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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3734068/4577694
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 27 HIT数 7077
日付 2007/07/14 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 17.return(報酬) 後編
本文
     















          
          collage & music by tomtommama

                story by kurumi












     「ジニョンssi!」


ジニョンがその声に振り向くとジョアンがすごい形相で
こちらに向かって近づいていた

そこにはいつもの彼の柔らかな笑顔はなく、
隙の無い真剣な表情でジニョンに辿り着くなり
突然彼女の腕を強い力で掴み自分に引き寄せた


  「痛い!何するの!」

ジニョンは思わず大きな声を出してしまった

その瞬間、逆にジョアンの腕を掴み後ろ手に捻る男がいた



ミンアはレオから任務が近く終了する知らせを受け、
別れを告げるためにジニョンを探していた

エントランスホールで見つけた彼女に近づこうとした時、
おもむろにジニョンの腕を掴んだ男に驚き、
急いで駆け寄った時には総支配人が既にその男を取り押えていた


     「テジュンssi・・・」

     「お客様・・・乱暴はお止め下さい」

     「離せ!乱暴はしない!
      ジニョンssiに話を聞いて欲しいだけ・・」

その男はテジュンに後ろ手にされた状態でもがいていた

     「待ってください・・・総支配人・・・この人は・・・」

     「テジュンssi・・・大丈夫よ・・・彼は・・・」

ミンアとジニョンがほぼ同時にその男への弁護の声を上げ、
テジュンの手を掴んだ

     「何だ・・・知り合いか?・・・」

     「ええ・・・同じアパートに住んでる方よ・・・
      ミンアさんも?ご存知なの?ジョアンssiを・・・」

     「えっ?あ・・私は・・・存じ上げません・・
      ただ、悪い人に・・・見えなかったから・・・」

     「ジョアンssi・・・ごめんなさい・・・
      驚いてしまって・・私・・・大声を・・・」

     「いいえ・・悪いのは僕です・・・
      どうしても、昨日のお詫びをしたくて・・・
      あなたを探してました・・・
      なかなか、お会いできなくて・・・
      そしたら我慢できなくなってしまって・・・
      ホテルまで来てしまいました」



テジュンはドンヒョクからジニョンの周辺に
気をつけるようにと言われて以来、
意識してジニョンを見守っていたつもりだったが
ドンヒョクの言葉をそれほど本気にしていたわけではなかった

ところが、突然見覚えの無い男が、緊迫した形相で
ジニョンに近づくのを見て、とっさに駆け寄り、取り押さえてしまった

しかしその男はジニョンの知り合いだという・・・
勘違いの様子にホッと胸を撫で下ろしていた

   ドンヒョクssiの話は何のことだか見当もつかなかった

   しかし・・・

   あの人があれほど真剣に言うのだから、と気にもしていた

   お前に何かあったら・・・

   俺だって・・・あの人以上に・・・



     「大変、失礼いたしました」

     「いいえ、僕がいけませんでした・・・
      焦っていたものですから
      ・・・・お仕事中に失礼いたしました」

ジョアンはテジュンとジニョンに向かって深く頭を下げた

     「テジュンssi・・・
      三十分ほど、この場を離れてもいいかしら」

     「ああ、構わないが」

     「ジョアンssi・・・少しお話ししましょう」

     「はい・・・」

     「ミンアさん、失礼します」

     「え・・ええ」

ジニョンはジョアンを促して庭園に向かった


    


     「ごめんなさい・・・」

     「ほんと、あなたには驚かされるわ・・・」

     「ごめんなさい・・・」

     「もういいわ・・・それに・・・私
      あなたにお礼言わなきゃ・・」

     「お礼?」

     「ええ・・・私の本当の気持ちに気付かせてくれた」

     「・・・・・・」

     「わからないわよね・・・いいの・・・わからなくて・・・
      でも、ありがとう・・・そう言いたかった・・・」

     「・・・・・それって・・・僕の気持ちは受け入れられない・・・
      つまり・・・そういう意味での最終宣告ですか・・・」

     「ジョアンssi・・・私・・・彼の所へ行くわ・・・」

     「・・・・・・・・」

     「直ぐにというわけにはいかないけどね・・・」

     「・・・・・・・・」

     「私ね・・勇気が無かったの・・・
      彼と逢えない日が続く内に・・・
      彼の世界に入る勇気も薄れてきてた・・・
      私がそばにいることは彼のためにもならない・・・そう思ってた
      でも・・・わかったの・・・私にとって、彼が全てだということ・・・
      彼がそばにいなければ、私の人生さえも
      始まらないということ・・・」

ジニョンはドンヒョクに対する自分の確固たる想いに
心が晴れやかな気分だった

     「・・・・・・」

     「あなたのお気持ち嬉しかったわ・・・ジョアンssi・・・
      本当よ・・・でも・・・
      私の傍らにいるべき人は・・・彼だけなの・・・」

     「・・・・・・・ジニョンssi・・・
      さっき・・つい焦ってしまったのは・・・
      もうすぐお別れしなければならないからです・・・」

     「えっ?越していらしたばかりなのに?」

     「ええ・・・仕事で・・・アメリカに戻ります・・・」

     「そうなの・・・」

     「正直言って、僕はまだ・・・諦めていません・・・
      あ、でも・・・ジニョンssiは気にしないでください・
      一度好きになったら・・・しつこいんです僕・・・」

ジョアンの顔が泣き笑いのように見えて、ジニョンは切なかった

     「ジョアンssi・・・」

     「ニ年間・・・」

     「えっ?」

     「ジニョンssi・・・どうか、二年後も・・・
      幸せでいてください・・・
      今度お会いした時、あなたが幸せでいてくださったら・・・
      僕はその時こそ・・・あなたを諦めます・・・
      その代わり・・・あなたが幸せでいなかったら・・・僕は・・・
      今度こそ・・・諦めません・・・もう一度、あなたに・・いいですか?」

     「ジョアンssi・・・いいわ・・約束する・・・二年後も幸せでいると」

     「ジニョンssi・・・勘違いしないで・・・
      そんな約束は必要無いです・・・僕にしたら・・・
      あ、いいえ、何でも・・・ないです・・・・」

そう言って、ジョアンは苦笑いを見せた
ジニョンもまた、ジョアンの言葉に含まれた意味を理解したように笑顔で答えた

     「ジョアンssi・・・でもどうして二年なの?」

     「修行の身ですから・・・
      二年くらいは世界中を転々とするだろうと言われています」

     「そうなの・・・大変ね・・・」

     「もちろん、あなたが望んでくださるなら、
      何処にも行きませんよ」

そう言ってジョアンは今度は屈託の無い笑顔に変えた

     「まあ・・・」
       

         それじゃ・・

と、ジニョンはジョアンに手を振って、ホテルのロビーへと
戻っていった
ジョアンは、彼女を見送くった後、大きなため息を
ついて寂しそうに笑っていた


     「どういうこと?」

背後から、ミンアが彼に声を掛けた

     「何のことです?・・・」

ミンアに振り返った彼が、彼女が言わんとしていることを
わかっていながらとぼけるように言った

     「ターゲットに対して随分思い入れがあるようね・・・」

     「仕事とは関係ありません」

     「任務に反しない?」

     「失格ですか?」

     「ボスがいなくてよかったわ・・・」

     「えっ?」

     「あなた・・・誰に雇われていたのか知ってるわね・・・」

     「もちろんです・・・
      アメリカのM&A業界で冷徹な狩人と恐れられている
      フランク・シン・・・
      彼を怒らせたら、何処の世界でも生きていけなくなる・・・
      それでも、彼の元で働けるのなら・・・
      こんなに幸運なことは無い」

     「何処の世界でも生きていけなくなる・・・そんなこと、
      余程のことが無ければ、ボスはそこまでしないわ・・・」

ミンアは含んだ笑みをジョアンに向けた

     「それくらい恐れられてる・・
      そういうことです・・・
      彼がテレビや雑誌で紹介される度、
      必ずチェックしてました

      いつだったか、別の人物のボディーガードをしていた時、
      彼に遭遇することがありました・・・

      僕の目は守るべき人間をそっちのけで
      彼に釘付けでした・・・ 
      そのことで、先輩に叱られたこと覚えてます
      それでも彼の一挙手一投足を見逃したくなくて
      ずっと彼を追っていました
      僕の憧れでしたから・・・

      その彼をあなたがご紹介くださる・・・
      だから、今回気が進まなかった韓国での
      この仕事を引き受けたんです・・・
      あ、そのお陰で素敵な出会いがありましたけど・・・」

     「素敵な出会いね・・」

     「ああ・・・でも・・・楽しみだな・・・
      これから彼の元で働けるんですよね・・・僕・・・」

ジョアンはジニョンとの別れの辛い思いを秘して、フランク・シンとの新たな出会いと
自分の未知の将来を頭に描き、期待に胸を膨らませていた

     「ええ・・・ここで起こったことを・・・
      あなたが黙っていられれば・・・」

     「・・・・・・?何のことです?」

     「ボスが何故、ソ・ジニョンの護衛を?」

     「・・・・・・・・・」

ジョアンはミンアの言葉の裏にある意味を察すると
驚きのあまり、開いたままの口から言葉が出るまでに
かなりの時間を要した

  
     「・・・・・・・・・・・・・・・本当・・に?」


 



ドンヒョクが立ち上げたプロジェクトは、リチャード、ソフィア・・・
そしてもちろんレオとの強力なタッグにより、着々と進んでいた

ドンヒョクは最初に宣言した通り、表舞台には立たず
裏でチームの糸を引いた

その糸はグループの強化や合併、統合により次第に強靭なものとなり
ドンヒョクの計画以上の成果を上げていった

それは、レオが時折口にする、「ボスが変った」
そのことが大きく影響していることに違いない

ドンヒョクの「人を蹴落とさない」
今までには有得なかったやり方が人を繋ぎとめ、
人と人との輪を広げていることにドンヒョク自身も
まだ気付いてはいない

ジニョンを愛する心がジニョンに蔑まれない人間と
なることを望む心が、全ての原動力になっていることに
彼自身が本当の意味で気づくのは・・・


    彼が・・・ジニョンの元に帰った時・・・



        ジニョンをその腕に・・・





              ・・・抱いた時・・・
             

      



























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【副題】 return 帰る・(我に)返る・(感情が)蘇る・敵に反撃する・(恩に)報いる・利益・報酬

                                         


















      


                                    




 


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tomtommama
ジニョンをその腕に・・・ ・・・抱いた時・・・ そこまで辿り着くまでに幾度涙を流せばいいのでしょう。。。はぁ~っ。 ジョアン気持ちはわかるよ気持ちはね。けれど諦めてね^^; 2011/12/04 15:47
ヨンkiss
ジョアンも何処とない自然のしぐさのジニョンに惹かれ・・・・ドンヒョクの気持ちが分かったみたいね。一日も早くドンヒョクとジニョンが再会出来るといいですね。"^_^" 2007/07/15 13:27
フック
テジュンssiの切ない想いが伝わり、私の心も切なさで一杯に溢れます。テジュンssiの温かさ、大きさ、ジニョンへの断ち切れない想い。kurumiさん、どうか『物語Ⅲ』でテジュンssiの幸せぶりも見せて・ 2007/07/15 08:28
フック
いつもこの場面では一つの言葉で止まってしまいます。そして胸が熱くなって、過去の様々な場面が浮かび、なかなか先へ進めません。その言葉は「お前に何かあったら・・俺だって・・あの人以上に・・・」。 2007/07/15 08:21

前編・後編ともに・・ドンヒョクの表情のその裏の心情を図って・・・・・目線の先の想いにため息をつきます。 2007/07/14 22:38

はぁ・・・読み追えてやっと呼吸するわたし・・・。先が見えてきた・・・ジニョンの心の確固たるものへの安堵感でへなへなとしちゃいそう・・。 2007/07/14 22:36
joonkei
ようやく見通しが・・・にしてもお互いが自身を律して崩れないところが素晴らしくもあり、哀しくもありますね。UPありがとう♪ 2007/07/14 22:15
nonmam
離れていた時間は意味があった・・ジニョンが辛い時間を越えて自分の気持ちを見つめ直し、確信を持ったとき、初めてそういう気持ちになりますね。次も楽しみです! 2007/07/14 01:49
nonmam
お待ちしてました!やっぱりtomさんの背景とBGMが付くと、とたんに生き生きしてきますね!もう一度新しい気持ちで再会する前のふたりの心の世界にどっぷり・・!です。ありがとうございます。 2007/07/14 01:47
mari181818
このあたりから、すこしだけ楽になれますね・・・ やさしい色合いの背景が心に沁みます。確固たる想いがあれば心は救われますね。自分の心をまっすぐにみつめているジニョンをほめてあげたい・・・ 2007/07/14 01:00
 
 

IMX