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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848809/4692435
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 16 HIT数 7422
日付 2007/05/28 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 10.worry(心配) 後編
本文
      












      








ジニョンが気がついたとき、彼女は自分の部屋のベッドの中だった
いつ・・・どうやって部屋に戻ったのか覚えていない
それに何故か胸が苦しくて頭が重い・・・

   ドンヒョクssi・・・
   眠りから覚めると私・・いつもそうなのよ・・・
   あなたのことが恋しくて・・・恋しくて・・・
   胸が張り裂けそうになる・・・

   あぁ・・
   声が聞きたい・・・

   電話にも出なくて・・・怒っているでしょ?
   意地を張ってしまって・・・ごめんなさい・・・

   そうだわ・・
   私から・・そうよ・・私から電話しないと・・・


ジニョンはベッドサイドの電話の受話器を取り、押し慣れた番号を押した
コールが1回、2回と鳴っていく・・・
このコールの向こうからもう直ぐドンヒョクの声が・・・
そう思っていた・・・

しかし、彼女の顔から次第に色が失せていった
そして彼女は・・・慌てて受話器を元に戻した

   私・・・さっき、ドンヒョクssiと話を・・・した?

   何を?・・・

自分の脳裏に、さっき、交したドンヒョクとの言葉が鮮明に蘇った・・・
ドンヒョクに自分が何を言ったのか・・・
そしてドンヒョクは・・・

       「あぁぁーーー!!」

ジニョンの叫びに驚いて、隣の部屋で
ジニョンの様子を気遣っていたテジュンが慌てて入ってきた

       「ジニョン!」

そこには、ベッドに座ったまま顔を両手で覆い、泣き崩れたジニョンがいた

テジュンは彼女のその哀れな姿に大きく溜息をつきながら、
ベッド脇の床に胡座をかいて座った
そして、ジニョンが落ち着きを取り戻すまで黙って待っていた

しばらくして、ジニョンはやっと、隣で待つテジュンに気がついた

       「ずっと?・・・」

       「ああ・・・社長室で倒れた・・・」

       「ごめんなさい・・・」

テジュンは立ち上がり、ジニョンに受話器を差し出した

       「何?」

       「電話しろ」

       「どこに?」

       「あいつにだ」

       「・・・・・・・」

       「さっきのことは、嘘だったと言え」

       「聞いてたの?」

       「今なら取り返しがつく」

       「つかないわ」

       「お前!・・・情けないぞ!そんな顔して・・・
        あきらめられないんだろ!」

       「あきらめるわ!・・・あきらめる・・・」

       「自分に嘘をついてまでか!」

       「・・・・あの人に言ったこと・・・本心なの・・・
        あの人のこと考えると・・・胸が張り裂けそうになる・・・
        苦しくて、苦しくて・・・潰れそうになる・・・」

       「それが愛してるってことだろ?・・・」

       「愛してるわ!怖いほど愛してる!
        でも、私はあの人の足を引っ張ることがあっても、
        あの人に・・何の助けにもならない!
        私は・・・あの人の負担になることなんて死んでも嫌!」

ジニョンの思いつめた目に、テジュンは今
彼女に何を言っても仕方が無いことだと思った

       「・・・・・・」

       「・・・・・・」

       「今日はもう、このまま早退扱いにする・・・
        ジェニーもそろそろ帰ってくるだろう・・・
        大丈夫だな!
        明日は・・・ちゃんと出勤しろ・・・」

ジニョンはテジュンの言葉に沈黙のまま、ゆっくりと頷いた





       「もう一杯・・・」

       「飲み過ぎですよ・・・フランク・・・」

       「いいから・・・入れろ・・・」

飲む時は静かに優雅に飲む彼が、今日は席に付いてからのピッチが
異常に速かった
決して仕事のことを持ちこまないこの場所では彼はことのほか紳士で
いい客でもある
その彼が酔いつぶれる姿を初めて見た馴染みのバーテンは
そう思っていた
仕方なくバーテンはロックグラスに瓶の口を近づけた

その時、細く白い指がドンヒョクのグラスの口を塞いだ

       「フランク・・・身体に良くないわ・・・」

       「誰?」

ドンヒョクは酔いが回ったような様子で声の主を探した

       「あなたが来ない時・・・その席は私の指定席なの・・・
        ・・・隣に座っても?」

彼は返事の代わりに視線をその隣の席に向けた

       「アンジェ・・・?」

       「名前・・・忘れてなかったのね?」

       「君みたいな美しい人・・・忘れるやついない」

       「嘘つき・・・名前思い出せないことあるでしょ?」

       「フッ・・・何飲む?」

       「いつもの・・・」

       「いつもの?」

バーテンはにっこり笑って、黙って頷いた

       「本当によくここへ?」

       「ええ、あなたに初めて連れてきてもらった
        一年前から・・・ずっと・・・
        今ではあなたより、馴染みの客よ・・・
        この半年は、特に・・・毎日のように来てた・・・
        いつかあなたに・・・会えるかと思って・・・
        そう言ったら、怒るでしょ?
        うるさい女は嫌い、ですものね・・・」

       「うるさい女?・・・嫌いじゃないよ・・・」

ドンヒョクはアンジェの肩を抱いて耳元でそう囁いた

       「酔ってるのね・・・かなり・・・」

       「全然・・・・・・少し薄めに・・・頼む・・・」

ドンヒョクはバーテンに自分のグラスを差し出した

それから、しばらく二人はゆっくりとグラスを傾けた
普段はあまり口数の多くないドンヒョクが、
アンジェとバーテンを相手に珍しくお喋りで、よく笑っていた
アンジェは見たこともない彼の・・・声を上げて笑う様子に驚いていた


       「そろそろ帰るわ・・・」

アンジェが席を立とうとすると・・・

       「帰る?・・・どうして?」

ドンヒョクが彼女の手を掴んで、その目を見つめた

       「今日は帰る・・・今日のあなた・・・」

       「可笑しい?今日の僕は・・・可笑しい?・・・アンジェ・・・
        帰らないで・・・僕と・・・
        一緒にいて・・・そう頼んでも?」

甘えたような彼の目がアンジェの心を簡単に掴んで離さない

   どうしたの?今まで・・・そんなこと・・・

   言ってくれたこと・・・一度も無い

   いつものあなたと違う・・・本当のあなたと違う・・・

   わかっていても・・・

   あなたの・・・その目に・・・吸い寄せられる・・・
 


ドンヒョクとアンジェはその店を二人で後にして、夜風に当って歩いた

その道のりを、二人は終始無言だった
アンジェと並んで歩く彼の顔は先程までの陽気な様子から、
次第に無表情になり、今までの饒舌が嘘のように何も話さなくなった
時折、彼女が彼の表情を覗いても、彼は彼女を見ることもしない

   一緒にいて・・・

そう懇願したはずの彼の心は既に彼女と一緒にはいなかった


ホテルの部屋に入ると、アンジェの視線はただ彼の姿を追っていた
酒の匂いを漂わせた彼は部屋に入るなり、乱暴に椅子に腰掛けた
そして彼は、彼女に背を向けたまましばらく窓の外に広がる夜景を
静かに眺めていた

       「フランク・・・」

後ろから、やっとの思いでアンジェは彼に声を掛けた
近寄りがたい何かが彼の周りを硬く囲っているようだった

       「ごめん・・・悪かったね・・・もう帰っていいよ・・・」

彼は彼女に背を向けたまま、静かにそう言った

       「・・・・・・・」

アンジェは少し近づいて彼の横顔を覗いた
窓の外の遠くを見つめていた彼の頬を涙が伝っているのが見えた

       「フランク?・・・」

アンジェは彼に近づき、彼の頬に触れようと指を伸ばしたが、
その指は彼の大きな手に阻まれた

       「止めろ・・・・」

       「フランク・・・何があったの?
        何があなたをそんなに・・・悲しくさせているの?」

       「何でも無い・・・」

       「・・・・・・・私じゃ・・・駄目?」

       「・・・・・・・」

       「私じゃ・・・あなたを慰めることはできない?」

       「慰める?どうやって?」

彼は鋭いまなざしを彼女に向けて突然立ち上がり、
彼女の両手を強く掴んで激しく壁に押し当てた

       「どうやって慰める?」

アンジェは黙って目を閉じた
そんなアンジェをドンヒョクの冷たい声が撥ね付けた

       「君に何がわかる・・・
        何もわからないくせに・・・」

目を開けたアンジェの前にドンヒョクの苦渋の顔があった

       「わからないわ!でも・・・わかる・・・」

       「・・・・・・」

彼女の真剣で真っ直ぐなまなざしに彼は思わず目を背けた
彼女の目に溢れる涙がまるで自分を哀れんでいるようで
彼を余計にいらだたせたからだった

       「フランク・・・私は構わない・・・
        誰かの代わりでも・・・」

       「止めてくれ・・・」

彼は彼女から手を離して、自嘲するかのように声を立てて笑った
そしてまた、厳しい顔に戻って再度彼女に告げた

       「帰れ・・・アンジェ・・・」

そんな彼の姿を彼女は寂しいまなざしで見つめていた
そして、自分が彼にとって何の慰めにもならないことを
悟るしかなかった

       「・・・フランク・・・
        あなたがそんなにまで自分を失ってしまうなんて・・・
        信じられない・・・


        さっきお店でね・・途中で帰ろうとしたのは・・
        そんなあなたを見るのが何だか怖くて・・・
        逃げだそうとしたのよ

        わかっていたの・・・
        こんなあなたを私・・・
        きっとどうしてあげることもできない・・・

        わかっていたのよ・・・」


アンジェは静かにそう言い残して、部屋を出た

ドンヒョクは彼女を振り向くことがないまま、
窓の外の遠い空へ心を移した




       「レオ・・・明日、10時にソフィアを呼べ・・・
        この前の打ち合わせの続きだ・・・
        まず手始めにジュニアの会社の合併問題から片付ける・・・」

       『どうした・・・急に・・・聞いてもいいか?』


           ・・・「元のやり方に戻っただけだ・・・」・・・
        

  





    


-----------------------------
【副題】 worry 心配させる・苦しめる・気を揉ませる・せがむ

   


       


        


       

      
       
     






  



 


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tomtommama
ジニョンの千切れそうなこころが痛い。ドンヒョクの狂おしく悲しい気持ちが、寂しく打ちひしがれてたとえようもない孤独が、アンジェに声をかけ背を向ける姿が、一人暗闇に向かって涙する姿が辛い。 2011/11/26 00:22
juadanly7
過去旅にそそられながらも…ゆっくりここIZMでじっくり浸りたい^^素敵なコラボありがとう~~♡ 2007/05/30 22:41
juadanly7
想像しながら…これほどまでの苦悩と深く愛し合う二人‥ヨンジュニの演じる姿を本当に観てみたい!! と強く思います。 2007/05/30 22:40
juadanly7
本編では、あまり表に出なかった気になっていたテジュンさんとジニョンとの心の葛藤が少々消化不良でしたが、kurumiさんワールドによって、すぅ~っと胸のつかえがおり、この空白をどう演じるのか・・ 2007/05/30 22:38
juadanly7
本当に辛い場面‥この背景&BGM♪に切なさの相乗効果…;;で更にウルウル‥しながら創作家kurumiさんの、苦悩ドンヒョクを追い込みながらも…その中にドンヒョクへの深い愛を感じます☆ 2007/05/30 22:35
ふみこママ
胸が張り裂けそうなほど、お互いに愛し合っているのに・・・・。相手のことを思いあって、自分だけ傷つこうとしている。なんて悲しい愛し方なんでしょう。胸が苦しいです・・・。 2007/05/29 21:42
Lusieta
こんなふうにtomさんの背景と一緒にまたあらためて何度目かを読んでるなんて不思議な気持ち。何度読んでもその切なくて苦しくて・・・。でも、こんなにも人を愛する思いってやっぱり美しいんだって気づかされます 2007/05/29 17:38
Lusieta
初めてこのこいびとを読んでいた時、毎回毎回の身もだえするような切なさに、なんでこんな話が書けるんだろう。いったいどんな人なんだろうって思っていました。 2007/05/29 17:34
あきちん
切なくて切なくて・・・追い討ちをかけるように聞こえてくるこの曲!そしてこの画像!はぁ~参りました。辛いんだけど2人の心の中のやり取りが堪らなく好きなんだわ。 2007/05/29 16:26
FECafe
tomさんのコラージュ効果も加わって、初めて読んだ時以上に、苦しさ、切なさで胸がしめつけられそうです。 2007/05/29 11:21
FECafe
互いに相手を思いやる気持ちが強すぎて、自分の気持ちを素直に伝えられない...それがまた互いを苦しめることになって...ここが読むほうにとってもつらさのピークだったような気がします。 2007/05/29 11:21
meguna
何度読んでも また涙が。ホント切ない。でも…なぜか心地いい。二人が愛し合ってるとわかっているから。。。そして、その後に幸せがあるとわかっているから。。。 この心地いい切なさに浸っています。 2007/05/29 01:58
4ジュナ
切なくて切なくて、辛くて辛くて。。。kurumiさん、tomさんの思惑通り、切なさMAXです(T_T) このお話をjoonが演じてくれたら・・・なんて素敵な想像。でも私の脳内では既に演じてくれてます。 2007/05/29 00:36

読み終えて・・この画像とBGMにひたります・・・。まさにこれはIZMWorldですよね・・・暫し放心です・・。 2007/05/29 00:17

つい最近・・・読んだばかりだったのに・・この画像にもう・・切なさ倍増で・・何度読んでも胸が締め付けられます・・ 2007/05/29 00:15
フック
私たち重症患者の絆もMAX。なんたって『同病相哀れむ』ですもの。kurumiさん、tomさん、切なくてOK,OK.。本当にkurumiさんの脚本で「こいびと」をヨンジュンssiに演じて欲しいですね~~ 2007/05/29 00:01
フック
切なさがMAXであればあるほど、幸せもMAXになってくる。そうか!!!!kurumiさんの描くドンヒョクがどんなに切なくてもついていけるのは、その後の幸せがMAXだからなんだ~~。二人の絆もMAX!! 2007/05/28 23:31
tomtommama
この背景をつけた時に↓書いたね (^-^;   せつなさも幸せもMAXで 楽しみましょ~♪ 2007/05/28 22:59
tomtommama
長い「ま」では無いのよ(≧▽≦) そんな演技をいっぱいみたい^^ 2007/05/28 22:56
tomtommama
ヨンジュニだったら、どんなにか上手く演じてくれるだろうな,<六本木ドンヒョクの話からまたkissシーンなど見直したら 間をとっているわけではなくて心で言葉を伝えている様子が良くわかったの^^ 2007/05/28 22:45
ナタデココ
確かにドキドキ期待大、あぁぁ~見てみたい~(●>_<●)ドドドドキッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!悩めるドンヒョクも素敵です♥~ 2007/05/28 22:35
ナタデココ
BGMやコラージュは確かに切なさMAXです。こんなに泥酔するドンヒョクは(@@)中々見ませんね。アンジェに逃げたい気持ちがあったかもしれないが自制出来て良かった。JOONならどう演じるか考えると 2007/05/28 22:30
kurumi☆
このtomちゃんの背景がまた、切なさを煽るでしょ(笑)「k&tグループは切なさMAXでお送りしています」じゃなかった・・tomちゃんがそんなようなこと言ってました~~^^ 2007/05/28 22:05
kurumi☆
彼が演じることを想像できることが“それからストーリー”の醍醐味でもあるのですが、本当に自分の書いたもので彼が演じてくれたら…そんな夢みたいなことを思いながら、もうしばらく書き続けます^^ 2007/05/28 21:50
kurumi☆
をヨンジュニだったら、どんなにか上手く演じてくれるだろうな…そんなことを思いながら書くときの心地良さと言ったらありません(笑) 2007/05/28 21:45
kurumi☆
そんな男が初めてそんな苦しみを味わうとどんな感じになるんだろうか…それを連想しながら書きました…アンジェとバーを出た後に、「一緒にいて…」そう言ったはずの彼の心は既に彼女の元にいなかった…というくだり 2007/05/28 21:44
kurumi☆
この10話は前後編とも、結構書き直ししました…以前書いたものが、特にアンジェの台詞が好きじゃなかったから…フランクという人間は、これまで女のことで悩んだり苦しんだりしたことが一度もない男… 2007/05/28 21:40
 
 

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