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IZM CLUB 
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D&Jの物語Ⅱ
創作ドンヒョクとジニョンの物語Ⅱ2005.6.25~9.15まで連載
No 13 HIT数 8246
日付 2010/02/09 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 物語Ⅱ 13.策略
本文


 

 




            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi





 

ドンヒョクはヤン・ユソクの出方をしばらく無言で待った

「娘が話したそうだね・・・自分がここへ来た理由を・・
 そして私がここへやって来るその理由も」


「・・・・・・・」


「本当は君をアメリカに連れ出した後、打ち明ける予定だった
 あの子らしくもなく・・・どうも焦ってしまったようだな・・・
 待っていれば、必ず君は私達のところへ来てくれたものを・・・
 しかし・・・話はわかってもらえたかな?」 ヤンはそう言いながら、
用意したワインの栓を抜いて、二つのグラスにその口を近づけた

「話・・・」 
ドンヒョクはひと言呟いただけで、皮肉混じりに口角を片方だけ上げた

「ところで・・ミセス・シンとの結婚は・・・
 いつ解消するのかね」 ヤンは彼のその様子を視線の先に入れながら
ワインをグラスに注ぎ入れ淡々と続けた

ドンヒョクは更に“ばからしい”とでも言いたげに溜息をついた

「・・・私は焦ってはいないが・・」
「話にならない。」 ヤンの話を黙って聞いていたドンヒョクがやっと
口を開いた

「話にならないかどうかはこれからわかる」

「なるほど・・アナベルの言うことは事実というわけですね
 あなたほどの人格者がまさかとは思っていたが・・・
 ならば、はっきり申し上げます
 私は妻との離婚をただの一度も考えたことがない。
 それはこれから先も変わらない。それだけを伝えに来ました」


「そうか、それでは交渉決裂というわけだね・・・わかった。」
予想外にヤンはあっさりとそう答えた
「当然、娘にもあきらめさせるしかないね・・・
 しかし哀れだ・・・この5年間、彼女は一生懸命だったよ
 君のためだけに生きていたと言っても過言じゃない・・・
 我が娘ながら、褒めてあげたい

 だから私は・・・そんな娘のために・・・
 君に少し、報復をしなければならない・・・いいかな?」 
ヤンは笑みを浮かべていたが、その声は至って冷淡だった

「・・・」 

「まず手始めに・・・今回の仕事は君の方から下りたということで
 一方的なキャンセルとなる。そうだね、君の負債は・・どれくらいだろう・・・
 想像つかないね・・・・」 ヤンは軽く笑ってドンヒョクを見上げた
「覚悟の上です。」

「次ぎに・・・君の配下達ひとり残らず、仕事を取り上げる。 
 と言ってもそれは生易しいものではない  
 今後この世界での仕事が何ひとつできないように。
 危ない橋を渡った人間はもちろん・・・警察へ・・・
 引き渡す準備も既に完了だ

 それから・・・このソウルホテル。
 たとえ、君が半分以上の株を保有していたとしても・・・
 潰す方法はいくらでも有る・・・それは君の方が知ってるね・・」


「・・・・!」

「それから、君の大事な奥様には・・」

「いい加減にしてください。脅迫なさるんですか?」


「君らしくもないな、この程度のことが脅迫かね・・
 私達の世界では日常茶飯事であること位、
 君に理解できないはず無いと思うが?

 でも、安心しなさい・・・・・そんなことするまでもないだろう?
 君は必ず私の言うことを聞くはずだから」


「私のことが良くわかってる・・・・そういうことですか?」


「君はこの上なく向上心の高い男だ
 私は今、自分の持つものひとつ残らず君に委ねようとしている
 それをいらない、という男がどこにいると思う?

 君が仕事を始めた頃から目をつけていた
 私は早くリタイヤしたかったんでね
 君に後を継がせる計画を早くから考えていた

 そのために娘を君の好む女に育てたつもりだよ・・・
 つまらない女を貰ってくれと言ってる訳じゃない
 これでも、君が好きなんでね
 君にも幸せになって欲しい・・・・」


「そんな結婚でアナベルが幸せに?」


「あの子は幸せだよ・・・何より、君を愛してる」


「私は愛してない。・・・・それでも?」


「君はあの子を愛するよ・・・
 だから、言ったろ?君に愛してもらうために育てたと」


「狂ってる。」 ドンヒョクは冷たく言った。

「はは・・確かに、常軌を逸している」

「おわかりなんですね」


「ああ、わかっている。君もわかっただろ?」


「あなたのおっしゃる通り、あなたの持つもの全てを頂けるなら
 今、私が持っているもの全てを投げ捨てても、余るものが有りそうだ
 ・・・・それで・・・いつ、アメリカへ?」


「六日後・・・・それまでに・・・・」


「ジニョンとの結婚解消は直ぐには出来ません
 第一に、彼女が納得しない・・・少し時間を下さい
 彼女は頑固な性格です。しかし・・・
 僕がアメリカから帰らなければ・・・裏切られたと知れば・・
 あきらめもするでしょう。その後弁護士を通して・・・」


「そう・・・わかった・・・そうだね
 しかし、アナベルをあまり待たせないで欲しい
 あの子は長い時間、君を待っていたんだ」


「わかりました・・・・では、今日はこれで失礼します」


ドンヒョクが立ち去ろうとした時、ヤンが声をかけた

「フランク・・」

「・・・・・」 ドンヒョクは彼に振り向かないまま、立ち止まった

      
「娘は・・アナベルはどうだった?」


「・・・・とても聡明で・・美しい女、に育てていただきました
 ありがとうございます」 顔だけ振り向いたドンヒョクの目が
眼光鋭くヤンを睨んだ


「・・・・・・・」


   フランク・・・・

   どんなにあがいても無駄だよ

   君は聡明な男だ
   わかっているんだろ?
   例え君でも、今回は勝ち目が無いことを・・

 

 


「レオ・・・今周りに人がいるか」

「いや、いない・・・どうしたボス、この電話にかけて来るなんて」

ドンヒョクが使った電話は、レオとの専用電話で、危険を伴った仕事の時
他の人間に知られないように注意を払って使っているものだった


「わかってると思うが、その電話が鳴ったら、人のいないところに行け
 特に、DAコーポレーションから派遣されてるやつら・・・」


「やっぱり、今回の仕事、何か有るのか」


「まず聞け・・・これから、お前の自宅のPCにデータを送る
 まずその内容を把握しろ・・・それから、大至急
 やってもらいたいことがある・・・全て水面下でやれ
 誰にも漏らすな・・・僕とお前が知っていればいい」


「わかった・・・これから直ぐに帰る」


「ああ・・・・頼む、レオ、お前だけが頼りだ
 これには僕の周りの人間全ての命運が掛かってる」


「・・・・・・・・」


「じゃ、切るぞ」


「ああ、ボス任せとけ」

 


   ジニョン・・・・

   僕だけのことなら・・・僕が財産を奪われるだけのことなら

   僕はいくらでも這い上がってみせる・・・・君さえいれば・・・

   でも今回は僕だけのことでは済まない

   だから、ジニョン

   少しの間・・・許して・・・

   でも、出来れば君の耳に入らないうちに全てを片付けたい・・・

 


「テジュンssi・・・頼みがある」

「何だ」

「アナベルとジニョンのシフトを重ならないようにしてほしい」

「何?」

「頼む・・・・・・・実は・・・・」


ドンヒョクはテジュンにことの次第を全て打ち明けた


「・・・・・・・・何てことだ・・・・」

「それで、出来ればヤン・ユソク氏の担当・・代えられないか」

「それは、ジニョンが納得しない・・・一度引き受けた仕事を
 途中で・・・なんて、理由を問い詰められる・・・
 しかし、少なくするようやってみる・・・アナベルのこともわかった
 それで六日後なんだな・・・アメリカ行きは・・・」

「ああ・・・一週間以上掛かると思う・・・ジニョンを頼みます」

「わかった・・・ドンヒョク・・・知らなかったとはいえ・・・
 申し訳無かった・・アナベルをお前に・・」

「いや、あなたに想像つくわけないよ・・・
 僕なんて彼女のこと記憶にもなかった」

「また、お前にソウルホテルの命運を委ねるんだな」

「いや、今回はソウルホテルだけじゃないんでね・・・
 簡単にいくとは思ってない・・・
 以前、あなたに負けるとわかってるゲームをしないのは
 怖いからか、と聞かれたことがあった・・・」

「あの頃はまだお前に敵意があったから、あんな皮肉を」

「いや、本当なんだ・・・怖いから、してこなかった・・・
 今回も本当は怖い・・・しかし、今回はやるしかない
 勝ち目が・・・今は無いが・・・」

「随分、お前らしくない・・・でも、お前なら」

「僕なら?やれる?」

「ああ、必ず」

「ありがとう・・・・あなたにそう言ってもらえるだけで
 出来そうな気がするのは・・・・なぜだろう・・」

「それは俺が・・・・前世でお前の兄貴だったからだろ?」

「・・・・・・・そうだったね・・・」

ドンヒョクはテジュンから顔を背けた
込み上げて来るものを彼に見られたくなかった

「じゃ、これで・・」 そう言って、ドンヒョクは部屋を出ていった


   ドンヒョク・・・・

   本当だ・・・お前なら必ず・・・・

 

 

「ドンヒョクssi! どういうことなの?」

「何が?」

ジニョンは、帰宅して、着替えに衣装部屋に向かう彼の後を
付いてまわりながら、悪態をついていた

ドンヒョクはジニョンの顔を見ることなく、上着を脱ぎ、ネクタイを外し
順番にジニョンに渡していく
ジニョンは文句を言いながら、それを片付けていった

「あんまりじゃない・・・
 勝手に私のシフト変えて・・・テジュンssi、白状したわよ
 アメリカに行くまで一緒にいる時間作りたいって
 あなたに頼まれたって・・
 あなた子供じゃないんだから
 そんなこと、頼んで恥ずかしくないの?
 仕事に人一倍厳しいあなたのすることじゃないと思うけど?
 あなたみたいにいつもいつも自分の思い通りになると思ってる人
 そういないわよ・・普通の旦那様はね・・・」

「他の男と比べるな」

「何処の世界に・・・妻の職場の社長脅して
 妻の休暇取る人なんているのよ」

「脅してなんか無い。言っておくけど、これはテジュンssiの好意だ」

「そうかしら・・テジュンssi、お前達の戯言に俺を巻き込むなって、
 ドンヒョクにそう言っておけ!って言ってたわよ・・・
 そもそもあなたは・・・・」

「あーうるさい!」
ドンヒョクは部屋着に替え終わると、やっと、ジニョンの方を向いた

「何よ!今日は私間違ったこと言ってませんからね!」
今度はジニョンの方が彼に追い詰められていった

「君は僕と一緒にいる時間が少ない方がいいわけ?
 しばらく留守するんだから1分でも1秒でも長く一緒にいようとは思わない?
 僕はそんなに大変なこと望んでるの!」

「し、しばらくって・・・たった・・1週間ぐらい・・・・」
ドンヒョクはジニョンをベッド脇まで追い詰めると、ジニョンの肩を押した
「たった?」
ジニョンがその拍子に、ベッドに倒れこみ、身体がスプリングで弾んだ

ドンヒョクはその上に覆い被さると、有無を言わせずジニョンのブラウスの
胸元を乱暴に左右に開いた・・・ボタンが飛び散り、下着が露わになった

「なにするの!ドンヒョクssi!」
彼はそれには答えず、淡々とジニョンの服を剥ぎ取っていった
そして、彼女の剥き出しになった白い胸に顔を埋めた
ドンヒョクは無言でジニョンの身体に唇を這わせた

ジニョンは初めは抵抗したものの、次第にドンヒョクの唇に
身体が熱くなっていくのを自分の胸に感じた


    あなたの唇が・・・・

    私の・・・・・・

    その執拗で・・強引な・・それでいて・・優しい愛撫に

    私は次第に狂おしいほどに熱くなる・・・・

       自分が自分で無くなっていく・・・・

    このまま・・・・
  
       このまま・・・・で・・・いたい・・・・

    でも・・・私は更にこの世の一番の喜びへとのぼりつめる

    そして・・・あなたを私の身体が熱く受け入れる・・・

    あなたに愛されるたび・・・そうよ

    私はいつも自分を失ってしまう

    あなたとひとつになるたび

    私はまたこのまま・・・この夢の中にいたい・・・そう思う

       ああ・・・ドン・・・ヒョク・・・・駄目よ・・・
       いいえ・・・離れないで・・・このまま離れないで・・


    そして・・・・私の耳元で囁いたあなたのひとことが
    私を突然現実に引き戻した


       たまには・・・乱暴なのもいいでしょ?

       !・・・バカ!


    私はあなたの背中を軽く叩いた
    あなたは私の顔を自分の胸に押し付けて強く抱きしめた   

    そして・・・そのまま何も言わなかった


       いったい・・・何があったの?

       そうやってごまかす時は何かがある

       私にだってそれくらい・・・


           ・・・わかるのよ・・・







 


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hiro305
ホントに初めて読んだときは、はらはらドキドキ・・ドンヒョクががんじがらめになってしまう~ともう心配で心配で・・。結末を知っていても2人が可哀相!(涙) 2010/02/12 00:50
sumirehime
そうよ、結末を知っててもとても切なくなります。後ろから読みましたから。 2010/02/09 14:56
mari181818
初めて読んだとき、このあたりから気が気じゃなくなったの思い出しました。仕事が手に着かなくて…おかげで仕事のストレス忘れたわ^m^  それにしても何回読んでもどきどきです。 2010/02/09 14:24
 
 

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