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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848347/4691973
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 6 HIT数 7574
日付 2007/02/13 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 5.sink(沈む) 前編
本文






        








  「仕事は?」

  「今日は12時出勤よ・・・だから、あと5時間あるわ」

  「寝なくてもいいの?」

ドンヒョクはジニョンを少しからかうように言った

  「ドンヒョクssi?」 
ジニョンは少しむくれたような声を上げた

  「冗談だよ・・・ね、お願いがある・・・その時間全部僕にくれる?」

  「どういうこと?」

  「こうして、時間ぎりぎりまで僕と話してて欲しい・・・」

  「5時間も?だって、料金、凄く掛かる・・・勿体無いわ・・・」

  「勿体無い?どうして?あなたとの時間が?」

  「だって、あなた・・・大変なんじゃ・・・」

  「大変?何が?・・・あ、もしかして、ジニョンssi・・・
   僕に仕事が無いと思って、収入のこと心配してる?
   あー確かに・・・以前に比べたら、20分の1いや30分の1・・・
   にはなってるな・・・激減だ・・・どうしよう・・・」

  「えー20分の1?30分の1?そんなに?じゃあ、やっぱり大変だわ・・・
   余り長話できないわね・・・」

  「そうだね・・・ね、こんな僕のとこに来るの不安かい?」

  「ドンヒョクssi・・・前にも言ったでしょ?あなたは少し休んでって
   大丈夫・・・アメリカに行っても、私ちゃんと仕事するわ・・・
   あなたは、心配しないで・・・少しは私にも頼って欲しい・・・」

  「頼もしいね・・・じゃあ、少しゆっくり休もうかな・・・」

  「そうして?・・・ドンヒョクssi・・・あなた少し働き過ぎよ
   体には十分気をつけてね
   それじゃ、そろそろ、電話切るわね・・・」

  「あ、待って!冗談でしょ?・・・まだ、切らないで・・・
   ジニョンssi・・・前にあなたが、私の月給は
   サファイアの一日分の宿泊代より安い・・・
   そう言っていたことがあったね・・・」

  「ええ・・・」

  「今の僕の月収では・・・そうだな・・・サファイアに1ヶ月しか泊れない
   そう言えば、わかってくれる?」

  「そう・・・1ヶ月しか泊れないの・・・
   えっ?・・・1ヶ月?・・ということは・・・だって、30分の1だって・・・」

  「ん・・・30分の1・・・それにジニョンssi・・・確かに僕の個人資産は
   殆どソウルホテルの株になったけど、会社の資産はそのままだよ
   あなたが心配することは何もない・・・でも、これから、あなたに電話代を
   心配されないようにもっと頑張るよ・・・」

ドンヒョクが電話の向こうで笑いながら、言った・・・
 
    この人は私とは本当に住む世界が違っていた人だったんだ・・・

ジニョンは改めて感じていた

  「そんな・・・ドンヒョクssi・・・頑張らなくて・・・いいわ・・・」

  「じゃあ、このまま・・・切らないで・・・」

  「わかったわ・・・」

ふたりは、たまにしか聞くことができない互いの声を互いの言葉をかみ締めていた
話すことは、本当にたわいもないこと・・・それでも、恋人の息遣いを感じるだけで
十分幸せを味わえていた

  「ドンヒョクssi・・・あなた、眠らなくて大丈夫なの?
   少しでも眠らないと、身体に良くないわ・・・」

  「う~ん・・・眠りたくない・・・」

  「ドンヒョクssi・・・子供みたい・・・」

  「そんなに眠って欲しい?」

  「ええ・・・あなたのために・・・」

  「じゃあ、少しだけ眠ろうかな・・・ね、このまま話しててくれる?
   あなたの声を・・・枕にして眠ってもいい?」

  「えっ?・・・ドンヒョクssi・・・フフ・・・いいわ・・・」


ジニョンはホテルでの日常の出来事や、自分の生い立ちなど
まるで子供に本を読み聞かせるように優しい声で話しはじめた
しばらくして、ドンヒョクの相槌が聞こえなくなり、
耳を澄ますと彼の寝息が微かに耳に届いた

  ドンヒョクssi・・・眠ったのね・・・

  疲れてるのに、無理するから・・・

ジニョンは受話器を耳に当てたままベッドに横たわり、ゆっくりと目を閉じた
そして、受話器のずっと奥のドンヒョクを感じていた

  ドンヒョクssiが・・・今・・・私の横で眠っている・・・

そんな錯覚さえ覚えた

  ドンヒョクssi・・・

  「愛してる・・・愛してるわ・・・ドンヒョクssi・・・」

ジニョンの口から自然とドンヒョクへの愛の言葉が奏でられた
ドンヒョクは夢の中で、その言葉を心地よく聞いていた




  「ジニョンssi?・・・ジニョンssi!・・・ジニョン!」

  「ん?・・・・だ・・・め・・・もう少し寝かせて・・・」

  「ジニョンssi・・・駄目だよ・・時間だ・・仕事!」

  「えっ?」

ジニョンは慌てて時計を見た

  「いけない!私・・いつのまに寝ちゃったの?ドンヒョクssi?
   ごめんなさい・・時間ない・・また、後でね!」

ジニョンの慌てぶりが目に浮かぶようで、ドンヒョクはひとり、笑っていた
そして、慌しく切られてしまった受話器をしばらく握ったまま、見つめていた

  僕と一緒に寝むってしまったんだね・・・

  だから・・・かな・・・久しぶりにとても、リラックスして眠れた

ドンヒョクは受話器を元に戻して、もう一度横になった

  ジニョンssi・・・

  一日も早く・・・あなたの隣で・・・

               眠りたい・・・





      
事務所のデスクに向かってからも、
朝方のジニョンとの騒ぎを思い出して頬を緩ませた


  ジニョンssi
  仕事・・・間に合ったかい?

 

  「何、にやついてるの?」

ソフィアの声だった

  「さっきから、ノックしてるんだけど・・・」

  「あ、ごめん・・・気がつかなかった・・・」

  「こちらこそ、考え事のお邪魔だったかしら・・・
   ミンアを叱らないでね・・・
   私が勝手に通って来たの・・・
   何かいいことでもあった?それとも・・・
   彼女のことでも考えてたとか?」

  「・・・・・・」

ドンヒョクは自分の心の中を見透かされて
照れ隠しにソフィアから視線を逸らせた

  「図星・・といったところね・・・・・
   でも、幸せそうなあなたを見るのは、心地いいわ・・・」

  「ところで・・・あなたが突然訪ねてくるなんて・・・
   珍しいね・・・何か急用?」

  「ええ、 あなたに内内の依頼よ」

  「今度は何?何でもどうぞ・・・」

  「随分張り切ってるわね」

  「電話代、稼がないと・・」

  「電話代?何のこと?・・・」

  「何でもない」

ソフィアはドンヒョクの思い出し笑いのような笑いかたが
何故か可愛くて、「変な子ね」と言いながらも目を細めていた


  「大きな仕事よ・・CSグループのジュニアから直々の・・・
   今、SHグループとの合併問題が起きてるの知ってるでしょ?」

  「ああ、そのCSグループが、何であなたのところを通して僕に?」

  「ジュニアと私、昔からの知り合いなのよ・・それで、相談があったの・・・
   今、会社としてはロイド社・・・スティーブの父上の会社なんだけど
   そことの繋がりで、スティーブに任せようという動きになってるらしい
   スティーブもそのために日本から帰って来たらしいわ・・・
   でも、今回の合併に絡む仕事は社命が掛かってる・・・
   決して失敗は出来ない・・・そこで・・・
   ジュニアとしては、確実に成功させられるだろう
   あなたに頼みたい・・・そういうことなの・・・」

  「確実に成功させる?そんな保証はできない」

   「それでも、フランク、チャンスだわ・・・乗らない手は無い・・・それに・・・」

   「それに・・・何?」

   「あなたが今考えていることに、彼は必ず役に立つ・・・
    信用できる人間よ・・・今日これから、彼に会うことになってる・・・
    同席するわね、フランク」

ソフィアの言葉には有無を言わせない強さがあった
彼女がそこまで言うからには、その人物は会う価値がある・・・
他人にあまり信頼を寄せることのないドンヒョクだが、
ソフィアとレオの言葉は彼にとって例外といって良かった・・・
ドンヒョクはソフィアに黙って頷いた


レオからは定期的に連絡が入っていた・・・
   
      スティーブ・ロイドには気をつけろ
      あいつは、然程実力はないが、
      間違いなく父親の権力を笠に着ている
      今までも、自分の意に添わない人間は
      力づくで潰して来たようだ
      思い通りに事を運ぶためなら、
      どんな卑怯な手でも使うという噂だ
      それが、日本の企業に受け入れられなかったんだな
      そんな奴がお前に敵意を抱いてるんだ、
      どういう汚い手を使ってくるか
      わからない・・・十分注意を払え

   どんな手を使ってこようが構うものか・・・

   今の僕にこれ以上落ちようがあるか?レオ・・・


   不思議と僕にはもう・・・


     怖いものなど・・・何も無い


       ジニョンさえ僕の元にいてくれれば・・・


          ・・・何も怖くないんだ・・・

   






























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tomtommama
切ない中にも甘いひと時^^ いよいよ動き出しましたぁ~わくわく どきどき^^ 2011/11/16 22:45
tomtommama
kurumiちゃんちは今でも恋愛中です^^ ダー様はkurumiちゃんがいないとチョー不機嫌^^ 「世の中でkurumiを幸せに出来るのは自分だけ」とダー様はキッパリ言い切ります^^ 2007/07/28 15:11
4ジュナ
kurumiさん、ダー様といい恋愛してらしたんですね(笑)この回のお話、まさに『こいびと』らしいですものね。素敵なエピソード聞かせてもらいました。^^ 2007/05/19 17:20
SF2445
この長電話のお話はkurumiさんとD様の実体験に基づいたお話だったのですね?だから読む側の私にも別れている恋人達の切ない気持がリアルに伝わって来たのでしょう。←なるほど・・と、納得です。 2007/05/16 10:55
kurumi☆
恋人時代、長い電話の末、眠ってしまった経験ありませんか?私はあります^^・・・そして、途中で目が覚めて、結局やっぱり会いたいね、と夜中に会ったり・・・もちろん、今のダー様ですよ~~~^^ 2007/05/14 21:47
kurumi☆
愛した人と触れ合えない辛さは想像するに余りあります・・・これほどに愛し合ってるふたりが事実、逢うことが叶わないことを想像して想像して、気持ちを辛くしながら書いていました 2007/05/14 21:38

幸せな二人の会話に・・切なさ倍増・・。でもドンヒョクの力の元・・・。ソフィアの思いやりと・・・今・このときの幸せを・・・ 2007/04/30 00:47
ナタデココ
守る者を得た戦士は力と勇気を得て戦場にむかっって行く~そんな想いを連想させるお話でした。頑張れドンヒョク!!貴方には真の友はついている!! 2007/02/14 21:20
ナタデココ
NYとソウルが繋がる~ジニヨンとのTELはひと時の和みと安らぎをもたらしたようですね。嬉しそうなドンヒョクと憂いをひめたドンヒョクのコラージュステキですよ(^^)/ 2007/02/14 21:16
 
 

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