《 続 》 【 koko の Valentine's Day♪ … 白いページ … 23話 】 ここ数年で、 加賀美家の祖父 勝彦。 祖母 八重。 そして、 直の父 光太郎。 が 他界。光太郎の初七日を迎える前に、 しておかなくてはならないことは、なんとか片付いた。初7日は、身内だけで、園田家のすなお。 母 華子。加賀美家からは、 両親 良樹 直穂子 呼子 と 光子。光子 の 夫 と 3人の子供たち。無事にことなく終え、 その後、 料亭筒井の後を継いだおじたんさんの長男がすべてを仕切り、用意された料理を 前に、 思いで話に花が咲き、9時過ぎに 父 良樹と光子の家族は、 京都に引き上げた。その後、 それぞれが客間に集まってきた。呼子 と 光子 が 数種類の果物を盛り付け、お茶を用意し運んできた。初七日が終わればいったんアメリカへ帰るといっていた直 の 具体的な話になった。誰もが、 葬儀の日に直穂子から話された話題には触れなかったが、呼子 は とにかく表現は悪いが、 一刻も早く逃げ出したかった。やはり、 呼子 は 直 と 共に渡米することした。明朝。 直 と 呼子 は チケット等の渡米の手続きを済ませ、呼子 の 希望もあり、 あくる日に旅立つことにした。あわただしく二人はその他の準備にかかった。直 、 日本から持ち帰る荷物はほとんどなく、少し大きめのショルダーバッグが1つ。呼子 も 直 が 必要なものはむこうで買えばいい。 という助言で身の回りの物だけをさほど大きくないボストンバックに詰め込だ。マンションの方も当分の間、 華子を一人にしてはおけないということで、 49日が終わるまでは園田家に直穂子 と 光子 が 宿泊することにはなるものの、二人は、 呼子 の マンションが休息の場として、また当分神戸での生活の場として使うことになるだろう。通常、 旅行等で家をあける時には、 冷蔵庫の中、ゴミ等の処理その他、 こまごまと気をもむが、ありがたいことにそのままにして渡米できる。渡米当日、 初七日を終えたという安堵からかみなの顔から疲れが隠せない。園田家の玄関で二人の見送りを済ませた。機内に乗り込んだ二人は睡魔に襲われた。直 が ひとりであれば、 エコノミーでよかったが、直 は 呼子 の ためにランクを一つ上げ、 ゆとりのある席も手伝ったのだろう 今までの疲れが一気に …3分の2ぐらい? いや、4分の3? は、寝ていただろう?その間 目が覚めても、 トイレタイムとのどの渇きで飲み物を補給する程度。お互いに顔を見合わせ会話もなく、 ほほ笑む程度でまたうとうとし始める。空港から 直 の マンションに直行した。閑静な住宅街にマンションは建っていた。直 が 連絡を入れておいたようで、 すぐに生活できるようにかたづいていた。直 の マンションに到着した時には、 機内でたっぷり睡眠をとったせいか時差は全く感じないで、 二人は、 今までここで生活をしていたかのようにくつろいだ。このマンションはホテル並みにフロントがあり、日常の雑用はすべて不自由なく生活ができる。掃除等は、 ハウスクリーニングという項目で、依頼すると留守の間に整えられている。直 は、 週2回ぐらい利用している。地下には、 日常困らない程度高級食材が並ぶこじんまりした店が数店入っており、大体そこで用は足す。電話一本で希望する商品は部屋へ配達されることも可能である。時折、 模様すパーティーとまでいかないが食事会という風に直 は 言っているが、日本でいう出前? のよに、運ばれてきて設定もこなしてくれる。内容によっては、調理人が数人。 その場で調理を …その他2人程度。 接待係が世話をしてくれる。キッチン ・ リビング ・ 寝室 ・ 書斎 の 他に ゲストルームは2室あるが、koko は、寝室はキングサイズのちょくのベットで一緒に就寝することにした。書斎も 直 の 書斎で 共有することにした。すぐに 直 は 職場に復帰し、 呼子 も 直 の 部屋にいてもこれと言ってすることもなく、 直 の 配慮で病院内に従業員と同等の扱いのシステムのカードの手続きをしてくれた。カード所得により病院内の特定部署のほかの出入りは可能だ。呼子 は 幼いころから 光子 と 呼子 には 祖父が語学を身に付けさせていたので、 特に困ることもなく溶け込めた。日本での 呼子 は、 病理部は臨床各科で採取された細胞や組織を顕微鏡で観察、診断する部門の仕事をこなしている。この病理学的診断は治療方針を決定する上で大変重要なものであり、迅速診断による手術支援、免疫組織化学や電子顕微鏡による検討、診断や病理画像のデジタル化により正確性、 迅速性を推進しているが、 短期間で何をどうできるというものでもないあが、目にするもの、 聞くものすべてが勉強になった。書類申請も 直 が 書き込み 呼子 の 手を煩わすことはなかった。提出された書類内容も問題なく、希望する研究室に特別扱い待遇で許可が下りた。勿論。 長い間ちょくが積み重ねた人望の厚さから待遇されたのだが、koko は、朝早くから夜遅くまでちょくや周りの者を驚かせるぐら没頭した。ちょくも1週間留守にしていた仕事を片づけるのに時間をとられ、気になりながら2週間が過ぎようとした。一段落したちょくが、2-3日休暇をとりゆっくりする事を提案したが、koko はあらゆることが目新しくなかなか了解しない。ちょくは、何かに取りつかれているようにも思える koko を見つめながら、今、こうして模索しているのだと理解した。いよいよ、来週後半には光太郎の49日が …二人はいつもより早めに仕事が終わり、ちょくの運転する車で遠回りして、ドライブを楽しみながら、ちょくのおすすめのレストランへ …珍しく、ワインの勢いもあったせいか、 koko が仕事の話をつぎつぎと話した。しかし、そんな koko からちょくは感じ取った。出生の話に触れられることを拒み、まだ、受け止められないでいるのを、不器用な koko はこのような形で殻の中に …koko が手洗いに席を立った時、ちょくは少し離れたところにあるこじんまりとしたホテルの一室を予約していた。勿論、飲酒運転で帰るということができないということもあったが、日本へ帰る前にあることを話しておきたかった。 ------------------------------------------------