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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3848342/4691968
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こいびと
2005.10~2006.3まで連載した【こいびと】はホテリアー本編でアメリカに帰るドンヒョクについて行かなかったジニョンと彼が再会するまでの隙間ストーリーです^^
No 9 HIT数 7519
日付 2007/05/01 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル こいびと 6.dear(親愛なる)後編
本文











ドンヒョクの車がCSグループのビルを出てからも、
彼とソフィアは互いに無言のままだった

しばらく車を走らせた後、ドンヒョクは川沿いに車を止め
タバコを一本咥えて外に出た
ソフィアも黙ってドンヒョクの後に続いた


   「リチャードに連絡しないと・・・黙って出て・・」
   「そうなの?・・・」

   「えっ?」

   「彼と別れた原因・・・僕だった?」

   「・・・・関係無いと言ったら嘘になる・・・きっと
    きっかけにはなったかも
    でも・・・もともと、彼は親同士が決めていた間柄だったの
    あの頃には既に、彼に対して何の感情も無かったわ」

   「僕を・・・愛してたの?・・・あの頃・・・」

ドンヒョクはタバコの吸殻を仕舞うとソフィアを見た

   「聞いてどうするの?」

   「聞きたい・・・」  

 あなたのために・・・
 あなたが僕を断ち切る為に・・・

   「・・・愛してたわ・・・ずっと・・・」

ソフィアは一度だけ小さく溜息をつくと、今まで見せたことの無い
表情を彼に向けた
それは、姉としてではなく、女としての想いを描いていた

ドンヒョクもまた、彼女に真摯に男と女として対峙した

   「あなたを愛してたわ・・・今もきっと、愛してる・・・」

ソフィアの16年の歳月を経た、初めての告白でもあった
昔の自分に立ち返って、彼女は目の前の彼を見つめていた

   「そんな・・顔をするな・・・ソフィア・・・」

   「どんな顔をしてるの?私は・・・・
    私がずっと隠してきたものに・・・フランク・・・
    あなたが問いかけたからよ・・・」

   「・・・・・・」

   「私は今・・・どんな顔してるんだろう・・・
    あなたにキスしたくて・・・そんな顔をしてる?
    だとしたら、あなたは・・・あの時みたいに・・・
    黙って私にキスしてくれるのかしら・・・」

   「・・・・・・」

   「そんな顔・・・しないで・・・フランク・・・」

   「どんな顔・・・してるの?僕は・・・」

   「困らせないで・・・そんな顔・・・」

   「どうして、あの時・・・僕を離したの?」

   「どうして・・・どうしてかしら・・・
    傷つくのが怖かった・・・そうなのかも・・・
    若かったから・・・」

   「傷つく?僕もあなたを愛してたのに?僕達は・・」
   「そうなの?・・・」

ソフィアは、違うでしょ?という顔をしてドンヒョクの顔を覗き
彼の言葉を遮った

   「・・・・・」

   「フフ・・・あなたの目は正直ね・・・
    あの頃のあなたは自分自身を守ることで精一杯だった
    棘を身体中につけて歩いてた・・・そうしないと
       今にも崩れ落ちそうになる自分を自分で支えられなかったのね・・・きっと

    でも大人になって・・・
    沢山の時間が過ぎ去っても・・・あなたは少しも救われてくれない・・・
    いつか・・・本当に自分から地獄の扉を開けてしまうんじゃないか・・・
    そう思って、ハラハラしてた・・・
      
    あの日・・・あなたと・・・
    そしてあのままあなたに溺れて・・・あなたと愛し合って・・・
    そうしたら・・・きっと別れていたわ、私達
    そうね・・別れていたら・・・
    あなたから逃れていたら・・・
    あなたの苦しみや悲しみや寂しさ・・・何も見なくて済んだかも・・・
    でも・・・この手を離したら・・・
    あなたが底無し沼に沈んでいきそうで怖かった

    だから・・・あなたから・・・離れられなかった

    ずっと・・・見てたわ・・・あなたを・・・
    若い頃は・・・あなたの為にならない人間は男であれ、女であれ、
    あなたの知らないところで、私が近づけなかった・・・
    今頃そう言ったら・・・怒る?」

そう言って、ソフィアは笑って見せた

思い当たるところがあって、ドンヒョクは薄く笑ってソフィアを見た

   「普段はポーカーフェイスのあなたが・・・
    怒るときも静かに怒るあなたが・・・
    感情を剥き出しにして相手に怒りをぶつけるのは・・・
    本当に愛した人のためだけ・・・
    あの時は、あなたの親のためだった・・・」

   「親なんて・・・愛してない・・・」

   「いいえ・・・あなたは自分で分かってないだけ・・・
    確かにあなたは自分の親を憎んでた・・・
    でも、憎むということは愛してることよ・・・
    そして、今日・・・そのことを改めて確信した・・・
    あなたが、ソウルで・・・どんな人と、どんな恋愛をしたのか・・・
    詳しくは知らない・・でも・・・その愛が・・・
    彼女が・・・あなたの全てだということ・・・
    彼女が、あなたの閉ざした心を開いたことは間違い無い
    あなたを、ずっと見てきた私には・・・
    あなたの変化が手に取るように分かるの

    私も・・・そうしてあげたかった・・・
    本当は・・・私が・・・そうして・・・あげたかった・・・
    でもそうね・・・私では・・・無理だったの・・・」

ソフィアはドンヒョクを見つめたまま、静かに涙を流した

   「あなたは・・・子供だった僕を・・・
    いつも強がって隠れて泣いていた僕を・・
    いつもそばで見ていてくれた・・・
    僕は・・・そんなあなたの流す涙さえ見ようとしなかった・・・
    あんなに近くにいながら、何一つあなたに応えなかった・・・
    それなのに・・・ずっと変らない心を僕に向けてくれていた・・・
    あなたは・・・それで・・・それだけで、幸せだったのか?」

   「幸せだったわ・・・」

即答したソフィアの言葉は力強かった
それだけで、ドンヒョクの心は救われた気がした
ふたりは互いに笑みを浮かべて、男と女から、いつもの姉と弟に戻った

   「お願いがある・・・」

   「何?」

   「もう一度だけ・・・昔みたいに・・・僕を抱きしめてくれない?」

   「昔みたいに?」

   「そう・・・あいつを殴ったあと・・・
    僕を抱きしめて、気持ちを静めてくれた・・・あの時みたいに・・・」

   「思い出したの?」
      

ソフィアは笑って、ドンヒョクを静かに抱きしめた
ドンヒョクもまた、彼女を優しく抱きしめた
そして・・・ソフィアは心の中でフランクへの愛に別れを告げた

   「少しは・・・静まった?・・・」

   「ああ・・・これから、冷静に戦える・・・」

 うそつきね・・・

 あなたの心を落ち着かせることができるのは・・・
 もう、私じゃないでしょ?

 こうして、抱きしめさせてくれたのは・・・私への思いやり?・・・

 こんなことをあなたがしてくれる・・・考えられなかったことよ・・・

 彼女はそこまで・・・あなたを・・・

 あなたを本当のあなたにしたのね・・・

   「そう・・・良かった・・・でも、これが最後よ・・・
    リチャードがやきもち妬くから・・・」

   「わかってる・・・ちゃんと、彼に返すよ・・・」

   「フランク・・・
    本当言うとね・・・あなたを見てるのが辛くなった時もあるの・・・
    そんな時・・・あなたの手を離さなかった私のもう片方の手を・・・
    リチャードが掴んでくれていた・・・私は彼に甘えてたの・・・
    ・・・・・・・・彼を・・・愛してるわ・・・・・
    これからは・・・彼のことだけを考えて生きていきたい・・・」

   「そうして・・・僕はもう大丈夫だから・・・
    いつまでもあなたに甘えていたら、僕がジュニアに殺される」

   「何言ってるの?」

   「本当だ・・・あなた、知らないんだよ・・・あの人の本性」

   「本性?」

   「ああ・・・震えるほど怖かった」

   「あなたが・・・怖い?・・・」

ソフィアは声をあげて笑った

   「フランク・・・ネクタイ・・・外して・・・」

そう言いながら、ソフィアはドンヒョクからおもむろに離れると    
彼のネクタイを解いて、シャツのボタンを外した
ドンヒョクは驚いた顔を向けながらも、彼女のするがままに任せていた
そして、彼女はドンヒョクが付けていたネックレスを何も言わず外した

   「こうして、いつも肌身放さずつけてるネックレス・・・
    彼女がいつの日か・・・誰からのプレゼント?って、
    聞いた時、どう答えるつもりだった?
    まさか、正直に私から、なんて・・・答えないでしょうね・・・」

   「どうして?駄目なの?事実だ・・・」

   「あなたって・・・本当に女心を分からないのね・・・
    今までは・・・それでも、良かったわ・・・でも、彼女は駄目」

そう言いながら、ソフィアはそのネックレスを躊躇無く河に捨てた

   「あ、気に入ってたのに・・・あれは、あなたが、初めての給料をはたいて・・・」

ドンヒョクはネックレスが落とされた川面を残念そうに覗いた

   「随分、素直になったのね・・・あれをプレゼントした時は、
    こんなもの・・って、嫌そうな感じだった・・・
    私が無理して買ったこと、知ってたんだ・・・」


  彼女は駄目・・・

  あれには・・・私の想いが詰まりすぎてたから・・・


    「何だか、首が寂しいよ」

    「彼女に新しくプレゼントしてもらいなさい
     それまで、寂しいまま我慢するのね・・・」

    「今度・・・彼女に会ってくれる?」

    「ええ・・・必ず・・・」

    「きっと気が合うよ・・・」

    「そう思うわ・・・」

    「しかし会ってもらう日は・・・少し延びそうだ・・・」

    「そうね・・・」



          親愛なるジニョンssi

            あなたに話したいことがある

            そちらの朝8時電話する・・・  


ジニョンの渡米予定を十日後に控えていた        

   ジニョンを今このNYに来させるわけにはいかない・・・


       「レオ・・・頼みがある・・・
        ロイド社について調べてくれ
        どんなことでもいい・・・」


   ジニョン・・・

     ・・・少しの間、僕から離れていて・・・






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【副題】 dear 大切な・いとしい・大事な・・・親愛なる・・・

 


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tomtommama
僕のこと愛していた? って聞けるあなたが凄いです^^ 照れちゃうじゃないですか♪(*^-'*)>って私のことじゃないのね。 この瞬間ソフィアになりたい^^  2011/11/20 22:58
tomtommama
だから きっとこうしてソフィアと穏やかな時間を過ごせる。 それにしてもFarnk大人になったね(笑) どこと比べてだーー^^ 2011/11/20 22:56
tomtommama
ネックレスを誰から貰ったのか・・・素朴な疑問でした。そしてその後こうなったのね^^ スティーブとのことで心中穏やかではないにせよ。すでに方向は決まっていたのね^^ 2011/11/20 22:55
mari181818
↓「パンチョゲ→パンチョガク」のまちがいでした。ごめんなさい。 2007/05/17 07:41
mari181818
この章でははじめてソフィアに感情移入して、とても苦しかったことを思い出しました。 2007/05/17 01:53
mari181818
「ナエ ナモジ パンチョゲ」僕の残り半分のかけら・・・『半身』・・はじめて聞いたときには違和感があったのに今はこの言葉なしで『ホテリアー』は語れませんね。 2007/05/17 01:52
kurumi☆
凄く自然にフランクとソフィアを離すことができたみたい^^もちろん前にも言った様に、ソフィアは完璧な女性でなければならないので、スーッと身を引くことも心得ている^^ 2007/05/17 00:32
kurumi☆
そう・・この『半身』という言葉は本当にマジック・ワードですね^^いい解釈だわ…私は運命の人、というのを信じるタイプなので、この半身という言葉でソフィアに解決させることに違和感がなかった^^ 2007/05/17 00:30
SF2445
半身と言う言葉は「ホテリアー」のとっておきのマジック・ワードですね? 2007/05/16 11:54
SF2445
ある意味ソフィアの方が人間としても魅力的なのに、ドンヒョクはソフィアを愛していたのに、何故ジニョンを愛するようには愛せなかったのかという答えは、ソフィアはドンヒョクの半身ではなかったからなのでしょう? 2007/05/16 11:52
SF2445
kurumiさんが言われるようにソフィアにとってフランクは男としてではなくある意味いとしい・たいせつな「人間」になっていたと思う←まさに私がソフィアのドンヒョクに対する想いに感じていた事でした。 2007/05/16 11:42
kurumi☆
ソフィアは実際、リチャードを愛していました・・・でも、フランクを離せなかった・・・一件二股の感情のようですが、決してそうじゃない・・・男としてではなくある意味いとしい・大切な「人間」になっていたと思う 2007/05/14 22:08
kurumi☆
今まで押さえていた感情を少しだけ表したソフィア・・・でも、それはもう報われるものではなくて、自分の感情にただけりをつける・・・そういうシーンです 2007/05/14 22:05
ナタデココ
ドンヒョクを見守っていたのね。ソフィアがネックレスを躊躇無く河に捨てた気持ちよくわかります。今回も素敵なお話ですね 2007/05/11 00:42
ナタデココ
今だから話せる話~BGMともに素敵な互いの心が交差し合っていた・・大人の愛、ソフィアが大人で素敵な女性ね。ジニョンが太陽の様にキラキラと包み込むとするならば、ソフィアは月の様な静と凛を思わせる光で 2007/05/11 00:39
 
 

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