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OFFICE K&T IZM CLUB
OFFICE K&T IZM CLUB(https://club.brokore.com/izmclub)
Hotelierが好きで ドンヒョクに落ちて DONGHYUK  IZM が好きな方 一緒に遊ぼう\(^○^)/
サークルオーナー: tomtommama | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 335 | 開設:2006.11.13 | ランキング:30(12728)| 訪問者:3732055/4575681
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passion
新作コーナー
No 38 HIT数 9339
日付 2009/06/19 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル Passion-果てしなき愛- 35.もう二度と・・・
本文




    

  

 

collage & music by tomtommama

 

story by kurumi





 

「いったい、どういうつもりなんだ?」 

受話器から届いたレイモンドの呆れたような声がフランクの片眉を上げさせた。

レイモンドはフランクからの連絡が一向にないことに痺れを切らし、
朝早過ぎるのもお構い無にうるさくフランクのリンクを鳴らしたのだった。

フランクはいつもの通り、早朝の走り込みでかいた汗をシャワーで流し
昨夜やりかけていた仕事に取り掛かろうと、デスクに付いた所だった。

「何のことでしょう?」 フランクは受話器の向こうに向かって、
憎らしいほどに醒めた無機質な声を返した。

「ジニョンのことだ。」

「ああ・・」

「彼女はアメリカに連れて行くんだろ?」

「さあ・・」

「さあ?!」

「何をそんなにカリカリなさってるんです?レイ・・」

「私は何のためにここへ来たんだ?」

「あー・・・愛のため?・・でしたか?」

「ふざけるな!フランク・・」

「ふざけてなどいません・・・」

「それなら、何故ジニョンは泣いているんだ?
 どうしてあんなに苦しそうな顔をしている?」

「・・・・・・」

「フランク!」 レイモンドがフランクの沈黙を一喝した。

「僕はもう・・・彼女を失うことはできない」 フランクが突然そう言った

受話器を通して聞こえてくるフランクのその声は淡々とした中に
悲哀を滲ませていた。
そしてその言葉はレイモンドに向かって言っているのではなく
フランクが自分自身に言い聞かせているのだと、レイモンドは思った。

レイモンドはしばらくの間、フランクに掛ける言葉を失っていた。

「・・・・それなら・・」 
レイモンドは少しして溜息混じりにやっと口を開くことができた。
「待っているんです」 フランクは直ぐにそう答えた。

「待っている?」

「ええ・・・今度は・・・僕が待つ番ですから」

   今度は・・・僕が待つ番ですから

フランクは自分の言葉を噛み締めるようにそう言った。


「どういうことだ・・」

「理由?・・ですか?・・・フッ・・説明は難しい・・」 
フランクはまるで自嘲しているかのように小さく笑って言った。

「君という男の考えることは・・・よくわからん」 ≪そうじゃない≫
レイモンドにはよくわかっていた。

「フッ・・お互い様でしょう?」 フランクは面白がっているようだった。

「私は単純明快だ・・・愛するものは誰にも譲らない」

「そうでしたか?」 そうじゃないでしょ?、と言うようにフランクは言った。

「例外もある」 そう言って、レイモンドは笑って見せた。

フランクも彼に合わせて小さく笑った後、更に続けた
「しかしレイ・・これだけは言えます
 僕には・・・例外など無い。
 愛するものも・・欲しいものも・・最初から、そしてきっと最後まで・・
 この世にひとつしかありません・・だから・・
 そのたったひとつのもの以外・・何ひとつ・・・いらない。」

「だろうな」 レイモンドは心から納得したように言った。

「もう二度と・・・」 フランクはその後の言葉を口にしなかったが
レイモンドにはしっかりと聞こえていた。≪もう二度と、諦めない≫と。

レイモンドはさっきまで抱いていたフランクへの不審が、
自分の中から綺麗に消えていくのを感じていた

「フランク・・・信じてもいいか」 それでもレイモンドは確かめたかった。

「あなたに信じてもらわなければなりませんか?」

「ああ・・何としても。」

「なら・・信じて下さい」






「きゃー!!」 
寝室から聞こえた突然の悲鳴に、PCのKEYを叩いていたレオが
驚いて指を宙に浮かせたまま、そのドアに振り返った。

「何だ?今のは・・」 レオはフランクを見て言った。「ジニョンssiか?」
レオは昨夜から隣の部屋にジニョンが眠っていることを知らなかった。

フランクはニヤリと笑ったかと思うと、持っていたペンをテーブルに置いた。
そしてレオに向かって意味有りげに言った。「・・食事でもして来ないか?」

「そんな暇は・・・あー・・OK?、食事休憩としよう
 ランチには少し早いがな」 
嫌味混じりに言いながら、レオはフランクに向かって肩をすくめた。

「フランク!どうして起こしてくれなかったの!」
レオが部屋を出ようと席を立った時、フランクの寝室のドアが
勢いよく開いて、ガウン姿のジニョンが乱れた髪のまま現れて、
レオと鉢合わせした。

「きゃっ!・・ごめんなさい」
慌てたジニョンはまた寝室へと消え、レオは無言のまま、
フランクに後ろ手に手を振って部屋を出て行った。

フランクが苦笑しながら、寝室のドアを開けると、
ジニョンは鏡の前で、困ったように髪を手で梳いていた。

「おはよう・・やっと目が覚めたね」 
ジニョンはフランクの涼しげな笑顔を鏡越しに睨み付け、悪態をついた。
「・・大遅刻。」

「たっぷり眠らせたかったんだ」

「仕事があるのよ。」

「その心配はない」

「今何時だと思ってるの?もう二時間も過ぎてる」

「テジュンssiには了解を得ておいた
 今日の君の仕事は僕が決めていいことになってる。」

「えっ?」 ジニョンは驚いた顔でフランクに振り返った。

「だから今日は・・」

「ちょっ・・ちょっと待って・・
 あなたがどうして私の仕事に・・それに・・
 どうして、テジュンssiに勝手に?・・」
ジニョンはフランクに抗議しようと立ち上がった。

「僕はソウルホテルの理事だからね、
 それくらいは権限があるだろ?」
フランクは澄ましてそう言いながら、ドアにもたれて腕を組んだ。

「・・・・・フランク・・・あのね。」 ジニョンはフランクに詰め寄った。
「今から二時間は僕と過ごすこと・・それから・・」
彼は近づいて来た彼女の口を掌で塞ぐと有無を言わさずそう言った。

「う・・ん・・もう!勝手なこと言わないで」
ジニョンはフランクの手を払いのけ、彼から逃れた。

「何処行くの?」

「オフィスに決まってるでしょ?」
そう言いながら、彼女はベッドの脇の椅子に掛けてあった服を手に取った。

その瞬間、ジニョンは自分で服を脱いだ覚えが無いことに気がついた。
「・・・・・・あなたが?」 
ジニョンはガウンの下の自分の素肌に視線を走らせた後、
フランクに振り返った。

「窮屈そうだったから・・」 フランクはにっこりと笑顔で言った。

「・・・・・・。」

「それに・・・」 フランクはそう言いながら、ジニョンに近づいて
背後からゆっくりと彼女を抱きしめた。
「君が目を覚ました時、この方が楽かなって・・」
そして彼は、彼女の肩からガウンを少しずらして、その肩に唇をつけた。
すると彼女は素早くそのガウンを肩に戻して、彼をかわした。

「止めて・・フランク、レオさんが・・」
「レオは出かけたよ」

「そうじゃなくて・・だとしても!私は仕事に・・」
「レイモンドが怒ってるんだ」
「えっ?」

「こっちに来てから、ジニョンとゆっくり話もできてないって」

「だって・・」

「レイは明日アメリカに帰ってしまう
 その前に少しくらい付き合ってあげてもいいんじゃない?」

「それでわざわざ、テジュンssiに了解を取ったの?」

「そういうこと・・
 このホテルにとって、取引先のお偉いさんだからね、レイは・・
 市内観光くらい付き合ったって罰は当たらない
 そうでしょ?・・テジュンssiも当然のことだと言ってた」

「そうね、確かに・・・そういうことなら・・
 わかったわ・・それでレイは?」

「用事を済ませて、一時にはここに迎えに来るよ」

「一時?・・まだ二時間はあるわね・・・じゃあ、ちょっと着替えに家に・・」

「着替えは用意してある」 
フランクはそう言って、テーブルの上の高そうなブランドの箱を指差した。

「ドンヒョクssi・・」
「僕じゃないよ・・レイの仕業・・だから文句言わないで」
ジニョンは抗議しようと一度口を開いたものの、フランクの先制に
呆れたように溜息をついて口を閉じるしかなかった。

「お陰で少し時間ができたね」
フランクはそう言って、さっき彼女によって戻されたガウンを
その肩から再度滑らせた。
ジニョンは彼を熱く背中に感じながら、次第に自分の頬が
優しく緩むのを感じていた。

そして彼女は昨夜、自分が彼を困らせていたことを思い出していた。

「ドンヒョクssi・・・昨日は・・その・・ごめんなさい」

「謝るようなこと・・何かあった?」

「あったわ・・いっぱい・・・」

「そうだった?・・忘れた・・」

「・・・・時間をくれる?ドンヒョクssi・・・」

「シー・・時間がもったいない・・」

フランクはジニョンの背中を抱いて、彼女の首筋に唇を這わせながら
彼女に衝撃を与えないよう巧みに互いの体をベッドに滑らせた。

ジニョンは思っていた。

フランクの腕の中にいれば、不思議と何もかも忘れられる。

この腕の中にさえいれば心から安心できて・・・


   私のすべてが・・・


       ・・・フランクだけになるの・・・


  


   













 

 

 


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hiro305
フランクの良き理解者であり護り手でもあるレイ、本当に素敵な男性です。10年ジニョンを待たせたから今度は自分が待つの?どんなに時をかけても必ずジニョンを自分の手に!という覚悟ができているから穏やかなのね 2012/01/26 23:18
あきちん
この二人のこんなやり取りが好きなのよ~。でもこれが長続きしないのよ~いつも! 2009/07/07 15:18
tomtommama
むふふ・・・安心して眠るジニョンを想って仕事をしているドンヒョク・・・さてそれは、一時なのでしょうか?これから続くことなのでしょうかぁーーーそれはわからないのよぉ~♪(*^-'*)> 2009/06/25 09:20
イナバッチ
今度はフランクが待つ番なんですね。「もう二度と、諦めない」それ程の決意のフランク…。まだまだ山はあるけど、今この瞬間だけは穏やかに過ごしてもらいたいです。 2009/06/24 14:57
やまはな
「・・今日の君の仕事は僕が決めていいことになってる。」←フランクの俺様な所が魅了的(´m`)クスクス・・・うん、その時は来る!必ず結ばれる時は来る!より深いものとなって^^ 2009/06/24 11:13
4ジュナ
二人でいる時だけが全てを忘れさせてくれるのよね。二人に迫ってくる時間、それに立ち向かうことができるの?…辛いな…「私のすべてが…フランクだけになるの…」あぁ、もう泣きそう…(T_T) 2009/06/22 16:16
zinn
kurumiさん、tomさん背景素敵ですね~! 安心しきったジニョンと包み込むような表情のドンヒョク・・・ 早くこんな毎日が来るといいのに・・・。 2009/06/21 15:27
zinn
ジニョンと離ればなれに過ごした10年間のフランク・・・その辛さ切なさを知るレイモンドには《もう二度と、諦めない》というフランクの心の声が聞こえてる・・・ 今度こそきっと幸せに・・あぁ~ため息です・・・ 2009/06/21 15:24
フック
すごいです。フランクのどの言葉も、言葉でない「・・・・」にも、フランクの想いがびんびん伝わってきて、泣けて泣けて・・・・・。IZMは誰もいない時でなければ読めない!!! 2009/06/21 08:16
フック
レイモンドとフランクの会話、大好きです。誰よりも愛を求めてきた男同士が、言葉にしなくて深く感じあえる心の絆が伝わってきます。言葉の奥底にある想いをこんな風に提示してくださるkurumiさん、やっぱり 2009/06/21 08:10
kilala0517
はあ~・・・今、このひとときに互いの想いを重ねて・・・このままでいさせてあげたい・・・でも、やはり、すべてを乗り越えてゆくほかないのですよね・・・ 2009/06/20 22:34
ヨンkiss
” 私のすべてが・・・・フランクだけになるの・・・”二人の愛は永遠なのね❤ "^_^" 2009/06/20 00:39
六角
もう10年前のようは 離れ方では無く 大人になった二人が 再び迎えるであろう 別れは、お互いの心を信頼し たとえ時間がかかっても いづれ求める半身は一つになるという 心安らかなもので有って欲しい 2009/06/20 00:19
mf1117
あぁ~~~どうしたらいいのでしょう・・・『今度は・・・僕が待つ番ですから・・・』あぁぁ・・・・フランク・・・ 2009/06/20 00:09

見えているのに・・見えない未来・・・わかっているのに・・置き所のない身・・フランクは愛を達観している・・画像の二人の姿が切なく甘い・・・。 2009/06/19 22:32
ノラン
「今度は僕が待つ番ですから…」この言葉にフランクの決意が感じられるわ~何があってももう離れない~どんなに時間がかかってもジニョンを待っている~あぁ~カッコいい!!! 2009/06/19 22:19
FECafe
これから二人を待ち構える苦難を乗り越えるために、今このひと時の幸せに身をゆだねる...どこまでも切ない二人の愛です。 2009/06/19 21:43
toko7
私のすべてもフランクだけになって欲しい・・・・ 2009/06/19 21:25
Lusieta
お互いにとって、もう離れられないことはわかっているけど、目の前の現実は否応なしに迫ってくるね。このひととき、今だけはそんなふうにふたりだけでいることを味わってほしいです。 2009/06/19 21:25
 
 

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