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IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1366058/1598740
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 12 HIT数 7058
日付 2008/09/07 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 12.この想いを伝えたい
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  

 



アメリカに着いて、ジニョンはまずドンヒョクの事務所に向かった
同じNYとはいえ、以前の高層ビル街とは趣の違が全く違っていた
まるでパリのシャンジェリゼ通りを思わせる洒落た町並みの中にそこはあった

5階建てのその建物は、事務所というより個人の邸宅の要を呈していてた

ジニョンは建物の全景を見上げ、大きく深呼吸をすると
まずは自分の胸のざわめきを落ち着かせることに努めた
そして、一大決心をしたかのように頷いた彼女は、案内の看板に従って
二階受付へと階段で上った

ドンヒョクへの面会は完全にシャットアウトされるだろうことは想像できた
しかしジニョンは決して怯まないと心に誓っていた



ジニョンを知らない受付の女性は丁寧ながらも、彼女に対して
少々邪険だった


        「ジニョンssi?・・」

その声に驚いて後ろを振り向くと、レオが絶句して立ち尽くしていた

        「あ、レオssi ああ・・良かった
         今・・どうしようかと・・・あの・・」

        「ボスに?」

        「はい・・・会わせてください」

        「あ・・・どうかな・・・困りましたな・・
         ・・・ちょっとお待ちを・・」

ジニョンの突然の登場に、しどろもどろとなったレオの視線が
廊下の奥の部屋のドアに向けられていることをジニョンは見逃さなかった

        「いるんですね?」

        「あ・・ここで少しお待ちください・・」

レオがそのドアの方へ急ぎ足で向かって、ドアを開け“ジニョンssiが・・”
そう言った瞬間、ジニョンがその部屋に押し入って、レオを締め出し
ドアを閉めてしまった


余りに突然のことにドンヒョクは目を見開いて言葉を失った
それは・・・

     たった今・・・君のことを考えていた・・・

     その君がそこにいた

        「あ・・・」

     逢いたかった・・・・

そう言いそうになったドンヒョクが急いで言葉を飲み込み
次の言葉を頭中で探していた

        「な・・・何しに来た・・・」

やっと出てきた自分の言葉に力が入っていなくて、彼は情けなく思った

        「あなたを捕まえに。」 ジニョンは簡潔にそう言った

ドンヒョクはさっきよりも更に驚いた顔でジニョンを見た

        「捕まえる?」

        「あなたは私と・・話をしなければならないでしょ?」

        「話しは・・レオを通してついているはずだ
         今更、話すことはない」

        「私はあるわ!」

ドンヒョクはジニョンからやっと目を逸らすことができた
そしておもむろに席を立つとジニョンが立つドアの方へ向かった

        「僕にはない!帰ってくれ・・忙しいんだ。」

ドンヒョクは彼女のそばを通り過ぎながら冷たく言い放ってドアを開けた

その瞬間
ジニョンが用意していたかのようにその背中に向かって叫んだ

        「ドンヒョクssi! 
         私はあなたを捕まえるまでアメリカにいるわ!
         このまま私を追い払えるなんて思わないで。
         いい?覚悟して待ってなさい!」


ドンヒョクは自分でも可笑しいほどに激しく動揺していた

     ジニョン・・・・

     君の横を通り過ぎた時 君の甘い香りがした

     君を背中に感じていた僕は、君を抱き締めたくて
     今にも振り返りそうだった

     遠く離れていればどんなにか気が紛れるものを

     どうして来た・・・・ジニョン・・・



部屋に取り残されたジニョンの所へレオがやってきた

        「ジニョンssi・・・申し訳無いが・・・・」

        「レオssi・・・
         あの人は私と逢っても何とも無いのかしら・・・
         わかっていたけど・・・
         拒まれるのは覚悟してたけど・・・
         あんなにも簡単に置いて行かれてしまった」

ジニョンはさっきドンヒョクに向かって切った啖呵が、本当は
強がりに過ぎなかったことに肩を落とした

        「ジニョンssi・・・ボスは本当は弱い男です
         あなたもわかっているでしょう?
         彼は今まで、虚勢を張って生きてきた男なんです
         仕事上でそれが通用したのは
         今までボスに失うものが何も無かったから

         しかし、あなたを愛して あなたを得て
         本当に失いたくないものが出来てしまった
         
         それを失うことの恐ろしさを彼は
         今初めて思い知っているんです
         そして彼は、そんな自分の心に心底怯えている・・・

         もう少し時間をやってくれませんか
         時が経てば・・・・」


        「レオssi・・・・父と同じようなことを言うんですね
         時が経てば・・・なんて・・・
         時が何を解決するんでしょう
         時が経てば・・・時が経てば・・・
         うんざりだわ
         あの人は逃げているだけなのよ
         許さない・・・
         許さないわ・・・そんなこと」

ジニョンは俯いたまま呟いていた
まるで自分の決心を奮い立たせてでもいるかのように



次ぎの日も宣言通りジニョンはドンヒョクの事務所を訪ねた
しかしドンヒョクは本当に不在だった

ジニョンは宛ても無くNYの街を歩いて、夕方になってホテルに戻った
そこでジニョンは目の前にドンヒョクがいるのを見つけた



宿泊先のホテルでドンヒョクと出会えることは有り得ることだった

     私を誰だと思ってるの?ドンヒョクssi

     私は優秀なホテリアーよ

     あなたが使いそうなホテルをちゃんと調べて

     宿泊してるんですからね


綺麗な大人の女の人がドンヒョクに寄り添っていた

ジニョンは思わず瞬間的に大きな柱に隠れてしまったが
一度大きく深呼吸をして、決心したように頷くとその柱から出て
歩いてくるドンヒョクの前に正面を向けた


彼女を目の前に確認してドンヒョクは一瞬言葉を失った様子だった

       「どなた?フランク・・・」

彼の隣に寄り添った女の人が彼に尋ねた

       「何でも無い・・・関係無い人だ」

ドンヒョクはやっと平静を取り戻したように冷たく言った

       「ドンヒョクssi・・・」

ドンヒョクはジニョンの言葉を待たず、彼女を冷たく見下ろし
自分の言葉を繋げた

       「何も話すことは無いと言ったはずだが?」

       「私はまだ何も話してないわ」

       「僕はこれからこの人の部屋に行くところだ
        邪魔しないでくれないか・・・」

ドンヒョクがそう言って女の肩を抱くと、平然とした顔をして
ジニョンの横を通り過ぎた
その瞬間、ジニョンは彼の背中に向かって言った

       「ドンヒョクssi・・・・
        テジュンssiに言ったそうね・・・
        “自分の捨てたカードを拾え”と・・・」

       「・・・・・・」

       「バカにしないで!
        そのカードにも意思があるの
        誰にでも拾われるわけじゃないわ!」

ドンヒョクは彼女のその言葉に一瞬立ち止まりはしたものの
振り向くこともせずホテルの中に消えていった





       「フランク・・・・
        私の部屋に来る予定があった?」

ソフィアがドンヒョクをからかうように言った

       「私は構わないけど?」

       「ソフィア・・・悪いけど
        仕事の件・・後はレオと話してくれ
        レオには電話しておく
        今日はこのまま帰ってもいいか?」

ドンヒョクがソフィアに向かって力なく言葉を繋げていると
ソフィアは黙って掌を彼の前に見せて目を伏せた

そしてドンヒョクがひとり別の出口へ向かおうとした時
ソフィアが後ろから呼び止めた

       「フランク! あの人が・・・ジニョンさんね・・・
        あなた達にいったい何があったのか・・・
        言いたくなければ聞かない・・・
        でも・・・泣いてたわ、彼女・・・
        いいの?このままで・・・」

ドンヒョクはそれには答えず薄く笑っただけでその場を立ち去った


    泣いているのは 僕の方だ・・・

    ジニョン・・・どうして放っておいてくれない

    どうして僕の決心を迷わせる

    ジニョン・・・君が目の前に現れたとき

    また・・・駆け寄って抱き締めたい衝動にかられた

    僕の心は君をどれだけ求めてるんだろう

    どんなにあきらめようとしても・・・

    僕の心がこんなにも君を欲しがっている

    ジニョン・・・僕はいったいどうしたらいい?





       「フランク・・・・
        今日も来てるぞ彼女・・・いいのか?
        綺麗な子じゃないか
        君が相手にしないのなら、俺が・・・」

ビルが冗談とも本気ともつかないような言い方をした瞬間
ドンヒョクの手は彼の胸倉を掴んでいた

       「彼女に・・・その汚い手で一度でも触れてみろ・・・
        つぶすぞ・・・覚えておけ
        それだけじゃない・・・
        一生この世界で仕事できなくしてやる
        間違いなくな・・・」

ドンヒョクの声は抑揚無く静かだった
しかしその冷静な口調にビルは逆に震えた

ビルは今ドンヒョクが進めている仕事のクライアントだったが
ドンヒョクにとって、そんなことは関係無かった


       「わ、わかったよ・・・
        そんなに気になるんだったら
        何故放っておくんだ?お前に会いに来てるんだろ?」

       「この仕事を手早く成功して欲しかったら・・・
        余計なことに口を出すな」

ビルはドンヒョクの冷たい視線に震えながら黙って頷き、その部屋を出た



ドンヒョクが窓辺に立つと、窓の下にはまだジニョンがいた


     ジニョン・・・・何してる・・・

     こんな国で君みたいな人が

     うろうろしてたら・・・・もう少し考えて・・・

     
その時、ジニョンと目が合ってしまってドンヒョクは戸惑った
瞬間、顔を背けたものの、自分の心が無意識にまた外を向けさせた

     少しの間だけ・・・

そう自分に言い聞かせてジニョンの姿を追った
そして、しばらくの間、彼女との視線を逸らさなかった・・・


     君の心が深く伝わってくる・・・

     僕がそこに降りて行きさえすれば・・きっと・・

     君を抱き締められる?・・・ジニョン


ジニョンもまたやっと自分に留めたドンヒョクの視線をしっかり
見つめて逃さなかった

     ドンヒョクssi

     あなたも・・・私を愛してるのね

     あなたの目がそう言ってる


     どうして自分に嘘をつくの?


     愛してるわ・・・あなたを・・・

     あなただけなのよ・・・わからない?


     あなたをこの胸に抱き締めたい・・・

     あなたに・・・抱きしめて欲しいの

     ねぇ・・・私のこの想い・・・



        ・・・伝わらないの?・・・
























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tomtommama
何階からだったら見えて建物とどれくらい離れると見えるとソウルのゴリラの近くの公園で話したっけねぇ~(・_・) 2008/09/07 23:46
kurumi☆
たった今まで想っていたジニョンが突然現れた時のドンヒョクの表情を、ヨンジュニはどう演じてくれたでしょう^^そんなことを連想するのが楽しいのです^^ 2008/09/07 22:59
kurumi☆
事務所から、社屋と称して、さほど高くない建物に移るよう設定しました(笑)ま、本当のところ無理はありますが、ここはお話、ということでイメージイメージ^^ 2008/09/07 22:58
kurumi☆
ふたりが窓の外と内で見詰め合っている、そのシーンを書きたくて書いたシーン^^当初何階だったら、瞳の揺れまで見えるのかな~と真剣に考え、このシーンに繋げるだけのために、「こいびと」の創作の中で高層ビルの 2008/09/07 22:56
ヨンkiss
でも、ドンヒョクは間違っているヨン。ジョニョンを愛する気持ちに嘘はつけないと言う事。男としてジニョンを守ってやるべきでしょ! 2008/09/07 10:30
ヨンkiss
ふ~一気読みしました。ドンヒョクの気持ち分かるな~。愛する人がこの世から消えたら自分でどうしていいのか分からないから今のうちにジニョンを忘れようとしているんだね。切ないな! 2008/09/07 10:28
Lusieta
ドンヒョクのばかやろう。 2008/09/07 06:12
Lusieta
そして、ドンヒョクが振り切ったら、あまりの緊張と疲れと落胆で、気を失ってしまう(ふりをする)・・・とか。そしたらドンヒョクはジニョンを抱きしめる・・・なんて、いろいろ妄想したと思います。なつかしいな。 2008/09/07 06:11
Lusieta
ドンヒョクの部屋が部屋を出ていこうとしたところで、いきなりしがみついちゃえばいいのに~って、初めて読んだときに思ったのを思い出しました(笑)  2008/09/07 06:10
Lusieta
過去旅に出たあとにあらためて読むのもいいかもしれないと思いました。ビルの佇まいとか、そのなかの事務所のようすとか・・・。ゆっくり想像してイメージしながら読めました。tomさんの背景に助けられたから。 2008/09/07 06:08
4ジュナ
「あ・・・」逢いたかった…そう言いそうになったドンヒョク…もうそこで号泣(T_T)「君を背中に感じていた僕は君を抱きしめたくて・・・」もうっ!ドンヒョクったらいつまで意地を張るのよ~!とまた号泣・・・ 2008/09/07 01:32
 
 

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