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IZMCLUB別館(https://club.brokore.com/kurumitom2)
IZM CLUB 
サークルオーナー: kurumi☆ | サークルタイプ: 公開 | メンバー数: 261 | 開設:2007.10.18 | ランキング:66(6784)| 訪問者:1366265/1598947
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D&Jの物語Ⅰ
ドンヒョクとジニョンの物語Ⅰの改訂版 2005.5.17~2005.6.15連載
No 9 HIT数 7838
日付 2008/09/05 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル ドンヒョクとジニョンの物語 9.苦悩
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






   

  

 



どれくらい時間が経っただろうか・・・
ジニョンはただ呆然とその場に佇み、リビングから見える景色が
次第に暗く移り行く時間にただ身を置いていた

夕刻になってジニョンは力なく体を動かし、外へ出た
そして気が付くと自分のアパートの前に立っていた

どうやってここに戻ったのか自分でもわからず、ジニョンは泣きそうに笑った

部屋にはジェニーがいた

ただならぬジニョンの様子にジェニーは言葉を掛けたが
ジニョンは彼女が何を話しかけているのかも、それに対して自分が
何を答えたのかさえわからなかった

寝室に入ると、二日前に届けられたばかりのウエディングドレスが
壁に恭しく掛けられていた
ジニョンは床にぺたりと座り込んでそのドレスを眺めた

     ドンヒョクssi・・・・

     あなたはこのドレスを見たくないの?

     あなたが選んでくれた中から

     私が最後にどれを選んだのか・・・知りたくないの?


         ≪結婚式の当日、君が選んだものと
          僕が想像しているものがピッタリ合ったら
          僕はどんなに感激するだろう・・・≫

     そう言って笑っていた


     きっとあなたの想像と合っているはずよ

     いっぱい・・・

     いっぱい・・感激してくれるんじゃなかったの?


ジニョンの悲しげな顔が・・・
彼のその時の笑顔を想像しているかのように一瞬小さく輝いた



ジニョンを心配したジェニーが、テジュンを呼んでいた

「ジニョンは?」

「部屋から出て来ないの
 オッパがアメリカに帰ってしまった・・・
 それだけ言って・・・後は何も話してくれない・・・

 オッパにも電話してるんだけど、携帯通じないし
 事務所に掛けても、不在だと言うし・・・
 何が何だか・・・・わからないの・・・
 ねぇ、アジシ・・・私どうしたらいいの?」

「落ち着け・・・ジェニー・・・
 きっと何かの間違いだ・・」

そこへ電話が鳴った。ジニョンの母セヨンからだった

ジニョンが対応できる状態ではないと判断したテジュンが
彼女の代わりにその電話に出た

「テジュンssi?・・・あなたがどうして?
 ジニョンにいったい何が起こってるの?
 さっき、ドンヒョクssiから電話があって、
 突然結婚式を中止するって・・・
 アメリカに出張中の主人の居場所を教えてくれって・・・
 何を聞いても、すみませんと言うだけで・・・
 ジニョンは?・・・どうしてるのかしら・・・」

「ジニョンは・・・大丈夫です・・・
 どうかご心配なさらずに
 私とジェニーが付いてますから・・・」

「そう?ありがとう・・・
 とにかく明日そちらへ行くわね」

その時、部屋からジニョンが出てきた

「ドンヒョクssi?」

電話の主がドンヒョクなのではと、ジニョンの顔に光が差していた

「いや・・・お前の実家からだ
 ドンヒョクがその・・・
 結婚の中止を伝えてきたそうだ」

テジュンのその言葉にジニョンはまたも現実に引き戻された

「・・・・・・・・・何を言ってるの?」

「お母さんもよくわからないそうだ・・・
 彼はお父さんの出張先を尋ねたらしい」

「嘘よ・・・そんなの・・・
 ドンヒョクssiが私を・・・・・
 置いていくはずが・・・・・・・・・」

「オンニ・・・・そうだよ・・・
 オッパがオンニを置いて
 どこかへ行ってしまうはず無い・・・・
 オッパはそんな人じゃない・・・・
 信じて?オンニ・・・」

ジェニーは精一杯ジニョンを慰めようとした

「気休め言わないで!
 あなたがあの人の何を知っていると言うの?
 誰もあの人の心なんてわからない・・・
 この私だって・・・・

 ねぇ・・ジェニー・・私はあの人の何を知っているの?
 教えて!テジュンssi!私は・・あの人の何を知っているの!

 何も・・・知らないじゃない・・・
 あの人が何を考えていたのか・・・
 何を思っていたのか・・・
 何も・・・わかってないじゃない!」

ジニョンは今まで我慢していたものが関を切ったように吹き出し
テジュンとジェニーの前で崩れるように泣き叫んだ

テジュンはジニョンに何も声を掛けることが出来なかった

ジェニーはジニョンと一緒になって泣いた

「オンニ・・・ごめんなさい・・・
 オンニ・・・泣かないで・・・
 オンニ・・・オッパを許して・・・・オンニ・・・」

テジュンに、今この現実を起こしたドンヒョクに対する怒りが沸いてきた

     何をやってるんだ・・・ドンヒョク・・・

     俺はジニョンを泣かせるために
     身を引いたんじゃないぞ!

     お前しか、こいつを幸せに出来ない・・・
     そう確信したから・・・・

     お前もそれを・・・
     俺のそういう気持ちを
     汲んでくれていたんじゃなかったのか・・・





NYでは韓国から突然戻ってきたドンヒョクをレオが心配していた
ドンヒョクは結婚を中止すると言っただけで他には何も言わなかった
それどころか、アメリカでの仕事を急いで入れるよう指示を出した

     どういうことだ・・・

「ボス・・・どうするんだ」

「どうもしない」

「このまま放っておくわけにはいかないだろ
 向こうの事務所はどうする
 今更すぐに閉じるわけにはいかんぞ」

「別の人間をやってくれ・・・
 レオ・・・それから頼みがある」




泣き疲れて眠ったジニョンが目を覚ますと、セヨンがベッドの横にいた

「ジニョン・・・・・」

ジニョンは母に言葉も掛けず、ただ天井を見つめていた

「今夜、お父さんがアメリカから、直接ここへ来るわ・・・
 昨日、ドンヒョクssiと話しをしたそうよ・・・・
 挙式はとにかく中止だと、さっき電話が・・・」

ジニョンはセヨンのその言葉にも反応しなかった



夜になって
出張先から帰った父がジニョンに言った

「ジニョン・・・あの子に少し時間をやりなさい
 あの子はお前を心から愛してる・・・
 それは・・・間違いないんだ・・・」

「ドンヒョクssiと何を話したの?」

「昨日・・・彼が私を訪ねて来た
 ・・・あの子は何も理由を言わなかった
 しかし、不思議なんだ・・・あの子の気持ちが
 手に取るように伝わってくる・・・
 あの子の目が・・・お前を愛していると訴えていた

 でも、今は何を言ってもだめだ・・そう思った
 だから・・“今度また話そう”・・そう言って別れてきた
 待とう・・・ジニョン・・・あの子の心を待とう・・・」

ジニョンは父のその言葉を聞いて、顔を手で覆い声を殺して泣いていた
遂には溢れ出る涙に耐え切れず、嗚咽をもらし泣き崩れた


     ドンヒョクssi・・・

     私を愛しているなら・・・

     私を愛しているなら・・・これは間違った解決よ

     あなたが自分を責めたのはわかってる

     でも、それがどうしたというの?

     私を置いて行ってしまう・・・それが・・・理由になるの?

     私の心は、とっくにあなたでいっぱいなのに・・・

     この涙で溢れさせて・・・

     私をその中に置き去りにするつもり?

     私はきっと溺れてしまうわ・・・・

     助けてくれないの?

     ドンヒョクssi・・・




  昨日、出張でアメリカに来ていたジニョンの父を尋ねた

  僕は頭を下げて結婚の中止を詫びた

  僕はうまく説明できずに、義父の前で泣いた

  義父は僕を問い質そうとしなかった

  そして
  今度もう一度話そう、そう言って去って行った

  どうして怒らないんですか?

  僕はあなたに殴られても・・・

  蔑まれても・・・

  仕方のないことをしてるのに・・・


  あなたの愛する・・・

  あなたの大事な娘を・・・

  泣かせているのに・・・





ジニョンにレオから電話が入ったのはドンヒョクが姿を消して
二日後のことだった

本来であれば二人の結婚式が執り行われる日だった

「ジニョンssi・・・
 今日はシン・ドンヒョクの弁護士として電話を差し上げています。
 彼からあなたとの婚約を解消したいとの依頼があり、
 早急に手続きを進めています。
 ソウルのアパートは既にあなたの名義に書き換えられました。
 それから慰謝料として・・・・」

「何を言ってるの?レオssi・・・
 そこにドンヒョクssiいるんでしょ?
 代わってください」

「あ、いや・・・彼は・・その・・おりません。
 とにかく手続きに必要な書類を本日付で送り・・・」

「必要ないわ!ドンヒョクssiに伝えて!
 逃げないで私と直接話をしなさい、と」

ジニョンはそう言ってガチャリと電話を切った

「ボス・・・聞こえたか・・・・これでいいのか」

「・・・・・・・」

「ジニョンssi、納得しないぞ」

「レオ・・・・一人にしてくれないか・・・
 それから、2~3日仕事休んでもいいか・・・」

「ああ、そうしろ」



ドンヒョクは郊外の別荘に来ていた

     ジニョン・・・・ここは君のために用意した別荘だよ

     君のイメージに合わせて清楚な建物にした

     ハネムーンの後
     君をここに連れて来て驚かせようと思っていたんだ

     わかってるんだ・・・
     僕は君を忘れることなんて一生できないだろう

     きっと、君に一生酔ったまま 僕はこうして溺れていく

     心は死んだままに・・・・


     ジニョン・・・

     僕の・・・君を求める欲望が計り知れなくて

     僕の手に負えないようなんだ


     君を愛していることの喜びと

     君に愛されることの喜びにいつまでも浸っていたかった

     でも僕の君への愛があまりに強過ぎて

     いつか僕は君を本当に傷つけてしまう


     この休暇が終わったら
     僕は君と会う前のように仕事に戻ろう

     そして君に沈んでしまう自分を救いたい


     ジニョン・・・何故だかここは君のように温かいよ

     君をイメージしただけなのに・・・

     まるで本当に君がいるようだ・・・


     ジニョン・・・ジニョン・・・ジニョン・・・ジニョン・・・

     こうして・・・何回君の名前を呼べば・・・

     僕は気が済むだろうか・・・

     何回呼べば・・・

     僕の心が満足して・・・落ち着けるだろうか・・・

     わかってる・・・そんなこと・・・

     有得ないことだね・・・



     ジニョン・・・

     君は何も告げず僕が逃げて行ってしまったこと・・・

     怒っているだろ?

     どうか・・・僕が・・・
     君にとってそれだけの男だったとあきらめて欲しい

     今は少し辛いかもしれないが

     君の心はテジュンssiが必ず救ってくれる

     君の幸せはテジュンssiの元にある

     君もそれにきっと気が付くだろう


     ジニョン?

     今君は僕の裏切りの理由を探しているだろ?

     理由のわからない裏切りほど

     ひどい裏切りは無い・・・そうだろ?


     ジニョン・・・


     だから 僕を・・・心底・・・



        ・・・憎めるでしょ?・・・

















































     


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kurumi☆
これくらいが限界です(笑)自分で読んでいても、結構苦しくなって、涙することもありましたから、ほどほどにしたつもりです^^ 2008/09/07 21:07
kurumi☆
私は面白さに欠けると思っていますので、必然的にこれでもか!というくらい落としてしまいます^^でもこれでも結構気弱なので、愛群のように、あっちからもこっちからも主人公を打ちのめすことはできません^^; 2008/09/07 21:05
kurumi☆
こういう展開のストーリーを書く上では、楽しい部分よりもどうしても苦しい部分が中盤を締めてしまいますので、読み手としては「じれったい!」(笑)となるわけなのですが、かといってその中盤をはしょってしまうと 2008/09/07 21:03
mf1117
うん・・ここの背景の何処かでドンヒョクが泣いている・・・ ↓ 同感Ⅳです。 2008/09/05 21:38
utahime27
↓(またか・・・)同感・・・朝から泣いています・・・理由の分からない裏切り、するほうもされる方も心がズタズタですね。今日は一日心も曇りかな・・・ 2008/09/05 09:02
Lusieta
tomさん、このバックの明るさが、ものすごく切ないです。 2008/09/05 06:23
Lusieta
昨日過去旅に行かなかった私を誉めてね(笑) ここが一番苦しい(T_T) ふたりの悲しみがリアル。最後の「憎めるでしょ」に胸が締め付けられたこと、思い出します。 2008/09/05 06:21
4ジュナ
うえ~ん(T_T)私の一番の号泣ポイントデス…この回のジニョンもドンヒョクも一番辛い…でもこのお話が大好きなの。ドンヒョクが別荘でジニョンを想う…泣けて泣けて…(T_T)ドンヒョクssi~ 2008/09/05 00:56
 
 

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