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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3784890/4628516
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Reymond...
2006.6よりwith BYJにて連載mirageの外伝 レイモンドの生い立ちです^^
No 5 HIT数 5965
日付 2007/07/23 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル His name・・・Reymond 5(最終話)
本文














        drawing by boruneo


          collage & music by tomtommama

 

                   story by kurumi


















    「ソニー?」

    「はい・・・」

    「ソニーはあの人と僕の母のこと・・・
     どれくらい知ってるの?」

    「あの人・・・お父様のことですね」

    「あの人は・・・僕の母を愛してた?」

    「はい・・・とても・・・」

    「なら・・どうしてふたりは離れ離れになったの?」

    「あなたがアメリカに渡ればいずれ知ることですから
     お話しましょう・・・
     あなたの父上には他に家族があります」

    「他に家族って?」

    「あなたには兄上がふたり・・・」

    「兄さんが?ふたり?」

    「はい・・・でも、母上が違います・・・」

    「・・・・・」

    「あなたの母上はそのことを知って・・・」

    「それが別れた理由?」

    「いいえ、きっとそれだけでは・・・
     ・・・しかし、それ以上は私には説明できません・・・
     あなたがアメリカに行けば、おわかりになることです・・・
     父上がどんな存在か・・・
     しかし、あなたがこれからなさるべきことは
     沢山勉強して、色んなことを吸収して・・・
     どんなものにも負けない強い心をもった
     お方になることです・・・
     私はそのためになら、どんなお手伝いも厭いません・・・」

    「ソニーはどうしてそんなに・・・
     僕のことまだ知って間もないでしょう?」

    「はい・・・半年です」

    「半年?・・・そんなに前から僕を知ってたの?」

    「はい・・・こうして・・今と同じように・・」

    「僕が気がつかなかっただけ?・・・
     こうして僕の後を?」

    「はい・・・あなたがどれほど賢くて・・・お優しくて・・
     正義感が強く・・・何より、お母様をどれほど
     大切になさっているか・・・
     ずっと見て参りました・・・」

    「あの人がそうしろと?」

    「はい・・・父上は心からあなた方を愛しておられます」

 

 

    「マム・・・僕は・・・アメリカに行くよ・・」

    「!・・・・な・・何を言ってるの?レイ・・
     冗談でしょ?・・冗談よね・・」

母は僕の突然の言葉に椅子を倒して立ち上がった

    「冗談じゃないよ・・・僕ね、父さんのところへ行く・・」

    「父さんなんて!あなたに父さんなんて、いない!
     あなたはママだけの・・ママ一人の子供よ!
     あの人が、何か言ったのね!
     レイ!どうして、あの人の話なんか信じるの?
     ママと・・ママのそばにいて・・
     お願い・・ママをひとりにしないで・・・」

    「マム・・・直ぐに戻るよ・・・
     少しの間だけ、勉強の為に寮に入るだけだ・・・
     僕、勉強好きなの、知ってるでしょ?
     すごく有名な学校に入れるんだ・・・」

    「レイ!駄目よ!
     離れたら、二度と会えなくなる・・・
     あの人の世界に行ったら・・あなたもあの人と同じに・・
     あぁ・・駄目よ・・・駄目よ・・レ・・・・・・・・・」

    「マム!」

母はそのまま僕の目の前で気を失ってしまった
僕は外で待っていたソニーを急いで呼んで、母を病院に運んだ




病院の白いベッドの上で
母が目を覚ました時、僕は母の傍らで眠っていた
優しく髪を撫でられている感触で目が覚めると
母の手が僕の髪を梳いていた

    「マム?・・・」

    「レイ・・・ごめんね・・・」

    「マム・・病気のこと、どうして隠してたの?
     僕に隠し事は何も無いって、言ったでしょ?」

    「ごめんなさい・・・レイ・・」

    「僕はママから離れるんじゃないんだ・・・
     ママを守るために・・強い男になる・・・
     そのために、ちょっとだけ・・本当にちょっとだけ」

    「ちょっとだけ・・さよなら・・なのね・・・」

    「うん・・・だから、待ってて・・マム」

    「レイ・・・聞いて・・・
     ママはあなたのお父様を本当に愛してた・・・
     いいえ、きっと今でも愛してるわ・・・

     でもね・・・あの人の世界は・・・私達の世界と違うの・・・
     怖かったの・・・あなたをあの世界に置くのが怖かった・・・
     だから、あの人から逃げてしまった・・・

     ママはね・・・あなたを・・・
     あの人と同じ世界に生きさせたくはない・・・」

    「言ってることがわからないよ・・マム・・」

    「そうね・・・わからないわよね・・・」

母はそう呟いたまま、悲しそうに俯いた

僕には本当に意味がわからなかった
母はしばらくして、決心したかのような意志を
瞳の中に覗かせながら、僕の目を改めて見た

    「レイ・・・
     ママね・・・体がこんなになっちゃって・・・
     あなたと一緒にいることができそうもない」

    「大丈夫だよ・・マム・・
     ちゃんと治療すれば直ぐに元通りになるって・・
     ソニーが言ってたよ」

    「ソニー?」

    「うん・・あの人・・・ソニーっていうんだ・・・
     マムを病院まで運んでくれた・・・
     僕を守るのが仕事なんだ」

    「そうなの・・・」

少し離れたところでこちらを見守っていたソニーは
改めて母に頭を下げ無言で挨拶をした

母は何故か小さく溜息をついた
自分の知らないところで、父の手が僕に届いていることを
ソニーを見て実感していたのかもしれない

    「レイ・・・そうなのね・・・
     もう、ママにはどうすることもできないのね・・・」

    「・・・・・・?」

    「レイ・・・」

    「なに?」

    「レイにお願いがあるの・・・」

    「お願いって?」

    「ママのこと、心配したりしないでね・・・
     ママは大丈夫だから・・・
     あなたはこれから沢山勉強して、
     世の中のことをいっぱい見つめるのよ・・・
     そして・・色んなことを吸収なさい」

    「ソニーも同じこと言ってたよ」

    「そう・・・世の中のことを沢山知ることは・・・
     間違ったことを知ることにも繋がるわ・・・
     あなたがもう少し大きくなって・・・
     あなたがあなた自身で・・・
     選択しなければならないようなことが起こった時
     広い視野で判断できる・・・そんな人になって欲しい
     今はまだ・・あなたには意味がわからないかもしれない・・・
     でもいつの日か・・・
     ママが言った意味がわかる日が来た時・・・
     その時にどうか・・・あなたの心が・・・
     その意味を受け入れられる心であって欲しい
     

     ママはね・・・本当はあなたに・・・
     あの人の世界を見せたくなかった

     レイ・・・よく覚えておいて・・・
     人は人の道を外れては駄目よ・・・
     どんな時も、人を陥れたり、人を悲しませたり・・・
     そんな人にならないでね・・・」

そう言いながら母は、僕の肩越しにソニーを見ていた

    「レイが、ママのことの為にしてくれようとしてること・・・
     わかってるわ・・・
     確かにママは、体がこんなで・・・
     あなたを育てていくこともできない・・・
     無駄な足掻きだと・・・自分でもよくわかってた・・・
     あなたに何もしてやれない自分が腹立たしかった・・・
     それでもあなたといたかった・・・

     ママは・・・あなただけで良かったの・・・
     あなたがいてくれる・・・それだけで良かったの・・・」

    「僕だって・・・」

    「レイ・・・愛してる・・・
     これからもずっと・・・愛してる・・・」

    「僕も・・・愛してる・・マム・・・」

    「あなただけで・・・良かったの・・・レイ
     私の・・・レイ・・・」


母は繰り返しそう言いながら、僕を強く抱きしめた
僕は母の涙を自分の頬に受けながら、初めて母に逆らう
自分の決心が、決して間違っていないと、信じていた

母を父が手配していた病院に運ぶことをソニーが僕に伝えた
僕は一日も早く母の病気が治ること・・・それだけを願って
母を見送った・・・

そして・・・それから一ヶ月・・・

       レイ・・・

       ママはあなただけで良かったの・・・


その言葉だけを僕に残した母は新しい病院で自ら命を絶った
その事実をソニーから聞かされたのは、それからまたひと月ほど後のことだった


ソニーはその時、自分が嘘をついていたことを僕に詫びた

母の病気が軽いものだと言った

      あの言葉は嘘だった・・・と・・・

母と別れたあの時に既に余命は三ヶ月と診断されていたという

その時僕はソニーの胸を何度も何度も叩いて怒りをぶつけた
ソニーはただ黙って、僕の怒りを受け止めていた

そのことがわかっていたら・・・

   マム・・・

   僕はあなたをひとりにはしなかったのに・・・




そして・・・気持ちが落ち着いた時

僕の怒りは母のしたことを許せない思いに摩り替わっていた・・・

僕はそれから長い年月・・・

母を恨んで生きてきた・・・

   どうして・・・あんなことを・・・

   僕を置いてどうして・・・

   あなたは逝ってしまったんでしょう・・・


   子供の頃は本当にそれがわからなくて・・・

   あなたを恨んでいた・・・


 

そして今・・・僕自身が望まずとも・・・
僕は組織の後継者となることを余儀なくされている

この世界に身を置かなければならない僕の血を・・・
あなたが恐れた意味が今更ながらよくわかる・・・


   マム・・・あなたがあの時・・・僕に伝えたかったこと・・・

   残念ながら・・・それは叶えられそうもない・・・
   
          《人は人の道を外れては駄目よ・・・

        どんな時も、人を陥れたり、人を悲しませたり・・・

        そんな人にならないでね・・・》


母は多分・・・

自分の存在が、僕に負担を掛けることを恐れていた・・・

僕の心の足かせになることを恐れていた

そして何よりもきっと・・・

僕に伝えたいことを僕自身に印象強く残したかった

だから自らを僕の前から消し去った・・・


きっとそうなのだと・・・今になって、わかる・・・


   マム・・・あなたが・・・

   命を掛けて僕に言いたかった言葉は心に沁みる・・・

   けれど・・・どんなに足掻いても・・・

   どんなに拒んでも・・・

   受け入れなければならないものもある・・・

   それもまた・・・

   あなたの死が僕に教えた


   どうしようもないことも・・・あるんだと・・・




         いつの日か・・・

         ママが言った意味がわかる日が来た時・・・

         その時にどうか・・・あなたの心が・・・

         その意味を受け入れられる心であって欲しい



        
   僕の心?・・・

   それはもうとうにあなたの元へ置いてきた・・・


   





             レイ・・・

             私はあなただけで良かったのよ
    


 

     本当に・・・僕も・・・


        あなただけで・・・





            ・・・良かったのに・・・

 


     

 

 

       





































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アーリン
「影」を隠してる背中にも弱いかも..。肉親が傍に居ても辛い思いに絡め取られて氷になってしまったんですね...少しでも心が救われますように。 2007/07/27 14:02
あきちん
レイモンドも切なく辛い過去があったんですね。そしてドンヒョクと同じように憎しみを糧にして生きてきた・・・。あ~ん本編の2人の今後、何とかならないかな。 2007/07/23 11:24
 
 

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