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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3833867/4677493
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Reymond...
2006.6よりwith BYJにて連載mirageの外伝 レイモンドの生い立ちです^^
No 15 HIT数 3731
日付 2008/03/11 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル mirage side -Reymond-⑩
本文







 







 


   




    drawing by boruneo

 




 


    ;


   

         「逃げられた?・・・」

      「はい・・申し訳ありません」

      「フッ・・・相手はフランクだぞ・・・
       甘く見るなと言っただろ?」

      「邪魔者がいたようでして」

          「邪魔者?
       ま・・心配するな・・
       さっき、彼から連絡が入った」

      「奴本人からですか?」

      「ああ・・“あいにくでしたね”とな」

      「それで・・」

      「明日、会う」

      「では私もご一緒に・・」

      「いや・・私ひとり・・・
       彼の条件だ」

      「しかし・・向こうには夫人がいます
       彼女の周辺には用心なさらないと・・
       奴らはあなたを狙っています

       それにフランクもあなたを敵だと思ってる
       彼が向かってくることも有り得ます」

      「はは・・誰よりフランクの方が私は恐ろしい」

      「若・・楽しんでる場合じゃないですぞ・・」

      「楽しんでなどないさ」

      「そうでしょうか・・私にはあなたがどこか
       フランクとの戦いを楽しんでいるように見えますな」


   そうだな・・そうかもしれない・・・しかし・・


   もう直ぐ・・それも終わる・・・


      「フッ・・・生死を賭けてるんだ
       少しばかり楽しんだところで罰は当たるまい」

      「若・・・」

      「はは・・冗談だ・・・」

      「・・しかし・・若・・
       決して無茶をなさらないように・・・」

      「ん・・」


   しかし・・・彼女が戻って来るとは・・・


私は義母・・ローザ・パーキンがフランクと一緒に
NYに戻ることを想像していなかった
この地に足を踏み入れることがどれほど危険なことなのか
様々な危機を掻い潜って来たあの人が察しないわけがない

   いったい・・・


   目的は何なんだ・・・まさか・・・


   母上・・・あなたは・・・




 


      「ジニョン」

      「レイ!お久しぶりです・・偶然ですね
       このところお見かけしませんでしたが
       お元気でしたか?」


   決して・・偶然ではないけどね・・・
  

      「ああ・・君こそ・・元気だったかい?」

      「えっ?ええ・・・」

      「どうした?とても元気そうだとは言えないね」

      「・・・・」


   ごめん・・・理由はわかっているよ・・・



      「少しその公園まで歩かないかい?」

      「え・・ええ・・」

      「元気が無いのは・・・
       フランクに会ってないからかな?」

      「・・・・」


      「図星か・・・」

      「どうして?」

      「・・君の顔を見ればわかる」

      「本当に?」

      「ほら・・そこに書いてる」


そう言いながら私は彼女の頬に指先を触れた


   大の大人が・・・


そうした瞬間に心を疼かせた


   フッ・・何を・・・
  
   笑ってしまうな・・・



      「また~レイ・・冗談」


      「いや・・冗談じゃないさ・・本当だ・・
       あー君の顔にはいつもフランクが見える!」


   本当に・・・そうだね・・・


      「君が嬉しそうに輝いている時は
       フランクもきっと元気なんだろう

       君が寂しげに沈んでいる時は
       フランクが病気か・・んー彼と喧嘩したか・・
       君のそばにいない時・・・」


   このまま彼を何処かに隠してしまったら・・・

   忘れてくれるかい?・・・彼を・・・


      「それ以外何も無いな・・きっと
       君はわかりやすいから・・」


とても早口にフランクの話を続けた私の顔を覗いていた君が
驚いたように口を開けていた


      「まあ・・まるで私ってバカみたい」

      「はは・・いいさ・・バカで・・・
       んー名づけて・・“フランクバカ”とでも?」

      「レイ!」

      「はは・・ごめん・・」

      「レイ・・・何だか・・変わりましたね」

      「何が?」

      「いいえ、変わったんじゃないわ・・・
       出逢った頃のレイに戻った感じ」

      「出逢った頃?・・最近・・違ってたかい?」

      「ええ・・違ってました・・・とても・・・」

      「どう違った?」

      「・・・・・」

      「いいよ・・言ってごらん?」

      「・・・・何だか・・怖かった・・・」


      「怖かった・・・そう・・・
       悪かったね・・・怖い思いをさせて・・・」

      「でも・・良かった・・
       だって・・“レイ”って、呼べるもの」

      「さっきから呼んでたけど」

      「いいえ・・最近はちょっと苦しかったんです
       そう呼ぶの・・・」

      「そうなの?・・・そうか・・・良かった・・・」

      「最初にレイが教壇に上がった時
       みんなに言ったでしょう?
       “レイ”・・そう呼んで下さいって・・・」

      「ああ・・」

      「あの時はみんな、驚いたんですよ~ホントは
       特にアジア系の人たちはね
       私もなかなかそう呼べなくて・・」


   そうだったね・・・君が一番遅かった・・・


      「どうして?」

      「だって・・先生だもの・・
       韓国では・・年上の人を呼び捨てになど
       する習慣・・無いし・・」

      「そうか・・」

      「でもレイが・・あなたが・・
      “ずっとみんなからそう呼ばれて来たから
       そう呼べ”って・・」

      「そうだったね・・」

      「ほぼ強制的だったわ」


   ああ・・君には特にね・・・


      「韓国では・・・オッパ・・だったね
       だから、ジョルジュはオッパなんだ」

      「ええ・・だから、ちょっと変だったの
       レイを・・“レイ”
       ジョルジュを“オッパ”・・ちょっとちぐはぐ」

      「フランクはフランクだったじゃない」

      「だって・・フランクは・・」

      「恋人だから?・・・」

      「いいえ・・韓国では恋人もオッパと
       呼ぶことが多いです・・」

      「そうなの?」

      「でも・・フランクは・・・
       最初から・・フランクでしかありませんでした」

      「そう・・・何故だろうね」

      「・・・・・・・・・・・
       初めて出逢った時・・彼・・自分の名前だけを
       私に残したんです・・
       “フランク”って・・・
       次に・・いつ逢えるのか・・それすらわからない・・
       そんな出逢いでした・・・

       もう逢えないかもしれない・・
     
       でも私信じてました・・必ず逢える・・・そう信じてた・・・

       そして・・探したんです・・
       彼の名前を・・心の中でフランクを叫びながら・・・
       “フランク・・フランク・・フランク・・・”
       逢いたい・・逢いたい・・逢いたい・・
      
       そうやって・・やっと・・見つけたんです・・」

      「・・・・・・」

      「・・・フランクは・・
       最初からフランクでしかなかった・・」

      「・・・・・・・・・・・・
       実はね・・・
       今だから話すけど・・・
       君達に出逢うまで誰からも呼ばれたことなんて無いんだ
       “レイ”って・・・」

      「えっ?そうなんですか?・・・・・
       だったら・・どうして・・」

      「・・・・たったひとりの人を除いてね・・・」

      「たったひとりの人?」

      「ああ・・そして・・今度も・・
       たったひとりの人にそう呼んで欲しくて・・・
       みんなに強制した・・・」

      「・・・・・・」


初めて君に会った時・・・母が戻ってきたかと驚いた

   ・・・レイ・・・

まるで幼い頃そう呼ばれた
その声が聞こえるようだった

母と別れてからそれまで・・・
僕は人にそう呼ばれるのが異常なほど嫌だった

だから・・
親しくなった人間が僕をついそう呼ぼうとしたときでさえ
睨みを利かせてまで阻止していたくらいなんだ

それなのに、君に会った瞬間・・・
どうしても君にそう呼んで欲しくて・・・

でも突然出会ったばかりの教師をそう呼べとは言えない

だから・・・
教壇に立った時、生徒達全員にそう呼ぶよう
強制したんだ


   そうすれば君の口から・・・
  
   その声が聞こえるから・・・

  

      「・・レイ?・・・」

      「あ・・・何でもないよ・・・
       ジニョン・・・」

      「・・・・・」

      「そろそろ・・午後の授業が始まるね」

      「ええ・・」

      「じゃあ・・行って?・・
       それから心配しないで・・・
        もう直ぐ・・戻るよ・・フランクも・・・

      「えっ?」

      「あ、それと、ジニョン・・今日でお別れだ」

私はできるだけ、“ついでに”を装って別れを告げた

      「えっ?」

      「学校・・もう辞めた・・さっき、届けを出してきた」

      「どうして?」

      「家業が忙しくなるんだ」

      「家業?」

      「ああ・・これでも・・御曹司なんでね・・
       ジニョン・・今からでも遅くないぞ
       フランクから乗り換えるか?」

      「レイ・・・」

      「冗談だよ・・君達はその・・何だっけ?
       半身、というのだろう?」

      「えっ?私・・レイにそんなこと話ましたか?」

      「ああ・・話したよ・・・
       さっきも・・そうだ・・・
       君がどれだけ彼を想っているか・・
       嫌になるほど・・話した・・・」

      「・・・・・・」

      「あー・・そうだ・・
       ジョルジュは可哀想だけど・・
       僕が可愛がって・・諦めさせてあげよう」

      「ふふ・・ジョルジュ・・あなたのこと好きです」

      「おい・・そんな趣味は無い」

      「きゃはは・・」



   ジニョン・・・


   その調子だ・・・

   君にはそのくったくのない笑顔が良く似合う


   今まで・・・

   悲しい顔をさせてしまってごめんよ・・


   でも・・・私もフランクと同じなんだ・・・

   君の悲しい顔を見るのは辛い


   だから・・・君にはもうお別れを言おう


   このまま君のそばにいると

   フランクから本当に奪いたくなってしまう・・・

   そうしたら・・また・・君を辛くさせてしまうだろう?


   君も感じているね・・・

   僕が離れていく・・そのわけを・・・

   だから・・さっきの答えを聞かないんだろ?



   ね・・ジニョン・・・安心おし・・

  
   もう直ぐフランクを君の元へ返す・・・



   それまで・・もう少しの・・・




      ・・・辛抱だよ・・僕の・・・



             ・・・ジニョン・・・

 


 


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eyonyon
レイとジニョンの会話の中に・・・レイのジニョンへの気遣いが溢れていて、優しさが・・切ないよ~ kurumiさんの想いを伝える言葉って・・魔法のようね^^ 2008/04/08 00:05
Lusieta
レイ、あなたがこの世に生まれてきたことがたった一人の誰かを救うためだと自分で意味づけをして、そして・・・。去って行こうとしているの? 二つ続けて読んで、涙しています。悲しすぎる美しい魂。 2008/03/15 11:30
フック
レイの切なさを余す所無く表現していて、より私の心を疼かせます。霧の中で響く音楽のよう♪♪ 2008/03/14 20:57
フック
聖さんの合わせ鏡の言葉に納得!!!レイとフランクはきっと合わせ鏡。レイにも本当に幸せになって欲しいなあ~~~。レイが幸せでないとフランクも幸せでない。このboruneoさんの絵と背景のボカシが 2008/03/14 20:54

レイの強引さが消えていく・・・・・・。それは彼がフランクを「理解」したから????レイとフランクきっと合わせ鏡か・・・・。 2008/03/12 23:43
 
 

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