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IZMCLUB別館
IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1366254/1598936
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 17 HIT数 5687
日付 2008/09/10 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 17.母の写真
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

    
   君はいつの間にか心地良さそうにまどろんでいた

   僕はなかなか寝付くことができなくて、いつまでも
   君の寝顔を眺めては、今日起きたすべてのことが
   夢でないことを確かめていた

   幼い頃はよく、今起こっているすべてが
   夢だと信じようとしていた

   眠って朝を迎えたら、きっとこんな夢から目覚めて
   母さんの優しい笑顔に会えると思っていた・・・

   だから僕は・・・夜になるのが嬉しかった
   明日こそは夢から覚めるんだ・・・

   そう思って心を弾ませて眠りに付いた

   でも目覚めても目覚めても
   何も変わらなくて・・・

   いつしか母さんの顔さえ忘れてしまった

   君と出逢って・・・
   こうして君を胸に抱いた今僕は

   あの頃とは逆に
   今この時が夢でないことを祈っている


   「可笑しいと笑わないでおくれ」

ドンヒョクはジニョンの髪を優しく撫でながら
自分の独り言に笑っていた

       
   「ゆっくりおやすみ・・・」


   ・・・僕のジニョン・・・

ドンヒョクはジニョンの額に唇をそっと落として
彼女を起こさないようにベッドを降りた




To ジェニー

From ドンヒョク

     ジェニー  心配かけたね

     安心しておくれ・・・僕達は結婚したよ

     ふたりだけで結婚式を挙げたんだ

     君に見せてあげられなくてごめんよ

     でも 許してくれるよね

     僕もジニョンも・・・

     これ以上が無いほどに幸せなのだから・・・



To オッパ

From ジェニー

     オッパ、オンニ おめでとう

     良かった・・・本当に良かった

     オッパ・・・とっても心配してたんだよ

     オッパがいなくなって オンニがどれだけ泣いてたか

     私本気でオッパのこと嫌いになりそうだったよ

     お父さんもきっと喜んでくれるよ

     それから、オッパ

     お父さんからオッパに渡してくれって

     頼まれたものをPCに取り込みました

     添付して送るね

     これをふたりへの私達からの結婚祝とします

     受け取ってください^^

     きっと喜んでくれると信じています


ドンヒョクはジェニーからのメールに添付されたファイルを開いた
それはセピア色して所々切れ掛かった古い一枚の写真だった

ジェニーの添え書きにはこう書かれていた


     《私が生まれて間もない頃に撮った
      シン家の唯一の家族写真だそうです
      父さんが肌身離さず持っていたので
      本物は本当にボロボロなのよ
      実はこれは、以前ジニョンオンニが父さんに
      家族で撮った写真はないかと聞いていたみたいなの・・・
      それでお父さんがこれ一枚しかないけどって、
      この前私に持って来たの》



  
        「ドンヒョクssi・・・?」

ジニョンが寝室から出てきて声を掛けた

        「ごめん・・・起してしまったかい?」
 
        「何してるの?」

        「うん・・・ジェニーからのメール・・・・」

        「ジェニーの?」

ジニョンはドンヒョクの肩越しにパソコンを覗いた

        「ワー 素敵・・・
         あなたの笑顔ってお母さん譲りだったのね」

    そこには父に抱かれた生まれたばかりのジェニーと

    母に寄り添った僕が写っていた

    ジェニーはひどい泣き顔だったけれど 

    父と母・・・そして僕は満面の笑顔だった



    これは・・・・きっと母さんが亡くなる少し前だ・・・



        「覚えてる?・・ドンヒョクssi・・・
         この写真撮った時のこと・・・」

        「いや・・・覚えていない・・・」

        「お母さん・・・幸せだったのね
         あなたも・・・」

        「幸せ?」

        「そうよ・・・
         幸せでなければ、こんな笑顔できないわ」

        「本当に?」

        「本当よ・・・・お父さんも、お母さんも
         凄く愛し合ってらしたのね
         私達のように・・・・」

    ジニョンが後ろから僕の首に腕を回してそう言った



    確かに・・・・こんな母の笑顔

    遠い記憶に残っているような気がする

    今まで、悲しげな母の顔しか思い出せなかった

    でも・・・

    こんな日も確かにあったんだ・・・


    母さん・・・

    あなたは本当に幸せだった?

    今ではもう確かめることはできないけれど

    この写真のあなたの笑顔・・・

    僕は信じてもいい?



    そして・・・父さんがこの写真を

    肌身離さず持っていたこと

    あなたを愛していた証なのだと・・・

    信じてもいい?・・・



    ジニョンが言った


        私があなたのお母さんなら

        私の子供が私の愛する人を

        いつまでも憎んでいたら

        どんなにか、悲しいでしょう・・・


    ああ・・・そうだね・・・



       「ジニョン・・・・ここへおいで」

    後ろにいた君を僕は自分の膝の上に座らせ
    君の肩越しにパソコンに向かって話し掛けた


       「母さん・・・

        この人が僕の妻です・・・ジニョンです

        あなたに似てるでしょ・・・」


       「えっ?私こんなに綺麗じゃないわ」


       「綺麗だよ・・・母さんよりうんと綺麗だ」

    僕はそう言って君の頬に軽くキスをした

    君は嬉しそうに微笑んで
    少し照れながら、改まってパソコンに向かった

       「お義母さん・・・ジニョンです

        あなたの息子さんと結婚しました

        不束者ですが

        認めていただけますか?

        私はあなたの息子さんをとても愛しています

        あなたが沢山愛した息子さんを

        あなたの代わりに

        私に愛させて下さいね」


    君はそう言ってパソコンの中の
    母の顔を優しく撫でてくれた

    それがとても嬉しくて
    何故だかとても胸が震えて

    僕は君に回した腕に思わず力をこめて
    君の背中に顔をうずめた・・・




    ドンヒョクssi・・・・震えているのがわかるわ・・・・

        「無理をしないで・・・・ドンヒョクssi

         泣いていいのよ・・・

         私はずっとこうしているから・・・・」


    私がそう言うと
    あなたは堪えていたものを体の中から吐き出すように
    まるで子供のように声をあげて泣いた・・・

    私は・・・そんなあなたに何もしてあげられなくて
    慰める言葉すら掛けられなくて・・・
    ただ涙が込み上げて止まらなかった

    私は・・・私に回されたあなたの腕をそっと
    包み込むように抱き締めていた

    あなたの涙が・・・・私の背中から

    心に染みるわ・・・・・・ドンヒョクssi・・・

    わかったでしょ?
    
    感じたでしょ?

    あなたは・・・

    あなたは愛されて生まれてきたの・・・

    愛されて・・・育ったの・・・


      ・・・わかったでしょ?・・・



       


親愛なるジェニーへ

    父さんと君からの結婚祝い、ありがとう

    この上ないプレゼントだった

    僕は今、本当に幸せだ

    それからジェニー・・・

    父さんに伝えて欲しい

    母さんを愛していてくれてありがとう・・・と



オッパ・・・

    伝える・・・きっと伝えるよ

    オッパ、今度こそ家族四人で食事しましょう

    早く帰って来てね


ジェニー・・・

    ああ、そうする

    必ずそうするよ・・・


    

    ジェニーに返信する間

    君は僕の膝の上に乗ったまま

    僕をずっと抱いていてくれた

    僕は子供のように泣いてしまった自分が

    少し恥ずかしくて

    照れ隠しのように君を思いっきり抱きしめて

    キスの雨を降らせていた

    君はくすぐったそうに

    何度も何度も僕から逃れようとしたけれど

    僕は絶対に離さなかった




    ありがとう・・・・ジニョン

    君に出逢うまでの僕にも


    愛が存在していたこと・・・



         ・・・信じられるよ・・・




    ・・・・あと・・ひとつ・・・

    君が小さく呟いた


    ・・・なに?・・・




       いいえ・・・なんでもない・・・




















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eyonyon
本編での・・ジェニーと父との再会のシーンが読んでいて蘇ってきました、その場に居られず立ち去るドンヒョクが。。ジニョンのドンヒョクへの言葉かけ・・凄いね、流石だね・・・ジニョンって。。 2008/09/15 02:33
eyonyon
背景の微かに見える真珠のネックレス・・結婚した事を表しているのかな^^サテンのリボン・・神聖な感じがして素敵だね^^ 2008/09/15 02:22
kurumi☆
言葉もわからない異国に連れて行かれて、はい、今日からあなたはフランクよ、と言われたわけでしょ?まだ何もわからない赤ちゃんならともかく、10歳の子供。きっと生んでくれた母への思慕も深く残っているはずと。 2008/09/13 18:11
kurumi☆
まず自分の子供がそんな状況下に置かれたらどんな思いだろうと考えてしまった。だから、思い入れが凄く大きくて、私の創作にはどうしてもその部分が強調されてしまったかも。 2008/09/13 18:10
kurumi☆
この回のシーンはジニョンの背中で号泣するドンヒョクを描きたくて書きました^^前も何処かで言ってるのですが、ドンヒョクの生い立ちを考えた時、 2008/09/13 18:10
jijimama
ジニョンの背で声をあげて無くドンヒョク・・・今まで認めようとしなかった悲しみも苦しみも全てジニョンが受け止めてくれるから・・心を開放してあげて・・幸せを手にしてこそ出来たんだね。長い時間がかかったけど 2008/09/11 22:07

やっと来た久しぶりのお休みに朝から・・号泣です・・。切なく・・涙まじりの幸せに胸が痛い・・子をおいて逝った母の思いに・・またまた涙・・・ 2008/09/11 10:42
ナタデココ
信じていたドンヒョクがやっと返ってきた・・・・無責任とも思えるドンヒョクが・・・・辛かった・・・・・・・・・ 2008/09/11 10:18
Lusieta
背景の、淡くて清らかな白さに、心がしんとしてきます。きれい( ̄ー ̄) 2008/09/11 00:50
Lusieta
今日ははじめから泣いていました。ドンヒョクが新たに生まれ変わった日、そんな一日の最後に、こんな素敵な出来事。こんなふうに声をあげて泣くことが出来てよかった。ジニョンはすごいね、ほんとに。 2008/09/11 00:49
4ジュナ
こんなにもナイーブで傷つきやすく孤独な心を持ったドンヒョクを、きっといつまでもジニョンは抱きしめて温かく守ってくれるでしょうね・・・うっ・・・やっぱり涙が止まらない・・・(T_T) 2008/09/11 00:07
4ジュナ
kurumiさん、今夜は早いUPをありがとう♥ 二人の今の幸せと、ドンヒョクが幼い頃の幸せだった記憶・・・そして、いつまでもずっと幸せでいられるように心から祈ってます・・・ 2008/09/11 00:04
 
 

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