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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3731705/4575331
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ラビリンス
創作
No 23 HIT数 5782
日付 2012/01/29 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ラビリンス-過去への旅-23.怒りの矛先
本文







「部屋を用意してくれないか」
ホテルに戻るなり、ドンヒョクは総支配人ベルナンドにそう言った。

「部屋を・・でございますか?」

「ああ、これから人が訪ねて来る。彼らを待たせておいてくれ」

「かしこまりました」 ベルナンドはそう答えると、
宿泊用の中でも最高級の部屋のカードを手に取った。

「私も直ぐに降りてくる」
ドンヒョクはそう言い残して、ひとまず自分の部屋へと
エレベーターへ向かった。



ドンヒョクは部屋に戻るなり、急いで電話を取った。

「フランクだ。」
ドンヒョクがそう名乗ると、電話の向こうでため息が漏れたように聞こえた。

「何故ルカがローマにいる?」 動揺しているらしい電話の相手に
ドンヒョクの冷めた声が容赦無く突き刺した。





「レイモンド様でいらっしゃいますね。お待ち申し上げておりました。
 ご案内致します」
レイモンド、ミンア、ジョアンそしてエマの4人がホテルに到着すると、
ベルナンドは自ら、既に用意してあった部屋へ彼らを連れ立った。

「フランクは?」 
レイモンドはエレベーターの入り口に立つベルナンドに聞いた。

「フランク様は直ぐに参ります」 


ベルナンドの言う通り、レイモンド達が部屋に通されて
5分も経たない内に、ドンヒョクは現れた。

レイモンド以外の三人が、ドンヒョクの姿を見るなり、
座っていた椅子から立ち上がり、表情を硬くした。
そんな彼らにドンヒョクは一瞥もくれずレイモンドに言った。
「悪いが、これから直ぐに出掛ける。」

「・・・何処へ?」
レイモンドが訊ねたが、ドンヒョクは口を開こうとしなかった。
「はー・・フランク・・・いい加減にしろ。」 
レイモンドは溜め息混じりに言った。

同じ位の丈の長身の男ふたりが、しっかりと目線を合わせ
睨みあっていた。

「彼らがどれほどジニョンを心配してると思う?
 ジョアンも。ミンアも。・・エマもだ。
 ここに来るまで、どんな想いをしていたと思うんだ?」
レイモンドはそばに立ち尽くしている三人を見渡しながら
そう言った。

「ジニョンのことは僕が解決する。」 
ドンヒョクが不満げな表情を隠さず、それでもやっと口を開いた。

「はっ、自分だけの問題か?
 悪いがフランク、ジニョンはお前だけのものじゃない。」
レイモンドは少し背伸びするように胸を反らし、わざと
ドンヒョクを見下すような格好で言った。
「ジニョンは私にとっても大切な女だ。忘れるな。」

ドンヒョクは自覚していた。
八つ当たりにも似た態度を彼らに向けていることも。
口を開けば言わなくてもいいことを言ってしまいそうだったのだ。
今のドンヒョクはそうやって自分自身をコントロールするのが
やっとだった。

「それで?・・何処に行く。」 
レイモンドの言葉は“答えろ”と言わんばかりだった。

「・・ヴェネチア。」 ドンヒョクはレイモンドを睨みつけたまま答えた。

「ヴェネチア?」 
傍らでふたりのやり取りに固唾を呑んでいたエマが言葉を挟んだ。
ドンヒョクは視線を僅かに彼女へと向けたが、何も答えなかった。

その代わりにドンヒョクはレイモンドに向かって言った。
「ルカは家に戻るはずだ。」 

しかしそれに対して応じたのはまたもエマだった。

「家?それでルカを追って?ヴェネチアへ?・・・」 
彼女の顔は、驚きに溢れていた。
「フランク、まさか・・・あなた・・・知っていたの?」
ドンヒョクはそれでも彼女の問いかけに答えようとはしなかった。
彼女は更に言った。
「その場所もわかってるのね・・・」

「どういうことなんです?エマ・・その場所って?」 
ミンアが言葉を挟んだが、エマはドンヒョクだけを凝視していた。

「いつから?いつから、彼らがそこにいることを?」

しかしドンヒョクは、飽くまでもエマの問い掛けを無視して、
ドアへと急いだ。

「おい!“その場所”くらいは教えろ。フランク。」
レイモンドがドンヒョクの背中に向かって、急いで言葉を投げた。

「エマが知ってる。」
ドンヒョクはドアを閉めると同時にそう言い残し部屋を出た。

残されたエマは呆然と立ち尽くしていた。
そんな彼女の様子に、他の三人は困惑を隠せなかったが、
彼女が平静さを取り戻すのを待つ余裕など無いとばかりに、
レイモンドは急き立てた。
「エマ、時間が無い。案内してくれ」 

「えっ?・・あ・・はい、お連れします。」 エマはやっと我に返った。




ジニョンとルカはテルミニ駅で、既にヴェネチア行の列車に乗車していた。
発車を待つ列車の中で、ジニョンは窓の外をぼんやりと眺めていた。

「後悔してますか?」 ルカが言った。

「えっ?」 ジニョンはルカの声に反応して彼を振り返った。

「まだ間に合います。今なら・・」
ルカはそう言いながら、乗車口の方角を指した。

「何を言ってるの?」

「僕はひとりでも大丈夫ですから。」

「ルカ」

「ジニョンssi・・あなたはフランクのいるミラノへ向かった方が・・・」

「怒るわよ。」

ルカはジニョンの睨んだ眼差しに小さく笑って、目を伏せた。

「私が邪魔?」

「いいえ・・いいえ・・・。ジニョンssi、僕・・・本当は怖いです。
 あなたに何か起きないかと思うと・・・怖いです。」

「ルカ・・・少し休みなさい」
ジニョンはルカの頭を引き寄せて、自分の肩に乗せた。
「ずっと寝てないでしょ?」

「あなただって・・・」

「私も寝るわ・・・一緒に。・・・今は何も考えるのは止めましょ?
 何も考えないで・・・さあ・・・」

列車がゆっくりと動き出した頃には、ジニョンの方が先に
ルカの頭を枕に眠り落ちていた。
ルカはジニョンが眠り易いように、自分の肩に彼女の頭を乗せ直し
脱いでいた自分のジャケットを彼女に掛けた。

 



「車と列車、どっちが速い?」 レイモンドがミンアに聞いた。

「列車は・・・・・・30分ほど前に出たばかりですね・・・
 この後は・・二時間近く待たなければなりません
 車の方が・・・たぶんボスもそうなさるかと」
ミンアは携帯電話で列車の時刻表にアクセスして言った。

「じゃあ、そうしよう。ジョアン、運転は私が代わろう。」
レイモンドは今しがた、長い距離を一人で運転して来たジョアンを
労い、そう言った。

「いえ・・それよりMr.レイモンド、できれば僕はボスの車に。」

「ああ、そうだな、そうしろ。間に合うか?」

「はい。ボスの車を留めてある場所はわかりますから、
 先回りできます。」

「わかった。じゃあ、そうしてくれ。」

「はい。」 ジョアンは全速力で非常口へと向かった。



「運転は私が。」 駐車場へと向かいながらミンアが言った。
レイモンドは無言で彼女の頭にゴツンと拳を下ろした。
痛いと言わんばかりの顔をしたミンアがレイモンドを無言で睨んだ。

「無意味なことを言うな。」

「無意味?」

「私がそれを許すと思うのか?」

「許すとか許さないとかの問題じゃ・・」

「そんな問題だ。」

「・・・・わかりません。あなたのおっしゃってること。」

「わからないならそれでいい。」

「あの。昨日からあなたは一秒もお休みになっていません。
 ご存知無いでしょうが、ここからヴェネチアまで5時間近く掛かります。
 その間、少しでもお休みください、と申し上げているんです。」

「そのまま、その言葉、君に返そう。」

「私は。フランク・シンの部下です。彼の奥様をお守りするためなら
 眠らないことなんて・・」

「今時ナンセンスな理由だな。」

「ナ・・とにかく!あなたは私どものお客様ですから、
 私はフランク・シンの一部下として、万全な接待を・・」

「うるさい。騒ぐな。」 
レイモンドは珍しく興奮気味のミンアに向かいながらも
努めて静かな口調でそう言った。

ふたりの言い合いが終わらない内に、一行は駐車場に到着し
後ろを黙って付いて来ていたエマは、彼らの会話がまるで
耳に入っていないかのように、無言で後部座席に乗り込んだ。

「後ろに乗れ。」 
運転席に先回りしようとしたミンアの肩を掴んで、レイモンドは言った。

「いいえ。」 ミンアはドアに掛けた腕に力を込めた。
レイモンドはその腕をドアから無理やり外すと、彼女の腕を掴んで
助手席側へと引きずり、ドアを開けた拍子に彼女を中へと押し込んだ。

「なっ・・何を・・」
レイモンドは、ミンアの言葉が最後まで終わらない内に
乱暴にドアを閉めた。
そして、運転席側に戻ると、即座に座席に乗り込み、
エンジンを掛けた。

「あの。あなたにとって大事な方のためなのは、
 よくわかるのですが。」
ミンアは正面を見据えたまま、そう言った。

「・・・何のことだ」 レイモンドは首を傾げながら聞いた。

「・・・・・・さっき、おっしゃってました。」
「何を?」

「ボスに・・・ジニョンは私にとっても大切な女だと。」

「・・・・・・」
「・・・・・・」
しばらくふたりは無言で向き合っていた。

「・・・なるほど。」 
レイモンドは正面に直り、ギアを入れながらそう言って笑った。

「何ですか?なるほどって・・」
ミンアは不敵な笑みを浮かべたレイモンドを不満げに睨んだ。

「そういうことか。」

「そういうことって?」

「やきもち。」

「や・・やきもち?誰が?誰に?」

「君が・・・ジニョンに。」

「私が?ジニョンssiに?・・・何故?」

「時間がある」 
少し焦った様子のミンアに対して、レイモンドが冷静な声で言った。

「えっ?」

「五時間掛かるんだろ?」

「えっ?」

「その間、考えてろ。」

レイモンドは公道に入ると同時にアクセルをふかせた。





「ボス。」

「話しかけるな。」

「すみません・・・・・・」

ジョアンは10分程前のに合流したドンヒョクの車の運転席から
後部座席をバックミラーで伺っていた。
しかし、目を伏せたままのドンヒョクの一喝で、黙るしかなかった。

ジョアンはドンヒョクに渡された住所をナビに入力すると
ハンドルをしっかりと握り、目的地へと向かった。




「フランクと連絡が取れないとはどういうことだ。」
ジュリアーノが部下に向かって眉間に皺を寄せた。

「それが・・」

「Mr.パーキンとグレイス女史ばかりか、エマの姿も見えないとは
 いったい、どうなってる。」

「わかりませ・・」
「今日はフランクの女をここに連れて来る手はずに
 なっていたんじゃないのか!」

「あ・・はい。」

「ただいま、行方を・・」

「行方?誰の行方だ。」

「その・・フランクの女の・・」

「そっちもわからないのか!」
ジュリアーノは部下の歯切れの悪い物言いに、苛立ちを隠せなかった。
「トマゾは何処だ!トマゾを呼べ!」

「それが・・その・・ローマで行方がわからなくなってしまいまして
 連絡がつきません。きっとフランクの女を追っているかと・・」

「フランク・シンが我々の動きを察したのかもしれません。
 彼がローマへ向かったのを確認しています。」

「とにかく、フランクより先に女を捕らえるんだ。」

「それよりもボス。」

「何だ。」

「その・・フランクの女と一緒の少年ですが・・」

「少年?」

「はい、女をトマゾに引き渡すはずの男でした。
 その男が実は・・・」




「ジニョンssi・・起きてください。着きましたよ。」

「ん・・ん・・・もう着いたの?」

「ええ」

「私・・ずっと?」

「ええ」

「ルカ・・眠った?」

「ええ、眠りました」

「そう、良かった。」

「さあ、行きましょう」
ルカはジニョンの手を取り、サンタ・ルチア駅へと降り立ち
駅正面に位置した水上タクシーの乗り場へと向かった。

その時だった。

ふたりの目の前にひとりの男が立ちはだかった。





        ・・・「待っていたよ、ルカ」・・・


           













 







































 


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ノラン
いったい待っていたのは誰!???フランクなのか?それとも…?展開がややこしくなって、ついていくのが大変になってきました(爆)次回の展開はどうなるのか〰?いろいろ想像しています(笑) 2012/02/02 20:20
hiro305
本当にドキドキの展開!フランクの鋭い目線がメチャメチャ怒っていますね。怒りが激しいと余計に冷たくなっていくフランク!私もジニョンが心配です~早く会わせてあげて~ 2012/02/01 15:30
poraris31
待っていたのは誰?う~ん・・・ドキドキです。続きを早く読みたいですよ~kurumiさん!待っています♪ 2012/01/31 00:02
akanenoai
kurumiさん tomtommama さん、毎日待ってましたよ、いやーフランクの一画面で映画を見てるように感じられます、次回が山ですね、ドキドキします。早く2人会えるろいいなー。 2012/01/30 13:53
 
 

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