俺はフランク・シンを思い浮かべて眉を顰めると
独り言でも言うように小さく呟いた
「フランク・シン・・か・・・」
「・・・・・」
「君は奴に勝てるのかな?」
「・・・・・」
「ジョルジュ・・・」
「はい・・・」
「私を好きだと言ったね・・・戦いたくないと・・・」
「・・・・・」
「甘いな・・・
いったい君は・・・私の何処を見てるんだ?・・・」
「何が言いたいんです?」
「いや・・忠告をしてるだけだ・・・
上辺だけで人を判断するなと・・・
もしかしたら、私は君の将来を脅かす人間かもしれない」
「レイ・・やっぱり、ジニョンを?」
「さあ・・どうかな・・・」
そう言って口の端で小さく笑ったレイの目が一瞬
不気味な光を放ったように見えた
今まで見たことのないようなレイの冷たい視線に
得体の知れない何かを感じて俺の背筋を震えさせた
僕は昨夜から、レイモンド・パーキンの発した言葉の裏に
何が隠されているのかを読み取ろうと模索していた
ただ、僕を組織の手中に収めたい・・・それだけなのか・・・
奴のことになると、先が読めない自分が情けなく・・
苛立ちを覚えた・・・
あいつの狙いは・・・いったい何なんだ
そのこととは間逆に合併問題はスムーズに運んでいた
このまま行けば、一ヶ月後には取引も終結し
僕は予定通り、二ヵ月後、ジニョンの父上にお目通りが叶う
そうしたら・・・
何もかも上手くいく・・・
「ボス・・・グランドホテルの株価の動きが変だな」
僕の目の前で先程からPCの画面と睨み合いをしていたレオが
苦虫を潰したような顔つきでそう言った
「急激に落ちてる・・・大口が売りに出たな・・」
「・・・・・」
「このままでは俺達の損害が大きくなるぞ・・・
手に入れるのには苦労したが・・・
ここはひとまず・・・離すか・・・」
「いや・・待て」
順調に上昇していたはずの株価が暴落を見せていた
このまま暴落が続けばグランドホテル優位に取引が運ばない
そんなことにでもなったら最後、僕の信用は瞬く間に失墜する
「レオ・・・このままにしておいてくれないか」
「しかし、ボス・・・もし、このままだと
俺達は一文無しだぞ・・わかってるんだろうな」
「わかってる・・・」
「フランク・・確かにお前はすごい奴だよ・・・
しかしな・・俺の長年の経験からすれば、今回は
俺の勘の方に分がある・・・そう思わないか?
正直、お前はまだ経験が浅いんだ・・・な・・悪いことは言わん」
「・・・・駄目だ・・・いや・・頼む」
「・・・・・」
確かに今回はレオの意見が正しいかもしれない
どうしてだ、と言われても、返す正論が見つからなかった
それでも・・・僕の中の何かがそうさせた
自分を信じろと・・・
迷うなと・・・
「どうだ?」
「揺さぶりに動じる様子はありません・・・」
「そうか・・・」
「いかがなさいますか」
「買い戻せ」
「レオ・・信用取引の上限は?」
「あと20といったところだ」
「すべて使え」
「バカなこと言うな」
「いいから・・・やれ」
「ジニョン・・・」
「あ・・先生・・・」
校門近くでばったりとレイに出会った
「サークルは?」
「い・・いいえ・・・今日は・・」
「・・・ジニョン・・さっきから何だか変だね・・・
まるで私を避けているみたいだ」
「い・・いいえ!避けてなんか・・・」
「そう?・・・じゃあ・・行こう」
そう言うなりレイが私の手首を掴んで歩き出した
「先生!・・離して・・・何処へ行くんです?
先生!・・・レイ!」
レイが私の大声でぴたりと足を止めた
「いったい・・・どうしたと言うんです?レイ・・
何だかいつものレイじゃない」
「ごめん・・・ちょっと強引だったね・・・
きっとジョルジュにあんなことを言われたからだな」
「あんなこと?」
「私が君を見る目・・・変なんだそうだ」
「変って?」
「つまり・・・君を愛してる・・・」
「え?」
「そういう目をしてる・・・」
そう言いながら私に近づくレイの瞳は憂いを帯びていて
まるで遠い宇宙に吸い込まれそうな程だった
彼のくちびるが静かにゆっくりと近づく様を
私はまるで磁石で留められでもしたかのように
身動きできないまま見つめていた
「離せ・・・」
レイの肩越しに恐ろしい目をしたフランクが見えた
私を睨みつけてでもいるかのような目が
私の今までの金縛りを瞬時に解き放った
レイはフランクの声に驚くでもなく、振り向きもせずに
私に向かって薄く微笑んだ
フランクの登場をわかってでもいたかのような
その不適な微笑みは・・・
決して今まで私に見せていた温和で
優しさに溢れた微笑ではなかった
レイ・・・目の前にいるあなたは・・・
いったい・・・
・・・誰?・・・
kurumi☆
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きゃはは^^tokoさん、今続きを書くために復習(笑)していて、レス見つけた^^みんなが「止めて!!!」と叫ぶまで止めなくてもいいのね^^了解!といいたいところですが、止めて!と言っても止めませんよ~ |
2007/08/06 21:24 |
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toko7
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kurumiさん、アンニョン♪みんなが「止めて!!!」と叫ぶまで、止めないでね! |
2007/07/28 00:38 |
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kurumi☆
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yukiiinaさん、ありがとう^^サファイアから読んで下さってるんでしたよね^^はい・・長くなります・・・みんながもう止めて、と叫びたくなるくらい(笑) |
2007/04/27 08:21 |
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yukiiina
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kurumi☆さんずーっと待ってました^^一気にここまで・・・ハラハラ・ドキドキで・・・まだまだ先が長そうですね架すかに先が見えそうで見えないよ~何時までも一緒にいて欲しいのに・・ケンチャナ? |
2007/04/26 17:32 |
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