collage & music by tomtommama



                          　　　　story by kurumi

　　　　　　　　　　









　　　今日も青空が透き通っていてきれい・・・

　　　私の気持ちとは大違いね


　　　ドンヒョクssi・・・


　　　仕事中はね・・・

　　　気持ちが紛れて少しの間あなたを忘れることができる
　　　お客様の前でもちゃんと笑顔でいられるのよ

　　　でも　こうしてひとりになると
　　　とたんにあなたのことだけで心がいっぱいになる・・・

　　　逢いたい・・・逢いたい・・・逢いたい・・・
　　　私の心がそう叫んでいるのよ・・・聞こえる？

　　　あなたは今何をしている？・・・

　　　きっと夢の中よね・・・

　　　その夢の中にはわたしはいるの？ドンヒョクssi

　　　それとも・・私のことなんて

　　　とっくに忘れちゃって思い出すことすらない？

　　　だから連絡もくれないの？

　　　　　　　「はぁー」


私は韓江に向かって大きく溜息を吐いた


　　　　　    「また、デスクを離れてさぼりか・・・」

屋上でぼんやりと時を過ごしていたジニョンに
後ろからテジュンが声を掛けて来た


　　　　　　　「誰のせいだと・・・・・・いいえ、自分のせい・・・
　　　　　　　　せっかく訪れた愛を逃がしてしまったんだもの・・・」


　　　私のせい・・・

　　　誰のせいでもない、私のせい・・・自業自得・・・

　　　どうしてもホテルを放っては置けなかった・・・

　　　でもそんなこと・・・言い訳でしかないのよね


　　　

　　　　　　　「また、訪れるさ・・・」

　　　　　　　「訪れないわ・・・」


　　　　訪れない・・・

　　　　ドンヒョクssi・・・そうでしょ？

　　　　きっとあなたは気持ちを切り替えて私のことなど
　　　　忘れてしまったに違いない・・・



　　　　　　　「今日VIPのお客様がいらっしゃる・・・
　　　　　　　　お前、担当しろ」

　　　　　　　「面倒だわ・・・他の人に頼んで」

　　　　　　　「俺が招待したんだ・・・頼むよ　　　　　　　
　　　　　　　　今日１日頑張って明日から休みを取れ・・・」

　　　　　　　「なんで私ばっかり・・・」


私はぶつぶつ愚痴をこぼしながらテジュンssiに付いて
ホールへ向かった


　　　　　　　　
　　　　　　　「あの方だ・・・」

テジュンｓｓｉに促されて受付の方に視線を送ると・・・


　　　えっ？・・・うそ・・・

　　　・・・・見間違い？・・よね


テジュンｓｓｉの方を振り返ると、
彼が　「行けよ・・」　というように頷いた　


そしてもう一度振り返ると・・・


　　　そこには本当にあなたがいた・・・


私の足は無意識の内にあなたの方へまっすぐに進んで行ったわ・・・

次第に涙で雲ってあなたの顔がおぼろげになっていく・・・


でも私の耳はあなたの低く優しく響く声をはっきり聞いていた・・・


　　　　　僕を待っていた？


ああ・・・胸が詰まって声が出ない・・・

私はあなたへの言葉の代わりに大きく頷いた・・・


　　　　　僕も待っていた・・・チェックインを・・・


ドンヒョクｓｓｉ・・・

あなたの言葉に私は小さく微笑みを返すのが精一杯だった


　　　　　　　「いつまでこちらに？・・・お客様・・・」

　　　　　　　「永遠に・・・永遠にあなたの傍にいます・・・」


私は思わずあなたに抱き付いてしまった

ここがホテルのロビーであることも忘れて・・・


　　　　　ああ・・逢いたかった・・・逢いたかった・・・

　　　　　逢いたかった・・・


　　　　　こんなにもあなたを求めていたなんて・・・


自分でも不思議なほどに
私はあなたに回した腕を解く方法を見つけられなかった


　　　　　ドンヒョクssi・・・本当に逢いたかった・・・


あなたも私をしっかりと抱きしめてくれていた

ただ黙って強く・・・強く・・・



しばらくして　我に返った私はここがホテルのロビーの
真ん中であることに気がついてしまった


　　　　　いけない！・・・

　　　　　　　　「お・・お客様・・・チェックインを・・・」


あなたはそんな私の慌てぶりが可笑しかったらしく
声を殺して笑っていた


　　　　　　　　「何が可笑しいの？」



あなた達もずっと見ていたのね・・・
慌てている私に含み笑いなんて・・・


　　　しっかりしなきゃ・・・

私は支配人　立場というものがあるわ・・・


　　　　　　　　「ではお客様　お部屋にご案内します・・・」

受付の二人を睨みながら　私はドンヒョクssiに言った


改まった私がまた可笑しかったらしく
ドンヒョクssi　
また笑っていたわね…憶えてらっしゃい！


サファイヤヴィラまでの道のりを私があなたの前を歩いたのは

　　　そうよ・・・

こんなにも幸せな表情を　
あなたに見られるのが悔しかったからなの・・・

あなたが私の後ろを歩きながら見つめてくれている・・・

あなたの視線を私は背中にずっと感じていたわ

そしてそのことがどんなに私の心を満たしてくれたか・・・


　　　今はあなたには教えてあげない・・・

　　　あなたがいけないのよ・・・


突然現れて私を驚かせた

これから先永遠に・・・
沢山・・・沢山・・・あなたが私を見てくれる・・・

そんな幸せ過ぎることには


　　　少し心の準備がいるものよ・・・


でも・・・

もう直ぐ私はあなたに振り向き

この上ない幸せな顔をあなたの胸に埋めるわ



　　　帰って来てくれたのね・・・本当に・・・



　　　　　　　私の・・・ドンヒョクｓｓｉ・・・