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IZMCLUB別館
IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1365707/1598389
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 10 HIT数 7440
日付 2008/09/06 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 10.捨てたカード
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  
ドンヒョクがジニョンの元を去った日の翌日
テジュンのところにも彼からの電話が入っていた

「テジュンssi・・・・」

疲れたような生気の無い声に、テジュンは嫌味を込めて言った

「どうかしたか?・・・失恋でもしたような声出して・・・」

ドンヒョクはその言葉に苦笑して言った
「ジニョンは・・・・どうしてる?」

「俺にそんなことを聞くのか?
 知りたければ・・・自分で見に来たらどうだ?」

「テジュンssi・・・ジニョンを・・・頼みます」

「・・・・ふざけたことを言うな」

「ジニョンはやはり、あなたの方が楽に生きられる」

「な・・自分が何を言ってるのかわかってるのか!
 お前!俺を何だと思ってる?
 ジニョンを・・何だと思ってる・・・こんなことなら・・・
 最初からお前に・・・・」

「・・・・・・・・すみません」
そう言ったきり、ドンヒョクは電話を切った


   このままで・・・済むと思うな・・・シン・ドンヒョク!






ドンヒョクがジニョンの前から消えてから一週間が経とうとしていた
ジニョンはドンヒョクの婚約破棄の意思を聞いた翌日から
仕事に復帰していたが、傍目からは特に変わった様子も無かった

しかしテジュンにはわかっていた
彼女が元気を装っているだけなのだと


     ジニョン・・・

     そんなに無理をするな・・・

     壊れてしまうぞ


テジュンはその時決意した

彼は二日の休暇を取って、単身アメリカへ渡った
もちろん、ドンヒョクの事務所を訪ねるためだった

「困ります」

「どうしても、会わなきゃいけないんだ
 俺が・・・テジュンが来たと伝えてくれ!」

「しかし、アポイントの無い方とは
 お会いできないことに・・・」

「いいから! 俺が来たとだけ伝えろ!」

「何を騒いでるんです・・・テジュンssi」

ドンヒョクが廊下の奥の部屋から出て来て、ドアに体を持たれかけたまま
テジュンに声を掛けた

「ドンヒョク!」

「受付が迷惑します・・・こちらへ・・・」

ドンヒョクが促し、テジュンは言われるまま彼の部屋へ向かった

「どうしてここへ?」

「さあ・・・どうしてかな・・・ちょっとした旅行だ」

「あなたがこんな騒がしい街に旅行ですか?
 珍しいこともあるものですね・・・それで?」

「んっ?」

「僕に何のご用ですか」

「ご用と言うほどの・・・・」

テジュンはドンヒョクに伝える言葉を頭の中で整理していた
ここに来るまでに“決して怒ってはいけない”と自分に言いきかせていた
ジニョンの為に彼を説得するのが自分の役目だと思っていた

「ジニョンのことなら・・・・」

ドンヒョクがテジュンの言葉を待たずに切り出した

「ジニョンのことなら、レオが話しを進めています。
 僕達は既に別れました」

「ジニョンはそんなつもり無いらしいぞ」

「・・・・・・・」

「もうソウルには戻らないつもりか」

「ええ」

「随分簡単なんだな・・・
 あれほどの騒ぎを起して奪ったのに」

「奪った?・・・
 やはりあなたはそう思っているんですね
 あなたはまだジニョンを愛してるんだ
 だったら・・僕たちがこうなったのも、好都合じゃないですか」

「お前!」

「テジュンssi!」

ドンヒョクは一度声を張り上げたものの、声を落とし静かに続けた

「・・・・・安心してください。
 ジニョンと別れたからといって、
 ソウルホテルの株をどうにかしようなんて思っていません。
 理事の立場は他に譲りますが、
 あなたのホテルはこれからも安泰だ」

「俺はそんなことを言ってるんじゃない!」

「じゃあ何です? 
 もともとジニョンはあなたを愛していた
 取り戻すチャンスが出来て嬉しくないですか?
 僕とあなたはゲームをやっていた

 僕は一度手にしたスペードのエースを気まぐれに捨てたんだ

 あなたは迷わずそれを・・拾えばいい!」

ドンヒョクがそう怒鳴った瞬間、テジュンは殴りかかろうと
彼の胸ぐらを掴み 拳を上げた

しかしテジュンは、それを彼に振り下ろすことは出来なかった

テジュンを見るドンヒョクの目があまりに悲しく
何かを訴えているようで・・・

テジュンは突き放すようにドンヒョクの胸ぐらから
自分の手を離した

「わかった・・・もういい
 ジニョンのことは心配するな、俺が何とかする
 それがお前の望みなんだろ?
 だからもういい。あいつのことは忘れろ
 今後一切、あいつに係るな
 ・・・・・・それでいいんだな!」

「・・・・・・・」

「・・・・・しかしお前・・・間違ってるぞ
 絶対に間違ってる。」

言い捨てるようにして、テジュンは荒荒しく部屋を出て行った


      何をやってる・・・ドンヒョク

      愛し合ってるんだろ?

      ジニョンがいないと生きていけないんだろ?

      どうして素直にそう言わない

      素直・・・・か

      俺も人のこと言えないな

      俺が素直になっていれば

      お前達が愛し合うことなんて無かったんじゃないか?

      出会うことすらなかったんじゃないか?



    《では勝負を》


    《いくらでも》


    《いくらでも?》


    《そういくらでも!》


    《僕が負けるゲームに手を出さないことも
     ご存知でしょう?》


    《あなたにはゲームかもしれないが
     私には1200人の生計が掛かっている・・
     あなたには弄ぶ程度の女でも、私には・・》


    《僕には1200人の生計など興味ない
     勝負に勝つだけです・・・そして・・・
     ジニョンssiも欲しい》



ひとり部屋に残されたドンヒョクはその場に立ち尽くしていた

受付からのコールが鳴って、その時間を切り割いていても
ドンヒョクはまるで耳に届いていないかのように動かなかった


「ボス、会議の時間です」

直接ドアを開けた秘書の声でドンヒョクはやっと我に帰った

「済まないが、レオに先に進めてくれと・・」

「しかし・・・ボス・・」

「いいからそうしろ!」

ドンヒョクは机の端に寄り掛かり、沈み行く太陽に微かに色づく
雲の流れを追っていた


      テジュンssi・・・

      あなたはという人は・・・

      本当におせっかいな人だ

      
      しかしテジュンssi

      僕は決して間違ってはいない・・・

      僕は・・・

      ジニョンに愛されるべき人間ではなかったんです

      愛されるべきはあなたなんだ テジュンssi

      あなたなら、ジニョンは楽に暮らせる

      心穏やかに 多くの人に囲まれて暮らせる

      それがもともと

      ジニョンが望んでいた幸せの形だった


      僕が割り込んだだけなんです・・・

      彼女とあなたとの平和な愛に

      僕が割り込んだだけ・・・


      時が経てばジニョンにもそれがきっとわかる

      だから・・・僕は



      ・・・間違ってなんか無い・・・



























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kurumi☆
ドンヒョクとテジュンのやり取りは本編でも好きだった^^男同士の会話を好きになることってあまりないのだけど、このふたりのはかっこよかった^^だから、私の創作でもふたりのやり取りは頻繁に出てきます^^ 2008/09/07 21:14
kurumi☆
シータちゃん・・本当に?ああ・・後半は結構書き換えてしまったので、過去旅は行ってほしくなかったぞ~~~^^ま、仕方ない・・新しくUPするのも読んでちょ^^ 2008/09/07 21:11
4ジュナ
本当にこのドンヒョクssi、儚げで今にも消えてしまいそう・・・もしかしたら、ドンヒョク自身そう思っていたのかも・・・(T_T) 切なくて、また今夜も枕を濡らすだろうなぁ、私・・・ 2008/09/06 00:54
4ジュナ
↓シータさんの熱い語りを読んで、なぜかまた涙がこみ上げちゃった・・・(T_T)私はこの背景とBGMに浸りたくてUPまで我慢して読んでいます・・・(シータさんを責めてるわけではないですよ~^^) 2008/09/06 00:51
Lusieta
でも、この右上の、はかなげな、つらそうなドンヒョクの、幻みたいな姿を見ると、かわいそうで抱きしめたくなってしまうよね。右下のその玄関は・・・二人のマンション? 2008/09/06 00:24
Lusieta
テジュンに同化してしまいました。なんという役回りでしょう。この回は、ほんとにドンヒョクの頑なさにいらだちました。ばか!!って思いました。 2008/09/06 00:23
Lusieta
そんな中でひとりだけ「最後までここで読むから、毎日必ずUPしてね。」と言ってくれる人がいました。あぁ・・・今思えばなんて忍耐強い方なの。私にはできない(笑)改めて感謝しました。 2008/09/06 00:17
Lusieta
サークルで再UPしたとき、「最後まで読んできちゃいました。ごめんなさい」っていうブロメをたくさんもらったんです(笑) その時のみなさんの気持ちがすごくわかりました。今頃だけど。 2008/09/06 00:16
Lusieta
告白して懺悔します。過去旅に・・・行ってしましました(-_-;) すんまそん・・・。やっぱ我慢できないよ、ふつう。・・・って、開き直ってごめん。私、某創作サイトでUPしたものを数ヶ月後にブロコリ内の 2008/09/06 00:15
 
 

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