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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3783961/4627587
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reason-夢の痕
mirageからpassionまでの空白の日々 ドンヒョク(フランク)とジニョン、そしてレイモンドは・・・
No 8 HIT数 2837
日付 2015/09/25 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル reason5 最終話 夢の痕 前編
本文 reason5最終話 夢の痕  -フランク35歳-

 

「今日はいったい何の日なの? 」

ジニョンはソウルホテルに到着して、フロントカウンターに
近付くなり、そう言った。

車で敷地内に入った瞬間、沿道から巻き起こった黄色い歓声、
エントランスに近付くにつれ見えて来た、無数のTVカメラと、
人の多さに、驚きを隠せなかったのだ。

「今日はうちのホテルにとって、重要な方の結婚式が有るんだ。」
目の前の受付嬢からではなく、背後から聞こえた答えに振り向くと、
そこには、ジョルジュが立っていた。
 
「ジョルジュ!どうしてあなたがここに? 」

「どうしてって・・呼ばれたの。 」

「結婚式に? 」

「まあね 」
ジョルジュはそう言いながら上を向いた。
 
「で、どなたの? 」

「何が? 」

「だから・・その、結婚式 」 ジニョンはテレビカメラを指して言った。

「ジニョンも知ってるはずだよ、ほら、何年になるかな、
 随分前にこのホテルを舞台にドラマ撮影があっただろ?」
 
「えっ?ドラマ撮影・・・ あ、もしかして、ヨンジュンssi?」
 
ジョルジュは正解、とばかりに微笑み言った。「そ、名誉総支配人」
 
「うそ・・・あの方は結婚なんて、しないものだと思ってたわ。」
 
「どうも、かなり年下の女性らしいよ。」
ジョルジュが面白がるように耳打ちした。
 
「お客様の噂話は、従業員に示しが付きませんから、
 お止め頂けませんか?理事夫人。 」
小声で、恭しく物申す声に振り向くと、テジュンが正装で立っていた。

「あなたも、招待受けたの? 」

「まあね。 」
短く答えながら、テジュンは、ジニョンとジョルジュをバックヤードに
さりげなく追い立てた。

「それにしても、随分な騒ぎね。」
 ジニョンは、テジュンの誘導に従いつつ、周囲をキョロキョロと
見渡しながら、興味津々だった。

「内輪での式を希望されてたがな・・・
 そう簡単には静かにしてくれないらしい。数日前からこんなもんだ。
 今日は、アストンはガーデンパーティーのため貸切。
 客室も何故か数日前から満室御礼だ」

「ヨンジュンssiったら、私だって撮影中、あんなに親しくしてたのに・・・
 名誉総支配人襲名だって、私が提案したのよ。」
 
そう言って、ジニョンは得意げに顎を上げて見せた。
 
「そうだった! お前、一時期、彼に憧れてたんじゃないか?
 かなり意識してただろ・・」
 
「 あ、それはその、ほら、彼、フランクにちょっと似てたから。」
ジニョンは照れくさそうに指で鼻筋をかいた。

「そう言えば役名も・・・ 」

「あ、あれはね、撮影前に取材に来てた作家さんと親しくなって、
 キャストのネーミングを相談されて、つい・・・ 」

「つい、あいつの名前を? しかも、俺の名前まで」

「いいじゃない、あなた主人公だったし。 」

「主人公は結局あいつだったよ! 」

「あいつ、って・・・あのドラマの話、フランクは知らないのよ、
 告げ口したりしないでね 」

「どうも錯覚するんだよ、あのドラマ 」
テジュンが不満げに首を傾げながら呟いた。

「ふふ、確かに、キャストの性格もだんだん似てきて、
 本当にフランクがソウルホテルに来たような錯覚を覚えたわ」
ジニョンは、当時を思い出すように宙を仰いだ。

「ほぼお前の願望だったんじゃないの?あのドラマ・・・
 結構面白がって相談に乗ってたよな、若い作家さんに」

「ええ・・ってそんなわけないでしょ!・・・ところで、私は
 招待されてないの?」

「さあな」

「えー、自分ばっかり・・・ジョルジュだって招待されてるって・・・」
ジニョンがぶつぶつ愚痴を言うそばで、テジュンとジョルジュは
素知らぬ顔を貫いた。



ドラマ「ホテリアー」はホテルで働く人々を描くという、コンセプトで、
ソウルホテルが全面協力したドラマだった。
当時、ジニョンは25歳で、フランクと別れて六年が経過していたが、
彼を忘れようとしていた彼女が、少し前に就任したソウルホテルの
VIP担当支配人という仕事に、全神経を注ごうとしていた頃でもあった。

そんな中、降って沸いたドラマ撮影の依頼、作家やスタッフ、役者達と
数ヶ月を密に過ごすこととなった。
それは新人だったジニョンが、撮影協力の担当を担っていたためだが、
彼女にとっても楽しいひとときだったことは、間違いなかった。

ジニョンが最初に出会ったのは、ペ・ヨンジュンという俳優だった。
彼は、自分の役作りのため、撮影が始まる一か月前から、
個人的にサファイアヴィラに宿泊を望んだのだ。

二年近いブランク後の出演作とあって、少し緊張している様子だった。
元来役作りに熱心で有名な俳優さんと聞いていたが、ジニョンの話す
他愛の無い世間話さえ、真剣にメモをとるような真面目な人だった。

ジニョンは彼と親しく話すようになって、ある時、興味本位に、
ストーリーを尋ねてみたが、まだ大まかな内容しか決まっていない
ということだった。

ただ、決まっているのは、ホテリアーとしての様々な仕事を主軸に、
ホテルが窮地に陥って、立て直すまでのストーリーだと、彼は言った。

《実は役名もまだわからないんだよ、と苦笑いしていたっけ》

だだ、M&Aの役どころなのだと。
《M&A・・・そう言えばフランクの仕事も、M&Aだわ》

その時だった。
ペ・ヨンジュンという役者さんの眼差し、仕草、フッと笑った口元まで。
彼・・・フランクに似てる、そう思ったのは・・・。


次に出会ったのは、取材に訪れた作家さん一行だった。
一週間ほどの滞在で、彼らもまたジニョンの話に、身を乗り出していた。
その時につい調子に乗って、M&Aをやっている知り合いが、
ペ・ヨンジュンさんに似ていると言ってしまった。

フランクのことを“知り合い”と言ってしまった自分自身が、
酷く悲しかったことまで覚えている。

「それで、その方のお名前は何ていうの?」

「フランク・・・フランク・シンです」

「韓国名は?」

「韓国名は・・シン・ドンヒョク」

「シン・ドンヒョク!フランク・シン!・・それよ!!!」

「えっ?」

「で、あなたのお名前は?」

「私?・・・あ、ジニョン・・ソ・ジニョン」

「ソ・ジニョン!」

「・・・・・・・」

というわけで、その作家は、ジニョンの話を聞きながら、ふたりの名前を
そのまま脚本に書き入れてしまった。



理事室に入って寛いでいたジニョンは、当時のことを回想しながら、
あの撮影の三年後に、実際に本物のフランクがこのソウルホテルに
やってきたことを改めて思い出していた。

《あのドラマはお前の願望だっただろ?》
テジュンがさっき言った言葉が脳裏を過ぎった。

そうね・・・そうだったわ。
もう諦めたの、そう言いながら、フランクが私の前に突然現れる、
そんなことを願っていたのかもしれない。



「ジニョン、頼みがあるんだ」
テジュンが理事室に入るなり、大きな箱を彼女の目の前に置いた。

「何?これ」

「パーティードレス」

「ヨンジュンssiの?・・本当に招待されてるの?」

「屋上で撮影会がある。これを来て上に来てくれ」

「屋上で?ヨンジュンssi、屋上で撮影するの?
 ああ、下が騒々しいからね」

「まあな」

「わかったわ」

「一時間後、よろしく」
テジュンは多くを語らず、部屋を出て行った。

ジニョンは箱を開けたが、その中のドレスに思わず目を丸くした。

《テジュンssiったら・・・》




約束通り一時間後、ジニョンは屋上に続くエレベーターに乗り込んだ。

そう言えば今日、テジュンssiとジョルジュ以外に、誰にも会ってないことに
気がついた。

「ジェニー・・いつもだったら、何を置いても迎えに来てくれたのに
 スンジョン先輩だって・・・一年ぶりなのに・・・みんな冷たいわね」
不満げに唇を尖らせた瞬間止まったエレベーターの扉が開くと、
黄色だった。

いいえ、向日葵の花が狭いホールを埋め尽くしていた。
ジニョンは思わず、後ずさってエレベーターの奥に背中を付けてしまった。
その瞬間、長い、大きな手がスーと伸びて来たかと思うと、
ジニョンの手を強く掴み、向日葵畑に引き戻したのは、
ヨンジュンssi?・・・

いいえ、フランク・・・私のフランクだった。

「フランク!いったい・・どうして?あなた、今イタリアのはず・・」

「ジニョン!」
ジニョンの様々な困惑を無視するように、フランクは思わず声を荒らげた。
「何で、そ、そんな服・・・・・テジュンssi!」 
最後はテジュンに振り返って怒鳴った。

「俺はちゃんと渡したぞ」
テジュンは知らないぞ、とばかりに手を振った。

「あ・・あれ・・だって、豪華な・・どうみてもウエディングドレス・・
 テジュンssi間違えたかと・・」

そう言いながら周りを見渡すと、屋上に続くドアの向こうもまた、
花畑と化していた。
その中にセッティングされた小さな宴席会場の中には、
懐かしい顔、顔が苦笑しながらも、優しい笑顔で待ち受けていた。

レイ、ソフィア、リチャード、ミンア・・・ルカも・・・
アッパ・・オンマ・・、フランクのお父様、アメリカのお父様もお母様も・・
レオさん、スンジョン先輩・・・ジェニーがブーケを持って待ち構えていた。

「約束したろ?
 いつか、みんなの前でちゃんと君のウエディングドレス姿
 お見せするって・・」

「だって・・今日だとは・・
 それに今日ホテルは、ヨンジュンssiの結婚式で、忙しいって・・・」

「あのね、こっちが先に予約してたんだ。
 はっきり言って、向こうがずーと後。割り込んだのは向こうだよ。
 しかし、先方はお客様、こちらはまぁ、身内というわけだ・・
 本当は僕らがアストンのガーデンパーティの予定だったのに・・・」

「あなたが譲歩したの?」

「無論。・・・私はソウルホテルの筆頭理事だよ。お客様第一だ」

フランクのその顔には、このホテルに初めてやってきた時のような、
自分の意思を必ず通そうとするハンターの鋭い眼差しはどこにも無くて、
ジニョンは、思わず笑ってしまった。

「何が可笑しい?・・・で?・・・」

「えっ?」

「まさか、そのワンピースで?この状況を台無しにする気?」
フランクの眉がくいと上がった。

「オモ!も、もちろん、着替えてくるわ、ジェニー、手伝って!」

ジニョンは大慌てで、ジェニーをエレベーターに呼び寄せ、階を降りた。
扉の向こうで、聞き覚えのある声が同時に笑い声を重ねたのが、
耳に届いて、思わず目を閉じ、口角を緩めた。

「オンニ・・・ごめんね、オッパ、プロポーズの時みたいに
 サプライズにしたかったの」

「うん・・・わかってる」



大急ぎで着替えて十分後、ジニョンは再びエレベーターに駆け出した。
フランクが選んだだろう淡いシャンパンゴールドの光沢のある
彼女のシルエットが引き立つデザインの、美しく豪華なドレスを
派手にたくし上げて、大股で突き進んだ。
大切な人たちが待っている花園へと、少しでも早くたどり着きたくて。
ジェニーはブーケを片手に、ジニョンのドレスの長いトレーンを肩に担ぎ、
必死にジニョンを追った。

フランクと出会って、もう13年、結婚して1年になろうとしている。

「何だか照れくさいわね」 
息を切らしたジニョンがエレベーターの中でジェニーにはにかんだ。

「綺麗よ、オンニ」
そう言いながら、ジニョンの額の汗を優しく拭いてあげた。

この13年、本当に、色々なことがあった。

私たちの歴史は、ニューヨークでの出会いから、すべてが始まった。
  

  《英語・・勉強したんだね》

  《あの日、あなたの言葉が・・・よく聞き取れなかった・・・
   今度、あなたと逢ったら・・・いっぱいお話ができるように・・
   そう思って・・・》

  《何故?》

  《わからないわ》

  《わからない?》

  《わからないの・・・ただ、あれからずっと、
   あなたのことが頭から離れなくて・・
   あなたの声が頭の中から消えてくれなくて・・・
   あなたが言った、“フランク”・・・その名前だけが・・・
   私の胸を締め付けてた・・・》

  《それって・・・恋じゃない》

  《恋?・・・私が?・・・あなたに?》

   
そう、悲しい別れもあったわね・・・

  《君のような・・・
   這い上がって生きることを強いられた男のそばで・・・
   これから先も果たしてジニョンは・・
   安穏と暮らしていけるのだろうか・・・・》 
  

  《置いていかないで、私を置いていかないで・・・
   置いて・・いかないで・・・・
   嫌よ・・・嫌・・・フランク・・・》

  《後悔なんてあるはずがない・・・
   後悔なんて・・・心を持った人間が味わうもの・・・
   僕はもう・・・心を捨てたんだ・・・》

十年という別れの月日、あなたのことだけを想っていたわけじゃない。
でも結局このソウルホテルが、私とあなたの架け橋になってくれた。

そして、私たちは周囲の無償の愛と、少しの神様の許しの元、
再び互いの手を取り、ふたりがふたりであることの意味を確かめた。

  《ジニョン・・・あなたを愛しています・・・
   どうか・・・愚かだった僕を許して下さい
   僕は・・・僕はあなたがいないと・・・
   生きていけません

   だから・・・僕の半身を・・・迎えに来ました》
  

気が遠くなるほどの長い時間だったけど・・・
その間も、あなたのそばには私がいて、私のそばにはあなたが
間違いなくいてくれたのよね。




エレベーターを降りると、そこにはもう怒っていないフランクが
手を差し伸べていた。
愛しいその手を取り、ジェニーから彼女の手作りのブーケを受け取った。

そして、花で埋め尽くされた夢のような空間にふたりで足を踏み入れた。


レイの顔が見えた。
 

  《それほどに愛したはずの君よりも、
   今ではこの私があいつの・・・
   フランクの幸せを願っている・・その理由・・

   それはね・・・あいつの幸せが結果として
   君の幸せだから・・・
   それ以外に君の幸せは無い・・・そういうことだ》

ソフィアの顔も・・・

  《男と女はね・・・
   神様に生を受ける前はひとつの体だったの

   神はそれをわざと引き裂いて
   この世に遣わすという意地悪をなさった

   引き裂かれたそのふたつの体は
   
   もうひとつの体を懸命に探すの・・・そしていつの日にか・・・
   彼らは自分の意志と関係なく惹き合い・・・
   出逢って・・・必ず・・・愛し合うのよ・・・》
     



可愛いルカ・・・少し大人になった?・・・

ミンアも、いつも私たちの世話ばかりで、大変な思いをさせてるわ。
そろそろ、あなたも幸せを掴んでね。

ジョルジュ・・・オッパ・・・、いつも私の幸せだけを願ってくれた。

  《お前は彼についてアメリカに行くべきだ
   ジニョン・・・僕がお前を離したのは・・・
   お前を不幸にするためじゃないんだぞ・・》


  
そして、テジュンssi・・・大きく頭上で拍手したりして・・・
いつもオーバーなんだから。

  《僕を相手に勝てるとでも?
   僕はこうと決めたらどんなことにも決して諦めないこと・・
   君も知ってるでしょ?
   僕が!こうすると決めたら、必ずそうすること!
   君が一番よく知ってるはずだ」

  《・・・それでも負けない!》

  《ハン・テジュンに伝えろ・・首を洗って待っていろと》

テジュンssi、一番傷つけたかもしれない人

  

  《理事・・・ゲームなら私だけを相手にしていただきたい。》

  《ゲームには、振るコマも必要ですよ・・ハン総支配人
   容赦はしないと・・・言ったはずだ、ハン・テジュン》

そしていつも背中を押してくれた人・・・

  《早く行ってやれ》
  《どうしてそんなに優しくしてくれるの?私は・・》
  
  《何か言ったところで、お前の気持ちは変わないだろう?
   だったら・・何も言うな。
   お前はただ、お前の幸せを考えればいいんだ》


久しぶりにお目にかかるフランクのお父様、何だか小さくなられた。

アメリカのご両親も、やっと韓国にお呼びできましたね。
嬉しそうに拍手してくださって・・・ありがとうございます。

アッパ・・・オンマの顔は・・・自分の涙で見えなかった。

グリーンで象られたアーチの前で、ふたりが立ち止まると同時に、
フランクがさりげなく、私の涙を拭き取ってくれたお陰で、やっと、
アッパとオンマの泣き顔を見ることができた。

《遅くなってごめんね》 オンマに目でそう伝えると、

《綺麗よ》 とオンマが口を動かした。

アッパはただ、ただ泣いていた。

《アッパ・・・ごめんなさい。やっぱり私にはフランクだけなの》

《当然だ》 アッパがそう言っているように見えた。



   わたしたち

   シン・ドンヒョクとソ・ジニョンは

   愛する人々の御前にて

   どのような屈強にも負けず

   生涯を共に歩きながら

   変わらぬ愛を貫き

   互いを抱きあい

   生きることを・・・

   
  


        ・・・誓います・・・



 

 

 

  
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tomtommama
二人がサボった屋上で式とは、やられましたわ。それもサプライズで、加えてホテリアーの撮影時Σ(゚д゚lll)ジニョンがアドバイスをして名前が同じだったんて。゚(゚^∀︎^゚)゚。 2015/09/26 22:17
 
 

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