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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3854213/4697839
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 14 HIT数 6884
日付 2007/01/27 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 14.離したくない・・・
本文



     





ジニョン・・・君に・・・

諸手を挙げ降参するしか・・・僕には残されてないようだ・・・

   そう・・君の言う通りだよ・・・

   とっくに君が欲しかった・・・

   とっくに・・・君を抱きたかった・・・
       
   こうして・・・この胸に君を閉じ込めて・・・

   君を・・・愛したかった・・・

   それが僕の本心だ・・・


僕は彼女の手を取りいざなってベッドに腰掛けさせると
彼女の前にひざまずき見つめながらその白い頬をそっと撫でた

彼女は僕の手を大切なものでも抱くかのように両手で包みこんで
そのまま自分の唇に運び、僕の掌にくちづけをくれた

僕の手首にそっとくちづけて・・・

僕の頬に小さくくちづけて・・・

彼女は不器用なまでにゆっくりと・・・
まるで自分の心をひとつひとつ確かめてでもいるかのように
僕へのくちづけを繰り返した

僕は・・・彼女のなすがままをしばらく黙って見つめていた

彼女の唇がやがて・・・僕の唇に到達する頃には
彼女の瞳はもう涙でいっぱいだった


       「怖い?・・・」

彼女は涙を性急に飲み込んで大きくかぶりを横に振った

       「・・・あなたに・・・私を・・・」

彼女は言葉にならない情熱を僕の唇に伝えていた

   わかってる・・・わかってるよ・・・

   何も言わなくていい・・・

僕は言葉とは裏腹に震える彼女を・・・
愛しさを込めて強く抱きしめた

その瞬間彼女の口からまるで今まで
息をしていなかったかのような切ないため息がもれた

そして・・・僕は・・・
彼女の可愛いくちづけを僕からの熱いくちづけに変えた

僕の激しさに時に息苦しさを訴えるように彼女が僕を押し返し
そのつど僕は彼女の手を払いのけた

少しずつ彼女の体が後ずさりしてベッドの上をすべりゆき
ベッドサイドに接した壁で彼女が行き止まってしまうまで
僕は彼女の唇から自分の唇を離さなかった

押さえていた何かを瞬時に解放したかのように彼女を激しく求めていた
彼女がまた僕を押し返しても今度はその手を壁に押し付け離さなかった


   ああ・・・あの日もそうだった・・・

   君に初めて出逢った日・・・

   僕の感情が激しく君を求め、迷うことなく君をむさぼった・・・

   あの時から・・・もう既に・・・決まっていた・・・

   始まっていた・・・

   そうなんだね・・・だから

   君はそれを僕に必死に伝えていた・・・

      あなたはもう私を愛してしまったと・・・

      私たちはもう・・・戻れないのと・・・


   ごめんよ・・・

   僕が素直じゃなかっただけ・・・


   今こうして・・・君に向かう僕の想いを・・・

   君が切なく妖しく受け入れる・・・この日の君を・・・

   僕はずっと待ち望んでいたはずなのに・・・



彼女の唇の端から・・・息苦しさとけだるさが入り混じった溜息が漏れて
脱力した彼女の体が僕の唇をすり抜けベッドに崩れ落ちる

僕の唇が彼女を追い
彼女の耳に・・首筋に・・華奢な肩に・・・
休むことなく・・・余すところなく彼女をついばみ・・・
優しく撫でるように彼女を這う

そして彼女を包んだ布をひとつひとつ剥ぎ取りながら・・・
彼女の生まれたままの肢体を月明かりに露出させていった

彼女は目を薄く閉じたまま、僕の誘導にただ身を任せ・・・
僕の愛を刹那に受け入れていく

僕の唇が未知の彼女へと向かい・・・
彼女の吐息を少女から女のそれへと変えていく・・・


       「大丈夫・・・力を・・・抜いて・・・」

僕は彼女の耳元に甘くささやき彼女の心の準備を待った
彼女のまだ青いつぼみが僕のくちづけに潤い開く・・・

その瞬間に・・・
彼女の白い肌が美しい薄紅色に彩を変えた

そして僕の心には・・・
今までに味わったことのない感動が・・・衝撃が・・・
速く波打つ鼓動の中に生まれていた・・・

    ああ・・・・愛してる・・・

    愛してる・・・とは・・・

    こういうことなのか・・・

それは僕にとって・・・生まれて初めての感情だった・・・
信じられないほどの鮮烈な感情だった・・・

    君とひとつになる喜びが・・・

    体の芯から頭の先まで突き抜けるような
  
    電撃となって走った



彼女は横を向いて僕から顔を背けていた

僕は・・・
いつものように煙草に手を伸ばすことができなかった

濡れた彼女の体から唇を離せなかった

彼女との余韻に僕の心がまだ彼女に寄り添ったままだった

僕はそっと彼女の背中を抱いてその濡れた髪の中で深呼吸をした
それは彼女の甘い香りをひとつ残さず僕の中にしまいこみたかったからだ

       「愛してる・・・」

彼女の耳たぶを甘く唇で噛んで、低くささやいた

       「・・・・・・」

       「君は?・・・」

       「・・・・・・」

       「どうして黙ってる?・・・もう僕を嫌いになった?・・・」

彼女は黙ったまま頭を振った

       「それじゃあ、どっちなのかわからない・・・
        今のは横に振ったの?縦に振ったの?」

       「・・・・・・」

       「ジニョン?」

僕が彼女の乱れた髪を後ろに掻き揚げて覗くと
彼女は静かに泣いていた

僕は彼女の涙に驚いて息を飲んでいた

       「・・・・何故・・・泣くの?嫌だった?」

彼女はまた大きく頭を振った

       「違う・・違うの・・・・・幸せ・・だから・・・」

そしてやっと外に出せたかのような言葉を振り絞って僕に答えた
僕は彼女の頬に掌を当てて優しく自分に向けると
その言葉をくれた彼女の唇にそっとくちづけながらささやいた

       「僕もだ・・・」

       「・・・・・」

       「このまま・・・こうしていよう・・・朝まで・・・」

彼女は返事の代わりに体をゆっくり翻して僕の胸に顔をうずめた
僕はまるで宝物のように優しく彼女を抱いていた

    離したくない・・・

    他の誰にも・・・渡したくはない・・・


僕たちは静かに更けゆく夜の帳に包まれて・・・
穏やかな眠りの中に互いを確認しあっていた


・・・そして・・・


鳥のさえずりの中で目覚めた朝・・・
自分の腕の中に確かに存在する彼女の感触を実感しながらも・・・
僕はなかなか目を開けることができなかった

もしかしたら、昨日のことはすべて夢の中のことで・・・
今、このときもその続きでしかない・・・
目を開けると一瞬にして・・・
夢から覚めるような恐怖心が僕を躊躇わせていた

やっと・・・勇気を振り絞ってまぶたを動かすと・・・
彼女が笑ったような寝顔を僕の首に添わせていた

   いなくなってなかった・・・

   僕の・・・ジニョン・・・

僕はほっとして・・・彼女を思いきり抱きしめた


        幸せだと自然に笑顔になれるのよ・・・
 

   そうだね・・・ 

   君の言う通りだ・・・

   僕は今きっと・・・君の髪に・・・

   この上ない笑顔を埋めている・・・



僕の力任せの抱擁に目を覚ましたらしく
僕の腕の中で彼女が小さくうごめいた

       「ごめん・・・起こしてしまった?」

彼女が声もなくうなづきながら僕の視界から
恥ずかしそうな笑顔を逸らした

       「今日は何をしようか・・・」

       「お仕事は?」

目を輝かせた彼女が僕の首の下から僕を見上げた

       「今日はお休み」

       「本当に?」

       「ああ」

       「じゃあ、ずっとフランクといられる?」

       「ああ・・・ずっと・・・君といる・・・」

       「お昼も?」

       「何処に行こうか」

       「何処でもいいわ!」

       「また?何処でもいい・・か・・・」

       「だって・・・本当なんだもの・・・本当に何処でもいいの・・・
        あなたと手を繋いで歩ければ・・・それだけで幸せ・・・
        あなたは?」

       「僕?・・・・うーん・・・」

   君が僕の答えを今か今かと待っている
   君の期待する僕の答えをわざとじらして僕は楽しんだ

       「ねぇ・・・考えないと答えは出ないの?」

   痺れを切らせた君が少し口を尖らせた

       「人間には思考が大事だからね」

       「人間・・考えすぎてもどうかと思うわ・・・
        感情の赴くままに生きることも大切よ」

       「理性がなければ、人間じゃない、ともいう」

       「フランク!屁理屈多い!だから、どうなの?
        私といて、幸せなの?そうじゃないの?」


   突然君が起き上がって大声を出した

       「・・・幸せ・・・です」

   そして・・・僕の答えに満足げに微笑んだ

       「ジニョン・・・」

       「ん?」

       「小さくて可愛い・・・」

そう言いながら僕は彼女の白い胸に視線を流した

       「きゃあッ!エッチ!向こう向いて!」

       「エッチ・・って・・・今更・・・」


   ジニョン・・・

   君をからかう楽しみは・・・やはり止められそうにないよ

   君との戯れが僕に幸せの実感を与えてくれる

   まるで今君が僕に投げたその柔らかいクッションのように

   君の微笑が僕を幸福の波間に沈めていく

   君はいったい・・・何処から来たのだろう・・・

   もしかして・・・君は・・・

   僕を幸せにするために神が遣わした・・・

             ・・・天使?

   僕はこうしてしっかり捕まえて・・・

   この天使を天に帰さなくても・・・


            ・・・・いいかい?




   



その日を境に僕は彼女との時間を作るために
生活のサイクルを全て変えた

彼女がやってくる時間までに仕事の全てを済ませるようにした

そう・・・彼女が僕の元にやってくる頃には

   僕は本当の僕になっていたかった・・・

   本当の僕?・・・

   本当の僕・・・

   フランク・シンが本当の僕じゃないなら・・・

   本当の僕は・・・誰なんだ・・・

   

       「フランク・・・コーヒー切れたみたい・・・
        買ってこようか?」

       「ああ・・頼むよ・・・そこにあるお金持ってって」
       

レオとの緊迫したやり取りも彼女に見せたくなくかった

今まで味わったこともない安らぎのときを誰にも邪魔させたくなかった

       「ボス・・・5時以降連絡をするなとはどういうことだ」

       「連絡をするなとは言ってない・・・
        メールにしてくれ、そう言っただけだ」

       「同じことだ・・時には即決しなければならないことだって
        出てくるぞ・・・そんなことで・・」

       「忠告はいい・・・僕は僕のやり方で仕事をする
        余計なことを言うな!」

       「・・・・・・」

       「その代わり、決して後悔はさせない」

       「・・・・・・わかったよ・・・
        それより、この前の案件全て・・片がついたぞ」

       「そうか・・・それで?」

       「20の儲けといったとこだな」

       「いつものようにお前の取り分を除いて、残り全て投資に回してくれ
        買い付け先は今送信するリストから・・・選択は任せる」

       「了解・・・それじゃ・・」

レオの言わんとすることはわかっている・・・
今の僕にとって、何が重要で何がそうでないのか・・・
一秒の油断が大きな損失をもたらす世界に身を置きながら
僕は今・・・
ぬるま湯に浸かった精神状態のような自分に多少の杞憂を抱いていた

しかし、例えそれが破滅へ向かう道だとしても・・・
何にも変えられないものを僕は胸に抱いてしまった

   だから・・何だ・・・

   何だと言うんだ・・・レオ・・・

僕は自分の胸にかかったもやを紛らすかのように
煙草の苦い煙を深く吸い込んだ


その瞬間、玄関で物音がした     

       「戻ったの?・・・丁度コーヒー飲みたくなった
        早速入れてくれる?」

       「コーヒー?私が入れてもいいの?」

その声に驚いて振り向くとソフィアがそこに立っていた

       「ソフィア・・・・」
       

       「フランク!ただいま・・・同じコーヒーなかなか見つからなくて・・
        遠くまで行っちゃっ・・・た・・・あ・・・あの・・・」



ジニョンはソフィアと対面して、彼女が僕の「恋人」であることを
即座に感じ取ったのか、とっさに弁解の言葉を口にしていた

       「あの・・私・・・フランク・・先生に・・家庭教師をしていただいてます
        ソ・ジニョンと申します・・・」

       「ジニョン・・・何言ってる?」

       「家庭教師?・・・フランク・・・あなたを家庭教師にできるなんて
        ラッキーな生徒さんね・・・」

       「いや・・・生徒じゃない」

       「あの!先生・・・私、そろそろ・・帰ります・・・」

そう言うなりジニョンは買ってきたコーヒーをキッチンに置くと
僕の方を振り向くことなく慌しく出て行った



       ・・・ 「ジニョン!」 ・・・













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