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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848069/4691695
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 22 HIT数 6983
日付 2007/06/22 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 14.affection(慈愛)前編
本文







 








             collage & music by tomtommama

            story by kurumi


      





       


           彼女、指輪を外していません

           お守りなのだそうです・・・

           だから・・・外せないのだと・・・


ドンヒョクの脳裏にミンアの言葉が繰り返し浮かんでいた


   ジニョンssi・・・


       《それで、なんて言ったんです?》

       《永遠に僕から離れられない
        魔法の指輪を下さい、と・・・》

       《それが、これなのね・・・》


   ジニョンssi・・・忘れないで・・・

   僕から・・・永遠に離れられない・・・指輪なんだよ・・・


       《私を楽にして・・・》

   そう言ったあなたが・・・
      指輪を外さないでいてくれている・・・

   その指輪に込めた僕の想いが・・・

   あなたの心を無意識のうちに
      そうさせていると信じたい・・・

   ジニョンssi・・・

   信じても・・・いいだろうか・・・

  

ドンヒョクのプロジェクトは水面下で順調に運んでいた
まず手始めにSHグループとCSグループとの
合併問題を片付けなければならない
表向きはスティーブが動いていることになっているが、
リチャードは彼の計画に傾倒するつもりなど毛頭なかったのだった

       「ジュニア・・・
                これで、手を打って欲しい・・・」

       「それは、こちら側が吸収される・・・
                そういうことかな?」

       「吸収なんて、大袈裟な・・・互いに譲歩して
        生き残っていくための知恵を出し合う、
                そういうことですよ」

       「君は・・・それで、あちらにいくらもらった?」

       「いったい何を・・・僕はこちら側の人間ですよ・・・
        私がどれだけ、この会社の為に尽くしてるか・・・
                心外だな・・・」

       「私も残念だよ・・・君とは幼馴染でもある・・・
                弟のようにも思って来た・・・」

       「それはそうと・・・ご結婚なさるとか・・・
               おめでとうございます・・・
        しかし・・・
               彼女は彼を本当に諦めたんでしょうか・・・」

       「彼・・とは?」

       「今更とぼけないで下さい・・・
                ご存じないわけじゃないでしょう?
        彼女の・・・心の恋人のこと・・・」

       「ああ、彼ね・・・さあ・・・どうだろう・・・」

       「随分と寛大なんですね・・・
                ジュニア・・・ご存知かな・・・
        彼女はああ見えて奥手な女でした・・・
                きっと彼が初めての・・・
        女は初めての男を忘れられないという話をよく聞きます」

       「スティーブ・・・
                相手を見て、話題を考えることだね・・・
        私が、そんなことで動揺でもして、
                仕事の判断を誤るとでも?
        君は・・甘いな。
                昔馴染みとして、忠告だけしておこう・・・
        二兎を追うもの、一兎も得ず・・・
                聞いたこと無いかな・・・
        こちら側についてると見せて・・・
                なんて、通用しないよ・・・
        この件は白紙に戻しなさい・・・
                承諾し兼ねる」

そう言ったリチャードの目が厳しく光った

       「ジュニア、後悔なさいますよ」

       「それは・・どうだろう・・・」




リチャードはドンヒョクとの仕事の打ち合わせには、
用心のため、郊外の自分の別荘を使った
この一週間はふたりの間で綿密な打ち合わせが
幾度となく繰り返されていた
彼が用意するカクテルを酌み交わしながら、
男ふたりだけの緊張の時間が流れていく

       「どうでしたか・・・」

       「君の予想通りの条件を出してきた」

       「そうですか・・・後はこちらにお任せを・・・
        今、レオがスティーブの父親の会社と一族の会社
        全ての株20%の確保に動いています
        差ほど時間は掛からないでしょう・・・
        今まであなたの会社より彼の父親の会社の方が
        立場が上だったわけですが、
                それをまず逆転させます
        あなたがロイド社の実権を握ってください」

       「わかった・・・
                昔からの縁を切ることにもなりかけないが・・・
        仕方ないな・・・」

       「それから、今後の件ですが・・・」

ドンヒョクが資料を取り出し話しを続けようとすると、
リチャードはおもむろにホームカウンターの中へ入っていき、
シェイカーを手に取った
いつもながらの手際良いさばきのブレンド、
そしてそれをカクテルに変えていく

       「フランク・・・仕事の話はもうこの辺にしないか・・・」

       「・・・・・・」

       「聞いたかな」

リチャードはドンヒョクの前に新しいグラスを
差し出して尋ねた

       「何をですか」

       「ソフィアとの・・・」

       「あ、そうでした・・・
                お祝いを申し上げるのが遅くなりました
        おめでとうございます」

ドンヒョクがリチャードに向けて軽くグラスを上げた

       「ありがとう・・・やっと、承諾したよ・・八年掛りだ
        ・・・最後は脅してやった」
       
       「脅した?何と?」

       「君をこれほど愛する男なんて、
                君がおばあちゃんになっても
        きっと、現れないぞ!
                今の内に手を打て!ってね」

       「フッ・・・それで?何て答えました?彼女・・・」

       「情けないわね・・・
        私がおばあちゃんになろうが
                待つんじゃなかったの?」

       「そうなんですか?」

       「昔、そう言った・・・
        確かに・・・そう言った・・・
                いつまでも待つ、と・・・
        その頃はまだ余裕があったんだ・・
                自分自身に・・・
        でも、待てなくなった・・・」

       「・・・・・・・」

       「君に会ってしまってから・・・
                待てなくなったんだ」

リチャードが真剣な面持ちでドンヒョクを見た

       「・・・・・・・」

       「君を見くびってた・・・彼女の愛を見くびってた・・・
        君に会って、彼女の君への想いを・・・
                初めて本当の意味で理解した」

       「ジュニア・・・彼女とのことは
                誤解なさらないで下さい」

       「誤解?彼女の愛は誤解じゃない・・・
                君ももうわかってるだろ?
        彼女はずっと、君を愛し続けていた・・・
               ずっとだ・・・
        その彼女が今、君の手を離しかけている・・・
        今だと思った・・・
                力づくで彼女の手を引き寄せるのは・・・
        もちろん、それがいい手段とは決して思わない・・・
        彼女が後悔するようなことがあったら、それで終わりだ・・・
        しかし、絶対に後悔させない・・・
               私には彼女を守りぬく自信がある」

       「・・・・・・・」

       「君は・・・いいんだろ?・・・それで・・・
        今度は君の嘘の無い・・・
                正直な気持ちを聞きたい・・・」

       「正直な・・・・・・ジュニア・・・
        あなたに・・・なんて答えればいいでしょうか・・・
        僕は・・・ソフィアを愛しています・・・
        彼女がいてくれたことで救われていたことが沢山ある・・・
        それは事実です・・・しかし・・・」

       「君も・・・彼女を愛してる・・・
        でも、それは男と女の愛じゃない・・・そうだね・・・」

リチャードはドンヒョクの言葉の続きを自分の言葉に代え、
念を押すかのようにドンヒョクの顔を伺った
ドンヒョクはそれに対して、ゆっくりと瞼を下ろし答えた

       「それなら・・・幸せに・・・
        そう言えばいい・・・」

リチャードのドンヒョクへの言葉と表情は慈愛に満ちていた

       「ジュニア・・・僕は今、心に想う人がいます・・・
        彼女は僕にとって掛け替えの無い存在です・・・
        きっと、あなたがソフィアを想う気持ちと同じ位」

       「なら・・・そうとう、愛してる・・・」

リチャードの力を込めた真面目な言い方が
かえって可笑しくてドンヒョクは思わず笑ってしまった

       「何が可笑しい」

       「はは・・・いえ・・可笑しくないです」

そう言いながらドンヒョクは更に笑っていた
ジュニアもいつの間にか彼に釣られてグラスを持つ手を震わせた

ジュニアと出会ってまだひと月も経っていないのに
彼はドンヒョクにとって仕事上のクライアント以上の
存在になっていた

       「ジュニア・・・指輪はもうお求めに?」

       「いや、これからだ・・・」

       「じゃあ、ひとつ、お教えします」

       「・・・・・?」

       「指輪はひとりで買いに行かれるといい・・・
       そして、そこの店員にこう言うんです・・・
        この世で一番愛する人が、永遠に離れられなくなる
        魔法の指輪を下さい・・と」

       「まさか・・・体験談か?
        それは、フランク・・・君だから絵になるだろうが・・・
        むさくるしい私がそんなこと言ったら、笑われるぞ」

       「でも・・・そうして下さい・・・」

いたって真面目に、きっぱりと告げるドンヒョクにリチャードは微笑んで頷いた

       「それで、効果は?」

       「きっと・・・叶います・・・」

ドンヒョクの言葉は力強いものだった
そして、ふたりは互いに向けて杯を上げた

       「・・・ソフィアをどうか、幸せに・・・」

       「無論だ・・・」


    ソフィアをどうか・・・幸せに・・・

    あなたになら・・・何の不安もない



その日日付が変わろうとしていた頃・・・
ドンヒョクはジュニアの別荘を出て車に乗り込むと
携帯電話を取り出した


    
                親愛なるジニョンssi


          その指輪は・・・

          僕から一生離れられない・・・

          魔法の指輪なんだよ・・・



そうメールに打ち込んで・・・送信することなく
そのまま携帯を閉じた
そしてゆっくりと目を閉じたドンヒョクの口元は
寂しげに笑っていた




        ジニョンssi



             ・・・わかってるよね・・・



























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tomtommama
できるいい男二人のやり取りがクールでホットね^^ こんな二人に愛されるジニョンとソフィア 「手を離した・・・今」ジュニアじっとチャンスを待った あなたもステキだ。 2011/11/28 20:12
tomtommama
ぎゃーーー送信しない想いをメールにして携帯を閉じるの? (T.T) もう・・・なんて切ない なんてこと。 2011/11/28 20:10
hiro305
ひたすらに1人の女性を愛しぬく2人の男!なのに想いを送信できないドンヒョク・・・・やっぱり切なくて泣いてしまう・・・・ 2011/11/23 00:08
ヨンkiss
”魔法の指輪”をまだ外せないでいるジニョンと危険に晒したくないというドンヒョクとお互いの気持ちが痛いほど分かるこの心の切なさが辛い。kurumiさん、早く楽にして~!^_^; am.1:58 2007/06/23 01:56
eyonyon
「でも・・・そうして下さい・・・」「きっと・・・叶います・・・」リチャードへのドンヒョクの言葉とっても力強いのに・・メールは送信しない。。出来ないのかな・・ 2007/06/23 01:50

あぁ・・・やっぱり切ない・・・。泣くな泣くなと言い聞かせる・・私に・・幸せの涙はもうすぐよね・・。 2007/06/22 23:37
ナタデココ
想いは文字に出来るけど、【送信】ができない・・・ドンヒョクの気持ちよく解かります。今はふんばり所・・・でも葛藤・・・・ 2007/06/22 21:49
Lusieta
なんでまた泣けるんだろう。もう何回目かわからないのに。 2007/06/22 21:48
tomtommama
ソウルに居た時だってあれほど開けられないメールを送り続けていたのに・・・・メールを打って送らないドンヒョクの心情・・・ (T^T) (T.T) 2007/06/22 21:28
mf1117
指輪を外していない・・・魔法の指輪・・・ドンヒョクの気持ちが・・送信しないメールで・・・心に響いてきます。kurumiさんの作品が好きです。何度でも読んで涙して・・・ 2007/06/22 14:37
joonmylove
知ってる話しなのに何回も泣かされてしまいますね。> 「なら・・・そうとう、愛してる・・・」2人とも素敵!こんないい男達に愛されたソフィアも好きよ。仕事行きたくないよぉ。 2007/06/22 08:58
フック
ジュニアとドンヒョクの男と男の会話、素敵ですね。愛に乱れながらも、その愛に微塵の揺らぎも無く突き進む二人の想いが、またお互いの心をも結び合わせるのでしょうね。kurumiさんはまさに『愛の伝道師』です 2007/06/22 02:45
kurumi☆
そんな男(ドンヒョク限定ですが)好きです^^作品が10000字制限に引っかかるため、止む無く前後編にしているのですが、その為前編を締めるために書き換えています^^; 2007/06/22 01:42
kurumi☆
リチャードの年齢は38歳を設定しています…大人な男です^^その男に「魔法の指輪」の話をするドンヒョクが好きです…真剣に、微塵の冗談も無く言っていると、頭に描いて下さい…切なく感じてしまいます^^でも、 2007/06/22 01:38
 
 

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