ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3847933/4691559
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 89M/100M
メンバー Total :335
Today : 0
書き込み Total : 1988
Today : 1
こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 15 HIT数 7705
日付 2007/05/28 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 10.worry(心配) 前編
本文







  







      










ジニョンとの連絡が取れなくなって一週間が経とうとしていた

ジニョンは携帯電話も、自宅の電話も、ドンヒョクからの電話には
一向に出ようとしなかった

ジェニーからの報告では、毎日のようにホテルに出勤しているとの
ことだったが

元気に働いてくれている・・・

例えそれがわかっていても
ジニョンの心が掴めないドンヒョクの精神状態は
当に限界に来ていた

ジェニーへの取次ぎでさえも、決して出ようとしないことに
ジニョンの決心の堅さが伺えた

    僕を完全に避けるつもり?

    何故?・・・ジニョンssi・・・

ドンヒョクには成す術も無く、いらだちが募るばかりだった

    ≪強情な人なのね・・・

     そういう人は決断したら、堅いのよ・・・≫

ソフィアの言葉が更に彼の不安に追い討ちをかけた


   『テジュンssi・・・お願いがあります・・・』

ドンヒョクの声は神妙だった

   「何か・・・」

   『ジニョンssiと・・話しをさせていただけませんか』

   「話?何故・・・私に?」

   『電話に出てくれません・・・』

   「ほう・・・それは面白い・・・いや、失礼・・・
    それで・・・私に仲介をしろと?
    理事・・・いや、シン・ドンヒョクssi・・・
    はっきり申し上げてよろしいですか・・・

    彼女があなたとの連絡を自分の意思で
    絶っているとしたら・・・
    私はそれを尊重したい・・・
    そう申し上げたら如何なさいますか・・・」

   『まだ、あきらめていない・・・
    そういうことでしょうか・・・』

   「あきらめたと・・・
    いつ申し上げましたでしょう・・・」

   『・・・・・・・・』
   「・・・・・・・・」

電話の向こうとこちら側で、二人の男の沈黙が静かに流れた
そしてしばらくして、テジュンが小さな溜息をついて
その沈黙を遮った


   「・・・・・・・・十分後にここへ電話を。」

テジュンはそうひと言だけ告げると受話器を置いた
そして、今度は大きく溜息をついて、
今しがた置いたばかりの受話器をもう一度取ると
その同じ手で内線のボタンを押した


     何故俺が、あいつの手助けをしなければならない?

     いいや・・これは・・・やつの為なんかじゃない・・・


   「ソ支配人を呼んでくれ・・・」

     ジニョン・・・このところ・・・

     お前の様子が空元気に見えて仕方なかった・・・

     そういうことだったのか・・・




しばらくして、ジニョンが忙しそうな様子で社長室に現れた

   「何の用?・・・ですか?社長」

   「社長はよせ・・代理だ・・・いいから・・・座れ」

テジュンは顎でソファーを指した

   「ここでいいわ・・・今、厨房でも呼ばれてるの・・・
    ゆっくりしてられないわ・・・」

そこへ、テジュンの机上の電話が待っていたように着信を知らせた

   「はい・・・あ・・・お待ち下さい・・・
    ジニョン・・・お前にだ・・・」

   「私?・・・」

ジニョンは指で自分を指し、声を出さずに 誰?と口を動かしながら
デスクに近づいた
テジュンは彼女の目を見ることなく、受話器を彼女の手に渡した

   「もしもし・・・ソ・ジニョンです」

   『・・・・・やっと・・・・声が聞けた・・・』

   「あ・・・・」

ジニョンの耳に届いたのは彼女がとても、聞きたかった声・・・
待ち望んでいた声・・・
しかし・・・その心と裏腹に頑なに遠ざけていた・・・愛しい声・・・
彼女はテジュンの方を慌てて見たが、彼はそ知らぬ顔で席を立った

   『ジニョンssi・・・』

   「あの・・・ごめんなさい・・・今仕事中ですので・・・」

   『そんなこと、承知の上だ・・・こうでもしないと
    いつまで経ってもあなたを捕まえられなかった・・・』

   「でも・・・もう、戻らないと・・」

そう言いながら周りを見まわしたが、テジュンの姿は既に無かった

   「ドンヒョクssi・・・ごめんなさい、それじゃ」

   『切るな!ジニョン・・・お願い!切らないで!』

   「・・・・・・」

   『このままいつまで続けるの?・・・僕と話もしないで・・・
    どうするつもりだった?・・・』

   「・・・・・・」

   『電話も何度もした・・・メールも・・・知ってるよね・・・
    最後の電話から、もう一週間経つ・・・
    その間、僕がどんな気持ちだったか、わかる?
    あなたが何を考えているのか・・・
    あなたが何処を見ているのか・・・
    何も分からなくて・・・探してた・・・
    こんな状態で・・・僕はどうすれば良かった?』

   「・・・・・・」

   『何とか言いなさい』

   「・・・あなたのせいよ・・・」

   『僕のせい?・・・そうだね、僕のせいだ・・・それで?
    どうして・・・今、アメリカに来て欲しくないのか、
    話せばいいの?』

   「話さなくていいわ」

   『どうして?それを気にしてるんでしょ?』

   「もう気にしてないわ・・・」

   『ミーシャと会ったこと聞いたよ・・・彼女の言ったこと・・・
    それを聞いて・・・僕のこと信じられなくなった?』

   「彼女は・・・関係無いわ・・・」

   『じゃあ、何故!電話にも出ない!
    メールしても読んでるのかすら伝わってこない・・・
    僕がどれだけ翻弄したか・・・こうして、あなたと話すために
    あなたにとっては僕と話せないことなんて何でもないことか!
    このままの状態で・・・あなたは平気でいられたのか!』

   「怒鳴らないで!」

   『怒鳴ってない!』

   「・・・・・・・」

   『・・・・・・・』

ジニョンの目からは涙が溢れていた・・・
ドンヒョクにそれを悟られまいと、時折受話器を手で塞ぎ深呼吸して堪えた

   「・・・・・わかったの・・・・」

少しの沈黙の後、ジニョンはぽつりと言った

   『何が?』

   「あなたと・・・私が・・・釣り合わない・・・」

   『釣り合わない?・・・』

   「あなたと私では住む世界が違いすぎるの・・・
    私・・・あなたのそばに行くのが怖い・・・」

   『言ってることが分からない・・・ジニョンssi・・・』

   「前から、そう思ってた・・・
    でも、あなたがいれば・・・大丈夫・・・
    そう自分に言い聞かせてた・・・」

   『あなたがいないと・・・僕は駄目になる・・・』

ドンヒョクはジニョンが切々と話す言葉の先にあるものへの不安に
脅威に似た思いを抑えようと必死だった

   「あなたのこと・・・ずっと・・・考えてたの・・・
    毎日・・・毎日・・・考えてた・・・
    仕事をしているときは・・・気持ちが紛れて・・・
    少しは楽になるの・・・
    でも、ひとりになると・・・自然に涙が零れた・・・
    まるで身体の奥底から・・・涌き出るみたいに・・・

    だから・・・出来るだけ・・・ひとりにならないようにしてた・・・
    もう少しであなたに逢える・・・
    それだけが私の心を支えてた・・・
    でも・・・それがまた覆された・・・

    それってね・・・私達の運命なんじゃないか・・・
    そう思ったの・・・
    神様が私達を逢わせないようにしてる・・・
    そう思うと・・・妙に納得してしまう・・・

    あなたは私の為に・・・多くの犠牲を払った・・・
    私はあなたの負担になってる・・・
    私がいなければ、あなたは・・・自由に仕事ができる・・・」

   『勝手に決めるな』

   「私・・・もっと・・・楽に生きたい・・・」

   『どういうこと?』

   「私・・・考えた・・・あなたとは・・・」

   『何言ってるの?・・・』

   「私を楽にして・・・あなたとは・・・」

   『言うな・・・』

   「これ以上あなたとは・・・」

   『言うな!』

ドンヒョクの叫びにも似た声がジニョンの言葉を遮った

   「・・・・・・・」

   『ジニョンssi・・・止めて・・・止めてくれ・・・      
    僕にどうしろと言うの・・・
    僕に・・・あなたをあきらめろと?・・・
    あなただけが欲しくて・・・あなただけを求めて・・・
    生き方さえもあなたに準じた・・・
    あなたも・・・僕を愛してる・・・そうでしょ?
    それなのに・・・
    僕をひとりにするの?・・・ジニョン・・・』

   「・・・・・・・」

   『ずっと・・・怖くて聞けなかった・・・・
    あなたが・・・アメリカに一緒に来てくれなかった・・・理由・・・
    ホテルのため・・・それだけじゃなかったこと・・・』

   「・・・・・・・」

   『ハン・テジュン・・・
    彼が・・・あなたをソウルに留めた・・・
    あなたは・・・そのことを、僕に言えなかった・・・』

   「・・・・・・・」

   『僕はそれを・・・あなたに・・・どうしても確認できなかった・・・』

   「・・・・・・それは・・・・・」

   『彼といる時のあなたは・・・とても楽しそうで・・・
    あなたを幸せに笑わせる彼に・・・僕はいつも嫉妬してた・・・
    僕は彼のように・・・あなたを・・・楽にしてあげられない・・・
    そういうことなの?・・・・』

   「・・・・・・」

   『教えてくれないか・・・彼のことを考えると・・・
    まだ・・・胸が震える?』

   「・・・・・・・」

   『いっそのこと・・・そう言って欲しい・・・
    彼を愛してるからだと・・・
    僕を置いていくなら・・・
    心だけを持っていくな・・・ジニョン・・・』

   「・・・・・・・」

   『何故黙る・・・言いなさい・・はっきり・・・』

     ドンヒョクssi・・・・

     あなたを・・・・

   「愛しています・・・」

   『・・・・・・・・・』

ジニョンの耳に、電話の途切れる音が悲しく響いた
ドンヒョクがあれほど拘ったジニョンとの繋がりを自らの手で絶った音だった



ジニョンは受話器を持ったまま呆然と立ち尽くしていた

   「何やってんだ?お前・・・」

その声に振り向いたジニョンの瞳は涙で溢れ、心は既にここに無かった

   「ジニョン?・・・ジニョン!」

テジュンは彼女に正気を取り戻させようと
彼女の肩を強く揺さぶった

   「ジニョン?・・・」

彼女はそのまま、彼の腕の中に崩れ落ちた


           ・・・ジニョン!・・・



 


前の書き込み こいびと 10.worry(心配) 後編
次の書き込み こいびと 9.give up (あきらめる)
 
tomtommama
これをリアルタイムで呼んでいたら アップまで待てなくなるよね^^; まっている身が辛いもの 2011/11/26 00:12
tomtommama
ジニョンから決定的な言葉を聴きたくなかったドンヒョクの声は慟哭のよう。けれど それを聞いて(誤解させられた?)自ら電話を切ってしまうなんてーーーーー (T.T) そしてジニョン。。。 2011/11/26 00:12
tomtommama
やっとの思いでテジュンに頭を下げてジニョンを電話口まで呼んだのに、二人の気持ちは寄り添っているはずなのに、どうしてこうなる? 2011/11/26 00:09
hiro305
kurumiさんの創作を足してもっと深いストーリーになっていきますね。それにしても辛い・・・(;;) 2011/11/19 00:00
hiro305
この回は何度読んでもボロボロに泣きます。ドンヒョクもジニョンも切な過ぎて、すれ違う想いの行き場がない・・・心が壊れてしまいそう・・でもその表情を出せるヨンジュンという俳優がいるから本編と 2011/11/17 23:47
4ジュナ
この辛さがハッピーエンドに向かっていると思って涙しながら、ドンヒョクの苦悩を思いながら読んでいきます。(T_T) 2007/05/29 00:23
4ジュナ
本当に辛い・・・受話器を握り締めるドンヒョクの表情が胸を締め付けます。このBGMも・・・↓このkurumiさんの気持ち、よ~く分かります。私も同じだから。救いのない辛さは嫌だけど、 2007/05/29 00:21
フック
どんなに切なくても、何度も過去旅に出かけ、読み耽ってしまうのは、そしてさらに切なくなって涙してしまうのは、そこにkurumiさんの愛が一杯あるから。tomさんの素敵な後方支援があるから。 2007/05/28 23:22
フック
切なさと怒りと哀しさと鋭さ、そんなどうしようもない複雑な心の襞の一つ一つを演じきれるのはヨンジュンssiだけ。kurumiさんに同感!!!だから私は何処までもkurumiさんについていきます。 2007/05/28 23:10
tomtommama
1年離れているから二人にとっては辛いよね。。。もっと短く設定しておけばよかったねkurumiちゃん(笑)「こいびと」書くときにはもう遅いけれどね^^ 2007/05/28 23:06
kurumi☆
ふふ・・ココさん、自分で言って、自分で納得してる?信仰にも似たふたりの愛・・・に爆笑^^ 2007/05/28 22:20
ナタデココ
見えないものを信じるという信仰にも似た2人の愛、結論解かっているから苦しくても応援したい、そして私達も2人の心が繋がる日を静かに待ちましょう・・・・(_ _)うんうん 2007/05/28 22:14
ナタデココ
ジニョンのと気持ちの行き違いが生じこんなにも心に亀裂が入ってしまった2人、↓のkurumiさんの思いは良くわかるつもりだけど・・・辛いで~す(T▼T)この亀裂を埋める術は何?信じられないものを信じ、 2007/05/28 21:52
kurumi☆
ドンヒョク側に立っている書き手(私^^)の願望でもあります…その責任を取るという手段が今回の彼女の悲しみと苦しみなのです^^でも、ドンヒョクの方が苦しんじゃうけど^^; 2007/05/28 21:35
kurumi☆
揺れた、という部分に触れています…ジニョンがあの時、ドンヒョクに着いて行かなかった理由は社長からの言葉だけではなかった…ジニョンはその自分の心に責任を取らなければならない(取って欲しい)という 2007/05/28 21:32
kurumi☆
この回は前に何度も言っている様に、本編でのラストの再会までにジニョンをNYに行かせられない理由付けをあれこれ考えたひとつ…ここでは、本編でジニョンがテジュンの「行かないでくれ」というような眼差しに心が 2007/05/28 21:30
kurumi☆
というお約束付きで…そうでないと、「愛の群像」のような決してハッピーエンドとは言い切れない終わり方は胸が痛すぎて、立ち直れそうも無い(笑) 2007/05/28 21:27
kurumi☆
切ないお話や、悲しいお話は苦手です…ハッピーエンドものの方が好きだし、映画なども後味の悪いものは極力避ける方です…なのに、ヨンジュニには辛い演技をしてもらいたい^^もちろん、ラストは必ずハッピーエンド 2007/05/28 21:25
kurumi☆
私が書くものがどうしても切なくなるのは、=彼のそんな演技が最高に好きだからです^^何人もの方がkurumiさんは“どS”?と口々におっしゃいましたが、決してそうではありません…どちらかというと、 2007/05/28 21:23
kurumi☆
この回はまたまた辛いです…ドンヒョクにとってはこの10と次回の11が一番辛いかも^^こんな辛い思いをどうしてドンヒョクにさせるの?とお思いでしょうが(笑)それはヨンジュニの辛そうな演技が大好きだから 2007/05/28 21:19
 
 

IMX