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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
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愛の群像Ⅱ
愛の群像のその後のストーリー
No 5 HIT数 3772
日付 2013/01/20 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 愛の群像Ⅱ 第五話 苦手な相手
本文


   

第五話


「どうして?・・・」 
シニョンはまだしっかりと握った竹刀を彼に向けたまま言った。

「力を緩めてもいいですか?」 ジュンスはそう答えた。

「えっ?」

「今手の力を緩めると、この竹刀が僕を直撃しそうです」
彼は片手で掴んでいる竹刀に視線を流して言った。

「あ・・」 
シニョンは自分が振り上げた竹刀に、今気がついたとばかりにそれを下ろした。

「おちおち、水も飲めないな」 ジュンスは鼻で笑って小声で呟いた。

「どうして、あなたがここに?」 
シニョンは聞こえよがしの彼の言葉にムッとしながら再度聞いた。

「それはそっくりあなたに返したい。どうして僕の家にあなたが?」
ジュンスもまた嫌味な口調で言った。

「僕の家?」

「ええ・・正確には僕の借りている家、ですが」

シニョンは彼のその言葉に、思わずジンスクに振り返った。
「伯母さん・・・」

「シニョン・・・ギルジンに聞いてなかったの?」 ジンスクが言った。

「先輩に?・・・」

「ギルジンに頼まれて、この人に部屋を貸してるの
 今週からね・・・もう五日になるわ」

「貸してる?」

「同僚なんでしょ?あなたたち・・・
 ギルジンがとっくに話したと思ったから、知ってるものとばかり・・・
 それに昨夜は遅かったし・・ジュンスssiも休んでいたしね。
 紹介もできなかった。でも驚いたわ、シニョン。あなたがこんな早起きだとは・・・」
ジンスクはそう言いながらあくびをした。

「そう・・だったんですか・・・」

「ジュンスssiも驚かせてごめんなさい、うちの嫁なの、この子は」

「嫁?」

「ええ、私の亡くなった甥の」

「ああ、そうでしたか。失礼いたしました、イ・シニョンssi」

「あ・・いえ、こちら・・こそ・・・ごめん・・なさい」 
シニョンはしどろもどろになりながら、持っていた竹刀を後ろ手に隠した。
その時、ジュンスが昨日と同じように、俯き加減に小さく笑った。

「あの!」 シニョンは一度は謝ったものの、彼のその態度で、
胸に閊えていた疑念がまた呼び起こされ、彼を再度睨みつけた。

「何か?」 
しかし憎らしいことに、ジュンスはまったく動じない様子でシニョンを見下ろした。

「何か可笑しいですか?」 シニョンはそう言って、さっきよりも高く顎を上げた。

「いいえ、何も」

「だったら。そんな不愉快な笑い方は止めて欲しいわ。」

「不愉快な笑い方・・ですか?」

「ええ。昨日も、今も・・・あなた、私を馬鹿にしているとしか思えない」

「馬鹿に?・・それは誤解だ」

「そうかしら」

「ええ、誤解です」

「キム・ジュンスssi。
 アメリカでは確かに年齢に関係なくフランクに人に接することあるけど
 ここは韓国なの。ご存知かどうかわからないけど韓国は
 年齢や経験の先輩後輩のけじめが厳しい国柄よ
 郷にいっては郷に従え、というでしょ」
シニョンはジュンスに向かって、お説教じみたことを言い出した。

「ええ、承知しています」 ジュンスはあっさりと答えた。

「念の為に言っておきますけど、あなたより、私の方が年上よ」 

「・・・・・ええ、かなりね」 ジュンスは眉を上げて、当然だというように言った。

「か・・」 シニョンはいともひょうひょうと答えてくれたジュンスに対して、
呆れてしまい、続ける言葉を失ってしまった。

「もういいですか?」 さっきまでの噛み付かんばかりの勢いが何処かに消えて、
静かになってしまったシニョンに向かってジュンスが口を開いた。

「何が?」 シニョンはまだ戦えると言わんばかりに顎を上げ直した。

「水を飲んでも」 

「水?・・・・・・ど、どうぞ?」 

「なら・・・」

「えっ?」

「そこをどいてください」

気がつくと、シニョンが水道の蛇口の前で陣とった形で立ち塞がっていた。
シニョンはまるで振り上げた拳を引っ込めるように、体を蛇口の前から避けた。

《ふざけてる。限りなくふざけてる》
シニョンは本当に水を飲み始めたジュンスを睨みつけながら、胸の内で叫んでいた。


背後ではふたりのやり取りをよそに、ジンスクがごそごそと動き出していた。
さっきまで休んでいた布団を畳んでいたのだった。

「伯母さん、まだ早いですから、休んでください
 起こしてしまってごめんなさい」 シニョンは慌てて言った。

「もう目が覚めてしまったわ、食事の支度に掛かりましょう」 
ジンスクは幾度もあくびを堪えながら、台所へと消えた。

ジュンスとふたり残されたシニョンは、忽ち身の置き所に困ってしまった。
「伯母さん、私も・・手伝います」 

「イ・シニョンssi」 立ち去ろうとするシニョンをジュンスが呼び止めた。

「何?」 シニョンは身構えて言った。

「これ」 ジュンスはさっきまでシニョンが持っていた竹刀を差し出した。

「あ・・」 シニョンはいつの間にか手から離してしまった竹刀を彼から受け取ろうとした。

「これ・・・僕が使ってもいいですか?」

「えっ?」

「泥棒退治に・・・」

「・・・・・・」




朝食の支度が済む頃、居間ではジュンスが当然のように食卓に座って
自分の家のごとく、新聞を片手に寛いでいた。

「どうして彼も?」 
シニョンは彼に聞こえないようにジンスクに小声で聞いた。

「食事付きなの」 伯母は嬉しそうにそう言った。

「どうして?そんなの・・伯母さんが大変だわ」

「少しも大変じゃないわ。一人分作るのも二人分作るのも同じよ。
 それに誰かが食べてくれる方が張り合いがあるでしょ?
 自分の食事も手を抜かなくなる。一石二鳥というものよ。
 だから、私の方から提案したの」

「だって、何処の誰かもわからない人を」

「あなたの大学の教授でしょ?何処の誰か、わかってるじゃない」

「そうだけど」 シニョンは素直に解せないというように、口を尖らせた。

「ほら・・運びなさい」 ジンスクがシニョンに料理を盛り付けた大皿を渡した。




「いただきます」 
ジュンスは行儀よく手を合わせると、気持ちのいいほど箸を進めた。

「遠慮がないのね」 シニョンは少しばかり意地悪く言った。

「ジンスクssi・・すごく美味しいです」
ジュンスはシニョンを無視して、ジンスクに笑みを投げた。

《図太い奴》

「沢山食べなさい。何が食べたいか、遠慮なく言ってね、ジュンスssi
 こう見えても、どんな料理でも上手よ」
よく食べるジュンスを見て、ジンスクも事のほか嬉しそうだった。

「はい」 ジュンスもまた素直に気持ちよく答えた。

ジンスクはジュンスをまるで我が子を見るような眼差しで見つめていた。
シニョンは嬉しそうなジンスクを眺めながら、きっとこの五日間で
彼女はキム・ジュンスのお陰で幸せを取り戻したのかもしれない、と思った。
その幸せに自分が水を刺す権利などないのだ、と改めて感じた。

シニョンは目の前のふたりを眺めながら、小さな溜息とともに、
少しずつ心を穏やかにしていった。

そして、我が子のようだったジェホの死で失い、自分が補えなかった幸福感を、
まったくの他人のキム・ジュンスという男が、伯母に与えている事実を
認めるべきだと感じていた。




シニョンは朝食を済ませると、『登校時間の前に着替えたいから』と
伯母の家を早く出た。
少し歩いていると、見知らぬ車が彼女の横でぴたりと止まった。
キム・ジュンスだった。

「乗ってください。送ります」
ジュンスは窓を開けて、シニョンに向かって言った。

「大丈夫です。タクシーを拾います」
シニョンは再度歩きを進めながら答えた。

「こんなに早くタクシーは走っていませんよ。」
ジュンスの車はゆっくりと彼女を追って来た。
「いいから、乗って!」 
有無を言わさぬ彼の口調に、シニョンは従うしかないように思えて、
しぶしぶ車に乗り込んだ。

しかし、直ぐに後悔した。
何を話せばいいのか、いくら頭を巡らしても言葉が見つからなかったからだ。
ジュンスもまたなかなか口を開かなかった。

まだ活気のない街中を抜ける間、シニョンは無言で窓の外を眺めていた。

「気まずいですか?」 しばらくしてジュンスがやっと口を開いた。

「えっ?」

「僕といると」

「あ・・いえ・・そんなわけでは」

「・・・正直だな。顔がそう言ってます」

「えっ?」

「『この人苦手だ』って」 ジュンスは無表情に淡々とそう繋げた。

《そういうあなただって正直過ぎるわ。もう少し愛想よくしたら?》
そう心で呟きながら、シニョンは彼を軽く睨んだ。

「愛想が無くてごめんなさい。性分です」
まるでシニョンの心を読んだかのように、彼は相変わらず淡々と言った。

シニョンはジュンスのその慇懃とも取れる態度に大きくため息をついて、
昨日学校での出会いから胸にしまっておいたことを切り出した。

「ええ、苦手です。だから教えて欲しいわ」

「教える?何をです?」

「私と・・・何処で会いました?私とあなたはいったい何処で出会ったんですか?」
シニョンは『さあ、答えなさい』と言わんばかりに、ジュンスに体ごと正面を向けた。

「ああ、そのことですか・・・」

「ええ。昨日からず~っとここがモヤモヤした気分なの」
シニョンはそう言いながら自分の胸をさすった。

「なるほど」

「なるほどって・・」

その瞬間車が止まった。
シニョンはシートベルトを無視した態勢だったために、よろけてしまい
思わずジュンスの袖を掴んでしまった。

「・・・・・・」
ジュンスは自分の袖を掴んだシニョンの手に、無言のまま冷めた視線を落とした。

「あ・・ごめんなさい」 シニョンは慌ててその手を彼の袖から離した。

「・・・・・・・着きました」 彼はまたも平静に言った。

「えっ?」

「降りてください」

「えっ?」 車窓の外を見ると、既に自宅前だった。

ジュンスは車を降りて、助手席に回りこむと、ドアを開けた。
シニョンはジュンスに促されるまま車を降りたが、直ぐにはそこを動かなかった。

「答えは?」 シニョンはジュンスを見据えて言った。

「答え・・・ですか?」 ジュンスはまたも「フッ」と横を向いた。

「ええ」《さあ、言って》

するとジュンスは軽く頷くようにして、シニョンに視線を向け、言った。
「・・・・あなたはきっと思い出します。それが答えです」

そしてジュンスは車に戻り、素早く車をUターンさせると、その場を立ち去った。

「・・・・・・どういう意味?」 
シニョンは怪訝な表情で首を傾げ、立ち去った車の後を視線で追った。
彼女には訳がわからなかった。
彼の不可思議な態度に不愉快を通り越して、呆れてしまっていた。

《いけない、学校に遅れるわ》
シニョンは気を取り直して門扉へと向かった。
門扉の取っ手に手をかけた瞬間、シニョンは動きを止めた。
そして、不思議そうな表情で、今しがた立ち去った車の方を見やった。

「私・・・彼に住所・・伝えた?」






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rz
あ~ミニョンシも入ってるかと思うと腰砕けです~!!! 2013/01/27 12:56
hiro305
え?え?ジュンスって何者?? どこでシニョンと関わったのですか~?口調がドンヒョクにちょっと似ていて不思議マークいっぱいですが毎回次回が楽しみです。 2013/01/21 15:54
ジェニー・S
ジュンスssiは???ジェホの亡霊にも感じたり、冷たい感じが、ドンヒョクssiのも思えたり、私の頭の中はグチャグチャです。妄想でいっぱい、楽しみで~す。 2013/01/20 18:58
 
 

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