ブロコリ サイトマップ | ご利用ガイド | 会員登録 | メルマガ登録 | 有料会員のご案内 | ログイン
トップ ニュース コンテンツ ショッピング サークル ブログ マイページ
IZMCLUB別館
IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1365971/1598653
開設サークル数: 1238
[お知らせ] 更新のお知らせ
容量 : 69M/100M
メンバー Total :261
Today : 1
書き込み Total : 1134
Today : 0
D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 13 HIT数 6791
日付 2008/09/07 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 13.アンジェ
本文


 

 




            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  

 



ジニョンは次ぎの日もドンヒョクの事務所を訪ねた
しかし彼はいなかった

     
     私を避けている?

受付の女性も最初の日のような邪険な態度こそ取らなかったものの
不在です、と繰り返すばかりで、何時ごろに帰るとも
何処へ行っているとも 教えてはくれなかった

     レオssiもいない

     私には何も当てが無かった

     ドンヒョクssiは韓国を出てから直ぐに電話も変えてしまい

     とっくに連絡も取れなくなっていた

     昨日、あなたの声をやっと聞けたと思ったのに・・・

ジニョンは事務所の向かいのcafeでドンヒョクを待つことにした

     ここが一番あなたに逢える可能性が高いと思ったから

事務所の入口が良く見えるそのcafeでジニョンは根気良く座っていた

     こうなったら・・・とことんよ!

     私がどんなに強情な女か、知ってるでしょ!


     あなたに背中を向けられた

     私を見て一度は驚いた顔をするけど

     直ぐに切り返したように冷たい顔をする

    
     でも昨日窓辺で見せてくれたあなたの目は少し違っていた

     あなたの目が私を愛していると、叫んでいた

     それなら・・・どうして?
    

     私はあなたから視線を外さなかったわ

     最初に目を逸らしたのはあなた・・・

     そのままもう顔を見せてくれなかった

     下へも降りて来なかった

     事務所からも出て来なかった


     弱虫ね・・・あなた・・・


       
     夕方になってやっとあなたが事務所前に現れた

     私は急いで表へ出たわ

     その時、また女の人が現れた

     昨日と違う人

     あなたはその人をアンジェ、と呼んでいた

     二人が何か話しているところへ私は近づいていった

     あなたが私に気がついて、また困った顔をした

     そしてその人の肩を抱いて事務所に消えていった・・・

         まだ駄目なの?・・・ドンヒョクssi・・・





     事務所に帰るとアンジェがビルの前に立っていた
     僕がNYに戻ったことを聞きつけて会いに来たらしい

     「フランク・・・会いに来ちゃいけなかった?」

     「会う必要があるのか?」

     そう言いながらも僕には以前の厳しさは無かった

     そこへジニョンが現れた


         ジニョン!帰ったはずじゃ・・・


     とっさにアンジェの肩を抱いて事務所に入った

     「フランク・・どうしたの?あの人は誰?」

     ジニョンを諦めさせるためとはいえ、
     アンジェを部屋に入れてしまい、正直僕は困ってしまった

     「・・・ごめん・・・
      帰ってもらってもいいか・・・」

     「フランク・・・あの人が・・・あなたの?」

     「君には・・関係無いことだ」

     「でもあの人あなたを待って・・・」

     「君には関係無い!・・そう言っただろ・・・」

     「フランク・・・・」

     「ごめん・・・怒鳴って悪かった」

     「・・・・・・」

     「アンジェ・・・今までのこと・・・本当に悪かった
      もっと早くに君にこうして謝るべきだった 

      さっき下にいた彼女のこと・・・
      ・・・彼女は僕の婚約者なんだ・・・
      いや・・・だった人・・・というべきだな・・・

      しかし僕は彼女を愛している・・・
      今でも・・・これからも・・・
      それはずっと変わらない・・・」

     「なら・・どうして別れるの?」

     「・・・・・・」

     「・・・・・・」

     「どうしてなんだろう・・・」 

そう言ったフランクが目の前から消えてしまいそうなほどに
儚げだったことが、アンジェの言葉をそれ以上繋げさせてくれなかった      





     私が彼女に二度目に会ったのは・・・
     ドンヒョクssiの行きそうな場所をレオssiに内緒で聞いて
     訪ね歩いている時だった


     《このクラブのカウンターで良く飲んでいるよ
      一番右端の席だ》

     そう言ってレオssiはその地図を書いたメモをくれた

     そこを訪ねると、教えてもらったその一番右端の席で
     ひとりグラスを傾ける女性がいた

        あの人・・・・・さっきドンヒョクssiといた人


     「あの・・・・」

     私は勇気を振り絞って彼女に声を掛けてみた
     すると彼女は私を見てひどく驚いたようだった

     「失礼ですが今日ドンヒョクさんと・・・
      いえ・・あの・・フランクさんとお待ち合わせですか?」

     私は自分でも驚くほど唐突な質問だと思いながらもそう聞いていた
     その時はドンヒョクssiに関る人とわかるだけで、
     何かを尋ねずにはいられなかった

     「あなた・・・フランクを追いかけて来た人ね
      彼が迷惑に思ってることわからないの?
      彼はしつこくされるのが一番嫌いよ」

     彼女の英語は早口で、私には良く理解できなかった
     私は返事の代わりにニコッと笑って彼女を見たわ・・・

     あの・・・もっとゆっくり
     「Please,Will you speak more slowly?」

     すると彼女は呆れたように溜息をつき丁寧に言葉を続けた

     「あなたは彼をどうしたいの?」 彼女は私にそう聞いた
     「どうしたいって・・・」 

     「彼は迷惑がってる」

     「・・・・・・」

     「わからないわけじゃないでしょ?」

     「わかりません」

     「何ですって?」

     「わからないんです」

     「・・・・・・」

     「でもわかっているのは
      彼をどうしても連れ戻さなければ・・
      ただそのことだけ・・・」

     「連れ戻せると思ってるの?」

     「ええ!」 と私は力強く言った


     すると彼女は フッ と笑ってグラスを置いた
     そして彼女は流暢に何かを話して席を立った

     私にはその言葉が良く聞き取れなかったけれど
     最後の方で Good luck と聞こえたような気がした

     アンジェ・・・そういう名前だったかしら
     さっきドンヒョクssiがそう呼んでいたような・・・

     ドンヒョクssiとは恋人同士だったんだろうか

     さっきふたりに会った時
     そんなそぶりを彼は私に見せた


     でも彼女のこのカウンターでの寂しい横顔は
     決して彼女が幸せでないことを物語っていたわ

     あなたもまた・・・
     来ない彼を待って ここにいたのね・・・

     私は何となく彼女が待っていたこの席で
     あの人を待つのは悪いような気がした

ジニョンは席にも付くことも無く、そのクラブを後にした


     


     突然レオがジニョンにあのクラブを教えたと言った

     「いいのか?・・・あんなところにひとりで行かせて
      待ってるかも知れないぞ」


     「お前が余計なこと教えるからだろ」


     「仕方なかったんだよ・・・教えなければ
      彼女、宛ても無くあちこち歩きそうな勢いだった・・・
      その方が危ないだろうが」

レオは感謝しろ、と言わんばかりにドンヒョクを睨んだ


      いったい・・・
      何をしているんだ・・・ジニョン

      あれほど言ってもわからないのか

ドンヒョクは慌てて事務所を飛び出すと、そのクラブへと向かった

しかし、ジニョンはそこにはいなかった

   バーテンに、ここにアジア系の女性が来なかったかと
   ジニョンの風体を伝えた

   「ええ、その方でしたら
    先ほどまでアンジェさんとお話して、直ぐに帰られました」

      アンジェと?

      アンジェと何を?

   「直ぐにホテルに戻ると言っていたか?」

   「申し訳ございません・・そこまでは・・・」


   今度は僕は彼女の宿泊先へと急いだ

      ホテルに帰っていればそれでいい・・・

   それだけを確かめに・・・僕は自分にそう言い聞かせた




   ホテルのフロントで確認しようとした時
   ジニョンがエントランスから入って来るのが見えた

   僕は思わずフロントを離れ太い円柱に背中を押し付け
   彼女の視線から逃れた

ジニョンはフロントで鍵を受け取るとエレベーターへ向かった


      今まで何をしていたんだ

      こんな街をひとりで歩いて

      危ないだろ?

      早くソウルに帰りなさい・・・


ジニョンの後姿には力が無く、項垂れたその様子は
ドンヒョクの胸を大きく揺らした

しかし彼は自分の心に鞭打つようにそこに立ち止まり
エレベーターの中に消えるジニョンに声も掛けず
ただ彼女の背中を見つめていた


      ジニョン・・・



        ・・・少し・・・やせた?・・・




























     
    

       




前の書き込み ドンヒョクとジニョンの物語 1...
次の書き込み ドンヒョクとジニョンの物語 1...
 
eyonyon
左上のドンヒョク・・苦悩するドンヒョクそのものねぇ~ 直ぐには追いかけず、でも気になって物陰から見届ける・・・少し・・・やせた?・って くぅ~~ 愛しいですドンヒョク^^  2008/09/15 02:01
kurumi☆
していたのだと思います。だから今でも自分の過去作ながら、この頃のドンヒョクとジニョンが愛しいです^^ 2008/09/13 17:09
kurumi☆
前にも言ったように、悲しい部分を削除したりと、結構気を遣いながらUPしていた頃です^^;でも、私は決して彼らを苦しめることを面白がっていたわけではなく、彼らと共に泣きながら、彼らの愛を確認する作業を 2008/09/13 17:08
kurumi☆
7話の事件から13話まで、計7話が結構辛いシーンが多いので全20話中7話は確かに多い割合でしたね(笑)リアルタイムでは読み手の心痛を慮って、この辺までは感覚を空けずにUPしたり、 2008/09/13 17:03
tomtommama
↓なんかみんながドンヒョクを叱咤激励している?お姉様方(_ _)彡☆バンバン!  このシーンもいたたまれないよねぇ。。。 2008/09/09 23:06
jijimama
もう何してるんだ、そんな悲しい顔してないで早くジニョンを追いかければいいものを・・・こうして目で見るとほんとに彼の辛さがしみてくるなぁ・・・・ 2008/09/09 21:37
mf1117
心配してすぐ駆けつけるほど愛しているのに…柱に隠れて・・・何してるのドンヒョク・・・早くカジャ!! 2008/09/09 20:18
utahime27
ドンヒョク~!かな~り歳の離れたお姉さまが二人・・・怒っているよ~だんだん過激になりそうだよ~^^; 早く素直になれ~!!・・・tomちゃん背景はクラブ?それともホテルのロビー?クラシックでいいね^^ 2008/09/09 09:51
tomtommama
帰っていればそれでいい・・・それだけを確かめに< 本当かドンヒョク?ほんとうは逢いたいんでしょ (^-')-☆それなのに柱に隠れて 見送りながらジニョンを心配している。。一緒にエレベーターに乗れ!^^ 2008/09/08 22:19
4ジュナ
愛してるのに別れなきゃいけないなんて、どう考えてもおかしいのに…アンジェに尋ねられた時答えられなかったくせに…ジニョンがクラブで自分を待っていると知って、心配してすぐ駆けつけるほど愛しているのに… 2008/09/08 15:21
Lusieta
この左上のドンヒョク、ぴったりだな・・・。ほんとに悲しそうでつらそう。あぁ・・・つくづくほんとにもう、このジニョンの愛と根性のおかげであなたの人生は救われるんだ。早くわかれよ、ドンヒョク。 2008/09/08 07:48
 
 

IMX