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IZM CLUB 
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D&Jの物語Ⅱ
創作ドンヒョクとジニョンの物語Ⅱ2005.6.25~9.15まで連載
No 8 HIT数 9294
日付 2009/07/09 ハンドルネーム kurumi☆
タイトル 物語Ⅱ 8.アナベルの恋人
本文
 



            collage & music by tomtommama

 


                                   story by kurumi









この日ドンヒョクはNYの事務所で自分の代行指揮を執っている
レオから電話を受けた

「ボス、こっちでかなり大きな仕事が入った
 成功すれば、俺達の商談始まって依頼の利益に繋がるぞ」

「それは凄いな・・・」 言葉とは裏腹に、この時のドンヒョクの声には
少しの執着も感じられなかった 

「但し、これには条件がある」 
レオが“これならどうだ”と言わんばかりに言った

「条件?」 
そうなのだ、今のドンヒョクには膨大な利益など、最たる魅力は無い
そんなことよりも、自分に仕事を回すに当たって“条件”とするものを
提示された事実の方に興味をそそられた

「ああ、条件はたったひとつ・・
 何としてもフランク・シンが直接引き受けること」

「僕が?直接?・・・いったい、どこの誰だ」

ドンヒョクの言葉に軽い苛立ちと、面白がっている様子が伺えた
≪フランク・シンはこうでなきゃいけない≫レオは心の中で思いながら答えた
「DAコーポレーション。」

DAコーポレーション・・・
今やアメリカのみならず、全世界を股にかけたマーケティングを
得意とする国内屈指の大企業だった

「そんな大きな所から?何でうちに?」

「ヤン・ユソク氏知ってるだろ?」

「ああ、もちろん」≪アナベルの父上でもある≫

「何でもヤン氏がボスをことの他お気に入りのようだ」
そう言いながら、レオは含み笑いを忍ばせて続けた
「お前の力量を前前から買っているらしい
 氏が強くボスを推したということだ・・・知っての通り
 普通なら我々は介入すら難しいところだからな
 彼の推薦が物をいったようだな、今回は・・
 しかし・・・凄い事だぞ、これは・・フランク・・
 ・・話を聞いた時、震えが来たくらいだ・・もちろん、やるだろ?」

「はは、確かにやり甲斐がありそうだな・・」

「じゃあ、進めていいんだな」

「ああ・・特に問題は無いだろう・・・進めてくれ
 下準備が整い次第そっちへ行く・・・どれくらいかかる?」

「ひと月くれ」

「わかった・・・随時報告頼む」

「了解・・ボス。ジュニアの時以来の大仕事だ
 フランク・シンのご帰還だな。」

「フッ・・」
レオの興奮が受話器の向こうからもひしひしと伝わって来ていた
≪フランク・シンとしての仕事・・・≫
今のドンヒョクにとって、 それは本当に重要なことなのか
彼自身にはわからなかった

しかし狩人の本能が、立ち止まることを許さない?
いいや、レオの率直な歓喜を無視することに躊躇いが残るだけだ
ドンヒョクは、受話器を置いたと同時に、椅子の背もたれを押して
長い溜息を吐いた

 


 

「ただいま~」 
ドアの開く音と同時に帰宅したジニョンの声が玄関から届いた
彼女は着替えるよりも先に二つの包みを抱えてリビングに入って来た

先に帰宅していたドンヒョクはソファーに腰掛け、読書中だった

「ただいま・・ドンヒョクssi・・・これ、アナベルが私達にお礼だって」 
ジニョンはただいまのキスをドンヒョクの頬にした

「おかえり・・お礼?・・何の?」 
ドンヒョクは彼女の行為を手馴れたように頬を突き出して受け取ると
流れるように“おかえり”のキスを彼女の頬に返すと、読書に戻った

「このところ、ご馳走になったり
 色々お世話掛けてるからって・・・これあなたに・・・
 私のは・・・・・高そうなスカーフだわ・・・・・」
ジニョンは自分の方の包みを先に解き、次にドンヒョクへの包みも解いた 
「 あなたのには・・」 
そして、包みの中のものを手にとってしみじみと眺めながら言った
「ネクタイ・・・これ・・・あなたの好きなブランドじゃない?」

「ん・・」 ドンヒョクは読書中の視線を少しだけジニョンに向けて頷いた

「良く知ってるわね・・・彼女」

「僕の服を見ればわかるだろ?」

「私、服を見ただけでブランド名なんてわからないもの」

「彼女、お嬢様だから」

「悪かったわね・・・一般市民で」

「ハハ・・・それよりプランの方進んでる?」
ドンヒョクはおもむろに手にしていた本をテーブルに置き立ち上がると、
ジニョンに近づき、彼女の肩をゆっくりと抱き寄せた

「あなたが家で仕事の話持ち出すなんて珍しいわね
 アナベルのことが気になる?」

彼女は背後から優しく回された彼の腕に慣れたように顔を傾けて頬を添えた

「君のことが気になるんだよ」

「フフ・・・もう大丈夫よ、心配しないで・・・
 プランもスケジュールは組み終わったわ・・
 今デザイン会社と打ち合わせ中よ
 アナベルの才能・・本当に凄いわ・・・さすがシン・ドンヒョクが
 見込んだだけあるわね・・・」 ジニョンは本心からそう言った

「彼女ひとりでできることではないよ
 どんなに優れた案でも、それを作り上げるには
 信頼のおけるチームワークが必要・・・・
 僕はそれを君達に教わったんだ」

ジニョンは、そんなドンヒョクの言葉を嬉しそうに聞いていた

「褒められてるの?私達は・・・理事?」

「ああ、褒めてるよ・・
 あの子に・・アナベルに欠けている所はそこなんだ
 彼女にそれを教えてやって欲しい」

「わかったわ」

   あなたは、いつの間にかソウルホテルの人間なのね

   ホテルを向上させようといつも真剣に考えている

   今はよくわかるわ・・・私・・・

 


「ね・・・今日の料理どう?ジェニーの新作なんだけど」

「ジェニーの新作?まだ本物食べてないからな・・・
 これが新作といわれれば・・・・・そうなの?って感じだけど」

ジニョンがテーブルに肘をついたまま、ぷーと頬を膨らませた

「どういう意味・・・それ」

「そのままの意味」

ジニョンはドンヒョクを睨みながら、自分も料理を口に運んだ

「美味しくない。・・・ジェニーのと違うわ・・・可笑しいわね
 どこが違ったのかしら」 ジニョンの顔が一瞬にしてしょげ返った

ドンヒョクはそんなジニョンが可愛くて仕方ないというように見つめ、言った
「美味しいよ」

「うそ。」

「君と一緒に食べれば何だって美味しい」

「それって・・・褒められているように思えない」

「褒めてるわけじゃない」 ドンヒョクは笑ってそう言った

「うーーー」

「吠えるな」 そして彼は目を細めて、彼女の額を指で優しくはじいた。

 

 


「アナベル、父上はいつ頃韓国へ?」

「はい、先日電話で話した時に、少し早くなると言ってました
 何でも、ボスに早くお会いしたいとか・・」

「ああ・・・仕事のことで、僕も早めにお会いしたい
 決まったら教えてくれる?」

「はい、かしこまりました」

「あ、それから・・アナベル・・・昨日はありがとう・・・
 ジニョンも喜んでたよ」

「いいえ・・・ボスは・・・お気に召していただけましたか?」

「ああ・・・好みだよ・・・ありがとう」

「良かった・・・」

「でもプレゼント頂くばかりだと悪いから・・お礼しないといけないね」

「本当に?私の方がお礼のつもりだったんですけど
 ドンヒョクssiにそう言っていただけると・・・おねだりしたくなります」

「いいよ・・・何か欲しいものあるの?」

「欲しいものですか?今はまだいいです。帰国する時に・・・
 高いものですから、覚悟しといてくださいね」

「ハハ・・・いいよ何でも・・・・帰国までに考えといて」

「はい」

ドンヒョクはふと、アナベルに初めて会った時の彼女の印象を思い出した

≪何処と無くジニョンに似ている・・・≫ そう思ったのだった
そして今改めて思っていた
≪笑った時の目元が似てるんだ・・・≫
   

 

 


「ジニョンssi・・・・聞いてもいいですか?」

休憩時間にオフィスでお茶を飲んでいた時、アナベルが問いかけた
その時オフィスはジニョンとアナベルふたりだけだった

「なあに?」

「ドンヒョクssiのどういうところがお好きですか?」

余りに率直な問い掛けに、ジニョンは思わず飲み物を吹き出し掛けた
 
「皆さんが話していました・・・おふたりの馴れ初めを・・・
 凄いロマンスだったって」

ジニョンはアナベルの表情から、彼女の質問が真面目なものだと
わかったので、真剣に答えようと姿勢を正した
「ロマンス・・・ね・・・それはみんなが勝手に言ってるだけよ
 私はただ・・あの人のそばにいたかっただけ・・・
 いて欲しかっただけ・・」

「そばにいて欲しかった?愛する人というのは
 そう願うだけで、そばにいてくれるものですか?」

突然アナベルがジニョンに食いつくようにして言った

「えっ?」

「私だって好きな人にはいつもそばにいて欲しい・・・
 でも願うだけでそばにいてくれるとは思えないわ・・

 好きな人にとって自分がどれほど役に立つのか
 好きな人を自分がどれだけ幸せにできるのか・・・

 いつもいつもその人のことを考えて・・・
 その人に相応しい女になるために毎日自分を高めていく・・・
 そんなこと・・・必要じゃないですか?」

アナベルの目が余りに真剣で、ジニョンは少し戸惑っていた
「アナベル?」

「あ、ごめんなさい・・・変なこといいました?私・・」

「ううん・・そんなことないわ」

「ジニョンssiはドンヒョクssiをどれくらい愛してます?」

「どれくらいって・・・言葉では言い表せるものではないわ」

「そうですよね・・・ごめんなさい
 人を愛するって・・・言葉では簡単に表せませんよね・・・・」

「アナベル・・あなた・・・・好きな人がいるのね・・・
 どんな方か・・・聞いてもいい?」

「ええ、います・・・・・アメリカに・・・・」

「そう・・・」


   ドンヒョクssiではないのね・・・・いやだ、私・・・
   変なこと考えてた・・・


「ジニョンssiのようにそばにいて欲しいと願ってるんですが
 彼はまだ、いてくれそうにありません」

アナベルの遠くを見つめる目が切なかった

   アナベル・・・あなた・・・まだ、幸せではないのね・・・・

   ドンヒョクssi・・・・
   何故か出逢った頃のあなたを見ている気がした

   限りなく寂しそうで・・・愛に飢えている・・・

   あなたを守ってあげたくなった・・・あの時と同じ・・・

 

「アナベル・・・・今度うちに来る?」

「えっ?いいんですか?」

「ええ、今度三人がお休み揃う時にでもどう?」

「はい!ジニョンssi・・・その時、もし宜しかったらですが・・
 私に料理させて頂いてもいいですか?」

「えっ?」

「おふたりのために腕を振るいます・・・駄目?」
アナベルは小首をかしげて問いかけた

「ううん、駄目じゃない、嬉しいわ」

 

   ジニョンssi・・・あなたって、本当にいい人なんですね

   でも・・・私はあなたのそんなところが・・・大嫌いです   

   私の好きな人?・・・・アメリカになんかいません・・・・

   私の愛する人?・・・・

   私も・・・その人にそばにいて欲しい・・・

   ずっとそう願ってました・・・

   なのに神様は・・・

   どうして私の願いは叶えなかったんでしょう

   もっと願えば・・・叶いますか?

   もっともっともっと・・・

   そうしても・・・

   

       ・・・いいですか?・・・

   


 

     










  
 


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eyonyon
だめです・・って言いたいけれど。。恋をしている時は・・・廻りが見えなくなっている様な気がする^^  罪な奴です・・・ドンヒョク~ゥ♡ 2009/07/14 23:36
ヨンkiss
だめですっ・・③!ジニョンはドンヒョクのものだから・・・・手を出しちゃいけません!! "^_^" 2009/07/13 00:07
leoonma
だめですっ・・② 2009/07/12 21:13
ボニボニ
だめですっ・・ 2009/07/12 13:21
やまはな
アナベルは、ドンヒョクを愛し、手に入れるために、自分を捧げ、生きて来たからね・・・でも、嫌い(笑) 目元は似てても、雰囲気は似てても、ドンヒョクが恋におちて愛したジニョンじゃないのよ・・・ 2009/07/11 23:35
イナバッチ
いよいよ行動に出てきましたね〜。どんなにその人の役に立って、その人を幸せにできる自信があっても、お互いが求めないと恋愛はできない事に早く気づくといいけど。 2009/07/11 10:01
koparu♪
『そうしても・・・いいですか?・・・』     ダメーーーーー!!!!! 2009/07/11 09:27
ナタデココ
こわ~ぁ、若さゆえの本性が出てきた・・・・いいですか・・・おやおや実力行使のごり押しかな・・・・人の心は簡単には手に入らないし、自分の思い通りにはならないんだけどぁ~・・・ 2009/07/10 00:45
tomtommama
ぐふふ・・・徐々にアナベルがドンヒョクとジニョンに接近していくぅ~ドキドキ^^ フランク・シンとしての仕事・・・クールなあなたも大好きなのよ (〃^0^〃)/ 2009/07/10 00:30
六角
わぁ~アナベルちゃん 怖いよぉ~ (>y<) ジニョンの弱点 料理で対決??  勝ち目無さそうだし・・ ドンヒョクの仕事面では実力者の父上登場@@ 責めて来ますね!!  2009/07/09 21:47
 
 

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