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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3851408/4695034
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ラビリンス
創作
No 19 HIT数 6005
日付 2011/08/10 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ラビリンス-過去への旅-19.過去を追いかけて
本文







「ティーンエイジャー?・・・・まさか・・・ルカ?・・・」 ドンヒョクは呟いた。

「如何なさいましたか?フランク様」

「いや・・ああ、何でもない。ベルナンド、頼みがある。
 妻の様子を見て来てくれないか。今すぐ・・何気なくだ。
 私は直ぐにそちらへ向かう。私が到着するまで
 何とか引き止めておいて欲しい」

「かしこまりました」

ドンヒョクは電話機を閉じ、身支度を整えながら、思いを巡らせた。
≪その子がもしも・・ルカだとしたら・・・何故?ジニョンと?≫


総支配人ベルナンドはドンヒョクとの通話を終えると直ぐに、
調理室に連絡を取り、果物の盛り合わせを大至急用意するよう命じた。
ジニョンの部屋を訪ねる為の大義名分を用意するためだった。




「痛いわ・・ルカ・・・あなた・・・」 ジニョンが間近にあったルカの目を見て
不思議そうに言った。「あなた・・・もしかして・・・」

その時だった。
電話の着信を知らせる音がルカの体から聞こえた。
ルカは上体を起こし、ジニョンの体から離れると、自分のポケットから
携帯電話を取り出した。

ジニョンもまた体をベッドから起こし、ルカの様子を伺っていた。
ルカは数秒程、短い会話をして電話を閉じ、ジニョンに振り向き言った。

「ジニョンssi・・直ぐにここを出ます」

「えっ?」

「早く支度を」

「ね、ルカ・・いったい何なの?」

「早く!」 ルカは声を荒げてジニョンの手首を強く掴んだ。
ルカはジニョンの手を掴んだまま部屋を出ると、エレベーターへと向かった。

ルカが下のボタンを押した時、もう片方のエレベーターがもう直ぐ
この階へ到着しようとしているところだった。

ルカは咄嗟に階段を駆け下り階下へ降りると、エレベーターのボタンを押した。
そしてその扉が開いたと同時に中へ駆け込み、数字の1を手早く押した。
ジニョンはルカの慌てた様子を間近に見て、その胸の内を思い図っていた。

「フランクのせいなの?」 ジニョンがルカにそう言った。
「・・・・・・」 ルカは答えなかった。

「あなたがこんなことをしているのは・・・フランクのせい?」
ジニョンは重ねて聞いた。

「黙れ。」 ルカはジニョンから目を逸らしたまま、彼女を制した。





レイモンド一行がミラノに戻ったのは、夜中の二時を過ぎていた。
三人は静寂漂うホテルのロビーを横切り、エレベーターへ向かった。
彼らに気づいた警備員が、不審そうに声を掛けて来たが、
ミンアが上階に滞在中のフランク・シンの部下である証明をし、
至急会う必要があるのだと了解を求め、難を逃れた。

「ボスへ連絡が行きますね」 エレベータの扉が閉じるとジョアンが言った。

「それは構わない。どうせ後で彼にも会わなければならないだろう」
レイモンドがそう言った。

「そうね。でもまずはエマに会わないと」 ミンアが言った。



ミンアはエマの部屋の呼び鈴を鳴らした。5回鳴らした後、やっと応答があった。
「エマ・・ミンアです。夜分に申し訳ありません」 ミンアは声を潜め言った。

「ミンア?・・どうしたの?」 エマの声は当然驚いていた。
「緊急にお話があります」 ミンアの声は緊迫していた。

「ちょっと待って。」 エマは答え、直ぐにドアの鍵を開けた。

「入っても宜しいですか?・・・同行者がいますが」
そう言ったミンアの後ろに、レイモンドと若い男がミンアと同じく
真剣に自分を見ていたので、彼女は「どうぞ」とだけ言った。

エマは就寝していた様子は無く、PCの画面が開いていた。
「お休みじゃなかったんですか?」 ミンアが言った。

「ええ、明日の準備を・・」 
そう言いながらレイモンドの顔を見たが、事実はそうではなかった。
フランクのことが気になって仕方なかく、眠れなかったのだった。

「率直に伺います」 レイモンドが言ったので、エマは頷いた。
「ジニョンは何処です。」

「えっ?・・・ジニョン?・・・ジニョンって・・フランクの?」
エマは戸惑ったようにそう答えた。

「ええ。フランクの妻のソ・ジニョンです」 レイモンドは強調して言った。

「どうして・・私が?・・彼女の行方を?」

「ルカ」 ミンアが口を挟んだ時、エマが驚いてミンアの方に視線を移した。
「ルカは、いいえルーフィーとアレッシア兄妹は・・・生きていたんですね」
ミンアは事実を突きつけるように言った。

「何を言ってるの?あの子達は両親と一緒に。」 

「とぼけないで、エマ。・・ルカがジニョンssiを連れ回してるの。」

「ルーフィーが?・・何故?」

ミンアは自分のバックから写真を出した。
エマは差し出された写真を見て驚いた。「これを・・どこで?」

「ルカが持ってたものよ」

「・・・・・・」





ルカとジニョンがエレベーターで一階に下りると、ロビーが騒がしかった。
きっと自分達が部屋にいないことが、上で確認されて知らされたのだと
ルカは悟った。

その時だった。
「ルカ・・こっちへ」 ジニョンが言った。
ジニョンはルカをバックヤードへ誘導し、裏口へと向かった。
今度はルカの手をジニョンが引いていた。

「何処へ?」 ルカは慌てていた。

「いいから、付いて来て。」 ジニョンはそう言った。

裏口を抜け少し歩いた所で、ジニョンはシャッターの前に立った。
そして、バックからカードkeyを取り出しそのシャッターを開けた。

そこはガレージだった。
ルカはジニョンの行動をただ見守っていたが、その中のバイクを見つけて
彼女の顔と交互にそれを見て驚いていた。

「keyは・・ここよ。」 
ジニョンは先日ドンヒョクに教えられたバイクのkeyの隠し場所をルカに示した。

「どうして?」 ルカは驚いた表情をそのままにジニョンに言った。

「いいから、急ぎなさい。直ぐにここも気づかれる。運転は?」 
ジニョンが言うとルカは頷いた。「だったら、お願い。私自信ないから」

そしてふたりは急いでバイクに乗り、ガレージから滑り出た。




その頃、既にローマに向かって車を走らせていたドンヒョクは、
ベルナンドからの連絡で、ジニョンがホテルから消えたことを知った。

「バイクで?・・・ジニョンのやつ・・・」
そう呟きながら、ドンヒョクはほんの少しだけ安堵していた。
何故ならジニョン自身がその手段を選んだということは、彼女には少なからず
余裕があると、理解できたからだ。

「しかし・・・」 ドンヒョクは考えあぐねた。「何処へ?」




「フランクを呼んで来い。」 レイモンドがジョアンに言った。

「はい。」 ジョアンは急いで一階上のドンヒョクの部屋を目指した。

「教えて・・・エマ・・・いったいどういうことなの?
 いったい何が起こってるの?」 ミンアがエマに問いただすように聞いた。

「何が起こってるか?・・・私だってわからない・・・でも・・
 ルーフィーが関係しているのだとしたら・・・」
エマは頭の中で考えを巡らせ、数時間前にトマゾが言った言葉を
思い出していた。

『あなたを愛する者達を信じて』≪トマゾ?・・・まさか・・≫
「ちょっと待って?」 エマはそう言って携帯電話を出した。

「何処へ?」 レイモンドがその電話に手を添えて用心深く聞いた。
「トマゾへ・・昼間にお会いしましたでしょ?・・彼ならもしかしたら
 この経緯を知っているかと」

「彼はジュリアーノの側近ですよね」 

「ええ。でも・・彼は大丈夫です」
そう言ったエマの真剣な眼差しにレイモンドは電話に翳した手を退けた。
しかしその電話は繋がらないようだった。

「可笑しいわ」

「どうしたんです?それにどうして彼に?」 ミンアが疑念を持って聞いた。

「彼はルーフィーのことを知ってるの」

「ということは・・ジュリアーノも?」 今度はレイモンドが聞いた。

「いいえ・・・会長は知らないはずよ。トマゾは彼らの情報を掴んだ時
 私だけに教えてくれたはずだから」
そう言いながらエマはがっくりと椅子に腰を落とし、深呼吸を繰り返して、
気持ちを落ち着けていた。

「どういうことなの?・・話がちっとも繋がらない。エマ・・」
ミンアはそう言いながら彼女の横に座った。

「・・・あの日・・」 そしてエマは遠い日の真相に触れ始めた。
「私はジュリアーノから、フランクの命と引き換えに
 全ての証拠を渡すように要求されたわ」

「5年前のことね」

「ええ・・私は・・迷わなかった。
 他の事は何も考えなかった。
 フランクを助けてくれるなら・・何でもする。そう言ったわ。
 そして・・・私はそれを実行したの

 まさか・・あんなことになるなんて・・本当に思わなかった。
 アレグリーニ一家があんなことになるなんて・・・
 彼が・・・全ての鍵を握っていたことは確かだったけど・・・
 まさか本当に・・そんなことが起きるなんて・・・」

エマは懺悔すべき悲しい出来事を思い出して震えていた。

「エマ・・・」

「ミンア・・・私は愚かだったかもしれない・・・でも後悔はしてなかった。
 そうするしかないと信じていたから・・・。
 彼が・・フランクがあんなにもショックを受けて、苦しむ姿を見るまでは。」

「・・・・・・」 ミンアは微かに震えるエマの肩を抱いた。

「覚えてるでしょ?あの時の彼の・・・慟哭を・・・
 その時私は初めて、自分のしたことの恐ろしさを思い知ったの・・・
 彼は何も聞かなかった・・・それは彼が私を見放したということよ・・・
 そのことが罵られるよりも辛かった・・・でも・・・ 
 私はそれでも・・最後まで彼を守らなければと思ってた。
 ジュリアーノの・・執拗な追っ手から。

 それができるのは私しかいない、そう思ってた・・・
 だからジュリアーノの元へ行ったの。
 皮肉なことに私がフランクを裏切ったことが、彼の心証を買っていて
 私は更に月日を掛けて、彼のブレーンに潜り込むことができた。
 ジュリアーノのそばにいれば、彼がフランクを狙うことも防げるかもしれない
 そう思ったからよ・・・
 そして・・あの事件から半年が経った頃、トマゾが教えてくれたの」

「何を?」

「子供達が生きていたことを」

「・・・・・・」

「驚いたわ。警察は間違いなく、一家全員が亡くなったと発表していたし
 ジュリアーノもそう思っていたはず。
 私は直ぐに会いに行ったわ。
 そして・・あの子達を見つけた・・・・
 あの子達の無邪気に遊ぶ姿に・・涙が出たわ。
 “ああ、生きていてくれた”・・・でも逆に彼らへの罪悪感が沸いてきた。
 だから・・彼らには本当のことを言えなかった・・・
 私があなた達のご両親を・・・彼らの顔を見る度に胸が潰れる思いだった。
 
 あの子達の住む教会に行く度に懺悔してた。
 そしてこの子達を見守っていく・・そう誓ったの・・・
 だから頼んだの。トマゾに・・決してジュリアーノに知らせないでと。
 そして私は、隠れて彼らの元を訊ねてた。
 誕生日やクリスマス、復活祭・・
 彼らと頻繁に時間を過ごすようになった」

「トマゾはどうして、ボスに話さずあなたに?」 
レイモンドがわずかに信用し難いと思い、聞いた。

「・・・・彼は・・・私を大切に思ってくれています。だから・・
 誰にも話さないと誓ってくれました。
 もしもジュリアーノに知れたら、彼は自分への復讐を防ぐためにきっと、
 ルーフィー達を・・・そう思ったんです。
 ジュリアーノは用意周到な恐ろしい男ですから」

その時、ジョアンが戻って来た、「ボスは部屋にいないようです」

「いない・・よう?」 レイモンドが怪訝な顔をした。

「ええ。
 先程の警備員が仲間を連れて、ボスの部屋の前で騒いでいました。
 きっと僕らのせいでしょう」 ジョアンは肩を上に上げて言った。

「二時間ほど前にはいたわ」 エマが言った。

「何処へ?」 ミンアが言うと、「もしかしたら・・・」 とエマが口を挟んだ。
「さっき会った時、彼が妙に落ち着いていなかったの・・
 もしかして、奥様のことと関係が?」

「そうだろうな。
 ジョアンが彼の命令を無視して会いに行かず、私達もしばし彼を避けた。
 無論、ジニョンとも連絡は取れなかったとなれば、
 奴がじっとしているわけは無い。
 私達もここまでに時間が掛かり過ぎた。」

レイモンドはそう言って唇を噛んだ。「ジョアン・・フランクに連絡しろ」 
レイモンドは彼に命じた。

「はい。」

「ローマへ行きましょう」 エマが言った。

「ローマへ?」

「心当たりがあるわ。その前に、このホテルの騒ぎを収めてこないと」
エマはそう言って、フロントに電話を入れた。





『ジョアン?・・どこのジョアンだ?』 ジョアンが電話をした相手は冷たく答えた。

「あ・・あの・・申し訳ございません。」 ジョアンは滴るほどに汗をかいた。

『謝る必要は無い。お前を買いかぶった私のミスだ。』
「・・・・・・」 
ジョアンが電話を持ったまま言葉を失うほどに、その声は凍りついていた。

「代われ。」 隣にいたレイモンドがジョアンから携帯を奪い取った。
「ジョアンを責めるな。私が指示した。」 その電話の向こうにそう言った。

『何も話したくない。』 その向こうの凍りついた男はそう答えた。

「話さなくていい。ただ、何処に向かっているかだけ教えろ。」 
レイモンドもまた冷たく言った。

『・・・・ローマ。』 その言葉だけを残して、電話は切れた。

「フランクもローマだ」 レイモンドは運転席のジョアンに言った。

「はい。」

ジョアンが車をエントランスに回すと、ミンアが支度を整えたエマを連れて
車止めで待っていた。

ミンアは後部座席にエマを乗せ、後に続いた。

「ローマの何処へ?」 レイモンドがエマに振り向いて聞いた。

「ヴァチカンへ」

レイモンドはジョアンを見た。

  
         ・・・「急げ」・・・



















 





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miyukierika
ドンヒョクはルカが生きてたことを知ってた?ルカとトマゾは繋がってるの?ドンヒョクもジニョンのしてることで安心したみたいですね^^やっぱり二人は以心伝心の仲にホッとします。 2011/08/15 18:05
シロッコロ
10月の上映会までには、完結したいとの事ですが、今日で後2カ月。終わらないでほしいけど・・・^^;凍りついた男ドンヒョク背景もステキ過ぎるわ^^ 2011/08/14 23:02
hiro305
ルカに電話をしたのは誰?エマ?皆なが一斉に動き出して絡まっていた謎が解け始めたけれど、、ジニョンは直感的にルカをかばって逃がしたのでしょうか^^ジョアンへの氷の声がこの彼からと思うとドキドキです。^^ 2011/08/14 23:02
シロッコロ
1話から読み返してきました^^地震直後のお話は、頭に入ってるようで入って無かったです^^;でもホント、この回は少しもつれた糸が解けてきたって感じですね^^; 2011/08/14 22:46
ノラン
でも、クールなフランクの姿が目に浮かびます〰サイコー♪です〰〰で、次回はどうなるの!?御免なさいm(--)mしばらくここに来ることが出来ませんが、それまでいろいろ妄想しておきます♪ 2011/08/14 21:51
ノラン
ミンアじゃないけど、私の頭の中も???です(^^);でも、やっと謎が少しづつ解けてきた☆「ジョアン?どこのジョアンだ?」の言葉にジョアンの心も凍りついたことでしょう… 2011/08/14 21:47
 
 

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