【 koko の Valentine's Day
】 15話
八重は携帯電話を手のひらで覆いながら なほこに
「 こお子のスケジュールは?
」
「 今日は1日、私達の尻ぬぐいで走り回っていると思います。」
「 そうどすなあ~
」
八重は少し考え込み …
「
志乃さんおまたせいたしました。 ごめんなさい。
突然に若い者を合わせるというのは …
今から、koko
と こお子に連絡をとります。
園田家 ・
加賀美家それぞれがいきさつを話してはいかがでしょう。
私どもは、koko
のマンションで、多分早くても
みなが揃いますのは7時前後と思います。」
「
そうですね。 こちらも今から、すなおに連絡をとります。」
「
どのような運びになるか予測はできませんが、
今日の内に会うと言うことになる可能性も … 」
「
そうですね。」
「
わたくしと、なほこはどうしても明日は京都に帰らなくてはなりません。
お互いの様子がわかりますのは、相当遅い時間帯に
なるでしょうが話せる状況であれば、お互いに状況を
…
こちらからは、わたくしかなほこのどちらかが … 」
「 そうですね。 こちらもわたくしか華子が …
」
「 志乃さん、マンションにつきましたので
いったんお電話をきらせていただきます。
のちほど …
」
八重は少しの間、目を閉じ、なほこから
「 おかあさん。 大丈夫どすか?
」
と声がかけられ我に帰った。
八重は、なほこの顔をながめ、そして、運転手の江藤に
「
江藤! お疲れさま。
江藤。 京都に戻って、こお子を連れてきておくれやす。
連絡はいれておきますさかい。
こちらには、6時過ぎには着くようにお願いします。
それから、江藤には悪いどすけど、
こお子を連れてきてもらいましたあと、仮眠しておいておくれやす。
こちらに、夜中に迎えにきていただくことになると思うの。
ひょっとしたら、朝方と言うことになるかもしれまへん。
明日はどうしても今日の粗相のご挨拶まわりを
しなくてはいけまへんさかいに…
」
そして、八重は江藤に小さな封筒を渡し
「 これで、途中で昼食を
… 気をつけてね。」
おかかえの運転手 江藤は20年以上加賀美家につかえている。
父親も30年と少し運転手としてつかえた。
昨今は、なほこも こお子も私用では運転するが、公用では、江藤に世話になる。
今は、1台となったが、一時期は3台を江藤の父が
配車責任者として、そして運手の教育係として勤め上げた。
「
なほこ、とにかくお部屋にいきましょ~
」
なほこはうなずき、両手に昼食のお弁当や、
園田家へのお土産のつつみを手にエレベーターにのった。
部屋につき、部屋のソファーに腰をおろした八重になほこが
「
おかあはん! 大丈夫どすかあ? お顔いろ。 わるおすえ~」
そう言いながら、カーテンをあけ、暖房をいれた。
「 なほこ、おいしいお茶いれておくれやす。」
「 はい
… 」
なほこは koko が朝つかったマグカップをあらいながらお茶の用意を
…
そして、昼食の包みをソファーの前のテーブルにおき、
お湯がわき、お茶を入れ、八重の前に
…
「 へえ~ おおきに …
」
母の前になほこは席をとり、腰をおろした。
「 はあ~ おいしい~
」
八重が、 テーブルの包みにみつめながら、
「 なほこ。 koko
と こお子に電話を済ませてからお食事にしましょ~。
「 どちらから … 」
「 やはり! 先に、 koko
どすな~。」
二人は同時に掛け時計を見た。
「 お昼ね。 休憩に入ったかしら …?
なほこ koko に 電話しておくれやす。」
「 はい! 」
「 かえってこられますやろか?
」
そういいながら、なほこは koko に携帯から電話を
…
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