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IZMCLUB別館
IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1369371/1602053
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D&Jの心
2005.4月作品ドンヒョクの心・ジニョンの心改訂版
No 13 HIT数 6259
日付 2008/06/20 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクの心 7 許し
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi







ふたりはジニョンの実家の有るサムチョクに向かった

車の中でジニョンはまるでこの一年のドンヒョクとの空白を
埋めるかのように・・・終始お喋りだった

ホテルで起こったこと・・・

    君らしいエピソードだね・・・


ジェニーのこと・・・


    ありがとう・・・きっと
    僕の代わりに見守ってくれていたんだね・・・


テジュンssiのこと・・・


    ジニョン・・フッ・・君ときたら・・・
    そろそろ気がついてもいいんじゃないか?
    テジュンssiの話題は・・
    余り面白くない・・・


それでも
ドンヒョクはジニョンの話を終始笑顔で聞いていた


    そして君の家族のこと・・・


父親と母親の出会いから馴れ初め
ジニョンの幼少の頃のエピソード

ご両親が一人っ子のジニョンを
いかに慈しんで育てられたかが伝わってくる・・・


    明るい素敵な家族だったんだね
    だから君のような人が存在するんだろうね

    僕は君のご両親に心から感謝するよ
    君をこの世に送って下さったことを・・・



「それでね・・・」とジニョンが言いかけた時
ドンヒョクは突然ハンドルをきって路肩に停車させた


     「キャァッ!・・どうしたの?」


ドンヒョクは真剣な面持ちでハンドルを握ったまま
正面を見据え沈黙していた


     「ドンヒョクssi・・・?」


彼の神妙な様子に、ジニョンは自分が今まで話していたことが
家族の幸せなエピソードだったことに気がついた

ドンヒョクがこれまでどんなに欲しくても・・・
どんなに求めても得られなかった・・・家族という存在・・・


     「あっ・・・ドンヒョクssi、ごめんなさい・・・私・・・」

     「キスしたい・・・・・・」

     「えっ?」

     「キスしたい・・・・・・」

     「ここで?」

     「そう・・・」

     「・・・でも車がたくさん通ってる・・・」

     「関係ないよ・・・」


ジニョンの頭をドンヒョクの大きな右手が愛しげに引き寄せた

ジニョンもまたそっと目を閉じて彼の愛に応じた

ホテルでのあの激しさはなく

優しく、穏やかな、そして静かなドンヒョクの・・・キス・・・


    ジニョン・・・違うんだ・・・
    君がこうしてそばにいてくれる・・・
    君の声がこんなに近く聞こえる

    そんな当たり前のことが・・嬉しくて・・・
    嬉し過ぎて・・・胸が詰まってしまった・・・

    ただそれだけなんだ・・・




 

ジニョンの実家に着いたのは昼少し前だった
ジニョンの家は閑静な住宅街の高台に位置していた
丘を上りきって車を降り、ドンヒョクは広がる景色を見渡した


    ここがジニョンの育った街・・・
    以前訪れた時はこうして眺める余裕すらなかったな・・・


    玄関を入ると、母上が笑顔で迎えてくれた


     「まあ、ドンヒョクssiお久しぶりね、
      相変わらず美男子だこと・・・」

     「ご無沙汰して申し訳ございませんでした」

     「堅苦しいわね・・・さあ入って・・・」


義母がドンヒョクの腕を掴んで導いた


    ジニョンの母はこの上なく明るい人だ
    きっとジニョンの明るさはこの人譲り・・・


    奥へ入ると父上がソファに腰掛けて新聞を広げていた
    ジニョンに、「一人で行かせて」 と僕は一人中へ進んだ


義父を前にドンヒョクは緊張した面持ちで口を開いた


     「お義父さん、ドンヒョクです
      ご無沙汰して本当に申し訳ございませんでした」


義父はドンヒョクの言葉に一度目を閉じ、一呼吸おいた後
やっと新聞を置いた


     「掛けなさい・・・」 ソファを指して促した

     「失礼します・・・」

     「・・・・・・・・・・・・」

     「・・・・・・・・・・・・」 

沈黙が続くふたりを、ジニョンが遠巻きに不安な視線を送っていた


     「随分・・・長かったね・・・」 

義父が先にその沈黙を破った


     「・・・・・申し訳ございませんでした」

     「そろそろ、ジニョンには
      お見合いさせようかと思っていたところだ・・・」

     「・・・・・・・・・」


ドンヒョクは返す言葉が見つからず黙って義父を見ていた


     「・・・冗談だよ・・・
      あの子がそんなものに応じるわけない・・・
      君がいるのに・・・」

     「お義父さん・・・」

     「でも長かった・・・
      娘のために大きな犠牲を払った上に・・・・
      君も苦しかっただろうね・・・・」


ドンヒョクは義父の短い言葉に胸が熱くなるのを感じた


  ここにも・・・僕を分かってくれる人がいた・・・


     「娘のわがままを許してください・・・」


そう言うと、義父は深く頭を下げ、ドンヒョクに詫びた


     「お義父さん・・・」


ドンヒョクの頬に熱いものが伝った


    どうか・・・
    僕のような人間に・・・頭を下げないでください・・・

その後は二人とも言葉を探せず、またも沈黙が続いた
それを救うかのように
“もういいでしょ?”と
義母とジニョンが入って来てくれた

ジニョンが父とドンヒョクの様子を不思議そうに見つめていた
そんなジニョンにドンヒョクは“心配ない”と笑顔を向けた


    ジニョン・・・僕は君を必ず幸せにするよ・・・
    必ず・・・


ジニョンはそんなドンヒョクの微笑みに、黙って笑顔を返した・・・


それから四人で今後の二人のことを相談し
結婚式は一ヶ月後ということになった
ジニョンの母の手料理を囲みながら歓談の後
二人は実家を後にした

 


二人はチュクソルに立ち寄り、公園を散歩した
公園に入るとジニョンがドンヒョクの手を取り
それぞれの指を交互に絡めて握った


     「ドンヒョクssi・・・恋人同士ってね
      こうやって手を繋ぐのよ・・・」

     「そうなの?」

     「こうして歩きたかったんだ・・・あなたと・・・」


そう言ってジニョンは繋がれたふたりの手を見下ろした


     「お義父さんも、お義母さんも喜んでくださったかな・・」


ドンヒョクが心配そうにつぶやいた


     「喜んでたじゃない・・・・母はあなたのファンだし
      父もあなたのこと認めてるわ・・・」

     「そう?・・・仕事と違って・・・
      他人と話すの苦手だから・・・」

     「もう他人じゃないわ、家族よ
      それに・・・在りのままでいいのよ・・・
      在りのままのあなたが素敵なんだもの・・・
      私はあなたのこと大好きよ
      私のこと大好きな父と母なら
      あなたのことも大好きなはずだわ」


ジニョンは確信したように言った


ドンヒョクはジニョンのその言葉に思わず立ち止まり
彼女の背中を見つめた

ジニョンもまた立ち止まって、“どうしたの?”という
表情で振り返った


     「ジニョン・・・君といると本当に・・・」


    君といると本当に幸せな気分になれる・・・
    世界中の全てが自分の
味方のような気になってくる・・・


    不思議な人だね・・・君は・・・

     「な~に?」


     「・・・キスしたい・・・」



       ・・・ 「バカ・・・」 ・・・

 


 





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hitomihito
「そんな当たり前のことが・・嬉しくて・・・嬉し過ぎて・・・胸が詰まってしまった・・・」ドンヒョクが段々幸せになって行くのがほんとに嬉しい^^BGMにうっとりしながらこちらも幸せ感じてます。 2008/06/24 23:24
フック
でも心の片隅にあのドンヒョクの裏切りがちらっと浮かんできてしまう今日この頃です。ドンヒョク、ありのままの貴方を抱きしめ、心の闇を氷解してくれるのはジニョンしかいないのです。この幸せ、手放さないでぇ~~ 2008/06/24 00:19
フック
世界中が敵だったドンヒョクが、ジニョンと一緒にいるとぜ~~んぶ味方になったような幸せな気持ちに満たされる。私も幸せ♪♪ 2008/06/23 23:55
eyonyon
「・・・でも車がたくさん通ってる・・・」「関係ないよ・・・」  懐かしいな~~~フレ~ズ^^ 2008/06/21 22:30
eyonyon
うん・・・kurumiちゃん、ホテで読んだ事を思い出しながら^^ tomoちゃんの載せてくれるBGMと画像で・・うっとりしながら読んでます~~~ ありがとう♡♥(。´▽`。)♥♡ 2008/06/21 22:28
tomtommama
ふふ・・タイトルついているね^^ またタイトルを見る楽しみも増えたわ~ (*^^*) 2008/06/21 13:44

出勤なのだ~・・・・ドンヒョクが呼んでるからしごとなんかやってられない・・ママの気持ちになりつつある私・・。 2008/06/20 14:34
joonmylove
ふーっ!!駄目だ!深く静かに潜行してこっそり浸ってたんだけど、「・・・キスしたい・・・」で酸欠になっちゃった^^;kurumiちゃん、寂しい心の穴を埋めてくれてありがとです。 2008/06/20 12:42
utahime27
オモ!タイトルがついたのね・・・「そういうこと」!?(爆) 「許し」・・・こういう親子の場面に弱い私・・・あっ!ドンヒョクもよね?ラストの・・・「バカ・・・」・・・好きよ!kurumiさん^^ 2008/06/20 08:06
 
 

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