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IZM CLUB 
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D&Jの物語Ⅱ
創作ドンヒョクとジニョンの物語Ⅱ2005.6.25~9.15まで連載
No 7 HIT数 9435
日付 2009/07/04 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 物語Ⅱ 7.できる女とドンヒョクの真意
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi






アナベルの評価はホテルでも高かった
ジニョンが教えることのひとつひとつを瞬時に理解する力
そればかりか、ホテリアーとしての細やかな心遣いに至っては
とてもお嬢様育ちの若い娘とは思えなかった

「どうだジニョン・・・アナベルは」 テジュンがジニョンに声を掛けた

「どうって・・・評判聞こえてくるでしょう・・・立派なものよ
 私の方が指導して欲しいくらいだわ」

「そうか・・・」

「教えたことの理解は速い。仕事は完璧。人当たりも申し分無し。
 きっとあの子の悪口言う人いないわよ
 あの子を見てると、自分の未熟さを余計に感じるわ・・
 もっと勉強しないとって、発奮させられる・・はー・・」

ジニョンはアナベルの完璧さを演説し終えて、大きく溜息を吐いた

「それは凄いな・・でもお前、不服そうだな」

「不服?・・あるわけないでしょ?」≪悔しいけど・・・≫

 

 


「アナベル・・・どうだ・・・そろそろ二週間になるが、
 ホテルにも随分慣れたようだね・・・
 みんな、君の能力には舌を巻いてる」

「そんなこと・・・ソ支配人にも、他の皆さんにも良くして頂いています」

「ドンヒョクのところはどうだ?あいつは決して親切とは言えないだろ」

「いいえ、とても勉強になります
 それに、あの方のそばで仕事ができるだけで幸せですから」

「えっ?」 テジュンは思わず聞き返してしまった

「あ、いえ、父の言う通り、とても優秀な方ですから
 お仕事ぶりを拝見するだけでも勉強になります」

「そうだろうね・・・」

 


      

「アナベル・・・この資料ファイルの要約を頼む」
ドンヒョクは次の会議で使用する資料作りをアナベルに任せた

「はい、かしこまりした」

「それから、一週間後、ソウルホテルで幹部会がある
 君も同席しなさい・・・」

「はい、新企画の件ですね」

「ああ、君も何か案があるかい?」

「はい、ボス・・・実は考えている事があります
 それをまとめてみてもよろしいですか」

「いいよ・・・当日までにできる?」

「何とか」

「じゃ、用意して」

「はい・・・ボス・・。それから、あの・・
 今日この後少しお時間ございますか」

「時間?」

「私、今日ホテルの方はお休みなんです・・・
 買い物を・・・父の誕生日に・・
 シャツを贈ろうかと・・でもどこで買っていいかわからなくて・・・」

「あー悪いけど、今夜ジニョンと待ち合わせしてる・・・」

「まあ、そうでしたか・・
 ジニョンssiもご一緒していただけると嬉しいのですが」

「あ、ああ・・構わないよ」

 


「仕方ないでしょ・・・
 お父さんのシャツ選んで欲しいって言うんだよ」

「今日でなくてもいいと思う・・・
 久しぶりのふたりきりのデートなのに・・・」

「君も一緒の方がまだいいと思ったんだよ」

「あなたがはっきり断れないからよ・・・あなた、あの子に少し優しすぎる
 最近なんて、ふたりで摂るランチの時だって
 いつもあの子付いて来るし・・・
 このところふたりだけでデートしてないのよ」

「遠いアメリカから来て、慣れない国でひとりきりなんだ
 君だって面倒見てくれって、テジュンssiに頼まれてるでしょ」

ドンヒョクとジニョンはアナベルと少し離れたところで小声で
こそこそともめていた

「ドンヒョクssi!ジニョンssi!」

アナベルが輝くような笑みを向けて、ふたりのところに駆け寄ってきた

ふたりは慌てて彼女の方に視線を向け、笑みを返した

「どうですか?これ・・・」 
アナベルはそう言って、選んだシャツを広げて見せた

「ああ・・いいんじゃない?・・・」 ドンヒョクは更に笑顔で答えた

「ええ・・いいと思うわ・・・素敵よ」 ジニョンもドンヒョクに同調した
「そうですか?じゃあ、これにしようっと」
アナベルは屈託の無い笑顔をふたりに振り撒き、感謝を示した。

「今日は本当にありがとうございました
 おふたりのお陰で、いいものが見つかりました 
 早速明日、父に送ります」

「とんでもないわ・・・お安いご用よ
 いつでも言って」 ジニョンは彼女に向かって満面に微笑んだ

≪君だって強く言えないじゃない≫ドンヒョクはジニョンを小さく睨んだ

 



それから一週間後
会議の席上で、ジニョンは神妙な面持ちでドンヒョクにファイルを渡した
「理事・・・前回の見直し案です・・ご検討下さい」

この時ばかりは、夫婦という馴れ合いが何ひとつ許されないことを
ジニョンとてわかっていた
とりわけシン・ドンヒョクという男は仕事に厳しい

「わかりました・・・アナベル、君のプランは?用意できたか」
ドンヒョクはジニョンのファイルを受け取るそばから、アナベルに声をかけていた
ジニョンはその瞬間、少しむっとしてしまった自分を心の中で嗜めていた

「はい」

「持ってきて・・・全員にコピーを」

「はい」 アナベルはドンヒョクにまず一部を渡し、テジュンと他の幹部にも
丁寧に一礼しながら、一部ずつ自分のファイルを渡すと、席に戻った
ドンヒョクはそのファイルに真剣に目を通したあと
次ぎにジニョンのファイルをさらりとめくった
そしておもむろにそれを閉じると、ひとこと言った

「今回はこれでいきましょう・・・社長
 これなら、私は資金を全額直ぐにでも用意します」

そう言って、ドンヒョクはアナベルのファイルを自分とテジュンの間に滑らせた
テジュンはドンヒョクの即決に一度は驚いたが、直ぐに納得した

「わかりました」

「アナベル、至急このプランを具体化して・・・
 君が先頭になって進めなさい・・・協力者は社長に
 相談のうえ、選出してもらって」

「はい、ありがとうございます」

ジニョンは呆然としていた・・・ドンヒョクを凝視し、言葉を待った
ドンヒョクがやっとジニョンに視線を向け、ひとこと言った

「この案は保留とします」

「ドン・・・理事!」

「では、これで終わります」

「理事!お話があります」 ジニョンが不服な顔を露にして言った

「いいですよ・・・では社長室で」 ドンヒョクは淡々と答えた

 



「俺は外した方がいいか?」 
テジュンが困惑した様子でふたりの顔を交互に見ながら言った

「いや・・・社長、いてもらって構わない」

「理由を・・・理由を教えてください」 ジニョンは先を急ぐように言った

「何の?」 ドンヒョクは澄ました顔で聞いた
  
「簡単に、アナベルの案を採用なさった理由です」

「簡単に?」 ドンヒョクはその瞬間厳しい顔をジニョンに向けた

「ええ、私の資料を真剣に見てくださった様には見えませんでしたが。」

「それは心外だな。
 僕はどんな提案書にも真剣に目を通しているつもりです
 例え!つまらないとわかっているような案でもね」

「・・・・!」 ジニョンはドンヒョクの言葉に震えるほどの怒りを覚えた

「はっきり申し上げるが、僕は・・・以前から彼女の企画力を買ってる
 だから今回、彼女にも企画を練らせた・・・
 その結果として、君の案よりも彼女の案が優れていた
 だから、彼女の方を採用した・・・それだけです
 君も見ましたね・・彼女の提案書・・
 君はそう思いませんでしたか?」

ドンヒョクの言葉は余りに正論で、ジニョンは言葉を詰まらせた

「わかっていると思うが、少ない資金を投資するわけではない・・・
 多くの利益を生むと想定できる案を選ぶのは当然のことでしょう
 まして、ソウルホテルは今が正念場の時・・
 一分とて遊んでいるわけにはいかないんです・・それでも・・
 自分の案を却下されたことが不服?」

「私のことだけを言ってるんじゃないわ!
 あれはみんなの・・・支配人だけじゃなく、従業員の声も聞いて
 時間を掛けて、みんながどれだけ考えて、調べて
 あなたの指摘を改良するよう努力したか・・・」

「なるほど・・ソウルホテル従業員全員の頭脳の集結作というわけだ
 だとしたら余計に、陳腐な企画書、と言って置きましょう
 ・・・仕事は毎日が真剣勝負・・・
 このソウルホテルに足りないのはその精神です
 仲良しグループのサークル活動とは違うんだ
 社長はそのことを幹部ひとりひとりに認識して欲しくて
 僕をここに投じている・・・僕はそう考えています
 社長・・・違いますか?」

テジュンは黙って頷き、口を開いた

「ジニョン・・アナベルの手助けをして欲しい」

「できないわ・・・」 
ジニョンの顔は青ざめ、ドンヒョクを睨み付けたまま強ばっていた

そして彼女はその後は何も言わず、社長室を出ていった


「どうする?」

「どうするって?」

「ちょっときつく言い過ぎなかったか?
 あいつ・・・・かなり落ち込んでるぞ」

「仕方ありません・・・仕事ですから・・・
 あなたが甘やかす分、僕が仕方なく厳しくせざる得ない
 何とも理不尽です・・愛する妻なのに・・」

「俺のせいなのか?」 テジュンは眉を下げて言った

ドンヒョクは苦笑いを浮かべて、窓から外の景色に視線を向けた
そして口を開いた 「社長・・」

「ん?」

「もうドンヒョクに戻ってもいいですか?」

テジュンはドンヒョクのその言葉の意味を瞬時に理解した
「ああ・・・行ってやれ・・・どうせあいつの行くところは・・・」

「あなたに言われなくても・・・わかってます。」

 


屋上でジニョンは風に当っていた
自分の心の小ささが情けなくて・・・悲しかった

   ドンヒョクssi・・・

   あなたの言うことは・・・いつも・・・正しい

   わかってるの・・・・でも・・・

涙が溢れて止まらなくて、自分の腕で乱暴に何度も拭った


背後に人の気配がして、ジニョンの体に一瞬緊張が走った

   ドンヒョクssi?


「今、見ないで・・・・」

「どうして?」

「恥ずかしいから・・・」

「ここにいる僕は理事じゃないよ
 君の夫のシン・ドンヒョクだ・・・・それでも恥ずかしい?」

ジニョンは大きく首を横に振った
ドンヒョクはジニョンにゆっくりと近づいて、後ろから彼女を抱き締めると、
彼女は今まで堪えていたものを吐き出すように声を出して泣いた

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・
 私・・・心が狭いわ・・・・やっぱりあなたに恥ずかしい・・・・」

「ジニョン、泣かないで・・・」 
彼女を抱きしめた彼の腕が彼女の前で深く交差した
「・・・君を泣かせるのは誰?ここの理事?・・
 許せないな。・・僕が少し懲らしめようか」

「フフ・・・ドンヒョクssi・・・」 ジニョンは泣き笑いの顔になった
「そうね・・じゃあ、懲らしめて・・・」

「わかった・・・袋叩きにしとく。」

ドンヒョクのその言葉にジニョンは涙を流したまま、声を立てて笑った


「ねえ、ドンヒョクssi・・・」

「何?」

「キスしていい?」

「どうしたの?それは僕のいつもの台詞でしょ?」

「今日は私がしたいの・・・あなたの唇に触れたい・・・」

「いいよ・・・・どうする?目を閉じようか?」

「ええ、閉じて・・・」


   僕は君に向かいあって目を閉じた

   君は僕の唇にそっと優しく触れた

   君の涙の味がして少ししょっぱかったよ

   僕はそんな君が愛しくて力いっぱい抱き締めた

   そして、君からのキスを僕からのキスに変えた・・・・

 

「ドンヒョクssi・・・私アナベルの協力するわ」

「そう?」

「私、もっともっとあなたに相応しく成長しないと・・・」

「僕に相応しい?
 僕に相応しいのはソ・ジニョンという人だけなんだけど」

「私は・・ソ・ジニョンかしら・・・」

「ん・・多分・・僕の記憶が正しければ・・・」
「じゃあ、大丈夫ね」
「ああ、大丈夫」

   あなたのいつものその笑顔がまぶしい・・・

   ドンヒョクssi・・・

   あなたって・・・人を育てるのがきっと上手なのね

   あなたといると・・・
   今までただ過ごしていた時間と違う何かを得られる

   あなたは私に、自分を啓発させる強い力をくれる

   そして・・こうしていっぱいの愛をくれる

   ありがとう・・・・ドンヒョクssi・・・

   私・・・直ぐに立ち直るから

   こうしてもう少しあなたの鼓動を聞かせてね・・・


「ジニョン?・・仕事随分サボっちゃったね・・・
 もう直ぐ退勤時間じゃない?」

「そうね・・・社長に怒られそう」

「このまま帰っちゃおうか・・・」

「えっ?あなた、まだテジュンssiと打ち合わせあるんじゃ・・・」

「うん・・・でも・・すっぽかしちゃおう・・・
 これから久しぶりにふたりだけでデートなんてどう?」

「いいの?」

「いいさ」
「ふふ」
ふたりは互いの額と額を付き合わせて、悪戯っ子のように笑った


   あいつ・・・いつ帰って来るんだよ・・・全く・・・


社長室でテジュンはいつまでもドンヒョクを待っていた


       あいつ・・・


          
        ・・・また逃げやがったな・・・


















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ボニボニ
すぐにアナベルをサポートするという素直なジニョンさんが可愛いわ・・なのに・・ぷん・・ 2009/07/10 21:33
eyonyon
仲良しグループのサークル活動とは違うんだ・・ジニョンじゃなくても凹むよね^^ でも、後のホローが「このまま帰っちゃおうか・」・・このギャップが堪らない・・・(*^。^*) 2009/07/08 23:36
eyonyon
そうだジニョンに何処と無く面差しが似てる・・・アナベルにあった時ドンヒョクはそう思ったのよね^^でも、ジニョンは知らない。極めつけの言葉は・・仕事は毎日が真剣勝負・ 2009/07/08 23:32
toko7
テジュンssi!二人を一緒にさせた時点で逃げられるって。。。そう思わないとね^^でも、優しく笑ってるテジュンssiの姿が浮かびます^m^ 2009/07/08 20:06
toko7
私も、「ドンヒョクにもどっていいか」のシーンが大好きです!厳しい理事も好きだけど、情熱的なドンヒョクはもっと好き!。。。。って此処で告ってどうするよ^^ 2009/07/08 20:03
あきちん
理事から夫へ・・・このシーン好きなんだ。もうひとつ「あいつ・・・また逃げやがったな・・・」これも好き。 2009/07/07 16:12
キビ
テジュンさんがアナベルの面倒をみてよ~~~!お願いだから、理事に近づけさせないで~~(T_T)心が苦しくなる・・。 2009/07/06 01:38
やまはな
ジニョン、私も同じよ~!イライラしたもの!でも、ジニョンはちゃんと分かって、広い心で啓発しようとする心構え流石だヮ^^アナベルは嫌いだけど(笑)今回は理事も嫌いになりました(笑)憎たらしい~~ 2009/07/05 21:23
tomtommama
仕事では鬼の理事も夫ドンヒョクになると甘く情熱的で、このギャップがまたたまらないです。ジニョンを深く愛していることになんら変りはないのよ~ジニョン!^^わかっているよね(笑) 2009/07/05 12:13
tomtommama
テジュンssi先日は仲直りのために見張りをしてその挙句にげられ・・・本日もまた 逃げあがったのです(笑)二度あることは三度?今度はいつでしょうねV(^-^)V 2009/07/05 12:11
六角
ドンヒョクssi ナイスフォローです(^_-)  ジニョンからキスのおねだりもナイス!! でもテジュンssi いつもご苦労かけてスイマセン m(._.)m  今日のところはお許しを!! 2009/07/05 00:30
フック
たとえ正論であっても、正論であるがゆえに苦しいです。できる女アナベルの完璧さに、私もジニョンと同じにイライラ!!!私もドンヒョクssiに抱きしめてもらいたいなぁ~~~~ 2009/07/04 23:27
koparu♪
『そして、君からのキスを僕からのキスに変えた・・・・』 ん~♪大好きなんだぁ♪この言葉☆ 2009/07/04 23:12
 
 

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