あなたの心がいつも欲しいのは・・・私の方よ・・・
ジニョンはドンヒョクの頭を抱きしめながら、切ない思いの丈を
彼にぶつけた
ドンヒョクはジニョンの背中に回した自分の腕に力を込めて、
彼女を逃がすまいと離さなかった
不意にジニョンがドンヒョクから体を少しだけ離して、彼の頬を両手で挟んだ
彼女はしばらく彼の視線を自分の視線と合わせていた
そしてゆっくりと、彼のくちびるに自分のくちびるを近づけ触れ合わせた
彼女のその行為に触発されたように、彼が突然激しく彼女を抱きしめ、
彼女から合わされたそのくちびるを、奪いでもするかのように貪った
こんなにも・・・
こんなにも・・・愛してる・・・
僕の君への想いに陰りなどない
君に愛されたままいられるなら
君が抱きしめたままでいてくれるなら・・・
僕は他に何も要らない・・・
それは君と出逢ったときから
ずっと・・ずっと変わりはしない
このまま君を抱いて眠れるなら・・・
僕は神に・・・この魂さえ売り渡してもいい
ジニョン・・・
昨日から、ずっと考えてた
君が僕に聞きたいこと
僕の口から・・・知りたいこと・・・
何だろうかと
僕がアナベルに対して持った感情・・・
可愛いと思った・・・感情
それは、僕に対するあの子の想いが
昔の僕に重なって辛かった・・・そう言ったね
それは本当なんだ・・・
あの子への想いは男が女に抱く愛ではない・・・
誓って違う
ねぇ・・・こんなこと言ったら・・・
本当に言い訳になるだろうか・・・
でも、事実なんだ
僕はいつのまにか・・・
あの子に君の面影を見ていた
僕の知らない君を見ていた
もし・・・君と出逢う前に今のあの子に出会っていたら
僕はあの子を愛したかもしれない・・・
そして、その後にきっと君と出逢って・・・
僕は君とまちがいを犯した
君と僕は紛れも無い半身同士・・・
どんな状況でも・・・どんな世でも・・・
必ず出逢う・・・運命・・・そう思ってる
僕は君と出逢って・・多くのものを得た
人を思いやる心・・・
人を慈しむ・・・人間らしい心だ
しかし・・・それと引き換えに
ひとつのものを失った
それは・・・どんな状況でも生きていける強靭な心・・・
君さえいればそれもまだ残ってる
でも、君がいなかったら
僕は生きることさえできない
君がいなかったら
僕は、食べることも・・・
動くことも・・・
寝ることさえ・・・
きっと何もしなくなる
そして、そのまま屍になる
君がいないと・・・
脅してるの?そんな真面目な顔して・・・言うこと?
ふっ・・・脅し?・・・そうかも・・・
僕は君に甘えてるね
君の愛に甘えてる・・・
でも、信じて・・・
僕は君と出逢った今・・・
君以外の女を愛することは決してない
アナベルの想いに胸を締め付けられた・・・
それだけでも君への裏切りだとしたら
そのことで君が深く傷ついたとしたら・・・
僕はどうやって償えばいい?
君を失いたくない
そのためなら・・・僕は何でもする
ジニョン・・・お願い・・・君の心を
僕の隣に戻して・・・
私は・・・
あなたを信じてる・・・それは本心よ
あなたがアナベルに抱いた感情も理解できる
あなたがあの子を抱きしめた
そのことも・・・理解できる・・・頭ではね
ただね・・・あなたを愛する心が・・・
心が泣いたの・・・
あなたの手は・・・指は・・・私だけを抱いて欲しい
あなたの目は・・・私だけを見つめて欲しい
あなたの口は・・・私だけを愛してるといって欲しい
知らなかった?
あなたより、私の方が独占欲強いのよ
僕は君だけのものだ・・・
分かってるわ・・・
あなたは私だけのもの・・・
それは分かってる・・・
分かってたけど・・・私があの子に抱いた感情・・否定できない
あなたがあの子の心が壊れないように心を尽くしてる
それなのに・・・
私は妹であるあの子に一瞬でも憎しみを抱いた・・・
私はあなたに・・・それを知られたくなかった
私の醜い感情を・・・あなたに見られたくなかった
だから、あなたの前で懸命に取り繕っていた
でも・・・本当は見て欲しかったのかも・・・
知って欲しかったのかも・・・
あなたは・・・
そんな私の心の闇を見つけたのね・・・きっと
これからは、ふたりで、あの子の心を見守ろう・・・
君とふたりで・・・あの子もきっと分かってくれる
ええ・・・
あなたは誰にも渡せないわ
例え、あの子が強く望んだとしても
私はあなたを・・・渡せない
あの子にも、分かってもらうわ・・・
私だって・・・あなたがいないと
生きていけない・・・
ジニョン・・・それは嘘だ・・・
オモ・・・何で?
君は僕がいなくても十分逞しく生きていける
ちゃんと仕事もできてた
反対に僕は仕事なんてできなかった
眠れない僕の横で、君はしっかり寝てた
食べることもちゃんとしたでしょ?
僕はご飯も喉に通らなかったよ
あら、失礼ね
でも、食べなかったら、人は生きていけないのよ
あ、そうか・・じゃあ、私はしっかり生きようとしてるってことね
あなたは、本当に・・・食べず・動かず・寝ない・・・
本当にやりそうで怖いわ
私がそばにいて見張ってないと・・・
ちゃんと生きていけるように・・・
ふたりで・・・生きていけるように・・・
ああ・・・そうして・・・本当に・・・そうして・・・
その夜、僕らは我を忘れて抱き合った
こうして、何もかも忘れて、二人だけで生きていけたら
どんなに僕は幸せだろう
僕は君だけがいればそれでいい
君だけが僕に存在してくれれば・・・それでいい
乱れた息の僕の上で君が僕の唇をまた啄ばむ
キスの合間に君は僕に言葉を求めた・・・
愛してると言って・・・
愛してる・・・
好きだと言って・・・
好きだ・・・
どんな私も・・・
嫉妬深くて
意地悪な・・・私も・・・全部
好きだと言って・・・
嫉妬深くてもいい
どんな意地悪も受けるよ・・・
どんな君も好きだ・・・
僕は君を強く抱きしめて、濡れた身体を君の上に翻した
君のすべてを・・・愛してる・・・
そうだよ今にも・・・
・・・息が止まるほどに・・・