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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3853340/4696966
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ラビリンス
創作
No 13 HIT数 5729
日付 2011/06/11 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ラビリンス-過去への旅-13.偽りの商談
本文
















レイモンドは早速動き出した。
まず彼はソウルのジョルジュに電話を掛けた。

「・・・レイ・・一大事ですか?」
ジョルジュは眠い目をこすりながら、ベッドサイドに手を伸ばした。
そして定位置に置いた腕時計に辿り着くと、迷惑そうに片目を開けた。
「・・・まだ夢の中だと言ってください」

「残念ながら夢じゃない。明日の訪韓は延期だ」

「ええ・・明日の・・・!・・なんですって?」
瞬間的に夢から覚めたジョルジュが、ブランケットを跳ね除け、起き上がった。

「後は頼む。お前を代理人に立てる書類は作成済みだ。
 必要な内容もすべてメールしておいた。じゃ・・」

「じゃ・・って・・ちょっ・・レ・・レイ!」
レイモンドはジョルジュの寝花を襲い、小言を言われる前に電話を切った。
そして彼は子供が悪事を企むようにほくそ笑み、呟いた。「これでOK。」


ソウルホテルに関することはすべてジョルジュに引継いだ。
アメリカの仕事はモーガンとソニーにすべてを委ねる予定だ。
それが済んだら・・・
とにかく自らのイタリア行のために、取引案件を捻り出さなければならない。


イタリアの有力者ビアンコ・ジュリアーノに取引を突然持ちかけることは
容易なことではなかったが、モーガンの伝で潜り込むことに成功した。
無論、ジュリアーノ側が喉から手が出るほどの宝をぶら下げて。

「若、ご一緒に。」 
案の定、イタリア行きを心配したソニーが留守番を拒絶しようとしたが、
レイモンドはそれを許さなかった。

「ひとりの方がいい。奴らを刺激したくない」
彼は敵の前で、決して賢く無い、柔な実業家であらなければならないと考えた。

しかし大事なことは、イタリアで動くに当たり、フランク・シンとの関係が
親密であることを彼らに知られるわけにはいかないことだった。
皮肉なことに長年アメリカのマフィア界で名を馳せていたパーキン家の知名度と
フランク・シンという男が一匹狼を信念としており、レイモンドを含め
他の企業に席を置くことが皆無だったことは好材料だった。

ともあれ、レイモンドはジニョンと話した翌日の夜にはイタリアへ渡り、
その翌朝にはジュリアーノ会長との会談に成功した。



「あなたがアーノルド・パーキン氏のご子息でしたか」
その男は、実に好意的に彼に握手を求めた。

≪ビアンコ・ジュリアーノ・・・何とも胡散臭い男だ≫
「父をご存知で?」
レイモンドは胸の内とは裏腹に、彼と同じように好意を示した。

「無論です。父上とお目に掛かったのは20年程前にもなりますかな。
 仕事を通じて懇意にさせていただきました。」

「仕事を通じて・・・」≪はっ・・どんな仕事なのやら≫

「しかし、こんなりっぱなご子息がいらっしゃったのに
 事業の一切を整理なさるとは、驚きました」
ジュリアーノはそう言いながら、レイモンドに着席を勧めた。

レイモンドは彼が何を言わんとしているかは承知していた。
マフィア界で、その世界から足を洗うことが如何に蔑まれているか。さぞかし、
パーキン一族の愚行はこの世界で大きな笑いものとなっているのだろう。

「この度は、突然の申し出にご快諾いただき、感謝します」
しかしレイモンドは、ジュリアーノの胸の内を読んだ上で、堂々と胸を張った。

「古き友人からのたっての推薦がありましてな。しかし・・・
 申し上げておきますが、商売に伝が通用するのはここまでです
 交渉ごとはすべて私の代理人が引き受けておりますので、
 悪く思わんでください。」

ジュリアーノが高価な人参をぶら下げたレイモンドを歓迎しないはずはなかったが
彼はそのことをおくびにも出さなかった。

「はい、承知しております。
 それで、その代理人にはいつお目にかかれますでしょう」

「今夜にでも引き合わせましょう」

「よろしくお願いします。」

「最初にご忠告申し上げておきますが、私の代理人は手ごわいですぞ。」 
ジュリアーノは殊の外にこやかな笑顔を作って言った。

「お手柔らかに、とお伝えください」 レイモンドもまた笑顔を返した。

「ところで、こちらへはおひとりで?」

「ええ。実は今回、旅先から直接こちらへ伺ったもので
 部下の入国が遅れております。できれば会長の方で
 どなたかこの地をご案内願える方をご紹介いただけると助かります」

「ええ、それはお安い御用です。」 
ジュリアーノは奥で待機していた男に手を挙げ合図を送った。
「この者は英語も堪能ですので、何かと役に・・」

「あー・・申し訳ないが・・・」 レイモンドは彼の言葉を遮った。
「せっかくのイタリアですので観光も兼ねてみたいかと思っております。
 失礼だが・・時を共に過ごすのはやはり無粋な輩より、
 麗しい女性に限ります。」
レイモンドは敢えて男の下心を顔に表してそう言った。

「はは・・それは確かに。しかし弱りましたな・・・私のところは 
 主に男所帯でして・・・無論、観光案内のお供はお好みの女性を・・」
ジュリアーノの言葉の途中で、レイモンドは彼の後ろに控えていた
ひとりの女に視線を向けた。

「ああ、彼女は残念ながら・・・」 
ジュリアーノがレイモンドの視線の先に気がつき、言いかけたが
レイモンドはそれを無視して立ち上がり、その女に近づいたかと思うと、
突然彼女の顎をくいと持ち上げ言った。
「彼女をお借りしたい。」

「あの・・レ・・」
シィー・・
その女性が言いかけた時、レイモンドは歯と歯の間から微かに音を出して、
彼女の言葉を制した。

「それは困りましたな・・」
ジュリアーノが言葉を濁すと、レイモンドは冷たい眼差しで彼を横目に睨んだ。
「まあ、いいでしょう。二日だけでしたら。・・・Ms.グレイス・・
 パーキン氏に失礼の無いように。」 ジュリアーノはそう言った。

正直、彼はフランクを思いのままに操るためにもミンア・グレイスは
まだ手元に置いておきたかった。
本当に手元に置きたいものが手に入るまでは。

しかし彼は、表向き自分が優勢に立ったとはいえ、レイモンドの機嫌を
損ねてしまうことは得策ではないと考えた。
「彼もお供させます。それから車を一台手配致しましょう」 
ジュリアーノはそう言って先ほど紹介した男を示した。

「恐れ入ります。」 レイモンドは淡白に礼を言った。




エマが交渉を固めた企業に向け、作成した契約書を持って
ドンヒョクを訪ねて来た。
「今・・トマゾから連絡が・・会長からの伝言だそうよ。」 
エマはデスクチェアーに座ったドンヒョクに書類を差し出して言った。

「ん・・」 ドンヒョクはそれを受け取り、早速目を通しながら聞いていた。

「アメリカの或る企業の代表と会って欲しいそうよ。」 エマはそう言いながら
備え付けのコーヒーメーカーから、コーヒーをカップに二つ注いだ。

「別件で?まだこっちが片付いてないぞ」 

「ええ。そう言ったわ。でもごり押しされた。」 
エマはドンヒョクにカップのひとつを渡し、話を続けた。
「昨日突然入って来た商談らしいわ。
 でも会長側にとって、かなりいい条件の案件らしいの。
 会長は美味しい飴だと喜んでるようよ。
 でもできるだけもったいつけて、更にいい条件で取引するように。
 それが彼の伝言よ」

ドンヒョクはそれを聞いて顔を上げ、鼻で笑った。
ジュリアーノの仕事を片付ける度に、悪に加担しているような気分になる、
ドンヒョクは胸の中でそう思った。
「お好きにどうぞ。それでいつ?」

「今夜」

「随分急だな。ミンアとのミーティングは外せないぞ」

「そのミンアが彼の付き添いで案内してくるそうよ」

「ミンアが?」






レイモンドはミンアと共に、ジュリアーノが用意したホテルへと向かった。
見張り役と思われる男と同行している間、ふたりは口を利かなかった。

ホテルに到着し、男がチェックインの手続きを済ませて言った。
「Mr.パーキン・・・最上階のスィートをご用意致しました。
 我々は別室にて待機させていただきます
 一時間後、代理人が到着次第、ご連絡をさせていただきますので
 しばらくお部屋でお寛ぎください・・」
男はそう言って、レイモンドにカードキィを手渡した。

「いや、・・彼女は随時私と行動を共にしてもらう。
 部屋は一緒で構わない。しかし悪いが・・・」 レイモンドはそう言いながら、
フロントにカードキィを戻し、部屋を変えるよう指示した。

「お気に召しませんでしたか?」 男が言った。

「狭い部屋が好みなものでね」 そう言ってレイモンドは片方の口角を上げた。
「さて・・一時間。・・ふたりで過ごすには充分な時間だな」 そしてレイモンドは
ミンアの手の甲にキスを落として言った。

「Mr.パーキン、困ります。彼女はそのような・・」 男が言った。

「私は困らない。」 そう言ってレイモンドがミンアを見つめた。

「ご一緒に参ります」 ミンアは答えて言った。
「・・・とうことだ。」 レイモンドは男に対して顎を上げ口元で笑った。

レイモンドはミンアの腰に手を回し、彼女の体を必要以上に引き寄せて、
ベルボーイが彼らの前を歩き案内する後に続いた。

レイモンドはエレベーターに乗り込んだ後も、ミンアに回した手を離さず
時に彼女の髪にキスを落としたり、その頬に指を這わせたりしていた。
ミンアは困惑しながらも彼の成すがままに寄り添った。

部屋に入り、ベルボーイが丁寧な説明を始めたが、レイモンドは
高額なチップを彼に差し出し睨みを利かせると、手の甲をドアに向って振った。
ベルボーイは彼に頭を下げると、できうる限り俊足にドアから出ていった。

ドアが閉じられると同時にレイモンドはミンアから腕を離すと、
椅子にどかっと腰掛ながら言った。

「ここはいったいどこまで奴の目が光ってる?
 ・・ベルボーイすら堅気じゃないぞ。」

ミンアは≪そうなのか≫と笑いを堪えた。

「それより、どういうことなんだ?Ms.グレイス」
「Mr.レイモンド・・・驚きました」 ミンアもホッとしながら同時に言った。

「驚いたのはこっちだ。どうして君があんな場所に?
 フランクと一緒じゃなかったのか」

「ボスはジュリアーノ勢の弁護士を同伴しています。
 私はいわゆる人質なんでしょう。会長が考えそうなことです」

「そんなことを言ってるんじゃない。フランクはどうしてこんなことを許してる?」

「私がそうしたいと申しました。」 

「君が?」

「はい。その方が・・」
「君は馬鹿か。」 
レイモンドは思わず立ち上がり、呆れ顔でミンアの言葉を遮った。

「ば・・!・・どういう意味でしょう」

「馬鹿だから馬鹿と言ったまでだ。」

「!・・・・・・」 

「君も。
 あいつらが今までやって来たことを知らないわけじゃあるまい?
 しかも。これからフランクがやろうとしていることも!
 もしもフランクが何らかのミスを犯したら、奴らが君をどうするか
 予測できないわけじゃないだろ!」 レイモンドは珍しく怒りを露にした。

「ボスはミスなど犯しません。」 ミンアは胸を張って返した。

「フランクとて完璧じゃない。」 レイモンドは更にミンアを睨みつけた。

「それでも。ミスはしません。」 ミンアもまたレイモンドを睨んだ。

「ハッ!・・あいつの周りにいる女はどうしてこうなんだ?
 どいつもこいつも・・恐れを知らない、馬鹿ばかりだ」

「ミスター!先ほどから馬鹿・・馬鹿・・と失言ではありませんか?・・・・
 そんな風にあなたに言われる筋合いは・・・あ・・・」
ミンアが突然、何かを察したように目を見開いた。
「あの・・・どいつもこいつもって?・・
 いったい誰のことをおっしゃってるんです?・・


       ・・・まさか・・」・・・






 













 


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akanenoai
こんにちは、ドンヒョクの周りにはドンヒョクを思う人が沢山増えましたね、なんか嬉しいです、でも、2人が会えるのは、まだでしょうか?(急かしてますね)早く会いたいです、待ってまーす。 2011/06/15 12:17
ノラン
ミンアの「まさか…」そう!やっぱり出来る女ミンアは察しがいいわぁ〰☆懐かしい名前「ジョルジュ」も登場してオールスターキャストは嬉しいです☆ 2011/06/14 20:58
miyukierika
レイモンドが登場してきて少しホッとしました。また二人のやりとりが楽しみになってきました^^ジニョンはいつドンヒョクに会うのかな~ 2011/06/12 10:21
 
 

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