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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3852792/4696418
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 11 HIT数 6450
日付 2007/01/20 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 11.いつの日にか・・・
本文




     

Thema music select &collage by tomtommama






       「ねぇ・・フランク・・・」

       「ん?」

       「どうしても駄目?」

       「駄目」

       「だって・・これ・・・難しいもの・・・
        ちょっとだけ・・・お休みしない?」

       「試験で間違えた問題は理解するまで徹底的にやる!
        そうすると二度と同じ間違いをすることはないし
        次へのステップの基盤が完成する・・・いいから・・やって!」

       「え~フランクって、大学の教授より厳しいじゃない
        せっかく、一週間ぶりに逢えたんだし・・・
        フランクだって、私のこと待ってたでしょ?」

そう言って彼女が下から僕の顔を覗きこんだ


       「待ってない」

僕は彼女の視線を無視してもくもくと問題を解いていた

       「うそ・・じゃあ、さっきはどうしてあんなことを?」

更に僕に顔を近づけて彼女は攻め込んだ

       「あれは・・・ちょっと・・間違った」

       「間違った?誰と?・・・あぁ・・恋人と?・・・
        ふ~ん・・・そうなんだ・・・ふ~ん・・・・・・」


       「ジニョン・・・

           いいから、ほら・・これだけでもやって・・・」


僕がそう言うと突然彼女が僕の顔をまじまじと見つめながら
意味ありげににっこり微笑んだ


       「何!」

       「もう一回・・・」

       「何を?」

       「ジニョン・・って」

       「・・・・・・・・」

       「もう一回・・」

       「・・・・・早くやって!」

       「照れちゃって・・・あなたの方が子供みたい・・・」

彼女はブツブツ言いながら・・・問題にしぶしぶ取り組んだ

問題集を広げるといっぱいになるほどの狭いテーブルで
僕のほぼ真下にある彼女の黒髪が僕の鼻先を甘くくすぐると・・・
彼女の視線が届かないところで僕の目が彼女を抱きしめていた

今までの僕ならば・・・
女と意気投合してこうしてふたりで過ごしていたならば・・・

その僕が・・・彼女を相手に数式を解いている

   笑える・・・大いに笑えた・・・

そして自然に彼女の名を口にしていた僕自身の心の変化をも
僕は不思議と心穏やかに受け入れていた



       「出来た・・・フランク、これでいい?」

       「どれ?・・・・・・・・・ああ、正解だ・・・どう?
        自分の身についた実感あるでしょ?」

彼女は満面に笑みを浮かべて「うん」と頷いた




そのあまりの可愛さに僕は何故か下を向いて笑った

       「何が可笑しいの?」

       「えっ?・・・いや・・可愛いなと思って・・」

       「可愛いと、笑うの?」

       「笑っちゃ駄目?」

       「普通は可愛いと思ったら、キスするんじゃない?」

       「して欲しいの?」

       「・・・して・・欲しい・・わけじゃ・・・ないわ」

       「そう」

       「・・・・・」

彼女が少しばかり不満そうな顔をして僕を見ていた
僕はその視線にわざと気づかない振りをして席を立った       


さっき、彼女が久しぶりに訪ねて来たとき、僕は不覚にも
無意識のうちに彼女を抱きしめていた・・・

   わかってる・・・

その行動に一番驚いていたのは・・・

   他ならぬ・・・この僕だ・・・



       「・・・そろそろ帰った方がいいんじゃない?・・・」

       「えっ?・・・」

彼女の不満顔がMAXになって僕に無言で何かしらを訴えた

       「何?」

       「あ・・門限の時間まで・・・もう少しあるわ・・・
        もう少し・・星見てちゃ駄目?」

   今日は星は出てない

       「・・・・・・・」

       「駄目?」

       「好きにして」

       「一緒に・・」

   そんな目で誘うな

       「駄目だ」

       「どうして?」

       「どうしても」

       「・・・・・・・」

彼女が寂しそうに顔を伏せてベランダに出て行った
僕はそんな彼女に構わずしばらく仕事に集中していた

彼女はベランダからなかなか戻って来なかった
僕は仕事の手を休めると、椅子の背に掛かっていた
自分のカーディガンを腕に抱えて両手にコーヒーカップを持った

そして彼女が佇んでいるベランダに出ると
まず、カーディガンを受け取るように彼女に目で合図した

       「風邪引く」

       「・・・・・・・・」

彼女は受け取ったカーディガンに黙ったまま袖を通すと
僕の差し出すコーヒーを受け取った

       「何してたの?」

       「考えてた」

       「何を?」

       「フランクが・・・・」

彼女はベランダの手すりに置いた自分の手に自分の顎を乗せて
少し口を尖らせた

       「僕が何?」

       「フランクが・・・どうして私とセックスしないのかなって」

       「プッ・・・・」

僕は思わずコーヒーを噴出してしまった

       「私って・・そんなに魅力ないのかなって・・・
        私の体は・・・フランクにとって男としての欲求が
        沸かない体なのかなって・・・」

       「子供の癖に・・・言うことが大胆だね」

そう言ったあと僕はひと口分のコーヒーがのどを通過するのを待った

       「また・・子供扱い・・・それって、凄く不愉快!」

       「大人の女はね・・いちいちそんなこと口にしないもんだ
        君は・・・粋がってるだけ」

       「そ・・そんなこと・・ないわ」

       「そう?じゃあ、試してみる?」

       「えっ?」

僕はコーヒーカップをテーブルの上に置くと
無言で彼女にじり寄った

       「フランク・・・そんな怖い顔しなくても・・・」

彼女は自分の緊張をごまかすかのように笑っていたが
僕はそれには応えなかった

       「・・・・・・」

僕はふいに彼女の胸のふくらみを洋服の上から鷲づかみにした
彼女はその瞬間、持っていたコーヒーカップを落とし、
その割れる音が彼女の幼い顔を驚愕にひきつらせていた

僕は容赦なく壁に彼女の体を押し付け、その首筋に唇を這わせた
そして瞬時にもう片方の手で彼女の短いスカートの裾をたくし上げると
その手を下から彼女の中心へと侵入させた

彼女の体が一瞬にして硬直し唇が震えていた
彼女が無意識に僕の体を押しのけようとした手を
僕は力づくで外して、壁にそのまま押し付けた

       「止めて・・・」

僕は止めなかった
彼女のブラウスを大きく開いて強く押し当てた唇を
首筋から鎖骨へと移動し始めた

       「止めて!」

今度は彼女が凄い力で勢い良く僕を跳ね除けた

       「こんなんじゃないわ・・・」
       「君がそうしてと言った」

       「違う・・・こんなんじゃない」
       「同じことだ」

       「違う・・・」
       「何が違う?・・」

       「・・・・・・・」
       「・・・・・・・」

二人の間に緊迫した沈黙が流れ
僕は彼女を・・彼女は僕を睨みつけていた

彼女が先に目を逸らした
僕も彼女の体から手を離してベランダの鉄筋の柵に両肘を付くと
広がる夜景に視線を離した

しばらく沈黙が続いた後
僕は背中に彼女の柔らかい頬の感触を感じた

       「ごめんなさい・・・私って・・・変なの・・・
        フランクにそうして欲しい・・・本当にそう思ってるのに・・・」

       「・・・・・・」

       「・・・フランク・・・怒ってる?・・・」
       
僕はゆっくりと彼女の方に振り返ると彼女の頬に掌を当て
微かな笑みを彼女に向けた


       「君はね・・・きっとまだ・・・
        心と体の成長が一致してないんだ」

       「・・・・・・」

       「怯えた目をした女を抱くなんてごめんだ」

彼女のきらきらと輝く潤んだ瞳が僕に強がりを言わせていた

結局のところこの僕が・・・彼女の怯えたまなざしから逃避している・・・
それを見透かされているようで一瞬彼女から視線を逸らし・・・
そしてゆっくりと戻した



       「・・・・・・・」

       「どうして・・そんなに急ぐ?」

       「だって・・・」

       「そんなことをしないと不安なのか?」

       「だ・・って・・・」

       「急がなくていい・・・いつか・・・」

       「いつか?・・・」

       「僕はいつか・・・君と・・・」   

       「本当に?」

       「ああ・・・何故だかわからないけど・・・」

       「・・・・・・・」

       「そんな・・・気がする」

僕は彼女の唇に自分の唇をゆっくりと近づけると
そっとささやいた
        
       「君がいつの日か・・・僕を好きだという気持ちと同じくらいに
        君の体が僕を求めたら・・・その時は・・・」

       「その時は?・・・」

       「抱いてやる」

       「えらそうー」

彼女がやっと笑って僕を見上げた

       「それに・・・」

       「それに?」

       「いや・・・何でもない・・・」

僕はまた体を翻して柵に手をかけた

       「また、言いかけるの?・・・やな感じ」

彼女は少し元気を取り戻して僕に憎たらしい顔をして見せた
僕はそんな彼女から視線を逸らしながら、他のことを考えていた


   それに・・・





       「ソフィアを見なかった?」

       「いいえ・・今日はまだ見てないわ」


       「ここんとこ、休んでるみたいだよ」

       「そう・・・」


ソフィアと話がしたかった
話をしなければならない・・・そう思った・・・

   何を?

それは彼女がもう気がついていることだと思っていた・・・

僕はこの二日・・・ソフィアを探し歩いた
しかし・・・彼女には会えなかった・・・

電話も繋がらなかった・・・

   そう言えば・・・

僕が彼女をこんな風に探したことが今まであっただろうか・・・
そんなことを思っていた

   なかったような気がした・・・それは・・・

   いつも・・・気がつけば彼女が・・・

   僕のそばにいたからだ・・・





ジニョンと出逢ってふた月・・・
彼女が僕のところに現れるようになってひと月が経過していた
彼女は殆ど毎日のように僕の部屋に訪れていた

そこには・・・
くったくない笑顔を惜しみなく僕に向けてくれる彼女と
いつの間にか彼女との時間を楽しんでいる僕がいた・・・

彼女の訪れを待ちわびる僕がいた・・・

   そして・・・今日もまた・・・

   そろそろ・・・彼女がやってくる・・・


僕はベッドに寝ころびながら、目を閉じた・・・

   今頃きっと・・・エントランスに入り・・・

   エレベーターに乗り込んで・・・

   僕の元へと急いでいる・・・

彼女の気配が近づくにつれて・・・
僕の心臓の音が間隔を短く刻み始める・・・

そして・・・彼女が・・・

   玄関に近づく足音を待った・・・




   来た・・・

僕は即座にベッドから起き上がると上着を手に取って玄関に向かい
彼女が呼び鈴を鳴らす前に乱暴にドアを開けた


       「キャァ!・・あーびっくりした!フラ・・ンク・・・?」

彼女は不意に開いたドアに驚いて胸を押さえていた

       「入らないで」

僕はそう言いながら、ドアの鍵を閉めた

       「え~!どうして?」

       「出掛ける」

       「え~!何処へ~」

       「何処でもいいだろ」

彼女が僕を追いかけて文句を言う

       「何処でもって・・何処に行くの~・・せっかく来たのに・・・」

       「いつもサンドイッチじゃ、飽きるでしょ?」

       「えっ?」

僕は不思議がる彼女の手を無造作に掴むと、さっき彼女が降りたばかりの
エレベーターに急いで乗り込んだ

       「フランク・・・」

       「・・・・・・」

       「ねぇ、フランク・・・出掛けるって・・もしかして・・
        私も一緒に?」

彼女がニコニコしながら繋いだ手を上に上げて見せた

       「これって、もしかしてデート?」

       「そんなんじゃない・・ただの食事」

       「え~!だって・・・ふたりで出掛けるんでしょ?
        デートよ~そうよ・・・デート・・ね、フランク」

       「うるさい」

彼女は嬉々として、いつの間にか僕の腕に手を回し
ぶら下がるように寄り添った

僕はその手を払わなかった


       「何をご馳走してくれるの?フランク・・」

   こんな何でもないことが・・・


       「何を食べたいの?」

   君のその・・・くったくない微笑が・・・


       「サンドウィッチ以外なら、何でも・・」

   こんなにも愛しい・・・


       「何処で食べたい?」

   こんな想い・・・


       「あなたと一緒なら、何処ででも・・」

   本当に・・・初めてだ・・・



         ・・・あなたとなら何処ででも・・・



               僕も・・・きっと・・・


                    ・・・・・・・・







 
     






















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