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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848135/4691761
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 37 HIT数 8095
日付 2007/12/25 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 36.岸壁
本文







  

 

collage & music by tomtommama

 

story by kurumi

 



 

「フランクの女を捕まえろ。」

「しかし・・・この件はレイモンド様に任せると・・・
 それがボスの意向だと・・・」

ライアンの側近が常軌を逸している彼に対して、遠慮がちに異論を唱えた。

「俺の言うことに従わない奴は、ここにはいらない」

ライアンの睨んだ鋭い目が彼らに有無を言わせなかった。

「・・・わかりました・・・それで・・・」

「フランクを力づくで手に入れる」 ライアンは企みを目の奥に忍ばせ言った。

「我々は、あなたが三代目を継ぐことに全てを賭けています
 もしもレイモンド様が後継となれば、そこで我々のすべてが終わる。」
それは彼らの偽らざる思いだった。

「レイモンドが三代目を継ぐ理由がどこにある?」 
ライアンは彼らの率直な懸念を、すかさず一蹴した。

「・・・・」

「お前達の気持ちがぶれているようでは先が思い遣られる」
そして彼らをまた睨み上げた。

「申し訳ありません」

「行け・・・」

 

 


「ジニョン・・・しばらくここへ来るのは止めよう
 特にひとりで来たりしては絶対に駄目だよ」
フランクはジニョンを心配げに見つめながら、そう言った。


「どうして?」
それなのにジニョンは首を傾げて、彼の言葉の理由を問うた。

「どうして?怖かっただろ?」

「そ・・そんなことないわ」

「嘘つけ・・震えていたくせに」

「震えてなんか・・」

「ねぇ・・・はい・・は?」
フランクはジニョンに向かって、彼女の異論は受付けない、と言わんばかりに
顔を近づけ言った。

「・・・・・」

「君はいつもそうだ・・・ね、知ってる?
 君はね・・僕の言うことに“はい”と答えることがない
 少しは素直になったらどう?」

そう言うと、ジニョンはプーと頬を膨らませて僕を小さく睨んだ。

「ん?」

僕はジニョンのその膨らんだ頬を人差し指で潰してみせながら、彼女の顔を
下から覗きこんだ。

「プッ・・・・わかったわ」

「はい・・」

「・・・は・・い・・・」

「まったく・・・」

 

僕が執拗にそんなことを言うわけをジニョンはどれ位理解しているだろう。
レイモンドにここが知れたということはあいつの組織の誰もが知り得るということになる。

「それから・・・何処に行くのにも
 ひとりで行動しては駄目だよ」

「どうして?」

 

   ほら・・・案の定、きょとんとした顔を向ける

 

僕はそんな彼女に思わず笑ってしまった。

 

「何が可笑しいの?フランク・・・」

 

   ジニョン・・・
   君がいつの間にか僕の名前を「ドンヒョクssi」と呼ばなくなっていることに
   君は気がついているかい?

   それは・・・
   僕が今きっと、この緊迫した状況の中で
   知らず知らず本来の僕であるドンヒョクを忘れ 
   またフランクに戻ってしまっている・・・
   その証なんだろうね

    そうでないと、奴に太刀打ちできないんだ

   でも本当はね

   早く君の中に・・・本当の僕を取り戻したい


「大した理由はないさ・・・ほら・・こんな世の中だろ?
 あまりに物騒だからさ」
   
「ふふ・・・フランク・・心配性なのね」


「ああ・・君に対して・・だけはね」

 

「わかったわ・・気をつける」

 

「うん・・そうして」


   必ず・・・そうして・・・

 

僕はジニョンを学校の寮に送ると、その足でレオとの待ち合わせ場所に急いだ。


「ボス・・・パーキンの周辺が少し慌しくなってきたぞ」

「慌しいとは?」

「アンドルフ・パーキンがトップを退くことが噂され始めた」
レオが、それがひどく大変なことだと言わんばかりに、険しい顔をした。

「というと?」

「三代目は誰が継ぐかということになる」

「誰だ?」

「ああ・・情勢はレイモンドが有力だ・・・
 長男のフレッド・パーキンは
 早くから戦線離脱している
 残るは、ライアン・パーキンとレイモンド・・・」

「長男が駄目なら次男じゃないのか・・・」

 

「普通はな・・・しかし、次男は出来が悪い
 いや・・マフィアとしては、出来が悪いわけじゃない
 父親よりもどちらかというと初代に似ている兵だ
 いわゆる・・・昔ながらのマフィアだろうな
 堅気に恐れられているという意味だ・・・
 だがしかし、奴には人望がない
 その点、レイモンドは賢く、理知的で人望も厚い」

「たかが・・マフィアだ」 僕は吐き捨てるように言った。

「フランク・・・マフィアとはいえ、
 今や、パーキン家はアメリカでは一大企業だぞ
 トップにはその企業を運営していく力が必要なんだ」

「レイモンドにはあると?」

「ああ・・・しかし、それを阻止する動きが内部にある
 次男側に付いていた陣営と長男に付いていた陣営がタッグを組んで
 レイモンド潰しに掛かっているというわけだ」

「レイモンドが・・・潰される?」

「いや・・・奴はそう簡単には潰されはしない
 穏やかな風貌の裏に隠された冷徹さといったら
 兄貴達には及びも付かないだろう
 噂では長男が退いた理由も、レイモンドに恐れをなしたからだと
 だからフランク・・・注意しろ」

「僕に何の関係がある?」

「大有りだ・・・
 次男のライアンのような闇雲に手荒いことをする奴は
 時としてそのものが凶器だからな
 頭を使うレイモンドを相手にするより覚悟が必要だぞ」

「覚悟?」

「とにかく早いこと、この案件を片づけて
 奴らと手を切ろう」

「それは僕だって、そう願いたい」

「だから・・・」

「だから?」


「俺が言いたことはわかるだろ?」

「ソウルホテルに構うな・・か?」

「わかっていればいい」


「・・・・・」

「わかっている顔じゃないな」

「・・・・・」


「ボス・・・フランク・・・」 レオが溜息をつきながら目を閉じた。

「わかってるよ・・・」

   わかってるさ・・・僕だって

   ソウルホテルに構いたくなどあるものか


   しかし・・・あのレイモンドがそうさせてくれない


     《フランク・・・私も気が長い方ではないんでね
      確かにジニョンに情が移ってしまったことは認めよう
      しかし、それは飽くまでも生徒に対する情でしかない

      そうだフランク・・タイムリミットを設けることにしないか?
      もう直ぐジニョンの父上がアメリカに入る・・・
      そのことは君も知っているね

      その日を君と僕とのタイムリミットとしよう
      よろしいかな?・・・あと一週間だ
      フランク・・・これ以上答えは待たない

      私の本来の姿を知らないわけじゃあるまい?
      可愛いジニョンとて・・・それは同じことだ・・・》

 


   あいつがいかに冷酷か・・・噂は数少なくない
   一度彼を怒らせると、この世界で生きて行けなくなる・・・
   そう震え上がっている者もいる

   長男のフレッドが心底惚れていた女を誘惑して
   彼女が自分に心を向けたとたん冷たく捨てた

   それだけじゃない

   彼らの母親もレイモンドに陥れられ
   一文無しでパーキン家を追われたという噂だ

   フレッドはそれ以来、パーキン家に寄り付かない


         噂だろ?


   ああ・・・噂だ・・・

 

       確かに彼には計り知れない冷徹さが垣間見える

       しかし・・・決して卑怯な奴には見えない


         ふっ・・・

       敵を弁護してどうする・・・


       僕も焼きが回ったか・・・


       さあ・・・どうする?


       ジニョンの父が渡米するまで一週間
       僕は何をしたらいいんだ


       奴の策略をどうやって

 

            ・・・かわす?・・・
         


              

 

 

     




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ヨンkiss
あと一週間でどう事態が変わるのか・・・・どうするのドンヒョク!ジニョンだけでも守ってあげて・・・(-"-) am.4:51 2008/01/06 04:40
フック
ジニョンの人を疑う事を知らない純真さを愛しているフランクだけど、ジニョン、お願い!!!敵の罠にかかって、フランクを窮地に陥らせないで・・・。 2007/12/26 22:34
joonkei
レオの情報収集は長けていますねーフランク、敵の再確認が必要よ。パックの冷たい横顔~ツボね♪ 2007/12/26 00:20
 
 

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