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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848359/4691985
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mirage
創作mirage-儚い夢- 2006.6より with BYJにて連載中
No 44 HIT数 8705
日付 2008/03/11 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage-儚い夢- 43.チェイス
本文










フランクとローザ・パーキン・・・
互いの思惑を乗せて飛行機はLAを飛び立った


そして5時間後、JFK空港に着陸すると
フランクはパーキン夫人より先にタラップを降り
彼女とはまるで無関係のように歩き進んだ

ローザ・パーキンもまた彼の後方を少し離れて歩いた

レオが予定通り駐車場でフランクの到着を待っていた  

  僕は車の前で待つレオに目線だけで応えた
  そして僕がおもむろに後部座席のドアを開けて、
  後ろから現れた女をエスコートしていることに
  怪訝な顔を向けていたレオが突然声を上げた


    「おい!ボス!・・・いったい・・
     まさか・・おまえ・・」

    「いいから・・乗れ!」


  少しも言葉になっていない状態のレオに
  そう言い放つと僕は
  彼女の後から同じ後部座席へと乗り込んだ

  レオは後ろを終始気にかけながらも、
  僕が顎で合図すると仕方なさそうにエンジンを
  掛けながら冷静を装い言った


    「ボス・・その方は・・・もしかして・・・
     いや・・ローザ・パーキン夫人とは言わないでくれ」

    「この後はいかがなさいますか?
     ・・・パーキン夫人・・・」


  僕はレオの疑問に答えるでもなく夫人に
  向かって声を掛けた
  その瞬間、運転席のレオがハンドルを
  握っていた右手を自分の額に当てがい
  無口になった


    「・・・・」

    「その書類・・私は今すぐにも欲しい
     しかし、あなたはそれを手放さないとおっしゃる・・
     私はどうしたらいいのでしょう」

    「私がこの書類と一緒にあなたと行動を共にするわ」

    「あなたにも危険が及びます」

    「せっかくだけど・・ご心配は無用・・・」


パーキン夫人がそう言って後ろを振り向くと、
フランクもそれに習って後ろを振り向いた
そこには彼女の護衛らしき男達が数名乗り合わせた車が
この車にピッタリ付いて走っているのが見えた


    「・・・・」

    「さあ・・まず・・何を致しましょうか?フランク・・」

    「明日レイモンドに会います」

    「そう」

    「あなたのお嫌いなレイモンドですが・・・
     それでもご一緒に?」

    「・・あの子に会うのは・・・五年ぶりかしら
     相変わらず・・いい男?」

    「さあ・・」   

    「今日からNYグランドホテルに宿泊するわ」

    「NYグランドホテル?」

そこはパーキン家の息が掛かったホテルだった

    「ええ、そうよ・・・フランク・・・
     もちろん、あなたも私と一緒に・・・
     しばらくそこに滞在してもらうわ」

    「・・・・」

    「私がLAに無事に帰るまで・・・
     あなたとしても私の身は心配でしょう?」

    「・・・・」

    「レイモンドともそこで会いましょう」


その時、突然妙な動きをした車の中でフランクと夫人が
互いの体がぶつかるほどにバランスを崩した

    「レオ!どうした!」

    「付けられてる」

    「後ろの車は夫人の・・」

    「いや・・別の車が割り込んだ!」


レオの緊迫した声にフランクが後ろを振り向くと
一台の黒い車が明らかにこの車を狙って接近していた

もともと後ろについていたはずの夫人の護衛車は
その後ろでバランスを崩したかのような動きを見せ
遭えなく路肩に逸れていた

    「タイヤを狙われるぞレオ!
     スピードを上げろ!」

    「上げてる!」


その車がこちらにわざと接触しながら止まるよう合図を送ってきた


    「もっとだ!」

    「これ以上は無理だ!」

レオの声は悲鳴にも似ていた

    「レオ!代われ!」

    「何バカなこと!」

    「いいから!シートベルトを外せ!
     シート倒すぞ・・
     直進になったら移動だ!いいか!」

    「わ・・わかった・・」


レオはフランクに言われた通り、まず、自分のシートベルトを外した
そしてフランクが運転席のシートを横から操作して後ろへ倒すと
次にフランクがハンドルの左側、レオが右側を互いに握ったまま
レオは重そうな体を必死に助手席へとずらした


  そして僕は後ろから運転席へと体を
  滑り入れた瞬間
  アクセルを思い切り踏み込みそのまま
  その足を離さなかった


    「ボス!・・ス・・スピード・・出し過ぎ」


レオの表情にはさっきまでの緊迫した中に
今度は恐怖に混乱していた

    「我慢しろ!
     マダム!頭を低く、しっかりつかまって!」

    「ええ」


フランクが後部座席に視線を送ると、パーキン夫人が
グリップにしっかりとつかまり身を庇いながらも
怯える様子も無く、至って冷静に見える姿があった


   流石・・・マフィアのボスの妻・・



フランクはそれまでの車の通りの少ない道路から
街中へと進行方向を変え、慣れた路を縦横無尽に走り回ると
何んとかその車の追跡をかわすことに成功した

    「どうだ・・」

    「もう大丈夫だ・・付いて来てない」


そして当初の目的地グランドホテルへと軌道修正した


    「いったい・・」


レオが大判のハンカチをポケットから取り出して
顔の汗を拭きながら文句をいうように口を開くと
夫人がその言葉に答えるように静かに言った


    「あの男は・・レイモンドの側近ソニーの手下だわ」

    「レイモンド?」

    「ええ・・間違いないわ・・」

    「そうすると・・レイモンドには
     僕があなたと会っていたことは知られている・・・」

    「そういうことね・・
     あなたも・・レイモンドを甘く見たわね」

    「あなたの連れこそ・・何の役にも立ちやしない」


  僕は自分達の車の後を一向に付いて来る
  気配がない彼女の護衛車に向かって言った


    「ふふ・・確かに・・・」


しばらく走った後にフランクは安全な場所で一旦車を停車させ
今度はちゃんとドアから後部座席に移動した

そして、夫人に向かって開口一番こう言った


    「渡してもらいましょうか・・」

    「・・・・」

    「こうしてあなたや僕がそれを持っている以上
     狙われることは必至・・・
     僕が安全な場所に隠します」

    「・・・嫌だと言ったら?」

    「腕ずくでも」


フランクは彼女の手首を瞬時に掴むと鋭く睨みつけた
そしてその手に徐々に力を加え締め上げていった

    「・・・痛いわ・・」

    「このまま・・折ってしまっても構いませんよ」

    「そんなことできるわけ・・」

    「あなたも命は惜しいでしょう?
     僕もこんなものの為に死にたくは無い・・」

    「あなたが私を守る保障は?」
    
    「あなたが・・・
     あなた自身の意志でかばんを離したら・・・」

    「離したら?」

    「あなたの命は必ず守る」


夫人は握っていたアタッシュケースのグリップから
白い指をゆっくりと離していった
フランクもまた、強く握った彼女の手首を静かに離した

そしてそのケースを受け取ると、そのままレオに手渡した


    「レオ・・今すぐ車を降りろ
     僕達とは別行動を・・」

    「わかった」

レオは彼女のアタッシュケースを手に、
マンハッタンの街中へと消えた


    「本当に折れるかと思ったわ」

    「本当に折るつもりでした」

    「レディにすることじゃないわ」

彼女は自分の手首をさすりながら、彼を睨んだ

    「失礼しました・・・」

    「許せないわ」

    「お詫びはどのように・・」

    「お詫び?・・ふふ・・そうね・・・
     キスしてくれたら・・」

    「・・・・」

    「ここへ」


  彼女は至って真面目な顔をしてそう言いながら
  僕がたった今まで強く握り締めていた自分の手首を
  僕の目の前に差し出した


  彼女は不思議な人だった
  不気味なほどに冷静で
  何を考えているのかわからない怖さを
  持ち合わせているかと思うと
  時に女性としての可愛さを垣間見せる

  さっきまで彼女からアタッシュケースを
  奪い取る為には手荒な行動も辞さないと
  覚悟を決め本気で向かっていた僕に、
  こうして肩透かしをするような
  想像も付かない言動をする

  僕はそんな彼女に苦笑いを向けながら、
  痛々しそうに赤くなった彼女の華奢な手首に

  今度は優しく手を添えて・・・


     そっと・・・


         ・・・くちづけをした・・・















































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eyonyon
BGMが今更ながら・・・mirageのイメージにぴったり合っていて・・読んでいてドキドキでした~~  フランクのこの微笑も^^ 2008/03/20 17:48
eyonyon
久し振りに・・・ここまで続けて読んできました^^ 今のヨンジュンssiに演じて欲しいね。。一人二役で・・カーチェイス・・似合いそう♪ 続き待ってます・・ 2008/03/20 17:38
フック
う~~~~ん、全く予測のつかない展開!!!この先どうなっていくの?????でもkurumiさんの頭の中にはしっかり筋道が出来ている!!!頭の中覗きたぁ~~~い。 2008/03/14 20:32
poraris31
益々目が離せないですね~ ドンヒョクがんばれ!! PCに向かって思わずエールを送っちゃいました。ドキドキ・・・ 2008/03/11 23:43
Lusieta
この取引のためならキスだってしちゃうのね、ドンヒョク。唇にと要求されたらどうだったんだろう・・・・。職場のPC、音が出ない。いや、出たら困るか(笑) ドキドキ・こそこそ・・・・・ 2008/03/11 15:19
Lusieta
すごいな、ミラージュへは、こんなふうにたどり着く仕組みなんですね。kurumiさん、すごい! ドンヒョク超あぶない橋を渡ってる最中なんですね。身震いしちゃう。しかしもうすぐ最終回って・・・どうやって? 2008/03/11 15:17
 
 

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