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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 41 HIT数 8515
日付 2008/02/06 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 40.決別
本文









     「・・おじさんから連絡があったか?」

     「ええ・・」

     「それで・・・どうする?」

ジョルジュはさっきからずっと、
私の顔を見ないまま静かな声でそう言った

     「・・・・」

     「俺は帰国する・・・お前は・・・どうする?」

     「どうするって・・」

     「おじさんは本気だぞ」

     「・・・わかってる」

     「あいつには話したのか」

     「・・・・」

ついさっき、フランクの車を降りようとした時、
ジョルジュが私の視界に入ってきた
フランクも彼の存在に直ぐに気づいたようだった

いつもならジョルジュとの接触を避けるかのように
そのままアクセルを吹かせるはずの彼が

一旦エンジンを切り車から降りると私の隣に寄り添い
ジョルジュが私達に近づいて来るのを一緒に待っていた


    《何の用ですか》

急いで走って来たジョルジュが息を荒く継ぎながら、
私ではなくフランクに向かって開口一番そう訊ねた
私は、フランクとジョルジュの顔を交互に見比べながら
昨夜フランクについた嘘が、彼にはとうにお見通しだということに
私は小さく溜息をつくしかなかった

    《ジニョン・・ちょっと席を外して》

フランクはそう言って私を車の中に戻すと、
ジョルジュとその場から離れて行った
互いに深刻そうな顔つきで向き合い何やら話をしていたが
彼らの声が届かない私には、ただそんなふたりを
心配げに見つめることしかできなかった

    



 

     「今週末にはおじさんが渡米して来るぞ」

     「さっき、フランクと何を?」

     「なあ・・ジニョン・・・お前・・
      あいつといて・・・幸せか・・・」


ジョルジュが私の質問をわざと無視した

     「どうしてそんなことを聞くの?
      フランクが何か言ったの?」


私が再度問い質すように彼の目を睨みつけると
彼はしばらく黙り込んで私の先を大またで歩き始めた


    《約束は守ってもらわなきゃ困る》

    《約束?》

    《君にとってもジニョンは大事な人だろ?》

    《君にとっても?俺にとって・・だ》

    《彼女から目を離すな・・そう頼んだはずだ》

    《いったい、あんたの周りで何が起こってるんだ
     ジニョンに何か起きるのか!
     それに・・どうしてジニョンが巻き込まれなきゃならない
     何の事情も聞かされず!
     あんたにあいつのことを頼むなどと言われる筋合いもない!》

    《事情は知らない方がいい・・それから・・
     レイモンドに用心しろ・・いや、奴の周辺で蠢くものに
     用心して欲しい》

    《レイモンド?レイとあんた・・何の関係があるんだ?
     レイも巻き込んでるのか・・このところ
     レイの様子がおかしいのはあんたのせいか?》

    《とにかく・・ジニョンをひとりにしないで欲しい
     今、こんなことを頼めるのは君しかいないんだ》

そう言ったあいつの目が余りに真剣で、俺はそれ以上のことを
問い質すことが出来なかった


    《あんたに言われなくとも・・・ジニョンは俺が守る》


あいつは俺のその言葉をまるで聞かなかったみたいに
車で待つジニョンに視線を向けると、俺の言葉にこうかぶせた

    《僕達がこうして話していることが気になっているだろう
     ジニョンには・・彼女が僕についた嘘を責められた
     そう言ってくれ》

    《嘘?》






 

     「あいつと一緒にいて・・・
      これから先のお前の幸せが見えるか」

しばらくしてジョルジュが、黙って彼の後ろを歩いていた私に
急に振り向いたかと思うと突然にそう尋ねた

     「どうして!・・そんなこと聞くの!」


私は思わず声を荒げてしまった

     「お前・・不安なんだな・・・」

私の目の奥にある何かを読み取りでもするかのように
私の顔を覗きこんだジョルジュが私の心の中を
簡単に結論付ける

     「不安なんか!不安なんかないわ!
      私・・フランクを愛してる・・凄く愛してる
      死ぬほど愛してるもの!」

     「軽々しく死ぬほどなんて言葉使うな!
      お前はまだ子供なんだ!
      あいつの全てを背負えるほどの器量はお前にはない。
      それがわからないのか!」

     「わからないわ!オッパが何を言いたいのか
      少しもわからない!」

昔からジョルジュといつもこんな風に喧嘩をしていた
ジョルジュが私に怒鳴る時はいつも
私のことを想ってのことだということも知っていた
知っているから余計に、反抗してしまうのかもしれない
言われていることが、図星であることを認めてでもいるように
私は彼に対して意味もなく怒鳴り散らす

  わかってるわ・・・そうよ・・私はフランクといても
  いつも不安を抱えている

  彼を愛している・・・それは紛れもない事実
  彼も私を愛している・・・それもきっと・・・事実

  でも・・・時々
  彼が消えてしまう夢を見る
  彼が私を置いていってしまう夢を見る


     「夢を見るの・・・」

     「夢?」

     「ええ・・・」

     「嫌な夢なのか」

     「ええ・・・」

こういう会話だけで・・・
私がどんなにその夢に怯えているのか、わかるのは
きっとこの世でジョルジュだけだと思う

小さい頃から、私が嫌な夢を見るといつの日かそれが
現実になることがよくあった
と言っても今までのそれらの殆どはとても些細なことで
例えば、楽しみにしていた旅行の前にお腹を壊すとか
とても欲しかった限定品が手に入らないとか
後になって、笑って話せることばかりだった

でも時々、本当に嫌なことを夢見ることがあって
その都度、私はジョルジュにその恐怖を話していた

そしてその中にひとつ・・・
私の記憶の奥に潜在しているものがある
ずっとずっと昔・・・
私はきっと凄く大事にしていた何かを失くしている
それが何なのかはわからないけれど
記憶にないほどの遥か昔、
私は何か大切なものを失くす夢を見ていたような気がする
そしてそれはきっと現実になった・・・と思う・・・
でもそれが何なのかは・・・今でもわからない


私のフランクの夢は・・・その夢に近い
何故だかわからないけれど・・・意味もなくそう感じていた

  
     「俺は・・・おじさんの言う通り、
      お前が俺と一緒に帰国してくれればいいと思ってる
      俺のそばにいてくれればいいと思ってる
      たとえ、お前がおじさんの言うなりになって・・・
      帰国することがお前自身の本心に沿わないことだとしても
      お前の・・俺への気持ちがなかったとしても
      俺はそれでも構わない・・」

     「心がなかったら・・幸せにはなれないわ」

     「お前の心は必ず取り戻してみせる!
      お前は・・俺のそばでしか幸せになれない!
      俺はそう信じてる
      今のお前がたとえあいつを・・・死ぬほど愛してるとしても
      俺が・・お前を愛してることにはきっと叶わない!」

     「そんなの!」

     「叶わない!・・文句があるか!」

ジョルジュは私の肩に指を食い込ませながら、力強くそう言った

     「ジョルジュ・・・ジョルジュ・・・
      そんなこと言わないで・・私にそんなこと言わないで
      私・・あなたを愛してる・本当に愛してる・・
      でも・・それはね・・兄に対する愛でしかないの
      きっとこの気持ち・・これ以上にはならない・・
      決してならない・・」

     「それでもいい」

ジョルジュは私の肩から手を離すと、私に哀願するような眼差しを向けた

     「ジョルジュ・・」

     「それでもいい・・」

     「ジョルジュ!」

     「それでもいい!」

目にいっぱいの涙を溜めたジョルジュの悲愴な姿が次第に歪んでいった
私は溢れ出る涙を拭おうともしない彼を目の前にしてひどく苦しかった

でも彼の想いには、決して応えられないことを私はとっくに知っていた
彼が言うようにたとえ、フランクとの愛が実ることがなかったとしても
彼の想いは決して受け取ってはいけない・・そう想った

ジョルジュは私のことを一番わかっているかもしれない
彼といれば私はきっと幸せをもらえるのかもしれない
でも・・・彼を・・・私が・・・
決して幸せにできない・・・
どんなに時間が過ぎ去ろうとそのことはきっと変わることはない

     「ジョルジュ・・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・
      ごめんなさい・・ごめんなさい・・・ごめ・・」

私は何度も何度も彼に対して謝っていた
ジョルジュはそんな私をただ呆然と見つめているだけだった

互いに頬を伝う涙は途切れることなく流れ続けていた
ジョルジュはきっと・・・私の彼への心の決別を

この瞬間に・・・

   認めていたのかもしれない・・・

 



 

     「ボス・・どうした・・顔色が悪いぞ」

     「いや・・何でもない・・
      それより居場所はわかったか」

     「ああ・・・ボス、もう一度聞くぞ
      本気だな」

     「ああ」

     「・・・・わかった・・・」

     「連絡先をくれ・・僕が直接会う」

     「いや・・それは俺が・・」

     「駄目だ・・レオ、お前にはソフィアと一緒に
      残った仕事をやって欲しい」

     「しかし・・お前ひとりでは・・」

     「ひとりの方がいい」

     「・・・・」

     「奴らに気づかれないうちに・・


           ・・・片をつける」・・・











 


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Lusieta
どんどん緊迫感が増してきて、息が苦しいです。ジニョン、ハタチやそこらでこんなに重い運命を抱えるのね。tomさん、この背景の風合いがすごくしぶくてかっこいい!! 2008/02/13 17:15

もう・・・わたしも不安でいっぱい・・・・ジニョンさん・・・どうしてそんなに揺れるの???フランクを信じきれないの?????kurumiさ~ん・・いつまでこの辛い思いを抱いていればいいのと恨み言。 2008/02/10 18:12
eyonyon
tomoちゃん♪ この背景画!!最高なんだけど~~~~(爆) 重病フランクが作ったの^^   では静かに・・・しずかに・・・ 2008/02/06 23:38
poraris31
益々2人の未来が心配になって来ました・・・ でも必ずD&Jは幸せになれますよね!kurumiさんお・ね・が・い・・・ 2008/02/06 23:18
 
 

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