番外編 【 koko の Valentine's Day♪ 直呼 (tyoko) 4話 】呼子 が 目を覚ましたのはベットの上だった。” えっ! どういうこと? ”ソファーで眠りっている 直 も 目を覚ます様子もなく、 呼子 も ひざかけをかけ ソファー に 横になった。確か部屋着のままだったはず?カーテンの隙間から日が差し込んでいる 今 寝衣に着替えていた。ここ数日倦怠感でなかなかベットを離れられない。この症状が妊娠初期の症状なのかと思いながら、 ベットを離れドアを開けると、 コーヒーの香りが …コーヒーの香りはまだ大丈夫のようだ。キッチンへ …直さん は いなかった。リビングをのぞくとソファーにもいない。ケット等は片づけられていた。掛け時計に目をやると、 9時を少し過ぎていた。” もう仕事に出かけたんだ! ”それにしても、 黙って出かけるはずはない。と 言うことは、 声をかけても目を覚まさないほど熟睡をしていたの?着替えさせてもらいベットに移動の時も熟睡。” はあ~ ” と 大きく溜息をつきソファーに深く腰をおろした。開いたままになっていたリビングのドアからバスロープ姿で 直 が 入ってきた。「 おはよう~ 大丈夫。」そう言いながらソファーに腰を下ろし、 「 ちょこちゃん♪ おはよう~ 」呼子 の 腹部に目を向け微笑んでいる。呼子 は、 姿勢をただし、「 直 さん 。 」と、 掛け時計を指さし …「 9時過ぎてしまっているわ~ 」「 今、 書斎のパソコンから連絡を入れておいたよ。 時差出勤だ。」呼子 が こちらで生活をするようになってからは、 このシステムが合理的でいいものに見えてきた。とにかく、 1日の仕事をどの時間帯でこなしてもOK。勿論 。 個人の仕事に限るが …まだ利用はしていないが、 仕事の内容によっては自宅での仕事も認められている。「 直さん 。 私、 ソファーでねていたでしょ~ 」「 そうだよ。 ひざかけも足もとに落として熟睡していたよ。ちょこちゃん 。 かわいそうに窮屈な姿勢でね。」直 は、 上機嫌で 呼子 の お腹に触れた。「 やはり顔色が優れないね。僕は、 軽く朝食をとったら出かけるけど、 呼子! どうだろう安定期に入るまで研究室は休めば … 」「 そうね。 妊娠しているのに気がつかなったから、ここ数日職場でも迷惑をかけていたし … 」「 それで、 どうなの? どんな感じ? 」「 ぅん~~~ どんな感じかな~私ね。 直さんもよね。 病気で寝込むということ今までなかったわ。直さんもそうでしょ~だからかな~ 少し不安? いっぱい不安かな~ 身体で何がおきているの~ って感じ …勿論、 妊娠していたからということがわかったからこれが妊娠初期の体調の変化で割り切ろうとしているのよ。でもね。 自分の意に反して自分の身体が自分ではないという感じかな~ 」直 が、 ため息をついた。「 何よ~ ため息なんかついて … 」「 いや~ 大変なことの始まりなんだな~ と思ったんだあ~ 僕も、 呼子 の 母親ってみなこうして乗り越えたのかな~? 」と、 直 が さらっと口にした。呼子 は 少し驚きながら「 そうよね。 私たちの生みの親? 生みの親でいいのよね。直さん と 光子ちゃんの生みの加賀美の母は、 いくら加賀美の父の理解があるとはいえ、身体は勿論、 精神的にも大変だったと思うわ。そのうえ、 双子でしょ~ 私の生みの母も 直さんからの話だと癌におかされていて精神的にも … その上 … 孤独で … 」「 呼子。 ごめん … 」「 何が~? 何がごめんなの~ で … しょ~ 。 だから~ だからなの 。光子ちゃん達のご一行様が来てごらん 。何気なく、 普通にの会話が必ず 『 ごめん! 』 の 連発よ 。」直 は、 軽く何度もうなずきながら、「 そうかあ~ そうだったんだ! いいよ。 連絡するのはよそう。日本への懐妊の報告は、 帰国時の 超 ・ 超 お土産付きということで … 」 ふたりは掛け時計を見て …「 とにかく 直さん … 」キッチンに移動した。「 いいよ。 僕がするから … 」直 が 手際よく朝食の準備にかかった。椅子に腰を下ろし、 だるそうな 呼子 の 様子をうかがいながら「 大丈夫? 」「 うん … なんだか自身なくなってきたわ~ 私ってこんなに根性なかったかな~ たまには、 軽い病気はしておくべきだったわ。妊娠は病気ではないというけれど、 病気ってどんなのかな~入院の必要な病気の方ってすごいことになっているのね? 」と、 呼子 は 今までに経験したことないこの状態を受け入れることができないでいる。そんな姿を見かねて、 呼子 の 隣の椅子に腰をかけ「 呼子 … 」一夜にして、 ひと回り小さくなったようなひ弱な 呼子 を 胸に収めた。「 僕はどうしたらいい … どうしてほしい … 」直 も 戸惑った。「 なあ~ 呼子 。 光子さんに来てもらおうか? せめて、 電話だけでも … それとも … 」そこまで言いかけた 直 は 頭に浮かんだ言葉を打ち消した。