「いい加減に 機嫌を直したらどうかな?」
僕の口調まで 皮肉な色を帯びる。 こんなこと 言うつもりじゃなかった。
君のあてこすりが 我慢できない。
僕のオフィスに新しく来たスタッフが 何だというんだ?
そんなものが美人だろうが僕に気があろうが 気にしなければいい。
僕の恋人は君だし 一生 君以外の女を愛する気もない。
「いつだって君だけを愛しているだろう?つまらないことで つっかかるなよ。」
ついそう言ってしまったのは もう愛し合う時間にしたかったからだ。
本当に君だけを 僕は 欲しがっているのに。 何故 解らない?
そして・・君は 怒った。
「帰るわ。」
帰る だって? 冗談じゃない。1週間ぶりで逢えた夜だ。
君の幻影が見えるほど 逢いたかったんだ。 僕を置いて 帰る?
「やめて!手を離して。嫌!」
引き止める僕を 君は邪険に振り払う。
僕は 愛しい君に強く出られない。 それを知り尽くしている君は 我儘放題だ。
今夜だけは・・・ なんだか君を許せない気がした。
―ジニョン? ちょっと 脅してあげる。
「ドンヒョクssi・・・?」
ゆっくりと 手をのべて 君のあごをわしづかみする。
「ドンヒョクssi? ・・痛い・・・。 何するの?」
何も言わずに顔を寄せる。愛しい気持ちを抑えて 冷たい眼を見せる。
君は顔をそむけようとして 頬の痛みに眉を寄せた。 逃がさない。
「・・・・い・や・・・」
頬を押して 歯を割る。無理やり舌を差し入れる。 ・・頬は痛いかな?
ぱたぱたと君が 胸を叩く。その手首を握って 君をにらみつける。
「ドンヒョク・・・ssi。」
怒りと おずおずとした戸惑いが ジニョンの顔に 交互に浮かぶ。
・・怖いかい? お仕置きがすんだら 慰めてあげる。
「君を抱く。・・・止めてもきかない。」
それだけ言うと 抱き上げてベッドへ運ぶ。
僕の冷たい眼が 君を 震えあがらせている。
服を脱がす僕に 君は抵抗した。その白い手を 力を込めて握る。
「痛い!・・・あ、痛い。・・・・離して・・」
手首に跡が付くかもしれないな。 ジニョン? 男の 本気の力は強いだろう?
僕の暴力に 君は戸惑う。 小さく震える身体に 僕の残酷さが反応する。
シーツに横たわる君のきれいな身体 僕の大切な宝物だ。
でも今日は 撫でることも可愛がることもせず 黙って腿を割る。
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そのまま突いてやる と思って 躊躇する。
痛がらせるのは 可哀そうだな・・。やっぱり僕は 君に弱い。
柔らかなそこへ唇を寄せたら 君の香りに 愛しさが込みあげた。
「・・・・ん・・・」
お仕置きのはずなのにな・・・。
僕の舌が 優しくなってしまっていることを ジニョンは自分の身体で知る。
「・・あ・・・」
恐がっていた君から 甘い声が聞こえてきた。
いけない。 反射的に 愛していると 言いそうになる。
恋しい眼を見せないようにして君に分け入る。
もうちょっと 乱暴にしたほうが お仕置きらしかったよな。
「・・・あ・・ドンヒョクssi・・」
愛しい君に 腕までまわされてしまって 狼が ペットになってゆく。
今日は 君に男の怖さを教えてやろう。 そう思っていたはずなのに。
「・・・あ・・ぁあ・・」
僕の大好きな 甘い泣き声。 感じる?ジニョン?
君の声に負けて いそいそと 好きなところを責めてあげる。
「ああ!・・・・ド・・ンヒョク・・ssi・・」
行っちゃった。背中が反り 僕をビクビクと震わせて 君が落ちてゆく。
「・・・愛してるって 言って。」
ずるいなジニョンは こんな時に。 愛してると言ってしまう。
安心したように 満足そうに 君がシーツに沈んでいった。
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「ドンヒョクssi。 怖かった・・ あんなに冷たい眼で見るんだもの。」
君に腕枕はしてあげない。頭の後ろで腕を組む。
まだちょっとだけ 怒っているのに 君はもう怖がらない。
狼のプライドは もう ずたずただ。
僕の胸に 柔らかな君の頬がのる。
僕の胸に 指が わからない文字をなぞって くすぐったいよ。
「ジニョンが 聞きわけのないことを言うからだ・・。」
狼未満の情けない僕が 言い訳がましく君を叱る。
「だって・・彼女ってば あなたが好きって 私に言うのよ。」
誰?ああ、あのスタッフまで話が戻るのか。やれやれ。
まったく ジニョン・・許さないぞ!怒った僕は 君を組み敷く。
「ドンヒョクssi?・・・私・・もう降参。」
「降参はさせない。気絶するまでやってやる。」
「え・・・?」
そうだ 狼にはなれないけれど 体力には自信があるんだ。
「ジニョン。いつでも焼もちを焼けばいい。
君が焼くのなら どれだけ僕が君を好きか 身体に思い知らせてあげよう。」
「え? ・・・あの?」
・・あ・・・はぁ・・あ・・・
「助けて・・もう・・ドンヒョクssi・・」
「だめだよ。世界中で君しか愛していないんだ もっと抱く。」
もうわかった という君を まだまだと僕が離さない。
君は本当にくたくただね。 お気の毒さま 僕はまだ大丈夫だよ。
やっと 僕らしいお仕置き方法が見つかった。これならいいな。
ジニョン いくらでも焼もち焼いて いいからね♪