collage & music by tomtommama
story by kurumi
ドンヒョクはあの日、ジニョンの病気に動転してしまった自分が、
『子供なんていらない』 そう言ってしまったことへの自戒の念に襲われていた
ドンヒョクの目から、贖罪の涙が溢れ、子供の頬を濡らした
ごめんよ・・・
僕はあまりに身勝手だった
君はママの中で、一生懸命生きていたのに
ママが必死に君を守ろうとしてたのに・・・
僕は本当に情けないパパだったね
僕の声を聞いて、本当に悲しかっただろ?
許してくれるかい?・・・僕の・・・
ジニョンはドンヒョクの悲しい背中を、優しくさすっていた
「ドンヒョクssi・・・大丈夫・・・この子は分かってる・・・ あなたが・・・私のこと心配して、そう言ったこと・・・ この子はきっと分かってる・・・だから・・・ 泣かないで・・・ドンヒョクssi・・・・お願い・・・泣かないで・・・」
涙混じりにそう言いながら、ジニョンはドンヒョクを後ろからそっと抱きしめた
その光景を目の当たりにしたセヨンや看護師たちもこのままずっと、 ドンヒョクに赤ちゃんを抱かせていてあげたいと思った
しかし、まだまだ自力で生きられない未熟児の赤ちゃん・・・ 『もうそろそろ・・・』と看護師が声を掛けた
看護師が赤ちゃんに手を差し伸べたその時、ジニョンがそっと その手を制した
「もう少し・・・ごめんなさい・・・もう少し・・・」
そしてジニョンは拝むように彼女に頼んだ 看護師は柔らかく頷きながら、自分の手を退けた
「ドンヒョクssi・・・名前・・・考えてくれた?・・・ そろそろ、この子を、名前で呼んであげたいわ・・・ ・・・・・・まだ?決まってない?・・・・」
名前はドンヒョクに考えてくれるよう、ジニョンは頼んでいたのだった
「・・・・・・」
「まだなら、いいわ、ゆっくり・・」
「・・・・・・・・サラン・・・」 ドンヒョクが突然ポツリと声にした
「えっ?」
「サラン・・・シン・サラン・・・」
「サラン?・・・」
「君の愛で・・・お父さんやセヨンssiの愛で・・・ 生まれてきた子だから・・・」
「サラン・・・・」
「珍しい名前だけど・・・嫌?」
「いいえ・・・素敵な名前だわ・・・ドンヒョクssi・・・」
「気に入ってくれるかな・・この子」 そう言いながら、ドンヒョクはまた腕の中のサランに頬ずりをした
「ええ、きっと気に入るわ・・・」
「だと、いいな」
「でも、私や両親だけじゃないわ、ドンヒョクssi・・・ みんなの愛で・・・そして、何よりあなたの愛で・・・
この子を私達の元に送ってくれたのは・・・ あなたの・・・私とサランへのあなたの愛だわ・・・」
ジニョンがそう言うと、ドンヒョクは無言で微笑んだ
「サラン・・・あなた、サランっていうのよ・・・ サラン?・・サラン・・・」
ジニョンは、名前を呼びながら、ドンヒョクに抱かれたサランの頬を 軽くつついてみせた
その拍子にサランが表情を崩して、少し変な顔をした・・・
僕はジニョンと顔を見合わせて、思わず笑ってしまったよ
サラン・・・
君の名前を・・・僕達は今日初めて呼んだ・・・
君は今日から、いいや・・ 僕の中では君が生まれたその日から、 ずっと“サラン”だったんだ
僕が心の中で君をそう呼んでいたのが 聞こえていたかい?
サラン・・・
皆んなの愛に包まれて生まれてきた幸せなサラン・・・
僕には君をもっともっと、幸せにする義務がある
それは、神様が僕に与えた、二つ目の仕事・・・
一つ目の仕事は君のママを・・・
そして今度は・・・君に・・・
幸せを贈るのが僕の仕事・・・
僕にとって、とても光栄で、幸せな仕事だ
僕は今日こうして、初めて君を抱きしめた感動を 生涯忘れないよ・・・きっと・・・
サラン・・・
人々に愛を運び・・・人々の中で愛を育み・・・
いつもいつも愛の中で生きる・・・そんな人生を君に・・・
それが、パパとママのささやかな願い・・・
君が大人になって・・・
自分の愛を見つけるまで・・・
パパとママに君のすべてを愛させておくれ・・ サラン?・・・さあ・・
少しだけ急いで大きくおなり
その小さな箱から、僕達の元へ・・・
早く・・早く出ておいで・・・
もっともっとたくさん 君を抱き締めたいと願ってる
ママが君を待っている・・・
そして・・・少し弱虫だけど・・・
君と・・・君のママを
悲しいくらい愛している・・・
パパが・・・・待ってるよ・・・
・・・サラン・・・
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