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IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1365935/1598617
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 11 HIT数 7394
日付 2008/09/06 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 11.ジニョンの決意
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  
   「また、さぼりか・・・」

ジニョンがいつものように屋上で一息ついていると
テジュンがぶらりとやってきた

   「久しぶりねテジュンssi・・・この忙しい時に
    しばらく顔を見ないと思ってら・・・
    休暇を取って何処へ行ってたの?」

ジニョンは少し皮肉を込めて笑った

   「久しぶりって・・休んだのは二日だけだぞ。
    ・・・・・それでお前は・・少しは落ち着いたか?」

   「落ち着く?・・・いつも落ち着いてるけど・・」

   「まぁいい・・・・・ジニョン・・・・どうだ、今度の休暇
    映画でも観に行くか?」
  
   「何それ・・・デートにでも誘ってるつもり?
    私は婚約者が有る身よ」

   「・・・あいつのことは忘れろ」

   「・・・・・・」

   「なぁ、ジニョン・・・もうあいつを解放してやらないか」

   「解放?・・・どういう意味?」 

   「あいつはお前を忘れるつもりだ、忘れさせてやれ」

   「何言ってるの? あの人が私を忘れるわけ無いわ」

   「そうだ。忘れるわけは無い。忘れられないで苦しんでる。
    だから、その苦しみから解放してやれ
    お前の方からあいつを突き放してやれ」

   「あの人に会ったのね」

   「・・・・・・」

   「会って何を話したの?」

   「・・・一度得たスペードのエースを僕は捨てた、
    あいつは俺にそう言った
    だから・・・あなたは迷わずそれを拾えばいいと」

   「チッ・・私を何だと思ってるの?」

   「怒りたいか?」

   「怒る気にもならない・・もう止めて・・」

   「あいつは苦しんでる。」

   「私は苦しんでないとでも?・・」

   「お前の存在があいつには重いんだよ」

   「勝手なこと言わないで!」

そう怒鳴ると、ジニョンはテジュンに背中を向けた
テジュンは彼女に向かって言葉を投げた

   「ジニョン! いいか!俺はあいつの言うことを聞く
    お前を拾うぞ!」

彼はまるで彼女に宣言するように言った

ジニョンは一度立ち止まったが振り向かずに屋上を去っていった


     ジニョン・・

     今度こそ俺は正直になっていいか?





ジニョンはまるで何事も無かったかのようにホテルで働いていた

周囲の人間が、ジニョンと理事の婚約破棄の一件を
面白がらないわけが無かった

しかし、ジニョンの明るさと仕事に掛ける熱意には
そんな噂を楽しむ人々をも逆に愚かしく思わせるオーラがあった



親しい仲間も、気を遣うことの方が可笑しいような気になった
彼女が決して無理をしているように見えなかったからだ

スンジョンがそんなジニョンに安心して言葉を掛けた

   「ジニョン・・・もう大丈夫なのね
    あー良かった、本当に心配したのよ」

   「大丈夫ですよ、初めから」

   「そうね、あなたと理事って、
    最初から釣り合ってなかったもの」

   「そうですか?・・」

   「理事って、やっぱり怖い人よね
    良かったわよ、ジニョン・・・結婚止めちゃって
    みんな、そう言ってるわ
    ジニョンのためにはその方が良かったんだって
    とにかく・・良かったわよ・・
    彼の正体が結婚する前にわかって
    ね!・・・ジニョン!」

   「・・・・・・・」

   「大体ね・・理事って結婚するタイプじゃないわね
    人を寄せ付けないというか・・・
    あの、睨んだときの眼といったら・・・

   「スンジョン先輩・・・止めてください・・・」

   「ほら・・この前の事件の時だって・・
    すっごく・・怖かったもの・・」

   「止めて・・・」

   「うちの主人もね、言ってたの・・・あの手のタイプは
    結婚には向かないだろうって・・・」

   「何がわかるのよ・・・・」

ジニョンが下を向いたまま、聞き取れない位の小声で呟いた

   「えっ?」

   「先輩にあの人の何がわかるの?」

今度はスンジョンにも聞こえるほどの声で、彼女を睨みつけた

   「・・・・・ジ・・ニョン・・」

   「総支配人が、あの人の何を知ってるの?
    あの人が結婚に向かないなんて・・・
    いったいあの人の何を見て言ってるの?

    怖いですって?
    何もわかってないくせに
    あの人は怖い人なんかじゃない

    あの人は私がいないとだめなだけ

    強い人でも・・・怖い人でもない
    寂しい心を持て余してるだけなの

    弱い人なの、子供みたいな人なの

    私がそばにいないと・・・
    抱いていてあげないと・・・

    壊れてしまう人なの!

    あなた達に何がわかるの?

    何がわかるの!」

ジニョンはスンジョンに向かって一気に叫び泣き崩れた
スンジョンは彼女のその迫力に驚き、おろおろと震えた

   「ジニョン・・・ジニョン・・・ごめん・・ごめんなさい
    ジニョン、泣かないで」

スンジョンは一緒になって泣きながらジニョンを宥めるしかなかった




ジニョンが珍しく具合が悪いと、電話で休みとった
テジュンは心配になり、彼女のアパートを訪ねた

   「ジニョン・・・スンジョンssiに聞いた・・・
    彼女、気にしてたぞ・・・悪気は無かったんだ・・・
    許してやれ」

   「先輩になんて怒って無いわ・・・」

   「じゃあ何に怒ってるんだ・・・」

   「自分に腹を立ててるの・・・」

   「まだ・・・忘れられないか・・あいつのこと・・・
    本当に俺じゃ・・・だめなのか・・・」

   「テジュンssi・・・お人好しね・・・
    他の男に奪われた唇なんて
    いらないんじゃなかったの?」

ジニョンは真面目な顔をするテジュンを笑わそうと冗談を言った
しかし、テジュンは笑わなかった

   「そんな眼で見ないで・・・・テジュンssi・・・」

   「ジニョン・・・・真剣に考えてくれないか・・・」

   「・・・・・・」

   「急がないよ・・・ゆっくり考えろ・・・
    お前にとって・・・俺を選ぶのも・・・
    賢明なことかも知れないぞ」

   「テジュンssi・・・」





その翌日、ジニョンは社長室を訪ねた

   「受け取ってください」

   「何だ、これは・・・」

   「見ての通りよ」

彼女がデスクに置いたのは辞職願いだった

   「辞めてどうする」

   「アメリカに行くわ」

   「・・・・・・行ってどうする」
 
   「彼を捕まえる」

   「あいつに・・あんなに傷つけられてもか?
    あいつはお前を捨てたんだぞ!」

   「捨てた?そうは思わないわ・・・でも
    もし本当に捨てたのなら・・・拾い直してもらう」

   「・・・拾わなかったら?」

   「わからないわ・・・
    でも行かなきゃいけない気がするの
    急にこんなこと・・ごめんなさい・・・仕事を放り出して・・・
    非常識だということも承知しています
    申し訳ありません。

    でも以前あなたに、
    ホテルよりあの人を選んだら悪い女かしらって
    聞いたことあったわね・・・でも・・・
    今度は聞かないわ
    悪い女と言われても私は構わないの

    今まで、私はあの人が私のところへ来てくれる
    それだけを待ってた
    私を愛してくれるあの人の情熱に甘えてた
    
    でも違うの・・・あの人が私を必要なんじゃなくて
    私が・・あの人を必要なの。

    いつの間にか、私はあの人がいないと
    何にも楽しくない自分になってた

    あの人さえいれば
    どんなことでも耐えられるはずなの

    そんな簡単なことに気が付かなかったの

    あの人だってきっとそう・・・

    あの人が背負ったものは私が一緒に背負うわ

    あの人が私を忘れたのならもう一度思い出させる

    テジュンssi・・・ごめんなさい
    私はもう、あの人以外の人、愛せないわ」

一気に自分の思いを吐き出したジニョンの顔は晴れやかで
テジュンに向かって一寸の迷いも無い笑顔を向けた



ジニョンが社長室を出行こうとした時、テジュンが呼び止めた

   「ジニョン!
    いいんだな・・・後悔しないんだな・・・」

ジニョンは大きく頷いた

テジュンも微笑んで「わかった・・・」という眼を彼女に返した


   「ジニョン・・・
    あいつはお前にもしものことが遭ったら
    生きていけないんだそうだ

    お前を傷つけるのが
    一番怖いことなんだそうだ・・・

    まだ、つべこべ言うようなら
    捕まえて、ねじ伏せて来い!」

ジニョンは黙ったまま爽やかな微笑みを残して出て行った

残されたテジュンはジニョンの勢いに圧倒されながらも
不思議と心地良い気分だった

そして声を立てて笑いながら大きく溜息をついた

      ドンヒョク・・・許せ

      お前の思惑通りにはいかなかったようだ

      お前に拾え、と言われ・・・

      つい、本気になっちまったが

      拾い損ねてしまった


      早く拾いなおさないと

      あいつは今度こそ何処かに行ってしまうぞ!

      いいのか?




     ・・・「後はお前が何とかしろ」 ・・・























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jijimama
"あの人が私を忘れたのならもう一度思い出させたい"ここ好きです。そんなあっちからこっちに戻れるはず無い!絶対納得出来ないはず!kurumiさんのジニョン凄く分かります。 2008/09/09 22:11
kurumi☆
私の中の、ドンヒョクが愛して止まないジニョン像なのでした^^この心を持ったジニョンはこの後の物語Ⅱでも変わらず、愛しのドンヒョクを守り続けています^^ 2008/09/07 22:53
kurumi☆
本編でジニョンはもっとドンヒョクに対して、行動するべきだった、して欲しかった、という思いが書かせたここからのシーンは、私のジニョンの性格を決定付けました^^優しいけれど、強い意思を持った女性^^それが 2008/09/07 22:51
utahime27
昨日ここ何故か開けられなかったの・・・昨日シータさんとデイトして「ジニョンが泣いてるよ~」って教えてもらってたの。割れたガラスと泣き崩れるジニョン・・・そしてこの薔薇・・・哀しくて綺麗・・・ 2008/09/07 21:55
4ジュナ
確かに、割れたガラスを元に戻そうとしているんだよね、ジニョン。そう簡単にはいかないだろうことは分かっているはずだけれど・・・がんばれ!!・・・結末知ってるけどⅡ^^ 2008/09/06 01:07
4ジュナ
・・・号泣(T_T)このページを開いてただ一つ、色の付いたバラを見ただけで涙が止まらなくて・・・これはジニョンの決意のしるしのような気がします。 2008/09/06 01:03
Lusieta
tomさんのチョイスの一枚、ぴったんこですね!割れたガラスを元にもどそうとしてるジニョン。がんばれ!!・・・って、結末知ってるけど(笑) 2008/09/06 00:28
Lusieta
ジニョンの苦しみがリアルです。でも、底まで沈んだら、スンジョンさんが決意のきっかけを与えてくれた。彼女に反論して訴える自分の言葉で、自分の本心を知ったジニョン。スンジョンさん、いい仕事しました♪ 2008/09/06 00:27
 
 

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