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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3846127/4689753
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 27 HIT数 7460
日付 2007/04/23 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 26.君がいないと僕は・・・
本文





        





collage by nonmam

a picture&music by tomtommama

story by kurumi


























彼女が行きたいと望んだthree hundred rosesの
人が行き交う入り口の前で
僕は彼女を抱きしめたまま離さなかった
いや・・・離せなかった・・・

僕に巻きつく暗黒の渦に彼女を奪われまいと
必死にしがみついてでもいるかのように・・・


   「ドンヒョクssi・・・人が見てるわ・・・」

   「構わない・・・」

僕は彼女が人目を気にする言葉を口にするたびに
彼女の華奢な肩に回した両腕に力を込めた

   「だって・・・」

   「うる・・さい・・・僕がこうしたい時は
    君は黙って・・僕の腕の中にいて・・・」

   「・・・・・フラ・・ンク?・・・どうしたの?・・・
    何かあったの?・・・」

   「何も?・・どうして?」

   「だって・・さっきのあなたの目・・・
    何だか・・・怖かった・・・」

   「怖い?・・・僕はいつもの僕だよ・・・
    こんなことも・・・今に始まったことじゃないでしょ?
    僕は何処でもいつでも・・・君をこうして・・・
    抱いていたいだけ・・・」

   「フフ・・・そう・・ね・・・そうよね・・・
    いつもの・・・あなたよね・・・でも・・・」

   「でも?何?」

   「そろそろ・・・」

   「お腹すいた?」

   「そんなこと言ってないわ」

   「お腹鳴ってる」

   「うそ!」

   「僕はもっとこうしていたいけど・・・仕方ないね・・・
    食いしん坊ジニョン・・・では・・・エスコートを・・・」

   「ドンヒョクssi!」

彼女は頬を膨らませながら、僕の胸をひとつ叩いたあと、
それでも僕の差し出した腕に優しく手を添えた

彼女のくったくのない笑顔に包まれていると・・・
僕の心に掛かった闇の雲が嘘のように晴れていく・・・

僕は・・・
僕の腕に添えられた白い手をそっと上から包み込むと
幸せそうに微笑むその横顔に固く誓いを立てた

      たとえ何があろうと決して・・・

      この手は離さない・・・

      たとえ誰であろうと絶対に

      ふたりの愛を壊させはしない・・・

      ジニョン・・・

      君は僕の・・・愛しい・・・天使・・・


店の中に入ると、アールヌーボー調に施された内装が
洗練された様相と落ち着いた雰囲気を醸し出していた

   「君がこんな大人っぽいところを好むとは意外だね」      

   「ふふ・・素敵なところでしょ?ラスベガスのお店と
    まったく同じように作ったんでっすって・・・
    ドンヒョクssiも気に入ると思ったんだけど・・どう?」

   「ん・・・気に入った」

   「ホント?良かった・・・」

僕達は案内されて、テーブルに着くと改めて
見詰め合い互いに笑みを交わした

   「ドンヒョクssi・・・ありがとう・・・」

   「ん?」

   「連れて来てくれて・・・」

   「不思議なんだ・・・
    今までは経験しようとさえ思わなかったことでも
    君と一緒なら・・心が弾む・・・」

   「そうなの?」

   「ああ・・・だから言ってみて・・・
    どんなことをしたいとか・・・
    何が欲しいとか・・・君のためなら僕は・・・」

   「ありがとう・・でもね、ドンヒョクssi・・・
    あんまりないわ・・・
    ここに来ることはついおねだりしちゃったけど・・・
    本当は・・・あなたといれれば何処でもいいの・・・
    何をしててもいいの・・・」

   「本当に?」

   「ええ・・・本当よ・・・だからお願いはひとつだけ・・・
    お仕事の時は仕方ないけど・・・できるだけ
    いっぱいそばにいて・・・ね・・」

   「それはもちろんだよ・・でも・・・」


      本当にそれだけで・・・いいの?


   「どうかした?ドンヒョクssi・・・」

   「・・いや・・・何でもない・・・」

   「また・・何でもない?・・・
    何だか・・・今日のドンヒョクssi・・・」


      今日の僕は・・・


   「変?」


      確かに変だ・・・


   「うん・・・何となく」

   「だとしたら、君と離れていたせいだな」


      これから立ち向かおうとしているものに

      僕は何故か初めての恐怖を覚えている      
      

   「離れてたって・・・朝別れてからまだ8時間しか・・」

   「8時間・・も・・だろ?・・・480分・・十分長いよ・・・
    もう死にそうだった」


      それを君に悟られたくはない・・・


   「ふふ・・オーバーね・・・」


      君には・・・どうかそのまま・・・

      笑っていて欲しい


   「オーバーなもんか・・ 僕はね・・・
    君と離れたその瞬間から・・・君に逢いたくなる・・・
    知らなかった?」

   「本当に?」

   「ん・・」

   「私も・・・」

   「ホント?」

   「ええ」

       僕が今どれほどの幸せな顔をしたのか・・・
       僕にもわかったよ・・・ジニョン・・・

       いつもなら・・・
       「もっと幸せそうに笑って」と君が必ず文句を言う・・・

       今・・目の前の君は頬を薄紅色に染め僕を笑顔で包む

       君はまるで僕の心の鏡のようだ・・・

       僕がどれほど幸せなのか・・・

       君のその笑顔が教えてくれる




   「ここのお食事はね、すごく美味しいって・・・
    韓国でも有名だったのよ・・・食材もかなり厳選してるんだって」

   「そう」

   「それにレストランとしての姿勢も超一流だと」

   「レストランとしての姿勢?」

   「ええ・・例えばね・・・
    この食器ひとつをとってもそうなのよ・・・
    見て・・このグラスの輝き・・・」

   「それがどうかしたの?」

   「この輝きはグラスのひとつひとつを
    丁寧に愛情を込めて手入れしている証拠よ・・・
    それから、このナイフとフォーク・・・シルバーを磨くのって
    すごく大変なの・・・でも見て・・顔が映るほどでしょ?
    お肉の切れ味もとてもいいわ・・・」


料理を味わうこととはおよそ関係のないことを得意げに話す彼女は
今まで僕が知らなかった彼女のような気がして・・・
僕は思わず視線をテーブルに下ろしていた


   「君の感想って・・・
    18歳の女の子が言うようなことじゃないね」

僕は視線を落としたまま、少しばかりムッとしたような口ぶりで
彼女の言葉を遮った

しかし彼女は僕のそんな様子に気付きもしないで
話を続けた

   「小さい頃、よく出入りをしていたホテルのレストランで
    教えてもらったの・・・私がちょっとでも触ろうとすると
    それはもう、こっぴどく叱られたわ・・・
    お客様に使っていただく大切なものだって・・」

   「小さい頃?・・・」

   「ええ・・ホテルが遊び場だったの・・・ホテルの仕事ってね・・・
    どんな些細なことでも、お客様のことを第一に考えて
    従業員ひとりひとりが心を尽くしているのよ・・・」

   「ホテル?」

   「ええ・・・幼い頃には何気なく見ていたことだけど
    大きくなるにつれて、それがすごく感動的に思えるようになったの・・・
    それで私は・・・」


瞳を輝かせながら嬉々と語っていた彼女が
僕の表情の変化にやっと気がついて次第に
その笑顔を曇らせていった

   「それで君は・・・ホテリアーになりたくなった・・・」

   「え・・えぇ・・・」

   「ジョルジュと・・・」

   「・・・・・?」

   「・・・・・君はそこで働きたいと・・・まだ思ってる?」

   「・・・・・・ジョルジュが?」

   「正直に答えて・・・まだそこで・・・彼と・・・
    ジョルジュと働きたいと・・・思ってる?・・・」

   「・・・・・・思って・・・ないわ・・・」


       ジニョン・・君は正直な人だ・・・


   「・・・・・・僕が・・君の夢を奪ってるんだね」


       僕はいつの間に・・・
       こんなにも君を愛してしまったんだろう・・・

       
   「だから!思ってないわ」


       君の瞳の奥の心までもが見えてしまう
       

   「僕はどうしたらいい?・・・
    君を心から愛してるこの僕が・・・

    君の望みならどんなことでも叶えたい・・
    そう言っているこの僕が・・・
    君のことを一番縛り付けてる・・・」

   「そんなこと思ってない・・」

   「しかし・・・僕はまだこの地を離れることはできない
    かといって・・・君のことも手放せない
    僕はどうしたら・・・いいんだろう・・・
    君がいなくなったら僕は・・・」

   「ドンヒョクssi・・・」

   「ジニョン・・・もう少し待って・・・
    必ず君の・・・一番の望みを叶えられるように・・」

   「私の一番の望みはあなただわ」

僕の言葉を遮った力強い彼女の眼差しが


   “あなたを決して置いては行かない”


そう言って僕を慰める


   「君は・・・僕の希望の・・・全て・・なんだ・・・」


       僕はいつからこんなに・・・弱虫になったんだろう


   「わかってる・・・わかってるわ・・・ドンヒョクssi・・・」


彼女はまるで幼子を宥める母のように僕を見つめていた
そして沈黙のまま泣き笑いのような笑顔を作って見せた

僕もまた必死に笑おうとしていた

       さっき君に見せた幸せいっぱいの笑顔は・・・

       ねぇ・・ジニョン・・・

       どうやればまた君に見せられる?


滲んだ涙を隠したくて・・・

僕は大きく深呼吸をすると・・・

彼女の視線から逃れて宙を仰いだ・・・


       情けないな・・・


            君がいないと僕は・・・


                  ・・・もう・・・駄目みたいだ・・・
    
    
   
 

      

 

































































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