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IZM CLUB 
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D&Jの物語Ⅱ
創作ドンヒョクとジニョンの物語Ⅱ2005.6.25~9.15まで連載
No 39 HIT数 2643
日付 2010/11/08 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 物語Ⅱ エピローグ1.そして・・・
本文





 そして・・・

サランの退院の日・・・

東海の父がサランに初めて会うために、ジェニーに連れられ、
病院にやってきた
ジニョンが入院中、一度だけ病院には訪れたものの、その後は、
東海でジニョンの無事をひとり祈っていた

その、父の気持ちはジェニーから伝え聞いていて知っていたが、
ジニョンはサランが退院する時、一番先に東海の義父にサランを
抱いてもらいたい、そう思っていた

そこでジェニーに頼んで、退院する日に合わせて連れて
来てもらっていたのだった


「お父さん・・・抱いてやって下さい・・・サランです」

ジニョンはサランを父の腕の中に渡した

「ハー・・・柔らかい・・・いい匂いだ・・・」


「フフ・・・親子で同じ感想ですね・・・」


「・・・・・?」


「ドンヒョクssiも第一声・・・その言葉でした」


「そうかね・・・久しぶりに赤ん坊を抱いたもので・・・」


そう言って父はとても嬉しそうだった


「ジニョン・・・ありがとう・・・こんな可愛い子を・・・
 ドンヒョクの子を・・・抱かせてもらえるなんて・・・
       思ってもいなかった・・・」


「お父さん・・・・」


   初めてですね・・・ジニョン・・・そう呼んで下さったのは・・・


ドンヒョクが退院の手続きを済ませて戻ってきた


「ジニョン・・・手続き済んだよ・・・帰ろう・・・」


「ええ・・・でも、もう少し待って・・・
 今、お父さんにサランを抱いて頂いてるの・・・」


「そんなこと、家に帰ってからでもいいでしょ」


「えっ?でも、お父さん、このまま帰られるって・・・」


「何か用でもあるの?今日は家に泊っていけばいい」


ドンヒョクは父の顔を見ないまま、そう言った


「あ、ああ・・・何も・・・無い」


「じゃあ、行くよ・・・」


そう言って、ドンヒョクは父からサランを受け取った
父はソウルに来ても、あまり泊っていくことが無かった
ジェニーのところでさえ、一泊するのがやっとで、
ましてドンヒョクのところには一度も泊ったことが無い
ドンヒョクへの遠慮だったのだろうが、ジニョンもそれを気にしていた
ドンヒョクが「泊っていけばいい」と言った言葉は、
少しぶっきらぼうだったけれど、父は「ああ」と素直にそれに答えた


   お父さん・・・
   ドンヒョクssiのその言葉を待っていらしたのね・・・


サランを抱いて先を歩くドンヒョクの後を小走りについて行く父の姿に
ジニョンは胸に熱いものが込み上げるのを感じた


「ジェニー・・・行きましょう・・・」


ジニョンがジェニーを振りかえると、彼女は下を向いて泣いていた


   ジェニー・・・そうね、そうよね

   あのふたりの姿を一番望んでいたあなた・・・
   あなたが・・・一番嬉しいわよね・・・

   可愛そうに・・・
   二人の間で、どんなにか気を揉んで、悩んでいたか・・・


「ジェニー・・・」 ジニョンはそっとジェニーを抱いた

ジェニーは堪えていたものを吐き出すように、ジニョンの胸で泣いた

 

   サランの退院の日・・・

   我が家には、沢山の顔が揃った

   東海の父・・・私の両親・・・ジェニー・・・

   テジュンssi・・・スンジョン先輩・・・

   少し後から、ユンヒやホテルのみんなが顔を出した

   みんながそれぞれに、サランの退院を祝ってくれた

   ありがとう・・・あなた方のお陰です

   私やサランがこうしていられるのも・・・


   代わる代わるにサランを抱こうとするみんなに、その都度、


「もういいでしょ?」


   そう言って、サランを取り上げるドンヒョクssi・・・


   あなたが一番困ったものだわ・・・

 


小さなパーティーが終わって、みんながそれぞれに帰っていった

今日は東海の父も、ジニョンの両親もドンヒョクの家に泊っていく

サランは寝室に置かれたベビーベッドの中でとっくに夢の中だった

最後に片付け物を終えたジェニーが自分の部屋に戻っていくと、

リビングに残ったのはドンヒョクとジニョンだけだった


「ジニョン・・・少しテラスで涼まない?」


「ええ・・・」


二人はテラスに出て、静かにワインを傾けた


「ドンヒョクssi・・・」


「何?」


「幸せね・・・私達・・・」


「ああ・・・」


「みんな、喜んでくれていたわね・・・」


「うん・・・」


「今度・・・サランをアメリカにも連れていきましょうね・・・
 アメリカのご両親にも抱いていただきたいわ・・・」


「うん・・・楽しみにしてるって・・・電話あったよ・・・
 サランもだけど、君に会いたいって・・・
 この5ヶ月、毎日・・・君とサランの無事を祈って
 教会に通ってたんだ・・・お父さんとお母さん・・・」


「そうなの?・・・この前、お電話した時、
 そんなことおっしゃってなかった・・・お礼言ってないわ」


「・・・・ヤン氏にも・・・」


「えっ?」


「ヤン氏にも会わせてあげよう・・・」


「ドンヒョクssi・・・」


「そうしたいでしょ?」

ドンヒョクはジニョンの顔を覗き込んで首を傾げてみせた


「・・・・・・ええ・・・」

ジニョンは自分の隠された望みさえ、決して見逃さないドンヒョクに
心の中で感謝した


「君が言ってたでしょ・・・親になったら、親の気持ちが良く分かるって」


「それは、父や母の受け売りよ」


「そうなの?・・・・でも、本当だね・・・よく、分かる・・・
 東海の父は・・・僕らを捨てた
 でも、父が言った、勉強させたかった・・・
 ひもじい思いをさせたくなかった・・・
 あの言葉に嘘はないんだと、思えるようになった
 もちろん・・・僕は親として、あんなことは決してしない
 だから、その行為は許していない・・・
 でも、その時の父の想いに・・・嘘は無かったんだろうと
 ・・・思う・・・」


「・・・・・ドンヒョクssi・・・」


「僕はジェニーより子供で・・そのことを理解するのに時間が掛かった
 ジェニーは子供もいないのに、ああやって、父の心を直ぐに理解した
 ジェニーがさっき、僕に言ったんだ・・・
 オッパ・・・ありがとうって・・・恥ずかしいよ・・・
 精神は、彼女の方がお姉さんだ・・・」


「そうね・・・ホント・・・そうだわ・・・」


「ヤン氏も・・・サランに・・・いや、君に会いたがってるよ・・きっと
 結局、一度も娘として、抱くこと無いまま、帰国してしまった・・・
       どんなにか、待っているだろうね・・・」


「・・・・・・」


「ジニョン・・・」

ドンヒョクは改めてジニョンに向き直った

「何?」


「愛してる・・・」


「そんなこと・・・十分知ってるわ・・・」


「いや・・・知らないよ・・・きっと・・・
 君が想像できないくらいに・・・愛してるから・・・」


「そんなこと・・・想像できます!」


「じゃあ、言ってみて!僕がどれくらい君を愛してるか・・・
 言葉で表現してみてごらん?」


「えっ?言葉で?・・・うーん・・・・」


「ね、言えないでしょ・・・想像はできないんだよ
 僕の心は・・・」


「じゃあ、私の心だって、同じよ・・・あなたをどれくらい
 愛してるかなんて、きっとあなたにも分からないわ・・・」


「分かるよ・・・」


「どうして?じゃあ、言ってみて・・・言葉で表現してみて・・・」


「カルグクスが食べたい」


「えっ?」


「君の頭の中・・・僕を愛してる、と同等に並んでそう・・・」


「ドンヒョクssi!」

 

   君が僕の頭を小さな拳で軽く小突いた

   僕は、その拳を掴んで君を僕の胸に封じこめた

   
   こんな日が・・・

   これからも、ずっと続くね

   ジニョン・・・

   君があの日・・・僕がプロポーズしたあの日・・・


      これからは・・・沢山の人に囲まれて、幸せに暮らしましょう

      あなたにはその権利があるわ・・・


   そう言って、僕の手を握ってくれた

   君が連れてきてくれた・・・この幸せを・・・

   僕は決して離さずに・・・


        ・・・抱きしめていくよ・・・


             ジニョン・・・・


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