のそばに妻華子が …華子のそばには、直穂子がついていた。光子は慌しく動き回っている。直は、 受話器をおき、呼子の「 気をつけてね。 …… 待ってるから … 」の声が、 耳からはなれなかった。光子が一方的に話ている時はまだ決断していなかったが、呼子の電話を待ち続け、やっと耳にした呼子の声を聞き迷う事なく決断し、 行動に移った。インターネットからチケットの手配をすませ身支度をはじめた。もう、 ひとりの自分が驚いている。直が長く踏み入れなかった園田家についた時には、葬儀の手配のすべてがすまされいてた。光太郎との対面のあと葬儀式場に遺体は運び込まれた。身内だけでひっそりとと言う光太郎の遺言にもかかわらず、盛大な葬儀はすべて事無く、終えられた。夕刻。 直、 華子と呼子。そして、加賀美家の直穂子と光子、光子の夫、子供とが園田家に戻ってきた。その後、 料亭の筒井の配慮で用意されていた夕食をみなですませた。筒井のおじたんさんもすでに他界し、 料亭を引き継いだおじたんさんの長男が仕切った。加賀美家の光子の夫と子供達は夕食のあと、数時間後に京都に帰っていった。加賀美家の客間に葬儀業者の手で49日まで飾りつけられた祭壇を前に直と華子 直穂子、 光子がすわっていた。直の眼差しは、園田家に足を踏み入れた時から、呼子を追い続けた。直の目には呼子しか写らなかった。しかし、 その席には呼子がいない。呼子は? と頭をよぎった時に …「 なお。 みなさまにご挨拶を… 」直は我にかえり、 姿勢をただかけると、 光子が「 華子ママ。 そんなかたぐるしいこといわはらんとって … みなさん。 お疲れさんどした。 園田パパも直の立派な喪主の姿 …喜んで、 はりますやろな~ それにしても、直、いっこうにおかわりなくかっこいいどすな~ どうしてはったん。
連絡くれはらんと … 」と、 光子がしゃべりつづけた。直は、 光子のさりげなく自分の事を 「すなお」 と言い、母を 「 華子ママ 」 父を 「 園田パパ 」 と口にした言葉に驚きをかくせなかった。そこへ、 呼子がお茶とお茶菓子を運んできた。「 こちらにおかせていただいていいのかしら … 」と、 座敷テーブルにお盆からお茶とお茶菓子をおきかけると、光子が立ちかけるより早く、 直が呼子のそばに行き、 手伝った。「 いややわ~。 おとこはんが~。 私がしますさかいに … 」それでもやめないで、 手際よく呼子を手伝った。座敷テーブルの前にみなが座った。華子と直が並び、直穂子と光子その横に呼子がすわった。勿論、 直は呼子に視線が …「 呼子ちゃんおいしいわ。」と、 光子はそつがなかった。「 すなお 。 まだおひとりどすか?お電話切った後、そのあたりが気になって、ひょっとして苦手な英語でお話をしないといけない、 おひとが一緒に帰ってきはるのと違うのかなんて心配で … 一緒には、 きはれへんかったけど、 もう! どなたかと結婚しはったの? 」直はちらっと呼子を見た。そのしぐさを見逃さなかった光子が「 まさかふたりそろってこのお年までひとりと言う事おへんやろな~直が呼子に見つめたあと、 うつむき口元が少しゆるんだのを目にした光子は「 いや~ まだおひとりどすか~ かなんな~美男。 美女。 自慢の我が弟と妹が … ほんまにふたりこうしてみてても惚れ惚れするぐらいのええカップルどすのになあ~ 兄妹ではなあ~ 」感の鋭い光子は今日1日。数時間で直と呼子がまだお互いの思いがつのっていると察し、兄妹と言う言葉で釘をうったのだろう。直穂子の様子が …直穂子が姿勢を正し、 大切な話があると誰もがまだ知りえない出来事を話はじめた。