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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3825677/4669303
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 39 HIT数 6571
日付 2007/07/31 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 25.warm (温もり)後編
本文
    












ドンヒョクはその日、事務所で朝を迎えた

レオとジョアンもそのまま残務処理に入り、
ミンアも結局、朝までレオ達につきあった
朝食の用意をしようと、デスクを離れたミンアが
ドンヒョクの様子を伺うべく彼の執務室のドアを静かに開けたが、
既にデスクに向かっていたドンヒョクと目が合って驚いた


   「早いな」

ドンヒョクはミンアにいつものように笑顔を向けて言った

   「ボス・・・・」

ミンアには昨夜の彼のことが頭から離れず
次の言葉を探せないでいた

   「帰らなかったのか」

   「は・・い・・・・」

   「レオを呼んでくれ」

   「あ、はい・・・」




   「モーニン・・・ボス・・・資料は揃ったぞ」

レオは昨夜、ここで起こった事など何もなかったかのように
仕事モードに入り込んでいるドンヒョクに合わせた

   「ああ・・・こっちも今終わったところだ
    この資料と合わせて、提出の準備を頼む」

ドンヒョクはPCからデータを入れたスティックを抜き
レオに差し出しながらそう言った

   「了解した・・・ボス・・・・・・・・・」

   「ん?」
 
何か言いたげなレオに気が付いたドンヒョクが顔を上げた

   「寝なかったのか」

ドンヒョクはレオのその問いには答えず話しを始めた

   「レオ・・・
    この前かなりのオファーが舞いこんでると言ってたな
    あれ、どうした?」

   「ああ、まだ調整中だ・・・
    お前が短い期間でできるものを除いて、
    断わるか、先延ばしにするか・・・検討中」

   「そのリストこっちに回せ・・・吟味し直す・・・
    場合によっては全て受ける・・・そのつもりで。」

ドンヒョクは手元の資料に視線を戻して、淡々と話した

   「全て?それはいくらなんでも無理だ・・・
    今抱えている案件だけでも、お前にかなりの負担がある
    それに、今お前のソウル行きを視野に入れた
    スケジュール調整に掛かってるところだ・・・
    それが望みだっただろ?・・・お前の」

    「変更だ。」 フランクは視線をもう一度上げて力強くレオを見た

    「しかし・・・」

    「ジョアンを呼べ・・・
     ジョアンはこれから請け負う案件全てに拘らせる」

    「全てをジョアンに?やつにはまだ荷が重くないか?」

    「安心しろ・・・僕がフォローする」

    「いいのか?・・・そろそろ、渡航許可が下りるぞ」     

    「いいから!言う通りにしろ!」

いつものドンヒョクのハンターのような厳しい目・・・
しかしレオにはそれが尋常には映らなかった

    「わ・わかった・・・」

ドンヒョクがいったい何を考えているのか、皆目見当がつかなかった

新しい案件に掛かってしまうと、身動きができなくなること位
ドンヒョク自身が一番承知しているはず
あれほど、ソウル行きを切望していたはずの彼が


   いったいどうしたというんだ

   ボス・・・諦めたのか?・・・

  
どちらにしても、ドンヒョクがアメリカで仕事を続けてくれることも、
ジョアンの教育に協力的なこともレオにとっては有り難いことだった

   しかし・・・






その頃ジニョンは既に帰国したその足でホテルに戻っていた
テジュンや総支配人の留守に伴い、
携わらなければならないことに日夜追われていた

忙しそうに無線を片手に動き回る彼女が時折、
制服のポケットに掌を置く仕草をすることがあった
一瞬目を閉じた彼女のその顔は静かに微笑を浮かべていた

そして休憩時間になると、いつものように屋上に上がり
今度はそのポケットから一枚の写真を取り出した
それはミンアにもらったドンヒョクの写真だった

     ドンヒョクssi・・・

その写真に向かって彼女は満面の笑みを向けた

それはまるで・・・
ドンヒョクのあの部屋で彼に向かい微笑むかのように・・・
この笑顔がきっとドンヒョクに届くと信じるように・・・

しかしジニョンは今この時・・・
ドンヒョクが固い決心をしていたことを知らなかった

自分が起こしたことが彼の心に大きな決意をもたらしたことを
微塵も感じることなく・・・

むしろ幸せの余韻に浸っていた






ドンヒョクは結局、依頼された案件の殆どを請け負った
そのため、それからというものドンヒョクはもちろん
事務所のスタッフ全てが殺人的なスケジュールに追われた

しかし、誰一人として、それに対して文句を言う人間はいなかった

ドンヒョクの仕事に対する熱意は周りのものをいつも
引きこむ魅力がある

ジョアンは彼の動き、言葉、考えを、一つとして見逃すまいと、
ドンヒョクの後を必死に追った

レオにいたってはドンヒョクと仕事をすることが
何よりも好きなことを今更ながら実感したかのように、
毎日を嬉々として事に取り組んでいた
今はソフィアがいない分、レオの負担は大きかったが、
レオには決して苦にならなかった

ミンアはジニョンのことが気になりながらも
ドンヒョクの意思を尊重し、ジニョンに連絡することは避けた

   ジニョンssi、ごめんなさい

   あなたがここへいらしたこと・・・

   “黙っていて”・・そうおっしゃったけれど・・・

   ボスに嘘はつけませんでした

   本当はそのことをあなたにお知らせするべきかもしれません

   でも・・・あなたがあの時のボスのことを知ったらきっと

   泣いてしまうでしょう

      悲しみの余り

   ご自分のなさったことさえも悔やんでしまうでしょう


   でも私はあの時のあなたの涙を大切にしたい

   あなたがボスの元へいらした切ない想いを・・・大切にしたい

   だからジニョンssi・・・

   あの日のことはあなたにはまだお話しないつもりです

   そして私はボスを信じたいと思います

   ボスのあなたへの想いを信じたいと思います

   それで・・・いいですよね

   


ドンヒョクは連日、各国を飛び回るハードスケジュールをこなしながら
案件のひとつひとつを解決し、成功に導いた

レオもジョアンもミンアも・・・
あの日のドンヒョクの姿を忘れてしまいそうだった
    

それから、三週間ほどしてドンヒョクの韓国への渡航許可が下りた
レオはドンヒョクにそれを報告することを少し躊躇していた
既に複数の案件に着手してしまった今、
彼にソウルに行くと言われてしまったら元も子もない

しかし、ドンヒョクには事実を報告しなければならない
レオは覚悟を決めて彼の部屋のドアをノックした

   「ボス・・・渡航許可下りたぞ」

   「そうか・・・」

レオの予想に反して、ドンヒョクの返事はそっけないものだった
彼は一向に仕事の手を休めることなく視線さえも上げなかった

   「ボス・・」 レオは改めて彼に声を掛けた

   「何だ。」 ドンヒョクは仕方ないというように顔を上げた

   「行かないのか」

   「何処に。」

   「何処って・・」

   「忙しいんだ、これを一時間で仕上げなきゃならない
    お前がそう言ったんだ・・邪魔をするな。」

   「ああ・・そうだったな・・しかし・・韓国・・」
   「そんな暇は無い」

レオの言葉を遮った彼の言葉は冷ややかだった

   「そ、そうだな・・・そうだな・・・」

肩透かしを食ったようなレオは、それでも少しばかりホッとした
しかしレオの心に不安に似たものが過ぎった

   ボス・・・

   本当に、それで・・いいのか・・・



スタッフの誰もが彼の的確な指導を崇めながら、彼の仕事に携わる
幸せを噛み締めていた

しかし・・・
ミンアは次第にドンヒョクの様子を案じるようになっていた


   ボス・・・

   ジニョンssiのことをまだ放っておくんですか?

   あの方がどれほどあなたを待っておいでか・・・

   渡航許可が下りたら・・直ぐにでもあの方の元へ・・・

   そうじゃなかったんですか?ボス・・・


ジョアンもまた・・・
彼の仕事を吸収するべく動きながらも
一抹の不安を抱き彼を見ていた


   ボス・・・

   あなたはジニョンssiのそばに行くべきなのに

   一刻も早く、あの人のそばに行くべきなのに

   僕のせいですか?

   僕が頼りないせいですか?

   それとももう・・・あの人のことは・・・

   
彼を取り巻く三人の目が・・・
あの夜の彼の狂気を目の当たりにした三人の心が・・・

一様にドンヒョクの真意を図りかねていた





ドンヒョクは寝る間を惜しむように、来る日も来る日も

  目の前の仕事に集中した


     まるで


   あの日を境に・・・


      心の中からジニョンを・・・




        ・・・消してしまったかのように・・・                       

              

    













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【副題】 warm 温もり・激しい・怒った・情熱的な
         (・・・を)元気付ける・(・・・の)心を温める



































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hiro305
狂気のドンヒョクがジニョンを心の一番奥底にしまい込んだ・・・彼女への想いを一切見せない事が余計に想いの強さを見せつけます。本当にどれだけ血を流せば報われるのか・・切ない2人!大丈夫と言ってあげたい・・ 2011/12/01 00:45
ナタデココ
ドンヒョクが此処まで自分を追い込んで仕事している姿~何をしようとしてるのか推測できますね。一刻も早くソウルへ、」ジニョンの元へ、思いが逸っているのね 2007/08/01 18:00
Frank・S
このシリーズ何回読んでも切ないです。幸せなれると確信していてもその時その時のドンヒョクの気持ちが、ジニョンの気持ちが、、、辛いけど一番好きなシリーズでもあります。kurumiさんtomさんありがとう 2007/08/01 16:35
joonkei
怒涛のアップありがとう。おかげで朝から涙に暮れています。お互いが離れている時間が長いほど、心の傷口から血を流しながらも魂は強く結ばれていくのですね。そんなドンヒョクが好きです。 2007/08/01 08:12
SF2445
《あの日を境に・・ドンヒョクから・・ジニョンが消えた・・》←ここを読んで私も聖さんと同じく・・我慢出来ずに過去旅へ・・じゃないと私の心が平常心を失ってしまいます。それにしても、素敵な背景にBGMです。 2007/08/01 07:25
ヨンkiss
”あの日を境に・・・ドンヒョクから・・・ジニョンが消えた”今、まさにドンヒョクからフランクに入れ替わった瞬間ね。ハンターの目をしてる。そろそろ仕事に決着をつけるのね!(*_*; am.3:03 2007/08/01 02:58
フック
大切に・・大切に・・そっと仕舞っただけ。壊れた心から、静まり返ったドンヒョクへの変化がリアルすぎて、怖い。 2007/08/01 01:41
フック
『あの日を境に・・・ドンヒョクから・・・・ジニョンが・・・・消えた・・・・』  消えていないです。愛が強すぎるため、ジニョンを求めすぎるため、共に抱き合うその日まで、ドンヒョクの心の奥底の底に 2007/08/01 01:37

いつも・・・ここで読み終えて・・・がまんできずに・・・また過去旅への道を・・・・ 2007/08/01 00:56
poraris31
ドンヒョクの心にジニョンは生きていますよね~この先どうなるのかなあ~ 思わず目頭が熱くなりました・・ 2007/08/01 00:20
FECafe
この回は何度読んでも緊迫感で胸が詰まりそうです。ドンヒョクのジニョンへの愛は、深すぎるがゆえに、狂気と紙一重なのですね。初めて読んだ時はドンヒョクの真意が分からず、次回のアップまで、とても不安でした。 2007/07/31 23:36
burotama
誰かドンヒョクを救ってあげて~~~、ってそれはジニョンにしかできないのだけれど。 2007/07/31 22:32
 
 

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