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IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1365764/1598446
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 8 HIT数 8106
日付 2008/09/03 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 8.裏切り
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  

 

テジュンssi・・・


    僕は狂っているんだろうか・・・


テジュンはドンヒョクのあまりに悲しげで儚げな瞳の奥に、
悲しく揺れている恐怖を見つけて言葉が詰まった


    ≪ドンヒョク・・・違う

     お前は狂っているんじゃない・・・

     そうだ・・・ただ・・・

     ジニョンを愛し過ぎただけだ

     余りに深く求め過ぎているだけだ≫


    そう言ってやりたかった

    でも何も言えなかった

    今お前に俺は・・・
    どんな言葉を掛けてやればいいんだ・・・


“ドンヒョクを見ているとどんなことをしても守ってあげたくなる”
テジュンは、そう言っていたジニョンの言葉を思い出した


    確かに・・・そうだな・・・ジニョン


テジュンは沈黙のまま、ドンヒョクが落ち着くのを静かに待った


 


一時間後に、テジュンに付き添われ、ドンヒョクが警察署に着くと
ジニョンは既に取調べを終え、ドンヒョクの到着を待っていた

薄暗い廊下の向こうから歩いてくるドンヒョクを見つけた時
ジニョンは思わず掛け寄り、彼をしっかりと抱きしめた

「ドンヒョクssi・・・・・」

ドンヒョクは腕の中に飛び込んで来たジニョンの背中を優しくさすった

彼の手は、先刻前と違い、いつもの優しさを取り戻していた

「ドンヒョクssi・・・手、痛くない?・・・大丈夫?」

「君こそ・・・怪我の手当てはちゃんとしてもらったかい?」

「私はかすり傷よ・・・大丈夫」

二人は互いの怪我の状態を確認し合うと、愛しげに抱き合っていた



 

ドンヒョクの取調べの間、ジニョンはテジュンと廊下の長椅子に腰を掛け、
彼を待っていた

「ジニョン・・・」

「何?・・・・・」

「大丈夫か?」

「ん・・・」

「・・・お前・・・あいつより先に
 死ぬわけに・・・いかないな」

テジュンが突然前置きも無くそう言った

「・・・・・・・わかってるわ」

それでもジニョンにはテジュンの言っている意味が理解できた

 

一時間ほどして取調べが終わり、ドンヒョクが部屋から出て来た

過剰防衛の疑いは否定できないものの、相手が凶悪犯人だったことも
考慮され、今回のドンヒョクの行為は特に検挙しない構えだと
担当した刑事が言った

そしてそのままドンヒョクは帰されることになり、テジュンもジニョンも
胸を撫で下ろした

しかし、ドンヒョクの表情は一向に晴れなかった

そんなドンヒョクの様子にジニョンは胸騒ぎを覚えた


「ドンヒョクssi・・・・
 今日は私もあなたのところへ・・・・
 テジュンssi・・・私達はここで失礼するわ」

「ああ、わかった・・・ジニョン・・・明日は休め」

「ありがとう」

ドンヒョクとテジュンは目で挨拶を交しただけで 言葉も無く別れた

乗ったタクシーの中で、ドンヒョクは一向に口を開こうとせず

ジニョンからも視線を逸らし、窓の外に向けたままだった

ジニョンはそんなドンヒョクの手をずっと握っていた

言い知れぬ不安の中で彼女は、この手を決して離してはいけないような
気持ちに囚われていた


    ドンヒョクssi・・・・何を考えているの?

    どうして、私を見てくれないの?


アパートに着いてもドンヒョクの様子は変わらなかった

彼はジニョンを避けるようにテラスに出て外の景色を
ひとりで眺めていた


「ドンヒョクssi・・・温かいミルクを入れたわ」

「・・・・・・・ジニョン」
沈黙を続けていたドンヒョクがやっと口を開いた

「何?」

「さっきは・・・・怒鳴って悪かった・・・
 怖い思いをしていたのに 
 慰める方が先だったのに・・・」

ドンヒョクは外の景色に視線を向けたままそう言った

ジニョンは彼を後ろからそっと抱き締めて言った

「あなたが怒るのは当然よ・・・
 今日のことは私がいけなかったの・・・
 本当にごめんなさい・・・・」

「ジニョン・・・・僕のこと怖くないの?」

「えっ?」

「みんな怖がってたでしょ・・・僕のこと・・・」

ジニョンはドンヒョクから少しだけ身体を離した

「ドンヒョクssi・・・・お願い・・・・
 こっちを向いて・・・」

ドンヒョクはジニョンの方にゆっくり振り返った

しかし、彼は彼女と眼を合わせようとしなかった

彼女は彼の頬を両手で挟み、強制的に自分に向かせた

「私を見て・・・ドンヒョクssi・・・
 私・・・怖がっているように見える?
 どうして、あなたを怖がるの?・・・」

「・・・・・・」

「ドンヒョクssi・・・・お願い・・・
 私を抱き締めて・・・」

ドンヒョクはジニョンに言われるまま、包み込むように彼女を
そっと抱き締めた


     ドンヒョクssi・・・・

まるで壊れ物を抱くかのような彼の腕に彼女は何かを感じていた

「もっと・・・強く・・・
 もっと強くよ・・ドンヒョクssi・・」


     あなたの心が今・・・・わからない

     そんなに悲しい目をしないで

     いつものように 私に笑いかけて

     あなたが他の人に笑いかけても 

     もうやきもち焼いたりしないから

     お願い・・・そんな目をしないで・・・

 

  ジニョン・・・・君は本当に僕が怖くないの?

  僕は・・・自分が怖いよ


  取り返しのつかないことをするところだった

  僕達の大事なホテルに迷惑を掛けた


  君に何かが遭ったとき

  君を失うような何かが遭ったとき

  僕はあんなにも自分を失ってしまうんだ

  今日それを思い知らされた


  僕の君への強い想いが

  いつか君をも苦しめ 傷つけそうで・・・

  僕は自分が怖いよ


  幼い頃 養子先で僕の狂気に養母は僕を恐れた

    怖がらないで

    あなたが怖がったら

    僕の居場所は無くなってしまう・・・


  幼い僕はそれを恐れていた


  でも・・・今君をこの手に抱いて・・・

  僕が恐れることは


  君が傷つく・・・・
   
  そのことだけだ・・・

 

     その夜、あなたは何かにとりつかれた様に
     私を求めた

     でも・・・
     あなたは一度も私の顔を見なかった・・・

     いつもの優しさの無いあなたの愛・・・

     私は戸惑いながらも・・・

     あなたの思いのままに身を任せたわ

     あなたは私を見なかった・・・

     私の涙にも・・・
     気がつかなかったわね・・・きっと

     それでもよかったの・・・・

     そうすることで
     あなたの傷ついた心が救われるのなら・・・

     そう思ったから・・・


    
     朝、目を覚ますと、私の隣にあなたはいなかった

     いつものジョギングかと思っていた


     朝食を準備して あなたを待ったけれど

     あなたは帰って来なかった


     言いようの無い不安が私を襲ったの


ジニョンは慌ててドンヒョクの事務所に電話を入れた

対応に出た秘書からの答えは信じられないものだった

     「ジニョンssiでらっしゃいますか?
      今朝早くにボスが急に渡米なさるとおっしゃって
      急いで準備を・・
      結婚式を明後日に控えてらっしゃるのに・・
      お尋ねしたんですが、何もおっしゃらなかったんです
      それで・・10:00の便で・・もう既に・・」

秘書もドンヒョクの突然の行動に驚いていたらしく、少し興奮気味だった


    うそ・・・・どうして?


ジニョンは持っていた受話器を落として呆然と立ち尽くした


    私が昨日からあなたに感じていた異様な
    胸騒ぎは・・・このこと?

    私に何も言わないで?ドンヒョクssi・・・
    嘘でしょ?・・・嘘よね・・・


     「もしもし・・・ジニョンssi?・・・」


ジニョンはいつしかその場に座り込んでいた



    そうよ・・・嘘だわ・・・

    これはきっと・・・あなたの悪ふざけに決まっている

    私達を引き離せるものなんて何も無かったはず

    私達は半身同士だもの


    二人でひとつにしかならないんだもの

    そうあなたが言ったのよ


       ≪怒った?≫


    そう言って きっとあなたは戻って来る・・・

    私はここで待っていればいいのよね、ドンヒョクssi

    あなたが私にこんなことをするわけない


しかし時間は無情なまでに過ぎていった


    私はただひたすらあなたを待ったわ

    でもあなたは戻って来なかった


    どうして?

    こんなことして・・・


    私をひとりぽっちにして

    何がおもしろいの?


    あなたの小さな意地悪には慣れたけど



    ・・・これは・・・いきすぎよ・・・



                 

        ・・・ドンヒョクssi・・・








 


 


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kurumi☆
と嬉しいです^^(もちお分かりと思いますが(省略)は外すという意味です、繋げるとレスでも禁止語句です^^) 2008/09/07 20:59
kurumi☆
禁止語句となり、投稿できません^^;そこで苦肉の策で、そういう文章にしたわけです・・・でもテジュンの人となり、口調を考えると、絶対に後者が適していると思っているので、皆さんは是非、そう読んでいただける 2008/09/07 20:57
kurumi☆
テジュンがジニョンに「あいつより先に・・・死ぬわけには・・・いかないな」というシーン、本当は「あいつより先に・・・死(省略)ねないな」と書きたいのですが、新しいブロコリでは「死(省略)ね」という言葉が 2008/09/07 20:56
mf1117
あぁ~この展開は何度読んでもドンヒョクの・・パボャ・・・パボ・・・・・・うゎゎ・・・ 2008/09/05 21:30
ナタデココ
ツボには嵌まったような、レス一応入れておこうっと!! ドンヒョクのが逃げるが如く、自己中な無責任な行動取るはずはないと」信じたい。例え過去の自分と向き合う為だとしても、 2008/09/04 11:38
ナタデココ
(@@)何という展開に~結婚式2日前の早急すぎる渡米、身勝手を思われても仕方がないドンヒョクの行動、何故???こういう行動はジニョンをより苦しめるのでは・・・聡明なドンヒョクにしては短絡的~ 2008/09/04 11:27
4ジュナ
あ~あ…朝から読んじゃった…とうとうこの日が来ちゃった・・・何度も何度も読んでいるのに号泣する私。このBGMも煽ってるなぁ…(T_T)私はUPまで待とう!待てるかな…待つつもり…^^; 2008/09/04 10:44
utahime27
・・・・と、こちらは時間無いのに過去旅に確かめに行きそうよ~・・・・ 2008/09/04 10:09
utahime27
↓同じく・・・あの後ろ向きの悲しげな飛行機に・・・ドンヒョクはタラップを昇るとき(今は昇らないね、ほとんど・・・^^;)ジニョンのあの微笑、ぬくもりを思い出さなかったのか・・・いや!そんな筈は無い! 2008/09/04 10:07
Lusieta
今日の午前中、時間あるの。過去旅に行かないよう自分をとめるは難しいかもしれません。長男がぶつけた私の愛車を修理に出し、家の掃除して、ハングルのテスト勉強・・・いや、きっとしない。旅に出てしまうかも・・ 2008/09/04 08:00
Lusieta
アヘアヘ・・・・左肩の飛行機の影が目に飛び込んできた時点でもうダメですね。苦しいわ。結婚式の二日前。自分を怖れるドンヒョクの苦しさがひしひし伝わっています。 2008/09/04 07:57
 
 

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