お任せして … 」それぞれが、 光子の仕切りのもと、 夜食の支度をし、最初は、 食欲がないと言っていたが、それなりに、 口に運んだ。日も変わり光子が「 今日のところは、 これにてお開きとしましょ~ 」華子と直穂子と光子は光太郎の遺骨をおかれた客間で一緒にやすむ事にした。呼子はマンションへ帰ると言い、 光子 が 直 に付き添うように言い渡した。直 は、光子 に言われなくてもそうしようと思っていた。華子が 直 に 車の鍵を渡した。数年前から、 光太郎が車にのらなくなったあとも、直 がいつ帰ってきてものれるようにと、業者に定期的に点検を依頼していた。車の中での二人は、 ほとんど口をきく事はなかった。直 は時々 呼子 の様子をうかがった。呼子 は、 伏せ目で動く景色を見ているのだろうか?時折ハンカチを目にあてた。直 は胸が張り裂ける思いでそんな 呼子 を …ものの15分程度の道のりが数時間に 感じた。マンションに到着したが、 呼子 は車から出ようとしない。直 がドアをあけ、 「 呼子 … 」 と声をかけ、 肩をゆらした。「 あっ! ついたのね。」「 大丈夫? 」「 番号は?」「 いっしょよ。 ああ~ 時間がたち過ぎたわね。覚えていないわね。」直 は、 マンションの扉の開閉解除の暗証番号の数字をおした。呼子 は驚き、 直 の背中を眺めていら涙がこみ上げてきた。直 は 呼子 の肩を抱き、 マンションの中に …数ヶ月前に1年がかりでマンション外壁その他のリニューアルがされ、 塗料のにおいが鼻をついた。二人の間の10年のときの流れは、 とまったままだった。マンションの扉の開閉の暗証番号の数字ボタンを押す、直 の指が、 二人の間の時間の回路をつないだ。エレベーターにのり、 直 が 階ボタンを …部屋の前に立ち 直 はキーフォルダをだし、鍵を鍵あなに差し入れかけたが、 呼子 が「 はい。 これで … 」「 鍵は変えたんだね。」「 この間まではその鍵で …今回のリニューアルで全部屋の鍵が変えられたのよ。前の鍵はすてて~ 」直 は渡された鍵で …呼子 に鍵を渡すと、 この鍵は … 」と、 直 の手に握らせた。直 はキーフォルダーにつけ 、 呼子 に鍵をつけたキーフォルダーを 揺らしてみせた。