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IZMCLUB別館
IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1366311/1598993
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 6 HIT数 8530
日付 2008/09/02 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 6.予感
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  
  たった今まで僕に微笑みかけてくれていた君が

  急に悲しそうに俯いたかと思うと

  僕の手からすり抜けていった

  その夜 そんな夢を見て突然目が覚めた

  しかし僕はその瞬間

  ホッと胸を撫で下ろしたんだ

  現実には・・・僕の隣で君が

  安心したように寝息を立てていてくれたから・・・




  昨日父が東海に帰ってしまってから

  君はずっと僕と一緒にいてくれた

  僕のことを心配してくれていたんだね

  

  ねえ ジニョン・・・

  僕が隣で眠る君の手を こうして時折

  握っていること 知らないよね


  この腕の中の君が・・・

  この掛け替えの無い幸せが・・・

  消えて無くならないようにと祈りながら

  君の掌にキスしているんだよ・・・





      「ジェニー怒ってた?」

そう言ったドンヒョクの声はあまりに寂しげだった

ジニョンは彼の胸に頬を寄せて
その心臓の音を聞きながら、慰めるように答えた

      「いいえ・・・きっと怒ってないわ
       ただ、今のあなたと同じように
       ちょっと寂しいだけ・・・」

      「・・・・・・」

      「ジェニーが言ってたの・・お父さんを呼んだ時
       お父さん、あなたに呼んでもらったと思って
       とても喜んだそうよ・・
      “行ってもいいのかい?”って・・・」

      「・・・・・・」

      「ドンヒョクssi・・・」

      「いいよ・・・何も言わなくてもわかってる
       悪いのは僕だ・・・」

      「悪いわけじゃないわ・・・
       あなたが悪いわけじゃない・・・
       でもね・・・
       許してあげられない?」

      「君にはわからないよ」

      「・・・・・そうね、私にはわからない
       でも私はあなたを愛してる
       愛してる人が苦しんでいることくらいわかるわ

       ね・・お願い・・・苦しまないで、ドンヒョクssi
       お父さんを許してあげることで
       あなたはその苦しみから開放される・・・
       そんな気がするの」

      「・・・・・・」

      「ドンヒョクssi・・・お願いがあるわ
       結婚式の前に東海へ行きましょう、ふたりで・・
       お母さんのお墓にお参りをして・・・
       そして、お父さんを迎えに行きましょう
       私がそばにいるんだから・・・大丈夫でしょ?」

   君はそう言って僕の頭を優しく抱いてくれた

   僕は黙って君にもたれ掛かって、目を閉じた



   君にこうして抱かれて

   僕の頑なな心は次第に溶かされていく

   君の温かい心が僕の冷たい心を暖めていくように・・・

   これが本当の幸せなのだと実感できた



   ジェニーも次ぎの日

   朝食を持ってアパートに寄ってくれた

   何事も無かったように オッパこれ食べて・・・

   そう言って・・・

   引越しは結婚式までにはするわね、と

   振り向かないまま 手を振って帰って行った


      ジェニー・・・君は本当に大人だ


   
   それから数日間、僕達は毎日忙しい日々を送っていた

   僕も君も結婚式とハネムーンの休暇のために

   こなさなければならないことが沢山あったから


   それでも、僕達は少しの時間を惜しんで

   毎日必ず逢っていた

   時間が限られていた分、一分の時間すら惜しむように

   デートの場所は殆ど僕のアパートだったけれど

   その方がふたりとも落ち着くことができた


   僕が君に料理を教える・・・
   君が本当にラーメンしか作れないことに笑いながら


   君の好きな映画のビデオを観て・・・
   君の零れそうなほどの笑顔に包まれながら

   時に僕の趣味の映画に間違いなく居眠りする君を
   片腕に抱いて鑑賞するのも乙なものだと知った


   部屋のレイアウトは少しずつ君の好みに変わっていった
   それは僕の好みとはかけ離れていたけれど

   僕はそれでも良かった

   君さえいれば・・・

   君が僕の部屋だから・・・



   毎日、君の無邪気な笑顔の前に

   僕も自然と笑顔になる

   他愛も無い不安や悩みなど

   あっさりと何処かに追いやってくれる

   そんな力が君の笑顔にはある・・・



   僕は本当に幸せだった・・・

   君が僕の傍らにいて

   君の瞳の中に

   僕の姿を確認してはホッとした


   チャンスを見つけては   

   君にキスをして 君をいつも感じていた


   君もまた 僕の差し出す手を

   いつも握ってくれていた

   本当はひとときも離れていたくない

   僕の気持ちを汲んで

   たまに朝までいてくれた・・・


   僕は幸せだった・・・

   この幸せが続くようにと心から祈っていた


   どんなことが起きても

   乗りきれると本気で思っていた

   君とふたりなら・・・



   あの事件が起こるまでは・・・


   結婚式を三日後に控えたあの日

   あの事件が起こるまでは


   この幸せがずっと続くものと

   信じていた・・・


   いや・・・


       ・・・信じたかったんだ・・・

























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kurumi☆
私も本当は悲しい作品は苦手ですから、結末が悲しいものにはなかなか二度目は進めません^^;私は自分の作品の結末を知っていますので、皆さんのその反応が理解できなかったのかもしれない^^; 2008/09/07 20:44
kurumi☆
本当にすっ飛ばしていた方が(笑)多かったこと・・・それはリアルタイムでもそうでした^^;すっ飛ばしたら、ただでさえ薄い未熟な作品が、本当に薄っぺらになってしまうのにな~と(笑)でも、気持ちは良くわかる 2008/09/07 20:42
4ジュナ
うっ・・・この回を読んでいたら、最後の数行で涙が目頭まで来てしまった・・・泣くのはまだ早い、と自分をたしなめながら読んでるんだけれど・・・実は私も過去旅の時はこの辺をすっ飛ばしてる・・・^^; 2008/09/03 14:54
kurumi☆
シータちゃん、utaさん、これからをどうかすっ飛ばさないでおくれ~~~~^^; 2008/09/03 00:06
tomtommama
私も好きなシーンがあるんだ~^^ そこで落っこちるためにジーッとひそかに潜航して読むのかもしれない。ドキドキを抱えながら^^ 2008/09/02 08:37
utahime27
↓シータさんと同じです・・・朝のわずかな時間の隙間に読んで何だか汗がじわっ・・・・と。でも私の大好きなあのシーンまで頑張って読もう・・・ドンヒョクの心を感じながら・・・ 2008/09/02 07:59
Lusieta
ジニョンの笑顔を支えに生きていたんですね。自分の幸せに、まだ慣れていなくて、こんなにおずおずしてる(涙)  2008/09/02 07:48
Lusieta
何度過去旅に出ても、このあたりからのつらい部分はすっとばしていたんです。ごめんちゃい(-_-;) あらためて読ませてもらうと、ドンヒョクの切ない思いがひしひしと・・・。こんなにもジニョンをもとめ、 2008/09/02 07:45
 
 

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