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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3842019/4685645
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 34 HIT数 7060
日付 2007/07/29 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 23.complex(複雑)前編
本文
    














      「僕が?」

      「そう・・・」

      「嫌だ」

      「お願いよ、フランク・・・」

      「嫌だ!」

      「子供みたいなこと言わないで・・・ね!」

      「どっちが子供みたいだよ・・・そんなこと頼むなんて・・・
       あなた、どうかしてる・・・」

      「あなた・・・私の弟でしょ?」

      「弟になった覚えない・・・」

      「私のことヌナって呼んだじゃない」

      「それとこれとは違う」

      「どう違うのよ・・・ねっお願い!・・・
       私が今までに、あなたにお願いごとなんかした?」

      「したことなかった?」

      「・・・・・・・」

      「確か、あれは12・3年前・・・
       しつこい男に付きまとわれて困ってる時があった・・・
       あの時、その男をあなたの前から消したのは?・・・」

      「あなた・・・」

      「あなたが行くパーティーには僕が必ずエスコートした・・・」

      「そうね・・・みんなに恨まれてたわ・・・」

      「そういえば、ここ数年・・・その手のお願いはなかったね・・・
       ジュニアがいたから?」

      「・・・・・・・」

      「それに、家具やら洋服やら、買い物には必ず付き合わされた」

      「あなたセンスいいから・・・」

      「それから・・・」

      「わかったわよ・・・お願いごとはいっぱいしました・・・
       大変お世話になりました・・・
       それで・・・これは、最後のお願い・・・ね」

珍しくソフィアが突然自宅に訪ねて来たかと思うと、ソファーに腰掛けることもせず、
キッチンで彼女の為にコーヒー豆を挽いたり、カップを出したりするドンヒョクのあとを
追いかけながら一生懸命に食い下がっていた

      「ジュニアが賛成するわけない」

      「もう承諾済み」

ソフィアはそう言いながらにっこり笑ってやっとソファーに落ち着いた

      「うそ・・・」

ドンヒョクは驚いた表情を彼女に向けながら、コーヒーカップをその前に置いた

      「ホント・・・君のナイトに最後まで守り抜いてもらって
       引き渡してもらおう・・・そう言ってた・・・」

ソフィアがシラーとした様子でコーヒーを優雅にすする

      「・・・・・・・どうかしてる・・・」

ドンヒョクもまた、彼女の向かいに腰掛けて、コーヒーカップを手に取った

      「だって、父はもう他界してるし、スイスからは母しかやって来ないわ
       こんなこと頼める人、他に誰がいる?あなたしかいないじゃない」

      「とにかく駄目!ジュニアには僕が話す」

      「フランク!・・・・」

ソフィアがプーと頬を膨らませた・・・久しぶりに見た彼女の幼顔に
ドンヒョクは思わず吹き出しそうになった

  ジニョンみたいなことしないで・・・

  そんな顔しても、駄目なものは駄目だよ

  ジュニア・・・まったく・・・こんなこと承諾するなんて・・・

  いったい・・・何のつもりだ?





      「どういうつもりです?」

      『どういうって?』
  
      「あなた達・・・何を考えてるんだ」

      『何のことだ?』

      「ソフィアのことです・・・」

      『ああ・・・そのことか・・・それがどうした?
       彼女のエスコートに不満でも?』

      「普通のエスコートとはわけが違うでしょ」

      『そうか?』

      「あなたは気にならないんですか?」

      『何を?』

      「・・・・・何をって・・・・・」

      『仮にも妻になろうとしてる女が、他の・・・
       しかもまだ愛してるかもしれない男の手を借りて
       夫となろうとしている私の元にエスコートされること・・・
       が・・かな?』

ジュニアは、多少呆れぎみのドンヒョクに対して、淡々とした口調で冷静に応じていた

      「・・・・・・・・」

      『あいにく、私はフランクという男を長年愛し続けたソフィアという女を
       丸ごと愛してるんでね・・・君の心配には及ばない・・・』

ジュニアはいつも冷静だがドンヒョクに対する言葉には少なからず棘がある
嫉妬をぶつけても可笑しくない相手であるドンヒョクに対して複雑な感情が
無いわけではない。しかし、彼自身、フランクという男に魅せられてしまったことが
ソフィアと彼の関係を冷静に見守る余裕を生んでいた
それでも時折ジュニアの放つ皮肉を、ドンヒョクは甘んじて受けていた


      「ジュニア・・・」

      『フランク・・・私は・・・
       彼女がどうして、君にエスコートしてもらいたいのか・・・
       彼女の本音は聞いていない・・・聞くつもりもない・・・気になるか?
       そうだな・・・もしかしたら・・・君に・・・
       最後の賭けをしているのかもしれないな・・・』

      「賭け?」

      『そう・・・賭け・・・君が最後の最後で・・もしかして・・・』

      「・・・・・・」

      『怖いか?女が一生を賭けて向かってくるんだ・・・
       君はどう立ち向かう?』     
       
      「彼女は・・・あなたを愛してる・・・」

      『そんなこと!君に言われなくてもわかってる・・・
       しかし、彼女にはどうしようもない想いが・・・性があるんだ・・・・・
       自分自身にもわからない・・・説明しようがない・・・
       そんなものを問い詰めた所で何になる・・・』

      「・・・・・・・・・・」          

      『彼女が離そうとしても離せなかったもの・・・
       私はそれが何なのか・・・一度として訊ねてはいない・・・
       何故だと思う?」

      「・・・・・・・・・・」

      「愛してるからだ・・・私の心はとっくに決まっている・・・
       後は・・・彼女が自分の想いを乗りきらなくてはならない
       自分に必要なのがこの私だけなのだと悟らなくてはならない
       それは彼女自身が決めること・・・
       私はただ死刑の宣告を待つだけだよ」

      「ジュニア・・・」

      「君は・・・彼女の想いに・・・彼女の賭けに・・・
       真っ向から立ち向かうべきだ
       それが、君が・・・彼女の愛を16年もの間封印させた報い・・・
       ・・・そう思え』

ジュニアはそう言うと、一方的に電話を切った

       ・・・君が彼女の愛を16年もの間封印させた報い・・・

ジュニアのその言葉がドンヒョクの心を突き刺した

   ソフィア・・・・・




   そしてあなたの結婚式当日・・・

   僕は花嫁姿をしたあなたの前にいた

       「綺麗だ・・・とても・・・」

       「ありがとう」

       「ジュニアにはもったいない・・・」

       「そう?・・・誰にならもったいなくないの?」

       「・・・・・・・・」

ソフィアは意味ありげな笑顔をドンヒョクに向けたが、
かといって、彼の言葉を待っている風でもなかった

控え室にソフィアの母ルシアが現れ、ドンヒョクとの久しぶりの対面を喜んだ

       「フランク・・・お久しぶり・・・相変わらずハンサムだこと
        何年ぶりかしら・・・」

       「3年ぶりです・・・」

       「ホント?随分会ってない気がしたわ・・・キスして頂戴」

ルシアは娘のソフィアをそっちのけでドンヒョクに抱擁を求めた

       「3年ぶり?私は4年は会ってないわよ・・・どうしてあなたが・・・」

       「フランクは何処かの冷たい娘と違って、仕事で近くに来た時は、
        必ず足を延ばしてくれたのよ・・・この子ったら、
        結婚のこともついこの間よ、連絡よこしたの・・・
        大慌てで支度したわ・・・まったく・・・」

ルシアとソフィアは似たもの親子だった・・・
学生の頃から、ソフィアに無理やり連れられて彼女の家に行くと、
ルシアはソフィア以上にドンヒョクの面倒を見た
或る時は叱り、或る時は頭を撫でて、家庭の温かみをくれた

ドンヒョクはそんな彼女にもあまり愛想のいいものではなかったが、
ルシアはそんなことにはお構いなしに世話を焼いてくれた

ソフィアが卒業する頃に、ルシアは故郷のスイスに住まいを移し、ひとり暮しを始めた
ドンヒョクはその頃からの方が彼女に対して素直になったような気がする
ソフィアを介さないで彼女の家に出向くことも幾度となくあった

ルシアが「あの子はあなたと生きると思ってたわ」
と少し寂しそうにドンヒョクに耳打ちした
ドンヒョクはルシアを優しく抱きしめて、「ソフィアは幸せになります」と囁いた

ルシアは、そうね、というように、ドンヒョクに笑顔を向けて、
娘に「それじゃ、教会で待ってるわね」と笑顔を添えて伝えると、部屋を後にした


       「母・・・何て?」

ソフィアがドンヒョクに背中を向けたまま問いかけた

       「何も?」

       「嘘・・・私の想いを一番身近で見てきた人よ・・・」

       「・・・・・・・・・・あなたと生きると思ってた・・・そうおっしゃってた」

       「そう・・・そうね・・・・・・
        私も・・・そう思ってたわ・・・マム・・・」

ソフィアは独り言のように母への言葉を呟いた
ドンヒョクはそんなソフィアの後姿を黙って見つめていた


       「フランク・・・」

       「何?」

       「このまま・・・連れて逃げて・・・」

ゆっくりとドンヒョクに向き直ったソフィアが彼の目を真っ直ぐに見詰めてそう言った

           彼女は君に最後の賭けをしているのかもしれないな

           君はその賭けに、真っ向から立ち向かうべきだ

ジュニアの言葉がドンヒョクの脳裏をよぎっていた
そして、決して逃げることはしないというドンヒョクの力強い瞳が
彼女の瞳を見詰め返していた

       「ソフィア・・・僕は・・・」

       「フフ・・・や~ね・・・そんな真面目な顔して・・・
        フランク・・・冗談よ・・・」

ソフィアは自分の言葉を一旦は茶化したものの、ドンヒョクの真剣な瞳を前に、
彼に対しての自分の想いに決着をつけようと言葉を繋げた

       「フランク・・・私はね・・・あなたのその目を見るだけで・・・
        あなたが何を言いたいのか・・・わかるのよ・・・
        それはまだ・・・ジニョンさんにも負けないと思うわ・・・」

ソフィアはそう言いながら、ドンヒョクの頬を優しく撫でた
ドンヒョクは自分の頬に添えられたソフィアの手を包むように自分の手を重ねた

       「フランク・・・ありがとう・・・・・」

       「僕はあなたにお礼を言われることは何ひとつしていない・・・」

       「してるわ・・・」

       「何を?僕があなたに何をしてあげた?迷惑かけるばかりで・・・
        僕があなたに・・・」

       「生まれてきてくれた・・・」

       「・・・・・・・・」

       「生まれてきてくれたわフランク・・・これ以上のことある?
        だって、そうでしょ?あなたを愛して・・・
        本当に愛するということを知ったんだもの・・・
        あなたを初めて見た時から・・・あなたは・・・私の心を独占したわ・・・

        フランク・・・教えてあげる・・・半年前から僕を見てた・・・
        初めて言葉を交したあの日・・・あなたそう言ったでしょ?
        本当は一年前からよ・・・最初からずっと・・・
        ずっとあなたを・・・見てたの・・・」

       「・・・・・・・・」

       「ずっと・・・あなたのそばにいたかった・・・あなたをみつめていたかった・・・
        あなたの心を守りたかった・・・あなたに・・・・・」

あなたに・・・そこまで言うと、ソフィアは軽く首を横に振った

       「結婚式の当日に・・・花嫁が他の男に言う台詞じゃないわね・・・」

       「僕は・・・どうして・・・あなたの愛に気がつかなかったんだろう・・・」

       「そんなこと・・・わかってるじゃない」

       「・・・・・・・・」

       「私が・・・あなたの半身じゃなかったから・・・」   

       「ソフィア・・・・」

       「私はリチャードのそばにいると、自分をさらけ出せるの・・・
        彼の隣にいるとゆったりと眠れる・・・
        それが・・・あなたのいう半身・・・そういうことね・・・
        これで・・・本当にお別れね・・・フランク・・・」

  あなたの瞳が微かに揺れていた

       「キスしていい?」

  僕は思わず口に出してしまった・・・
    
  あなたは少しだけ考えると、微笑んで言った

       「唇じゃなければ・・・」

ドンヒョクはゆっくりと瞼を下ろして微笑むと、ソフィアの顎を軽く指で支え
彼女の唇の少しだけ横にそっと・・・くちづけた


    さようなら・・・


          ・・・僕の・・・



                     























 


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hiro305
賭けに負けると分かって挑んだ言葉のように思えました。でも彼女がドンヒョクを変わらずに護っていてくれた事に感謝します。この憂いを含んだ顔は最高!ヨンジュンは笑顔よりも悩み苦しむ顔の方が良い、好き、見たい 2011/11/30 23:40
hiro305
ソフィアのような「できる女性」は大好きだけれど、もしドンヒョクが彼女に最後の場面で気持ちを向けたら彼女はジュニアを裏切るのだろうか・・・ソフィアの愛も強いから断ち切れなかったのでしょうね 2011/11/30 23:36
あきちん
この2人にも愛があったんですね。(半身ではなかったけど・・)ソフィアさん幸せになって! 2007/07/30 11:20
やまはな
私も彼の困惑、苦悩、切ない表情・・・好き♡ 見たい♪^^ 2007/07/30 10:28
やまはな
うふふっ(*゜v゜*)・・・はい、kurumiさんすごい^^・・よくおっしゃってるヨンジュニに演じて欲しい脚本なんですね。 2007/07/30 10:26
kurumi☆
思いの丈をぶちまけてくれてありがとう^^これですっきりしてくれたかな?^^でも、キャラに対して本気で怒りを感じさせた私ってすごい?(笑) 2007/07/30 08:55
kurumi☆
役者としてのドンヒョク(ヨンジュニ)のいいとこ撮り(字は違うけど)^^いいえ、私の見たいとこ撮り^^それが私の創作の根底にあります…だから、ソフィアやジュニアは決して悪くないのよ(笑)許してやって^^ 2007/07/30 08:38
kurumi☆
他にも沢山ありますがそのシーンを書きたくて、話を組み立てているみたいなところがあります…だから、本当は人に読んでもらうのではなく、自分で想像して楽しむ程度の作品なの 2007/07/30 08:35
kurumi☆
いうシーンの複雑なドンヒョクの表情や、ソフィアの唇の少し横にくちづけをするシーン、私がヨンジュニに演じて欲しいと思うシーンです 2007/07/30 08:33
kurumi☆
やまはなさん^^気持ち、よくわかる…私も本当はソフィアという女性はここまで引きずる女ではないと思っています…これも書き手としての私の勝手なところなのですが、ドンヒョクを前に「このまま連れて逃げて」と 2007/07/30 08:31
やまはな
ジュニアとの愛を前向きに早く・・・進めて欲しかった・・・そのほうがソフィアもジュニアも楽でしょう・・・・また勝手な事をほざきました(*- -)(*_ _)ペコリ 2007/07/30 08:02
やまはな
あの・・・・また・・・来ました| |д・) ソォーッ…ソフィアに・・・フランクが愛したジニョンとの幸せを願い、もっと早く決着して欲しかった。自分の愛から早くフランクを解放して欲しかった。 2007/07/30 07:55
やまはな
・・でも・・実はスッキリした気持ちも(● ̄▽ ̄●;)ゞぽりぽり・・・・ごめんなさ~~~い!! 2007/07/29 22:16
やまはな
それは彼女が一方的に愛し続けた事でしょう・・・・・でも、あ・の・ソフィアからフランクを消えさせるためには必要な事だったわけですよね。失礼な事ばかり書いてすみません!レス入れたあと後悔も<(_ _)> 2007/07/29 22:06
やまはな
ソフィアの深い愛?母性本能、執着した愛にも見える・・・ジュニアも最後まで確信が持てなかったにしても値にもち過ぎる。フランクを振り回すな!と・・・ソフィアからの16年間の愛の報い? 2007/07/29 21:55
やまはな
お子ちゃま(若くはないですが(^^ゞ)の戯言だと思って下さい。最後の賭け・・・・ソフィアは真剣でした。わかっているから冗談にしたけど・・・でもやっぱり私は、未練がありすぎるぞ!と・・・ 2007/07/29 21:42
やまはな
kurumiさん、皆様 ごめんなさい!先に謝らせて頂きます。私はやはり駄目です・・ソフィアは受け入れられません。私が愛するという気持ちがわかってないお子ちゃまなんだと思います・・・・ 2007/07/29 21:36
ヨンkiss
これがドンヒョクとソフィアが結ばれなかった理由。例え、結ばれなくとも「生まれてきてくれた・・・」この言葉の意味は二人とって深い思いが・・・”ソフィア、ジュニアと末永く幸せに・・・” 2007/07/29 06:19
ヨンkiss
”彼女の愛を16年もの間封印させた”と言うジュニア・・”僕は・・・どうして・・・あなたの愛に気がつかなかったんだろう・・”~”私が・・・あなたの半身じゃなかったから・・・” 2007/07/29 06:15
ボニボニ
アタシも言いたい。フランク・・生まれてきてくれて ありがとう。 2007/07/29 05:13
フック
「フランク・・・ありがとう・・・」「生まれてきてくれた・・・」これほど嬉しい言葉はありません。ソフィアの愛は、報いを求めない無償の愛。こんなに純度の高い愛を持ち続けたソフィアって、本当に素晴らしい女性 2007/07/29 00:59
 
 

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